「開業医が節税するには?」といった疑問をお持ちのクリニックの医師もいるでしょう。
所得が上がることにつれ、負担が大きくなる税金。節税をしたいと考える医師も多いでしょう。また、経費をしっかり計上することで、節税につながるものです。
この記事では、確定申告の概要や節税対策について紹介します。
節税に関するご相談も、税理士にお任せください。
現在の経営の情報を踏まえつつ、クリニックそれぞれにあった節税のアドバイスを行います。とくに、開業医の方には医業について知識が豊富な税理士に依頼することをおすすめします。
関西・大阪で医療に強い会計事務所は、ぜひ実績豊富な「税理士法人・辻総合会計」にご相談ください。新規開業や継承開業のサポートも承っております。
確定申告とは?
確定申告は、毎年1月1日から12月31日までの期間に発生した収入から、所得税を計算し、税務署に申告する手続きです。
ここでは、確定申告の基本的事項について紹介します。
開業医の確定申告
個人事業主である開業医は毎年、確定申告が必要です。
クリニックの収入額・支出額を計算から事業所得を計算し、税額を算出しなければいけません。
専門家が適切に行ってくれることで、トラブルやミスを防ぐことができます。
確定申告の期限
確定申告書の提出期間は通常、毎年2月16日から3月15日までの1か月間です。
上記の日付が土曜日、日曜日、国民の祝日、または休日と重なる場合は、翌日(または翌々日)の月曜日が期限日となります。
所得税の納付期間も同様に3月15日までです。
ただし、「還付申告」に関しては特例があります。払いすぎた税金の還付を受けるための申告は、通常の確定申告と異なり、1月1日から可能です。還付申告の場合、3月15日までの締め切りはなく、申告が可能になった日から数えて5年以内であれば、いつでも還付を受けることができます。
確定申告をしない場合
開業医の方は、税理士が確定申告をするため、期限に遅れることはないでしょう。
ここでは、自分で確定申告を行う個人事業主向けに、確定申告を忘れた場合のペナルティについて紹介します。
3月15日までに確定申告書を提出せず、期限後に提出したり、税務署から処分を受けた場合、無申告加算税が課せられます。
無申告加算税は、未提出額が50万円までの場合には15%が課され、50万円を超える分については20%が本来の税額に追加されて支払われます。
ただし、申告期限後に自主的に申告した場合は、加算税率が5%に軽減されます。
なお、延滞税や重加算税などの追加ペナルティも課せられるため、確定申告は期限内に行うべきです。
申告だけでなく、確定された税金も期日までに支払う必要があります。
確定申告に必要な書類
確定申告に必要な書類は以下になります。
- 源泉徴収票
- 給与明細書
- 源泉徴収されない給与や副業の収入の明細書
- 医療費控除、寄附金控除などの申請書類
- 不動産や株式などの資産評価額などの明細書
現在では、電子申告を選択して申請することが一般的です。
開業医が知っておくべき確定申告での節税対策
多くの医師は高額な収入を得ることがあり、納税すべき金額も増加する傾向があります。
節税したいと考えている開業医も多いでしょう。
節税のためには、経費の計上漏れを防ぐなどし、確定申告を行うことが重要です。
支出の漏れを防ぐ
確定申告を行う場合、経費にできる支出を漏れなく計上することが節税では大切です。
開業医が経費として計上できる支出をいくつか紹介します。
- 旅費交通費
- 消耗品費
- 広告宣伝費
- 新聞図書費
- 接待交際費
- 通信費
- 水道光熱費
- 福利厚生費
- その他の管理費
それぞれについて解説します。
旅費交通費
取引先への訪問などで発生した電車賃、飛行機代、タクシー代などは、「旅費交通費」として帳簿に記載されます。また、出張旅費や宿泊料も含まれます。
車を利用する場合、高速道路代や有料道路代、そしてパーキング代などもです。
消耗品費
オフィス備品としてのパソコン消耗品や文房具など、10万円未満のものは全て「消耗品費」に分類されます。
特に、プリンタのインク代やホッチキスの針などの小額のものは見逃しがちですが、項目に含まれます。
また、灯油やガソリンなども消耗品費などもです。
ただし、10万円以上の場合は、減価償却が必要となりますので留意してください。
広告宣伝費
名刺やチラシ、ポスターなど、クリニックを宣伝するための費用は「広告宣伝費」として帳簿に記録されます。
求人募集時の広告費やホームページの開設費用も、広告宣伝費に分類されます。
新聞図書費
クリニックで使用される雑誌や新聞、書籍などを購入した場合は「新聞図書費」として帳簿に記載します。
待合室に置くマンガや絵本であっても、新聞図書費として処理して問題ありません。
接待交際費
忘年会や送別会、歓迎会など懇親会における費用は「接待交際費」として帳簿に計上されます。
来客があった場合の食事や喫茶の費用だけでなく、訪問時の手土産にかかる費用もこの項目に含まれます。
また、慶弔費もです。連携している病院などで招待を受けた冠婚葬祭にかかった費用も、接待交際費に含まれます。
通信費
通信費は、固定電話や携帯電話、インターネット、切手代やはがき代などの郵便にかかるものが含まれます。
電話がプライベートと事業で共有されている場合は、事業の利用に応じて費用を按分しましょう。
水道光熱費
電気料金、ガス料金、水道料金は「水道光熱費」として帳簿に記録されます。
自宅がクリニックを兼ねている場合は、使用の割合に応じて水道光熱費を按分し、事業で利用した部分を計上します。
福利厚生費
クリニックスタッフの福利厚生にかかる経費は「福利厚生費」として記録されます。
労働保険や雇用保険に加えて、祝いごとにおける祝儀や、葬儀における香典など慶弔費も含まれます。
取引先に対する慶弔費の場合は接待交際費、スタッフに関するものは福利厚生費となります。
その他の管理費
税理士や社労士への顧問料、弁護士や司法書士に依頼した際の費用については「管理諸費」や「支払報酬料」として帳簿に記録されます。
公的制度の利用
公的な制度を利用する場合、掛金をクリニックの経費に計上が可能です。
開業医の方が利用している主な公的制度は、以下のとおりです。
- 小規模企業共済
- 経営セーフティ共済
- iDeCo
iDeCoについては以下の記事で詳しく紹介していますので、ぜひお読みください。
償却資産の購入
クリニックで使用する医療機器のような、減価償却の対象となる資産です。
償却資産には、医療機器以外に、パソコンやエアコン、看板、テーブルなども含まれます。
償却資産を購入する際は、クリニックに利益が出たタイミングが節税には望ましいです。
償却資産は、購入費を耐用年数で分割して経費として計上するからです。
クリニックの節税対策を一部紹介しました。他にも、不要資産の処分や所得分散の見直し、医療法人化などがあります。節税について、詳しく知りたい方は税理士に相談してください。専門家の視点で、クリニックの経営について適切なアドバイスをいたします。
クリニックが税理士に依頼するメリット
医師は人々の生命にかかわる重要な責務を担っています。特に開業医は、医療行為に加えてクリニックの経営業務、従業員の労務管理などにも取り組まなければなりません。
そのため、医業以外の業務を減らし、診療に集中できる環境をつくるために税理士に依頼するクリニックは多いです。
税理士に依頼することで、会計業務などの負担が減り、税務申告の漏れを防ぐことができます。
また、経営に関してアドバイスを受けられることもメリットです。
とくに、クリニックなどの医療機関の場合は、医業に詳しい税理士をおすすめします。変化の多い医療業界や法令について精通しているからです。
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辻総合会計は、クリニックや病院などの医療機関と多くの顧問契約の実績が多くあります。
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もちろん、医療だけでなく介護や福祉関係の施設のサポートも致します。