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採用・労務支援コラム
作成日:2026.05.11
安田 駆流

執筆者:安田 駆流

クリニックスタッフが3ヶ月で辞める理由|入職後90日の定着チェック

7分で読めます
クリニックスタッフの入職後90日定着チェックを整理するアイキャッチ画像
無料適性検査 候補者の傾向を面接前に確認

結論:3カ月離職は、採用前の見極めだけでなく「入職後90日」の設計で減らす

クリニックスタッフが入職3カ月以内に辞める理由は、面接で見抜けなかったからだけではありません。多くは、入職前に聞いていた仕事と実際の仕事のズレ、初週の相談しづらさ、教育担当の不在、忙しい時間帯での孤立、30日面談の未実施が重なって起きます。

採用ミスマッチを減らすには、面接質問や適性検査だけでなく、入職後90日までの確認項目を先に決めておくことが重要です。この記事では、採用前の選考論ではなく、入職後の定着フォローに絞って整理します。

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時期起きやすいズレ見るべきサイン
初日相談先が分からない分からないことを抱え込む
1週目覚える範囲が広すぎるメモが追いつかない、質問が減る
30日期待された役割と違う受付・電話・会計・患者対応の負担感が強い
60日教育担当と本人の認識がずれるできているつもりと評価が合わない
90日続ける理由が弱くなるシフト希望、通勤、職場関係の不満が表面化する
ここがポイント
この記事は、看護師・医療事務・受付スタッフを採用した後、入職3カ月以内の早期離職を減らしたい小規模クリニック向けです。採用前の判定ではなく、入職後90日の定着チェックを主題にしています。

3カ月で辞める理由は5つに分けて見る

早期離職の理由を「本人が合わなかった」で終わらせると、次の採用でも同じ失敗が起きます。クリニック側で見直せる項目に分けると、次の5つです。

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理由クリニック側で見直すこと放置した場合
仕事内容の期待値ズレ求人票、面接、初日説明で同じ説明をしているか入職後に「聞いていない」が増える
教育担当が曖昧誰に何を聞くかを初日に決めているか忙しい時間帯に孤立する
繁忙時間の支援不足受付・電話・会計が重なる時間のヘルプを決めているかミスや心理的負担が増える
評価基準が見えない30日・60日で見る行動を説明しているか本人が成長実感を持てない
相談しづらい雰囲気困りごとを聞く面談を予定化しているか不満が退職意思になるまで見えない

この5つは、面接時の印象だけでは見えません。採用後に確認する場を作っておく必要があります。

初日:相談先と禁止事項を短く伝える

初日に伝えることが多すぎると、新人スタッフは何を優先すればよいか分からなくなります。初日は、完璧な業務習得よりも、相談先と守るべきルールを明確にします。

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初日に決めること具体例
主な相談先医療事務はAさん、看護業務はBさん、勤怠は事務長
迷った時の声かけ「確認してから進めます」と言って止めてよい場面
個人情報の扱い患者情報、保険証、電話メモ、書類の置き場所
できなくてよい作業初日は会計締め、レセプト、判断を伴う電話対応を単独でしない
1週目の到達目標受付の流れを説明できる、物品場所を把握する、電話を一次対応できる

初日に「何でも聞いてください」と言うだけでは足りません。誰に、どのタイミングで、何を聞けばよいかまで分けます。

1週目:質問が減った時ほど確認する

入職直後は質問が多いのが自然です。逆に、分かっていないのに質問が減っている場合は注意が必要です。

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1週目の確認項目面談で聞く質問
覚える量今週、一番覚えるのが大変だったことは何ですか
相談先迷った時に誰へ聞けばよいか分かりますか
忙しい時間帯どの時間帯が一番不安でしたか
患者対応対応に困った場面はありましたか
メモ・記録後から見返せるメモは作れていますか

質問が少ないスタッフを「飲み込みが早い」と決めつけないことが大切です。小規模クリニックでは、忙しい先輩に遠慮して聞けないだけの場合があります。

30日:求人票と実際の仕事のズレを確認する

30日面談では、本人の感想だけではなく、求人票・面接説明・実際の仕事が一致していたかを確認します。

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確認するズレ見直す資料
想定より電話対応が多い求人票、面接説明
受付だけでなく会計・レセプト補助がある職務範囲、教育計画
患者対応の心理的負担が大きい面接質問、初日説明
シフト変更や残業の頻度が想定と違う労働条件通知、シフト運用
教育担当に聞ける時間が少ない教育担当表、業務分担

30日でズレを拾えれば、退職意思が固まる前に調整できます。ここで聞かないまま90日を迎えると、本人の中では「もう続けられない」という結論になっていることがあります。

60日:できていることと次に任せることを分ける

60日目は、本人の不安とクリニック側の期待がずれやすい時期です。できていない点だけを指摘するのではなく、できていること、次に任せること、まだ単独で任せないことを分けます。

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区分記録例
できている受付の流れ、保険証確認、患者案内
次に任せる電話一次対応、予約変更、簡単な会計確認
まだ単独で任せない判断が必要なクレーム対応、複雑な会計、レセプト修正
支援する忙しい時間帯は先輩が横につく、質問時間を固定する

評価を曖昧にすると、本人は「できているのか分からない」と感じます。定着には、成長の見える化が必要です。

90日:退職リスクを採用基準へ戻す

90日目は、単に試用期間を終える日ではありません。採用基準、求人票、面接質問、教育計画を見直す日です。

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90日で振り返ること次回採用へ戻す内容
早く慣れた業務求人票に強調してよい職務
つまずいた業務面接で確認すべき経験・行動
相談が多かった場面初日説明や教育手順に追加する項目
本人の不満求人票・面接説明で事前に伝える項目
先輩側の負担教育担当の割当、シフト設計

採用支援ツールや適性検査を使う場合も、90日後の結果を採用基準へ戻すことで精度が上がります。採用時点での点数や印象だけでなく、実際に定着したかを振り返ることが重要です。

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90日定着チェックリスト

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チェック内容
1初日に相談先と禁止事項を伝えた
21週目に困った場面を確認した
330日に求人票と実務のズレを聞いた
460日にできていることと次に任せることを分けた
590日に採用基準へ振り返りを戻した
6忙しい時間帯のヘルプ担当を決めた
7患者対応で困った場面を記録した
8面接時の懸念点を入職後フォローへ引き継いだ
9教育担当だけに負担が偏っていないか確認した
10次回採用の面接質問を更新した

辻総合会計グループで支援できること

辻総合会計グループでは、クリニックの採用支援を、求人票や面接だけでなく、人件費、教育負担、シフト、受付体制、定着コストまで含めて整理します。3カ月離職が続く場合は、採用前の見極めだけでなく、入職後90日のフォロー設計と採用基準の見直しをセットで確認することが必要です。

無料の適性検査や候補者比較ツールを使う場合も、結果を面接質問、採用記録、30日・60日・90日の面談項目へつなげることで、次の採用改善に活かしやすくなります。

公正採用と個人情報の注意点

厚生労働省は、採用選考では応募者に広く門戸を開き、本人の適性・能力に基づいた採用基準とすることを示しています。AIや適性検査を使う場合も、この基本的な考え方は変わりません。

また、個人情報保護委員会は、病歴などの要配慮個人情報について、不当な差別や偏見その他の不利益が生じないよう、取扱いに特に配慮を要する個人情報として説明しています。採用前後の記録を作る場合は、職務に関係する行動と業務上必要な確認に絞り、家庭環境、思想信条、病歴などを採用判断に使わない運用が必要です。

FAQ

Q: 入職3カ月以内に辞めるスタッフは、面接で見抜けますか?
一部は面接で確認できますが、すべてを見抜くことはできません。仕事内容の期待値、教育担当、相談しやすさ、繁忙時の支援は入職後の運用で決まるため、90日フォローが必要です。
Q: 30日面談では何を聞けばよいですか?
求人票や面接で聞いていた仕事と、実際の仕事にズレがないかを聞きます。電話対応、会計、患者対応、シフト、教育担当への相談しやすさを具体的に確認します。
Q: 適性検査は早期離職防止に使えますか?
採否判定ではなく、面接質問と入職後フォロー項目に変換すれば使えます。たとえば慎重さや相談傾向に不安がある場合、初月の確認項目に入れます。
Q: 試用期間評価は誰が行うべきですか?
院長だけでなく、日常的に一緒に働く教育担当や事務長の観察も必要です。ただし評価基準は事前にそろえ、属人的な印象だけで判断しないようにします。
Q: 3カ月離職が続く場合、何から見直すべきですか?
まず求人票、面接説明、初日説明、30日面談の4点を見直します。入職後に「聞いていない」が多い場合は、採用前説明と定着フォローの両方に原因があります。

参考資料

この記事を書いた人

安田 駆流

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ご注意事項

本記事の内容は、公開日時点における一般的な情報提供を目的としており、 特定の個人や法人に対する専門的なアドバイスを構成するものではありません。

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記事の内容は法令の改正等により変更される場合があります。 最新の情報については、関係省庁の公式サイト等でご確認ください。

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