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経理BPO・月次決算ブログ
作成日:2026.05.15
辻 光明

執筆者:辻 光明

代表税理士・公認会計士・経理BPOコンサルタント

経理担当が辞めたら最初にやること|48時間で支払・請求・給与を止めない手順

13分で読めます
経理担当が辞めた直後に支払・請求・給与納付を確認する手順のアイキャッチ画像

結論:最初の48時間は会計入力より期限のあるお金を守る

経理担当が急に辞めたとき、最初にやるべきことは会計ソフトを完璧に入力し直すことではありません。最初の48時間で守る順番は、支払、請求、給与、税金・社会保険料、月次資料です。

経理担当者退職時の個別相談

この記事の内容を、経理引き継ぎと月次停止リスクの整理に落とし込む相談をする

未処理資料、支払予定、会計ソフト、税務期限を確認し、止めないための優先順位を整理します。

経理BPOを相談する

一人経理だった会社では、振込承認者、請求書発行日、給与締日、納付書の保管場所、会計ソフトの入力ルールが担当者の頭の中に残っていることがあります。退職後にこの情報が見えなくなると、取引先への支払遅延、請求漏れ、給与振込の遅れ、源泉所得税や社会保険料の納付漏れが同時に起きます。

ここがポイント
この記事は2026年5月17日時点で確認した国税庁、日本年金機構、厚生労働省の公式情報を参照しつつ、経理担当者の退職直後に会社側が確認する順番を整理したものです。個別の納付期限、労務手続、契約上の支払条件は、顧問税理士・社労士・契約書・所轄機関の案内で確認してください。

税理士法人 辻総合会計グループでは、経理担当者の退職で月次処理が止まりそうな会社向けに、未処理資料の棚卸し、支払・請求の復旧、税理士提出資料の整理、継続的な経理BPO化までを一体で確認します。

要点まとめ

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論点実務上の答え
経理担当が辞めた直後に最初に見るものネットバンキング、請求書控え、給与支給日、源泉所得税・住民税・社会保険料の納付予定、会計ソフトの入力最終月です。
48時間以内にやること支払予定、請求漏れ、給与振込、納付書、口座残高、承認権限を確認します。
7日以内にやること未処理資料を月別に分け、請求・支払・給与・税金・会計入力の担当者を仮決めします。
30日以内にやること一人経理へ戻すか、社内担当と外部BPOを分けるか、月次締めの型を決めます。
外部に任せやすい作業資料回収、仕訳入力、通帳・カード突合、不足資料リスト、月次レポート作成です。

48時間以内に守る優先順位

退職直後は、細かい勘定科目よりも「止まるとすぐ困る業務」を先に見ます。優先順位は次の通りです。

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優先度確認すること放置したときの主なリスク最初に見る資料
1支払予定・振込承認取引先への支払遅延、信用低下ネットバンキング、振込予約、通帳
2請求書発行・入金予定売上回収遅れ、資金繰り悪化請求書控え、契約書、売上台帳
3給与・勤怠・入退社従業員対応、給与振込遅れ勤怠、給与ソフト、社労士連絡履歴
4源泉所得税・住民税・社会保険料納付漏れ、督促、延滞税等納付書、e-Tax、eLTAX、年金事務所通知
5月次試算表・未処理資料融資、資金繰り、経営判断の遅れ会計ソフト、領収書、カード明細

復旧初日は「入力を進める日」ではなく「期限と権限を確認する日」です。支払予定と給与支給日を守りながら、未処理月を後から復旧する順番が現実的です。

退職後48時間以内に集める資料

引き継ぎ資料がない場合でも、証拠資料から業務を復元できます。まずは次の資料を一か所に集めます。

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資料確認するポイント保管場所の例
ネットバンキング承認者、予約振込、過去の振込先、口座残高銀行Web、ワンタイム認証端末
通帳・入出金明細毎月固定の支払、借入返済、カード引落紙通帳、CSV、PDF
請求書控え未発行、発行済み、入金済みの区別請求書ソフト、メール、共有フォルダ
取引先請求書支払期限、振込先、未払い分郵送物、メール、受領フォルダ
給与資料勤怠締日、給与支給日、控除項目、社労士連携勤怠システム、給与ソフト
税務・社会保険資料源泉所得税、住民税、社会保険料、消費税中間納付e-Tax、eLTAX、納付書、通知書
会計資料入力最終月、未処理仕訳、証憑不足会計ソフト、証憑保管システム

担当者の退職後は、パスワードや認証端末の確認も重要です。ただし、個人アカウントの使い回しや不明なログイン情報を放置すると、後任者や外部委託先が業務を引き継げません。会社管理のアカウント、承認権限、二段階認証の所在を早めに整理します。

期限がある税金・社会保険料・給与を確認する

税金、社会保険料、給与は、経理担当者の退職で止めてはいけない領域です。特に源泉所得税と社会保険料は、支払月や対象月に応じた期限確認が必要です。

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項目公式情報で確認する基本退職直後に見る場所
源泉所得税・復興特別所得税原則として、給与などを実際に支払った月の翌月10日までに納付します。納期の特例がある場合は別管理です。e-Tax、納付書、給与ソフト、前回納付控え
社会保険料日本年金機構は、納付対象月の翌月末日を納付期限として案内しています。納入告知書、口座振替履歴、年金事務所通知
給与支払厚生労働省は賃金支払の原則として、毎月払い、一定期日払いなどを示しています。就業規則、給与規程、勤怠締日、給与支給日
住民税特別徴収市区町村ごとの通知と納付書を確認します。eLTAX、市区町村通知、納付書、給与控除一覧
消費税・法人税の中間納付会社の申告状況により有無が変わります。税務署通知、e-Tax、顧問税理士連絡履歴
注意点
納付期限は会社の届出、納期の特例、休日、口座振替、自治体通知などで確認方法が変わります。退職直後の記事や社内メモだけで判断せず、e-Tax、eLTAX、年金事務所通知、顧問税理士・社労士の確認を優先してください。

7日以内に復旧する業務

48時間で期限を守った後は、7日以内に毎月の処理を仮復旧します。完璧な引き継ぎ書を作るより、業務が止まらない最小単位を決めることが重要です。

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業務7日以内の復旧ライン担当者を決める観点
支払管理支払予定表、振込承認者、資金残高を一覧化する承認は役員、一覧作成は社内担当またはBPO
請求管理未発行・発行済み・入金済みを分ける売上判断は社内、発行補助は外部化しやすい
給与勤怠締日、給与支給日、控除情報を確認する労務判断は社労士、データ整理は社内またはBPO
税金・社会保険納付書、納付期限、口座振替の有無を確認する税務は税理士、社会保険は社労士と連携
会計入力入力最終月、未処理資料、不明取引を分ける入力は外部化しやすいが、取引内容の説明は社内

7日以内の目的は「通常運転に戻すこと」ではなく、止めてはいけない業務の仮担当を決めることです。仮担当を決めたら、未処理資料を月別・業務別に分け、外部に渡せる形にします。

引き継ぎ資料がない場合の逆算方法

引き継ぎ資料がなくても、過去の入出金と請求書から業務を復元できます。次の順番で逆算します。

  1. 銀行口座から固定支払を拾う
    家賃、リース、借入返済、カード引落、税金、社会保険料を抜き出します。

  2. 請求書控えから売上の締日を確認する
    請求書番号、発行日、入金予定日、入金済みかどうかを確認します。

  3. 給与支給日から勤怠締日を逆算する
    給与ソフト、勤怠システム、社労士への送付履歴を確認します。

  4. 会計ソフトの入力最終月を確認する
    試算表、仕訳帳、証憑添付状況を見て、どこから未処理かを切り分けます。

  5. 不明取引リストを作る
    摘要だけでは内容が分からない支出、領収書不足、私用混在カード、役員関連取引を一覧化します。

この逆算を先に行うと、後任者やBPO先に何を渡せばよいかが見えます。逆に、資料を集めないまま会計入力だけを進めると、不明仕訳が増え、税理士レビューで止まりやすくなります。

30日以内に決める再発防止策

退職直後の復旧が終わったら、30日以内に同じ問題を繰り返さない仕組みを決めます。ここで一人経理へ戻すだけだと、次の退職・休職で同じリスクが残ります。

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判断項目社内で持つ場合外部化する場合
支払承認役員が承認し、担当者が振込データを作る支払予定表作成まで外部化し、承認は社内に残す
請求書発行営業・現場が売上確定し、経理が発行する発行作業や入金消込を外部化し、売上確定は社内に残す
給与データ勤怠と入退社情報を社内で締める給与計算前のデータ整理を外部化し、労務判断は社労士へつなぐ
会計入力社内で入力し、税理士がレビューする領収書・通帳・カード明細の入力と不足一覧化をBPOへ渡す
月次報告担当者が試算表を作るBPOが月次レポートを作り、経営者と税理士が確認する

30日以内のゴールは、退職した担当者の代わりを探すことだけではなく、属人化しない月次経理の型を作ることです。

経理BPOで月次と資料整理を止めない

外部化する業務と社内に残す判断

経理BPOを使う場合でも、すべてを外へ出すわけではありません。判断が必要な業務と、処理・整理に寄せられる業務を分けます。

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領域外部化しやすい業務社内に残す判断
資料回収領収書、請求書、通帳、カード明細の回収状況管理誰が資料提出責任者かを決める
支払支払予定表、未払一覧、振込データ作成補助支払承認、資金繰り上の優先順位
請求請求書発行補助、入金消込、未入金一覧売上確定、値引き、契約条件の判断
給与勤怠・従業員情報の整理、給与計算資料の準備入退社、手当、労務判断、従業員説明
会計仕訳入力、通帳・カード突合、不足資料リスト取引内容、私用混在、役員関連取引の説明
月次試算表、資金繰り表、重要科目の変動整理数字を見たうえでの経営判断

辻総合会計グループでは、退職直後の緊急復旧だけでなく、社内に残す判断と外部化する処理を分け、月次経理が止まらない体制へ移す支援を行います。

よくある失敗と回避策

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失敗起きること回避策
会計入力から始める支払・給与・納付の期限確認が遅れる先に期限一覧と承認者を確認する
担当者の個人アカウントに依存する銀行、請求書、会計ソフトに入れない会社管理アカウントと権限一覧を作る
未処理資料を全部まとめて渡すBPO先や税理士が何から見ればよいか分からない支払、請求、給与、税金、会計に分ける
給与を後回しにする従業員対応と労務リスクが大きくなる支給日、勤怠締日、社労士連絡履歴を先に確認する
後任者採用だけで解決しようとする次の退職で同じ問題が起きる月次締切、資料提出、レビュー日を標準化する

相談前に準備しておく資料

経理担当者の退職後に相談するとき、資料が完全にそろっている必要はありません。ただし、次の情報があると、復旧の優先順位を早く決められます。

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準備物分かること
直近2か月分の入出金明細固定支払、未払、借入返済、税金・社会保険料の動き
請求書控えと入金予定表売上請求漏れ、未入金、入金消込の状況
給与支給日と勤怠締日給与計算の期限、社労士連携の必要性
納付書・通知書源泉所得税、住民税、社会保険料、中間納付の有無
会計ソフトの入力最終月未処理月と税理士レビューの範囲
退職者の業務メモどの業務が属人化していたか

FAQ

Q: 経理担当が辞めた当日に、会計ソフトを触れる人がいません。何から始めればよいですか?
まずネットバンキング、請求書控え、給与支給日、納付書を確認します。会計入力は重要ですが、初日は期限と承認権限の確認を優先します。
Q: 引き継ぎ資料がまったくない場合でも復旧できますか?
復旧できます。銀行明細、請求書控え、給与資料、納付書、会計ソフトの入力履歴から、支払・請求・給与・税金・会計の順に逆算します。
Q: 源泉所得税や社会保険料の期限が分かりません。どう確認すべきですか?
e-Tax、納付書、給与ソフト、年金事務所の納入告知書、顧問税理士・社労士への連絡履歴を確認します。会社ごとの特例や口座振替の有無も確認してください。
Q: 後任者を採用するまでの間だけ外注できますか?
可能です。ただし、短期外注でも資料提出、承認、質問回答、月次報告日のルールを決める必要があります。
Q: 経理BPOに任せれば、社長は何もしなくてよいですか?
いいえ。支払承認、資金繰り判断、私用混在の説明、契約条件の判断は社内に残ります。BPOは処理と整理を安定させる役割です。

まとめ:退職直後は復旧、30日以内に属人化解消へ進める

経理担当が辞めた直後は、会計入力の完成度よりも、支払、請求、給与、税金・社会保険料の期限を守ることが優先です。最初の48時間で期限と承認権限を確認し、7日以内に仮担当を決め、30日以内に社内業務と外部化する業務を切り分けます。

経理担当者の退職は、単なる人員不足ではなく、経理業務がどれだけ属人化していたかを見直す機会でもあります。復旧対応で終わらせず、月次締切、資料提出、不足確認、税理士レビュー、月次レポートの型を作ることが、次の退職・休職への備えになります。

参照した公式情報

この記事を書いた人

辻 光明

辻 光明

代表税理士・公認会計士・経理BPOコンサルタント

公認会計士 / 税理士 / 認定経営革新等支援機関

経理BPOコンサルタント月次決算支援記帳代行・経理代行クラウド会計運用支援

税理士法人 辻総合会計の代表。公認会計士・税理士として、経理BPO、月次決算、紙資料整理、クラウド会計運用を中小企業向けに支援している。

ご注意事項

本記事の内容は、公開日時点における一般的な情報提供を目的としており、 特定の個人や法人に対する専門的なアドバイスを構成するものではありません。

税務・会計・法務等に関する具体的なご相談については、 必ず資格を持った専門家にご確認ください。 本記事の情報に基づいて行われた判断や行動により生じた損害について、 当事務所は一切の責任を負いかねます。

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