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歯科医院経営コラム
公開日:2026.05.21
辻 光明

執筆者:辻 光明

代表税理士・公認会計士・中小企業経営コンサルタント

歯科医院の材料費率の目安と改善策

4分で読めます
歯科医院の材料費率の目安と改善策

歯科医院の材料費率は、単に「高い・低い」だけで判断すると危険です。保険診療中心か、自費補綴・インプラント・矯正が多いか、技工料を材料費に含めているかによって、適正な水準は変わります。まず見るべきなのは、材料費率そのものよりも、診療内容別の粗利益が残っているかです。材料価格の上昇、在庫の過剰、発注単価の見直し不足、自費価格の据え置きが重なると、売上は増えていても利益が残りにくくなります。

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歯科医院の材料費率は何を含めて見るべきか

材料費率とは、一般的には「材料費 ÷ 医業収益」で見ます。ただし、歯科医院では会計処理の分け方によって数字の意味が変わります。歯科材料、薬品、感染対策用品、技工料、インプラント関連部材、矯正材料などをどこまで含めるかで、同じ医院でも材料費率が大きく変わります。

たとえば、保険診療中心の医院と、セラミック・インプラント・矯正などの自費診療が多い医院では、材料費率の見え方が違います。自費診療は単価が高い一方で、技工料や専用部材も高くなるため、材料費率だけを見ると高く見えることがあります。しかし、最終的な粗利益が十分に残っていれば、必ずしも悪い状態とは限りません。

実務上の注意点は、材料費と技工料をまとめて管理している医院では、どちらが増加要因なのか分からなくなることです。材料費率を改善したい場合は、最低でも「院内材料」「技工料」「自費専用材料」「感染対策・消耗品」に分けて見る必要があります。

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区分主な内容見るべきポイント
歯科材料費印象材、レジン、セメント、バー、滅菌関連消耗品など使用量と発注単価が増えていないか
技工料補綴物、義歯、CAD/CAM、セラミックなど診療メニュー別に粗利益が残るか
自費専用材料インプラント部材、矯正材料、審美補綴関連価格設定に原価上昇を反映できているか
感染対策用品グローブ、マスク、紙コップ、滅菌バッグなど固定的に増えていないか
ここがポイント
材料費率を見るときは、会計上の科目名だけで判断せず、診療メニュー別に「何に使った費用か」を分けて確認することが重要です。月次試算表の数字だけでは、改善すべき原因が見えないことがあります。
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材料費率の目安は一律ではなく診療構成で変わる

歯科医院の材料費率は、医院の診療構成によって変わります。保険診療中心であれば、材料費・消耗品費は医業収益に対して一桁後半から十数%程度をひとつの確認ラインとして見ます。一方で、自費補綴、インプラント、矯正の比率が高い医院では、技工料や専用部材を含めると、材料関連費が20%を超えるケースもあります。

ここで重要なのは、医院全体の平均率だけで判断しないことです。自費比率が上がると材料費率も上がることがありますが、同時に粗利益額が増えていれば経営上はプラスです。逆に、保険診療中心で材料費率がじわじわ上がっている場合は、単価改定が難しいため、発注方法や在庫管理の見直しが優先になります。

材料費率の目安は、比較対象を間違えないことが大切です。 他院平均と比べるより、自院の過去12か月の推移、診療メニュー別の粗利益、患者数・診療単価との関係を確認した方が、改善につながりやすくなります。

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診療構成材料費率を見るときの注意点改善の優先順位
保険診療中心材料価格上昇を価格転嫁しにくい在庫・発注単価・使用量の管理
自費補綴が多い技工料と材料費を分けないと判断しにくい自費価格と原価の再計算
インプラントが多い部材単価が高く、症例ごとの粗利差が大きい症例別の原価管理
矯正が多い収入時期と材料費発生時期がずれる期間損益と前受金管理

材料費率が上がる主な原因

材料費率が上がる原因は、材料価格の値上げだけではありません。実際には、発注の分散、在庫の過剰、使い切れない材料の廃棄、診療メニュー別の価格設定不足、技工料の上昇などが重なっていることが多いです。

特に注意したいのは、売上が増えているのに利益が増えていないケースです。患者数や自費売上が増えていても、材料費・技工料・人件費が同時に増えていると、利益率は改善しません。材料費率だけを下げようとすると、診療品質やスタッフの使いやすさに影響するため、削減ではなく管理として考えることが重要です。

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この記事を書いた人

辻 光明

辻 光明

代表税理士・公認会計士・中小企業経営コンサルタント

公認会計士 / 税理士 / 認定経営革新等支援機関

代表クラウド会計導入支援経理DX支援資金繰り支援

税理士法人 辻総合会計の代表。クリニック開業支援・医療法人設立・クラウド会計導入を得意とし、オンラインでの税務顧問サービスを推進。

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