2024年の診療報酬改定で新設された「医療DX推進体制整備加算」。
人材を効率的に活用しつつ、高品質な医療および介護を提供するための加算です。要件を満たしていれば、クリニックを利用する患者さん全員に算定可能になります。
この記事では、2024年診療報酬改定で注目されている医療DX推進体制整備加算について、分かりやすく紹介します。
2024年度医療DX推進体制整備加算とは?
医療DX推進体制整備加算の新設は、「ポスト2025を見据えた地域包括ケアシステムの強化・推進や医療DXを含む医療機能の発展・強化、連携の促進」の中の「医療DXの推進による医療情報の効果的な活用、遠隔医療の推進」のひとつです。
オンライン資格確認を通じて取得した診療情報や薬剤情報を実践的に活用できる仕組みを整備し、さらに電子処方箋や電子カルテ情報共有サービスを導入して、医療DXに迅速かつ効果的に対応する体制を確立していることが評価されます。
医療DX推進体制加算の点数
医療DX推進体制整備加算 | 8点 |
全ての患者に適用される点数で、初診時に月1回に限り算定が可能です。
また、医療DX推進体制整備加算は、医療情報取得加算と併用できます。
参考:令和6年度診療報酬改定の概要【医療DCの推進】|厚生労働省
施設基準
医療DX推進体制整備加算は以下の基準を満たすことで、算定できます。
- オンライン請求を行っている
- オンライン資格確認を行う体制がある
- 医師が、電子資格確認を利用して取得した診療情報を、診療を行う診察室や手術室、処置室等において、閲覧や活用できる
- 電子処方箋を発行できる
- 電子カルテ情報共有サービスを活用できる
- マイナンバーカードの健康保険証利用について、実績を一定程度ある
- 医療 DX 推進の体制に関する事項及び質の高い診療を実施するための十分な情報を取得し、活用して診療を行うことについて、当該保険医療機関の見やすい場所に掲示している
- 上記について、ウェブサイトに掲載
経過措置
- 令和7年3月31日までに、電子処方箋を発行する仕組みを整備している場合、それを有しているものとみなします。
- 令和7年9月30日までに、電子カルテ情報共有サービスを活用できる体制を整えている場合、それを有しているものとみなします。
- マイナンバーカードの健康保険証の利用実績の基準については、令和6年10月1日から適用します。
- 令和7年5月31日までに、オンライン資格確認で得た情報を活用していることをウェブサイトに掲載している場合、それを有しているものとみなします。
クリニックにおけるオンライン資格確認の周知例
上記の施設基準で紹介したように、医療DX推進体制整備加算を算定するためには、医療 DX 推進の体制に関する事項を掲示する必要があります。
以下は厚生労働省が紹介している「オンライン資格確認に関する周知素材」です。
参考:オンライン資格確認に関する周知素材について|厚生労働省
ホームページの掲載イメージは以下のとおりです。
まとめ
2024年の診療報酬改定で新設された診療報酬のひとつである「医療DX推進体制整備加算」。
医療機関がデジタル技術を活用し、効率的かつ効果的な医療提供体制の構築を支援することが目的です。
デジタル化によって、医療の質向上や患者の利便性向上、業務効率化などが期待されます。
この記事では、クリニックが医療DX推進体制整備加算を算定するための条件なども紹介しました。条件を満たせば、初診時に患者さん全員を対象に加算できる診療報酬であるため、クリニック経営者の方はぜひ参考にしてください。
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