【2024年】開業医必見!地域包括診療加算の基準と算定要件を詳しく解説

「自分のクリニックでは地域包括診療加算を算定できる?」と疑問に思っていませんか?

2024年の診療報酬改定で点数の改定があった「地域包括診療加算」。改定により点数が上がった加算のひとつです。

地域包括診療加算を算定するためには、いくつかの条件を満たし、届出は必要です。

この記事では、地域包括診療加算を算定するための施設基準や算定要件などを紹介します。

目次

地域包括診療加算の概要

地域包括診療加算とは、日本の医療制度におけるサービスの一つです。

高齢者や慢性疾患を抱える患者さんに対して、包括的な医療を提供するための加算になります。

具体的には、医師が患者の健康状態を定期的に評価し、必要に応じて多職種の連携を図りながら、支援を行います。患者さんは自宅での生活を維持しやすくなり、医療の質が向上するとともに、医療費の効率的な使用が目指されます。

地域包括診療加算の対象疾患

地域包括診療加算の対象疾患は以下のとおりです。

  1. 高血圧症
  2. 糖尿病
  3. 脂質異常症
  4. 慢性腎不全
  5. 慢性腎臓病
  6. 認知症

上記のうち、2つ以上の疾患をもつ患者さんが対象です。

ただし、疾患が「疑い」の場合は対象になりせん。また、慢性腎臓病は慢性維持透析を行っていないものに限ります。

地域包括診療加算1と2の違い

地域包括診療加算は2種類あります。

地域包括診療加算1 28点
地域包括診療加算2 21点

2024年の診療報酬改定により、加算1は25点から28点、加算2は18点から21点へ改定が行われています。

それぞれ施設基準に違いがあります。

地域包括診療加算1と加算2は、それぞれ異なる施設基準が設けられています。

加算1では、往診や訪問診療を行う体制を整えている必要があります。一方、加算2では患者との24時間の電話連絡体制を確保することが求められています。

地域包括診療加算の対象施設

地域包括診療加算の条件を満たすための要件について紹介します。

  • 常勤医師が2人以上
  • 在宅療養支援診療所であること
  • 時間外対応加算の届出がされている

上記のうち1つは条件を満たさなければいけません。

地域包括診療加算を算定する注意点

地域包括診療加算を算定する上での注意点について紹介します。

地方厚生局へ届出を行う

地域包括診療加算を算定する場合には、管轄する地方厚生局に必要な書類を提出します。

届出書は、それぞれの地方厚生局のホームページよりダウンロードできます。

各月の末日までに要件審査を完了し、届出が受理された場合、その届出に関する診療報酬は翌月の1日から計算できます。

また、その月の最初の開庁日に要件審査が終わり、届出が受理された場合には、当該月の1日からその診療報酬を計算できます。

2年ごとに研修を受ける

地域包括診療加算を算定するには、2年ごとに研修を受け、届出を行わなければいけません

地域包括診療加算に関する研修の目的は、地域での医療提供体制を強化し、患者さんにより良いケアを提供するための知識とスキルを向上させることです。

研修は、日本医師会が主催する「日本医師会生涯教育制度」に関わる研修です。

通算20時間以上の研修受講が必要となります。e-ランニングによる受講も可能です。

地域包括診療加算の同意書が必要

地域包括診療科加算の算定には、患者さんの同意が必要です。加算の初回算定時に同意書に署名してもらわなければいけません。

地域包括診療加算の同意書

地域包括診療加算の同意書

参考資料:厚生労働省

地域包括診療加算に関するQ&A

ここでは、地域包括診療加算に関するよくある質問を紹介します。

Q1.地域包括診療加算は月に何回算定できる?

A.算定の回数上限はないです。患者が診療を受けるたびに算定できます。

Q2.地域包括診療加算の算定メリットは?

A.地域包括診療加算は、患者さんに対してより良い医療サービスを提供するための制度です。入院や緊急治療を減らし、患者さんのQOL(生活の質)向上につながります。また、地域全体の医療資源を効率的に活用できるため、医療費の抑制にもなります。

患者さんも複数のクリニックを受診する必要をなくせ、時間や金銭面の負担を減らせれます。

Q3.病院も地域包括診療加算を算定できる?

A.地域包括診療加算の対象は、クリニックや診療所のみです。

病院は地域包括診療加算を算定できません。

まとめ

地域包括診療加算は、複数の慢性疾患をもつ患者さんに対して診療するクリニックを評価する加算です。

病院は対象外で、クリニックや診療所で算定できます。

算定にはいくつかの条件があるため、地域包括診療加算を算定する医療機関は条件を満たせるか確認しましょう。

また、2年ごとの研修を受け、地方厚生局への届出を忘れずにおこなう必要があります。

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