失敗しないクリニックの開業方法とは?資金調達を中心に解説

クリニックを開業したいと思っていても、何から始めればいいのか分からない方も多いのではないでしょうか?開業したい医師にとって、まず問題になるのは「資金調達」です。実際に開業するための土地や建物、軌道に乗るまでの運転資金などお金の悩みはさまざまです。

そのような開業資金で悩んでいる方に、資金調達の方法や開業資金について解説します。

目次

クリニックの開業資金には医療設備のほか集患費用や人件費も含まれる

開業資金には医療設備のほか集患費用や人件費も含まれる

一般的な開業資金の内訳は以下のとおりです。

  • 工事費(内装費含む)
  • 診療設備費
  • 医療機器購入費(あるいはリース料)
  • 什器費用
  • OA機器
  • 敷金・礼金(自己所有物件で開業しない場合)
  • 仲介手数料(自己所有物件で開業しない場合)
  • 保証金
  • 集患費
  • 人件費
  • 医療会諸経費
  • その他費用(事務用品や備品)

新たにクリニックを開業するための物件を購入する、あるいは賃貸物件でクリニックを開業するなど、いずれの場合も場所により費用が異なります。

たとえば、大阪でクリニックを開業する場合と東京とでは、物価が異なるため大阪で開業する方が費用は安く抑えられるでしょう。また、人材を雇用するかどうかによっても開業費は異なります。

クリニックの開業資金は診療科目で異なる

開業資金は診療科目で異なる

開業資金は、診療科目で異なります。当事務所で開業される方が多い5つの診療科目別の開業資金は以下のとおりです。

診療科目  開業資金の目安 設備の一例
内科 設備3,000万円程度 X線撮影装置・超音波診断装置・心電計・内視鏡など
消化器内科 設備4,000万円程度 内視鏡検査機器(上部・下部)・プライバシーに配慮した設備など
耳鼻科 設備3,000万円程度 電動イス・X線撮影機器・聴力検査室 など
整形外科 設備3,000万円程度 X線撮影装置・施術台・リハビリ機器 など
脳神経外科 3,000万円から3億円程度 PACSサーバーと・高精細モニター※上記のほか、CTやMRIを導入すれば設備資金がかかる

※電子カルテ・診察用ベッド含む。上記に土地・建物は3,000万円程度が別途発生する。

たとえば脳神経外科の場合、CTやMRIを導入しなければ6,000万円程度で開業できますが、導入すれば多額の設備費用がかかります。どのような診療科でも、電子カルテや診察用ベッドなど最低限必要なものがあるため、その費用を自己資金で賄おうとすれば、1,000万円程度必要です。

このほか、土地や建物を購入したり自宅を改装したりせずテナントとして開業する場合は、物件を借りるために必要な保証金が発生するため、上記の資金目安以上に費用がかかる可能性があります。

クリニックを開業するには自己資金が必要?

開業するには自己資金は必要?

結論から言えば、自己資金がなくても融資を利用することでクリニックは開業できます。もちろん、1,000万円程度の自己資金があれば、融資金額を抑えられるため開業後の返済負担が軽減できます。

では、自己資金なしでクリニックを開業しようとした場合、どのような資金調達方法があるのでしょうか。具体的には、以下の5つが挙げられます。

資金調達の種類 融資制度(一例) 融資限度額(一例)
日本政策金融公庫 新規開業資金 7,200万円(うち運転資金4,800万円)
独立行政法人福祉医療機構 新築資金・機械購入資金など
  • 建築資金(新築資金)
  • 新設(機械購入資金)

※1品の価格が10万円以上購入価格の80%以内

民間金融機関 都市銀行や地方銀行など 金融機関により異なる
補助金や助成金
  • 補助金により上限額は異なる
  • 創業補助金や医療施設等施設設備費補助金は、地域ごとで要綱が公開されているため要確認
リース会社 医療機器のリースを受けようとしているリース先 リース会社により異なる

※上記は一例のため、詳しくは当事務所までお問い合わせください。

たとえば、補助金を活用すれば融資とは異なるため返済の必要がありません。また、補助金の活用が決まっていれば実際に補助金を受領するまでの間、補助金額分だけの融資が受けやすい可能性もあります。

事業承継・引継ぎ補助金のように、クリニックを新設するのではなく承継する方法もあります。どうしても開業資金が調達できない場合には、事業承継をも視野に入れて開業計画を立ててみるのも良いでしょう。

クリニックの開業に関するお悩みは専門家に相談を

クリニックの開業において資金調達は重要です。自己資金が無くてもクリニックは開業できますが、調達方法により上限額が異なります。

補助金や金融機関からの融資を受けるためには、創業計画書が必要です。将来どのようなクリニックにしたいのか、そのためにどのくらいの資金が必要なのかを明確にする必要があります。あわせて、融資を受けた場合には無理のない返済計画も必要です。

当事務所では、クリニックを開業したい医師に向けて、有益な情報を提供しています。資金調達や創業計画など、ひとりで解決できない場合には、お気軽にご相談ください。経験豊富なスタッフが、成功するクリニックの開業をお手伝いします。

目次
閉じる