クリニックを安定して経営していくために大切な「労務管理」。
「急にスタッフが辞めてしまった」
「スタッフ募集をしても応募がない」
などで悩んでいるクリニック経営者の方はいませんか?
この記事では、クリニック経営者を悩ませるスタッフの退職について、退職する理由や退職を防ぐ方法についてご紹介します。
また、怠慢なスタッフに辞めてもらいたいときの対策についても解説します。ぜひ参考にしてください。
スタッフがすぐ辞める⁈退職理由5選
クリニックスタッフの主な退職理由に次の5つが挙げられます。
- 残業が多い
- 職場の雰囲気が悪い
- 給与が安い
- 休みにくい
- 紙カルテなど設備や医療機器が古い
クリニックだけでなく、さまざまな医療機関でも考えられます。
「どうしてスタッフは辞めていくのか?」と悩んでいる経営者の方は、ぜひ参考にしてください。
残業が多い
残業に関するトラブルは、スタッフが離職を考える大きな原因のひとつです。
- 勤務時間以外の開院・閉院業務
- 研修会への強制参加
- 勤務時間があいまいで残業代が支払われない
上記のような実態がある場合は、トラブルになりかねません。
職場の雰囲気が悪い
働く上で人間関係は重要視される要素です。人間関係が良好に築けず、職場の雰囲気が悪いとスタッフは離職を考えます。
- 院長が一部のスタッフにだけ優しくする
- スタッフ同士で愚痴ばかり言う
- ハラスメントが起こっている
業務に集中することは大切ですが、スタッフにも目を向けていないと、職場の雰囲気は悪化していくでしょう。
給与が安い
給与が安いことは、スタッフが離職する原因になります。
スタッフを教育し、1人で任せられるようになったのに辞めてしまったというような経験はありませんか?経験を積んで、給与が良いクリニックへ就職しようと考えるスタッフは少なくありません。
経営者は人件費を抑えたいという気持ちはあるでしょう。しかし、スタッフが離職してしまったら経営自体も難しくなってしまいます。
「給与を上げてもらいたい」「人件費を抑えたい」という双方の考えのバランスが崩れると、スタッフを離職に導いてしまうでしょう。
休みにくい
休暇が取りにくいことも離職の原因となります。急な病気や怪我、子どもの世話などで勤務当日にお休みをもらいたいということはよくあるでしょう。
スタッフの休暇によってクリニック業務に支障が出ることは避けたいところです。しかし、休暇に柔軟に対応できなければスタッフは働き続けることは難しいと感じてしまいます。
紙カルテなど設備や医療機関が古い
紙カルテなど、古いシステムや医療機器を使っていることもスタッフの離職の原因となります。
とくに紙カルテの使用はスタッフの業務量を増やす要因にもなります。
紙カルテでは、
- カルテの運搬作業の手間
- スタッフが同時にカルテを記載できないために時間がかかる など
不満に思うスタッフは少なくありません。
また、設備や医療機器が古いことはスタッフのモチベーションを下げる原因にもなります。
スタッフを定着させるには?退職を防ぐ方法5つ
ここでは、クリニックスタッフの退職を防ぐ方法について解説します。
- 積極的にコミュニケーションを図る
- 給与を見直す
- 就業規則を守る
- 適正な人員を雇用する
- 電子カルテを導入する
すぐに対応できものもありますので、ぜひ参考にしてください。
積極的にコミュニケーションを図る
人間関係を良好に築くために、コミュニケーションをとることは何よりも重要です。
プライベートの情報を深堀りして聞くということは、逆効果になるので気をつけてください。
まずは「ありがとう」「助かってます」など、感謝の気持ちを積極的に伝えるだけでも良いです。コミュニケーションをとることで、職場の雰囲気の改善にもつながりお互いに働きやすい職場になります。
【効果的なコミュニケーションのポイント】
- 明るく笑顔で接する
- 物腰の柔らかい雰囲気で話す
- 相手の話を聞く
- 相手に興味を持っていることを伝える
- 考えや気持ちに共感する
給与を見直す
給与が適正か見直すことも大切です。スタッフの業務量や能力に合った給与にしましょう。
納得のいく給与をもらえれば、スタッフのモチベーションの低下を少なくできます。
毎月の給与計算がお困りの方は、税理士に依頼することをおすすめします。
給与計算は税務上のルールを踏まえることが必要です。税理士であれば、年末に伴う各種法定調書の作成・提出の代行も依頼できます。給与計画に関することは医療分野に強い「辻総合会計」へご相談ください。
就業規則を明確に定める
クリニックの就業規則は、明確に定めましょう。就業規則は職場のルールを定めるものです。不明瞭であると、残業代のトラブルなどを引き起こしかねません。
トラブルを起こさず、お互いに安心して働くためにもきちんと就業規則を定めておくことは大切です。
適正人数より余裕を持って雇用をする
人員は少し余裕を持って雇用しておくとよいです。
ギリギリの人数であると、休みを取りにくいだけでなく、業務量が多くなり、スタッフが疲弊しかねません。
また、急な退職スタッフがいた場合でも、余裕があると残されたスタッフが混乱せずにすむでしょう。
そのため、できる限り人数に余裕を持って採用しておくとよいです。
クリニックの適正人数
「最大患者数の70%」を目安にクリニックの適正人数と考えていきます。
つまり、100人患者が来院する場合は、70%である70人に対応するためのスタッフ数を計算します。
来院する患者20人に対しスタッフは1人おくことが適正です。
電子カルテなど新しい機器を導入する
新しい医療機器を導入し、業務の効率化を図ることはスタッフの離職防止につながります。
医療機器が古いと業務に手間や時間がかかりやすいです。
例えば、紙カルテであると、棚からカルテを探す作業、記入内容を確認し会計する作業などに手間や時間がかかります。
しかし、電子カルテを導入すると、カルテの検索が簡単にでき、医師の診察から会計までの作業がスムーズにできます。
新しい医療機器を導入し業務を効率化することで、スタッフは働きやすくなるでしょう。
電子カルテの導入はスタッフの離職防止だけでなく、業務の効率化の図れます。
電子カルテの導入を検討している医療機関の担当者の方は「電子カルテ導入でクリニックの業務効率アップ!費用を抑えるポイントも解説」を参考にしてください。
クリニックスタッフに辞めてもらいたいときの方法
問題のあるスタッフを辞めさせるためには、以下の2つの方法があります。
- 退職勧奨
- 解雇
ただし、クリニックに勤めているスタッフを辞めさせることは、ハードルが高いということはご存じでしょうか?問題があるスタッフに解雇を行なっても認められないケースもあります。就業規則に反しているからといって簡単に解雇ができません。
また、簡単に解雇をすると他のスタッフに不安を持たせることもあります。そのため、スタッフを辞めさせたいと考えている場合は、弁護士などの専門家に相談するなどの対応をおすすめします。
まとめ:「働きやすい職場づくり」はクリニック経営に重要
この記事では、クリニックスタッフが退職する原因や対策、辞めさせたいときの方法について紹介しました。
職場の雰囲気の悪さや給与の低さなど、スタッフが退職を考える原因はさまざまあります。スタッフの離職防止は、クリニック経営者の対応次第です。
しかし、クリニック経営者は多忙であるため、労務問題だけに力を注ぐことは難しいでしょう。そのため、税理士に労務サポートを依頼するなどしてみてはいかがでしょうか。
大阪でクリニックの労務サポートなら「税理士法人 辻総合会計」
大阪で医療施設の「人事労務関係手続きサポート」ができる事務所をお探しの方は、「税理士法人 辻総合会計」へ。
以下のようなサポートを承っております。
- 人材募集の代行
- 面接等
- 就業規則や給与規程の作成
- 雇用契約の締結等
- 労働保険(労災・雇用保険)の加入手続き など
他にも安定した経営のために、医療機器の選定サポートなど、さまざまサポートをしています。お気軽にご相談ください。