
執筆者:辻 光明
代表税理士・公認会計士・中小企業経営コンサルタント
クリニック賞与の社会保険料・源泉所得税の計算方法|看護師・受付に支給する前の確認

クリニックで賞与を支給するときは、支給額だけを決めても給与計算は完了しません。社会保険料、源泉所得税、扶養親族等の申告状況、前月給与、支給対象者を確認する必要があります。
個別相談
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記事で扱った制度や実務上の確認点を、個別の状況に合わせて整理します。
結論:賞与は支給前チェック表で止める
| 確認項目 | 見る内容 |
|---|---|
| 支給対象者 | 常勤、パート、休職者、退職予定者の扱い |
| 支給基準 | 基本給連動、評価連動、寸志など |
| 社会保険 | 被保険者か、賞与支払届が必要か |
| 源泉所得税 | 前月給与、扶養親族等の申告、税額表 |
| 振込 | 控除後の差引支給額、振込日 |
社会保険料で確認すること
賞与から控除する社会保険料は、給与と同じ感覚で処理すると漏れが出ます。被保険者かどうか、標準賞与額、賞与支払届の要否を確認します。
源泉所得税で確認すること
国税庁の賞与に対する源泉徴収では、原則として賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表を使います。令和8年分の税額表は、令和7年分以前とは内容が異なるため、支給年に合う表を確認します。
| 確認項目 | 注意点 |
|---|---|
| 前月給与 | 前月給与がない場合は計算が変わることがある |
| 扶養親族等 | 申告書の提出状況を確認する |
| 社会保険料控除後 | 税額計算の基礎にする金額を確認する |
| 支給年 | 令和8年分は令和8年分の税額表を使う |
クリニック賞与の支給前チェックリスト
- 賞与規程または支給基準と対象者を確認する
- 社会保険加入者と非加入者を分ける
- 標準賞与額と賞与支払届を確認する
- 前月給与と扶養親族等申告書を確認する
- 控除後の差引支給額を院長承認に回す
賞与支給前に院長が確認する承認表
賞与はスタッフの納得感に関わるため、計算ミスだけでなく、支給基準の説明も重要です。支給額、控除、差引支給額、対象者の扱いを一覧にします。
| 確認項目 | 院長確認のポイント |
|---|---|
| 支給対象者 | 休職者、退職予定者、入職直後のスタッフをどう扱うか |
| 支給基準 | 評価、勤務期間、寸志の考え方 |
| 社会保険 | 被保険者と非加入者を分けているか |
| 源泉所得税 | 前月給与と扶養親族等申告書を確認しているか |
| 振込額 | 控除後の差引支給額を確認しているか |
賞与規程がない場合の注意点
- 毎回の支給基準が変わると不公平感が出やすい
- 常勤とパートの扱いを明確にする
- 評価期間と支給日在籍要件を確認する
- 支給しない場合の説明ルールも決める
- 翌年以降の人件費計画に反映する
スタッフへ説明するときのポイント
賞与明細を渡すときは、額面と手取りの差について質問が出やすくなります。社会保険料、源泉所得税、支給基準を説明できるようにしておくと、納得感を保ちやすくなります。
| 質問されやすいこと | 説明の方向性 |
|---|---|
| なぜ控除があるのか | 社会保険加入者は賞与からも保険料控除がある |
| 所得税が毎回違う理由 | 前月給与や扶養親族等の状況で変わる |
| パートにも賞与があるか | 支給基準と対象者を規程・方針で説明する |
| 次回も同じ額か | 業績、評価、勤務期間で変わる場合がある |
賞与計算は、給与計算と人事評価の両方に関わるため、支給前にルールを整えます。
相談前に準備する賞与データ
- 支給予定者一覧
- 支給基準と評価期間
- 前月給与データ
- 社会保険加入状況
- 扶養親族等申告書の提出状況
- 退職予定者・休職者の有無
- 振込予定日と資金繰り
税理士法人 辻総合会計グループでは、賞与計算だけでなく、支給基準、人件費計画、年末調整への影響まで合わせて確認しています。
FAQ
Q: パートにも賞与を出したら社会保険料はかかりますか?
Q: 令和8年分の源泉徴収税額表はいつ使いますか?
税理士法人 辻総合会計グループでは、クリニックの給与計算、社会保険の適用確認、パートスタッフのシフト設計、年収見込みの整理を一体で確認しています。賞与計算と給与実務は制度だけでなく、受付・看護師・医療事務の働き方と人件費に直結するため、自院の人数、勤務時間、給与水準に置き換えて確認することが重要です。
賞与支給前の給与計算チェック
賞与は通常給与と計算の流れが違うため、社会保険料、源泉所得税、雇用保険、住民税との扱いを分けて確認します。看護師・受付・非常勤スタッフが混在するクリニックでは、対象者と支給基準の説明も重要です。
| 確認項目 | 見るポイント |
|---|---|
| 支給対象者 | 在籍基準日、休職、退職予定者 |
| 社会保険料 | 賞与支払届、標準賞与額 |
| 源泉所得税 | 前月給与、扶養人数、税額表 |
| 雇用保険料 | 対象賃金に含めるか |
| 明細説明 | 控除額が多く見える理由 |
税理士法人 辻総合会計グループでは、賞与計算、社会保険、源泉所得税、年末調整への影響まで一体で確認します。支給後の修正を減らすため、支給前に一覧表でチェックする運用をおすすめします。
院内運用に落とし込む給与・社保メモ
この記事の内容は、制度を理解するだけでなく、毎月の給与締めとシフト作成に落とし込む必要があります。特にパート比率が高いクリニックでは、勤務時間、年収見込み、社会保険、本人希望が別々に管理されていると、判断が遅れます。
| 月次で見るもの | 確認する理由 |
|---|---|
| シフト予定と勤怠実績 | 契約時間とのズレを見つける |
| 給与見込み | 扶養・社会保険・手取りへの影響を見る |
| 本人面談メモ | 勤務を増やしたいか減らしたいかを確認する |
| 雇用契約書 | 所定労働時間や手当の根拠を確認する |
| 人件費率 | 院全体の採算に与える影響を見る |
最後に確認する院内運用ポイント
採用・労務の記事で重要なのは、制度や面接ノウハウを知ることではなく、院内で続けられる運用に変えることです。院長、事務長、現場リーダーの誰が確認するのかを決め、給与計算やシフト表に反映します。
- 面接や面談の記録を残す
- 雇用契約書とシフト実績を照合する
- 給与・社会保険への影響を月次で見る
- スタッフ説明の担当者を決める
- 困ったときに相談する窓口を決める
辻総合会計グループでは、採用、給与、社会保険、就業ルールを分けずに、クリニックで実際に回る形へ落とし込みます。
参考にした公的情報
この記事を書いた人

辻 光明
代表税理士・公認会計士・中小企業経営コンサルタント
公認会計士 / 税理士 / 認定経営革新等支援機関
税理士法人 辻総合会計の代表。クリニック開業支援・医療法人設立・クラウド会計導入を得意とし、オンラインでの税務顧問サービスを推進。
ご注意事項
本記事の内容は、公開日時点における一般的な情報提供を目的としており、 特定の個人や法人に対する専門的なアドバイスを構成するものではありません。
税務・会計・法務等に関する具体的なご相談については、 必ず資格を持った専門家にご確認ください。 本記事の情報に基づいて行われた判断や行動により生じた損害について、 当事務所は一切の責任を負いかねます。
記事の内容は法令の改正等により変更される場合があります。 最新の情報については、関係省庁の公式サイト等でご確認ください。

