
執筆者:辻 光明
代表税理士
法定調書合計表の書き方|記入例・提出方法を税理士が解説【2026年】

法定調書合計表とは
法定調書合計表とは、源泉徴収票や各種支払調書などの「法定調書」を税務署に提出する際に、提出する調書の枚数・支払総額・源泉税額などを取りまとめて記載する集計表です。実務では「給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表」を指すことが多く、法定調書の提出一式の“表紙”として扱われます。
年末調整後は「源泉徴収票の作成」だけでなく、「法定調書の提出」までがワンセットです。合計表の記入ミスは、税務署側の受付保留や再提出の原因になりやすく、忙しい1月末〜2月初旬の手戻りを招きます。
2026年の提出期限と提出先
法定調書の提出期限は、原則として「翌年1月31日」です。実務上は、1月31日が土日祝等に当たる場合、翌開庁日が期限になります。たとえば国税庁の手引では、令和7年分の期限が令和8年2月2日(月)までと示されています(年分によって具体日付は変わります)。
提出先は、納税地等を所轄する税務署です。
提出方法は主に次の2つです。
| 提出方法 | 特徴 | 向いているケース |
|---|---|---|
| e-Tax(e-Taxソフト/WEB版等) | データ提出。控え管理がしやすい | 提出枚数が多い、再提出が起きやすい、拠点が複数 |
| 書面(持参/郵送) | 紙で提出。押印・添付の運用が残る場合も | 枚数が少ない、電子化環境が未整備 |
法定調書合計表の書き方(各欄のポイント)
ここでは「給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表」を前提に、つまずきやすい欄を中心に整理します。様式の細部は年分で変わることがあるため、最新様式に沿って確認してください。
1)年分・提出区分・提出媒体
- 年分:対象となる支払の年(例:令和7年分)
- 調書の提出区分:通常提出か、訂正・追加提出か等の区分(訂正のときは運用ルールが変わるため、まず区分を誤らない)
- 提出媒体:e-Tax/書面(OCR帳票)等。提出方法とチェックが連動するため、社内の提出方針と一致させます。
2)本店等一括提出・翌年以降送付(該当者のみ)
- 本店等一括提出:支店分を本店でまとめて提出する場合に関係します。拠点が複数ある法人で要確認です。
- 翌年以降送付:税務署からの用紙送付に関する意思表示欄(運用によってはチェック方針を統一)。
3)税理士番号(税理士関与がある場合)
税理士が作成・提出に関与する場合に記載する欄です。顧問税理士がいる場合でも「誰が作成したか」で記載要否が変わる運用になることがあるため、提出前に責任区分(会社作成/事務所作成)を明確にします。
4)各合計表(源泉徴収票・各支払調書)の集計欄
合計表には、次のような「調書別の合計欄」が並びます(様式上の並びは年分により差があります)。
- 給与所得の源泉徴収票合計表
- 退職所得の源泉徴収票合計表
- 報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書合計表
- 不動産の使用料等の支払調書合計表 等
それぞれについて、一般に次の要素を集計します。
- 提出枚数(何枚出すか)
- 支払金額の合計
- 源泉徴収税額の合計(源泉がある場合)
実務で多い誤りは次の3つです。
- 「提出しない調書の欄まで埋めてしまう(ゼロ記載の扱い)」
- 「枚数=受給者数」と誤認する(同一人に複数枚があると不一致になり得る)
- 「源泉税額がない取引を混在させて集計が崩れる」
記入例(ケーススタディ)
ここでは、提出イメージを掴むための簡易な記入例を示します(数値は例示です)。
前提(例)
- 給与所得の源泉徴収票:従業員8名分を提出
- 報酬・料金の支払調書:外注先3名分を提出(源泉あり)
- 不動産の使用料等の支払調書:該当なし
合計表の集計イメージ(例)
| 調書区分 | 提出枚数 | 支払金額合計 | 源泉徴収税額合計 |
|---|---|---|---|
| 給与所得の源泉徴収票 | 8枚 | 36,800,000円 | 2,140,000円 |
| 報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書 | 3枚 | 6,600,000円 | 673,260円 |
| 不動産の使用料等の支払調書 | 0枚 | 0円 | 0円 |
※「0枚・0円」の記載可否や記載方法は様式の指示に従います。空欄扱いが求められるケースもあるため、提出媒体(e-Tax/書面)ごとにルールを統一してください。
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提出方法(e-Tax/書面)を手順で整理
Step 1: 提出対象の法定調書を確定する
給与(源泉徴収票)、退職、報酬、家賃、売買あっせん等、年内支払分のうち「提出が必要なもの」を判定します。提出基準の判定は、年末調整・外注費・地代家賃の集計と同時進行で行うと効率的です。
Step 2: 調書を作成し、枚数・金額・税額を確定する
調書側の確定が先です。合計表は集計結果なので、調書が未確定のまま合計表を作り始めると、最終局面で差異が出て調整に時間を取られます。
Step 3: 法定調書合計表を作成する
提出媒体(e-Tax/書面)や、本店一括提出などの該当欄を先に埋め、次に調書別集計欄を転記します。
社内では「集計担当」と「照合担当」を分け、ダブルチェックで差異を潰す運用が効果的です。
Step 4: 提出(e-Tax または 書面提出)
- e-Tax:e-Taxソフト(WEB版等)で法定調書(及び同合計表)を作成・送信します。CSV取り込みを使う場合は、文字種(カンマ等)や容量上限に注意します。
- 書面:OCR帳票の印字品質、用紙設定、郵送の場合は到達日と期限の関係に注意します。
Step 5: 控え・証跡の保存
提出後に問い合わせが来ることもあるため、提出データ(送信結果)や控え、集計根拠(一覧表)を年度別に保管します。特に外注報酬は「源泉あり/なし」の判定根拠が問われやすいので、契約書や請求書との紐付けも残します。
よくある質問
Q: 法定調書合計表だけ提出してもよいですか?
A:
できません。合計表は集計表のため、原則として作成した法定調書(源泉徴収票・支払調書等)と併せて提出します。提出物を「合計表+調書一式」でセット管理してください。Q: 2026年の提出期限はいつですか?
A:
原則は翌年1月31日ですが、土日祝等に当たる場合は翌開庁日が期限になります。年分により具体日付は異なり、国税庁の手引では令和7年分の期限が令和8年2月2日(月)までと示されています。Q: e-Taxと書面提出で、合計表の扱いは変わりますか?
A:
提出媒体により入力・作成手順が異なります。e-Taxでは法定調書(及び同合計表)をシステム上で作成・提出でき、CSV取り込み等の運用もあります。書面はOCR帳票の印字や郵送管理が重要になります。Q: 枚数が合いません。どこを疑うべきですか?
A:
まず「同一人に複数枚作成していないか(退職と給与、支払先の複数契約など)」「提出対象外の調書を混在させていないか」「源泉なし取引を集計に含めていないか」を確認してください。まとめ
- 法定調書合計表は、源泉徴収票や支払調書など法定調書の提出時に必要な集計表
- 提出期限は原則「翌年1月31日」、年分により翌開庁日となる(例:令和7年分は令和8年2月2日)
- 書き方は「提出媒体・区分等」→「調書別の枚数・金額・税額」の順で埋めるとミスが減る
- 記入例は調書側を確定してから合計表へ転記し、枚数差異をダブルチェックで潰す
- e-Tax/書面いずれでも、提出後の証跡(控え・根拠資料)の保存が重要
参照ソース
- 国税庁「提出期限(令和7年分 手引)」: https://www.nta.go.jp/publication/pamph/hotei/tebikihtml/1-1.htm
- 国税庁「F1-1 給与所得の源泉徴収票(同合計表)」: https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/hotei/23100051.htm
- e-Tax「法定調書の作成・提出について」: https://www.e-tax.nta.go.jp/e-taxsoftweb/hoteichosho.htm
この記事を書いた人

辻 光明
代表税理士
税理士 / 認定経営革新等支援機関
税理士法人 辻総合会計の代表。クリニック開業支援・医療法人設立・クラウド会計導入を得意とし、オンラインでの税務顧問サービスを推進。
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