
執筆者:辻 光明
代表税理士・公認会計士・クラウド会計コンサルタント
WindowsでPDFページを削除・回転・結合する方法|業務書類を壊さない手順

結論:WindowsのPDF整理は「元ファイルを残す」ことから始める
WindowsでPDFページを削除・回転・結合するときは、最初に元ファイルを残し、作業用コピーで編集し、保存前にサムネイルで全ページを確認する流れにします。PDFの操作自体は軽い作業に見えますが、経理・総務・士業事務所では、請求書、領収書、契約書、顧客資料、税務資料が混ざるため、ページ編集より先に「壊してはいけない原本」と「提出用PDF」を分けることが重要です。
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会社設立、融資、顧問契約、クラウド会計など、現在の状況に合わせて次の対応を整理します。
Windows環境では、PDFの閲覧や印刷は標準のブラウザーやPDFリーダーで足りる場面があります。一方で、ページ単位の削除、並べ替え、分割、複数PDFの結合、作業履歴を残した提出用PDFの作成は、用途に合うPDF整理ツールや総合PDF編集ソフトを選んで行う方が安全です。
まず確認する判断表
| やりたいこと | Windows標準機能だけで足りる目安 | 専用ツールを検討する目安 |
|---|---|---|
| PDFを開く・印刷する | 内容確認、紙出力、PDFとして保存し直す程度 | ページ単位で削除・並べ替え・結合したい |
| ページを回転する | 一時的に向きを見やすくするだけ | 回転後のPDFを提出用として保存したい |
| 不要ページを削除する | 不要ページを含めたまま提出しても問題ない資料 | 白紙、控え、別顧客資料を削って提出したい |
| 複数PDFを結合する | それぞれ別ファイルのまま送れる | 請求書、領収書、添付資料を1つにまとめたい |
| 機密資料を扱う | 公開済み資料、社内掲示、低リスク資料 | 顧客名、契約内容、給与、税務、医療、相続資料を含む |
Microsoftのサポートでは、Microsoft EdgeなどのブラウザーでPDFを開き、表示や印刷に使う案内があります。Adobe Acrobatの公式情報では、ページ削除、回転、並べ替え、挿入、分割、結合などのPDF整理機能が案内されています。つまり、WindowsでPDFを扱うといっても、閲覧・印刷なのか、ページ編集なのか、機密資料の処理なのかで選ぶ方法が変わります。
作業前チェックリスト
PDFを開く前に、次の5点を確認します。
| チェック項目 | 確認すること | ミスが起きやすい場面 |
|---|---|---|
| 原本 | 受領したPDF、電子取引データ、スキャン原本を残す | 元ファイルに直接上書きする |
| 作業用コピー | 編集用フォルダへコピーしてから触る | ダウンロードフォルダでそのまま編集する |
| 機密性 | 外部アップロードしてよい資料か確認する | 無料Webツールへ顧客資料を入れる |
| 保存名 | 顧客名、年月、用途、版数を入れる | 同名ファイルを上書きする |
| 確認者 | 最終PDFを誰が確認するか決める | 作成者だけで送付まで進める |
IPAの「中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン」は、中小企業等が情報セキュリティ対策を進めるための手順や手法をまとめています。PDFの結合やページ削除も、顧客情報や取引情報を含む場合は、単なる事務作業ではなく情報管理の一部として扱います。
WindowsでPDFページを整理する手順
1. 元ファイルと作業用フォルダを分ける
受け取ったPDFは、まず原本フォルダに保存します。そのうえで、作業用フォルダにコピーしてから編集します。電子メール添付、クラウド受領、顧客共有フォルダ、スキャン原本など、入手経路が違うファイルを同じ場所で直接編集しないようにします。
| フォルダ | 役割 | 例 |
|---|---|---|
| 原本 | 受領データ・スキャンデータを残す | 2026-05_受領原本 |
| 作業用 | 削除・回転・結合を試す | 2026-05_作業中 |
| 提出用 | 最終確認済みPDFを置く | 2026-05_提出用 |
| 控え | 送付後の控えを保存する | 2026-05_送付控え |
2. ページ削除は「削る理由」を先に決める
PDFページを削除するときは、白紙、重複ページ、下書き、社内メモ、別顧客資料など、削る理由を先に決めます。理由が曖昧なページは、いったん残して確認待ちにします。
| 削除候補 | 判断 | 注意点 |
|---|---|---|
| 白紙ページ | 削除しやすい | スキャン裏面や区切り紙か確認 |
| 重複ページ | 片方を削除 | 版違い・控え違いでないか確認 |
| 社内メモ | 提出用から削除 | 控えには残すか判断 |
| 別顧客資料 | 直ちに除外 | 混入原因も確認 |
| 電子取引の原本PDF | 原本は削除しない | 作業用コピーで提出用PDFを作る |
3. 回転は「見た目」だけでなく保存後に確認する
スキャンPDFでは、横向き、逆向き、ページ途中だけ向きが違う資料がよくあります。回転した後は、保存後にPDFを開き直し、先頭ページ、途中ページ、最終ページを確認します。
全ページ回転と選択ページだけ回転を間違えると、別のページが逆向きになることがあります。税務資料や契約書のようにページ数が多いPDFでは、回転後にページ番号や添付資料の順番も確認してください。
4. 結合前にファイル名で順番を固定する
複数PDFを結合する場合は、ツールに取り込む前にWindows上で並び順が分かるよう、ファイル名に番号を付けます。
| 結合順 | ファイル名例 | 確認ポイント |
|---|---|---|
| 01 | 01_表紙_提出用.pdf | 提出先の指定書式か |
| 02 | 02_申告書_控えなし.pdf | 控えや下書きが混ざっていないか |
| 03 | 03_添付資料_請求書.pdf | 対象月・顧客名が一致するか |
| 04 | 04_領収書_追加分.pdf | 重複・白紙がないか |
結合後は、ファイル名の順番どおりにページが入っているかをサムネイルで見ます。ドラッグ操作だけに頼ると、1ページだけ順番がずれていても気づきにくくなります。
5. 提出用・控え用・作業用を分けて保存する
最後に、提出用PDFと控え用PDFを分けて保存します。提出用は、余計なページを除いた完成版です。控え用は、送付したPDFと同じ内容を後から確認できるように保存します。作業用は、やり直しが必要なときに戻れるよう、一時的に残します。
提出用PDFを作った後に、必ず開き直して確認するのがポイントです。保存したつもりでも、古いファイルを添付していた、ページ順が変わっていた、回転が反映されていなかった、というミスを防げます。
電子帳簿保存に関わるPDFは原本を分ける
請求書や領収書をPDFで受け取った場合、ページを整理して提出用PDFを作ることと、電子取引データとして保存すべきデータを残すことは分けて考えます。国税庁は電子帳簿保存法関係の情報として、電子帳簿等保存、スキャナ保存、電子取引の制度別情報や一問一答を公表しています。
| PDFの種類 | 役割 | 扱い方 |
|---|---|---|
| 受領原本PDF | 電子取引データや受領資料 | 上書きせず保存ルールを確認 |
| 作業用PDF | 削除・回転・結合を試す | 作業後に保存期間を決める |
| 提出用PDF | 顧客・社内・税理士への確認用 | ページ順・保存名を確認 |
| 控えPDF | 送付した内容の確認用 | 送付日時・送付先と紐づける |
電子帳簿保存法の対象かどうかは、資料の受け取り方、保存方法、取引内容によって変わります。PDFを結合したからといって、元データの保存義務や社内ルールが消えるわけではありません。経理資料では、原本保存と提出用加工を混ぜない運用にしてください。
無料Webツールにアップロードする前の確認
無料Web PDFツールは便利ですが、業務資料ではアップロード可否を先に判断します。個人情報保護委員会のガイドラインは、個人データの安全管理措置や取扱いに関する考え方を示しています。顧客名、住所、契約内容、給与、医療、相続、税務資料を含むPDFは、アップロード先、保存期間、利用規約、社内承認の有無を確認します。
| 確認項目 | 見ること | 判断 |
|---|---|---|
| 運営者 | 誰がサービスを提供しているか | 不明なら業務資料には使わない |
| 保存期間 | アップロード後にいつ削除されるか | 確認できない資料は避ける |
| 利用範囲 | ファイル内容がどの目的で使われるか | 規約を読めない場合は避ける |
| 共有URL | 第三者が閲覧できる状態になるか | 顧客資料は特に注意 |
| 社内規程 | 外部サービス利用が許可されているか | 承認なしで使わない |
公開予定のチラシや社内掲示のような低リスク資料ならWebツールで足りる場面があります。一方、顧客資料や税務・給与資料は、ローカル処理または社内承認済みの環境を優先します。
PDF+無料モニターを検討する場面
ここまで整理して、次の条件に当てはまる場合は、PDF+無料モニターの対象になりやすいです。
| 条件 | 具体例 |
|---|---|
| Windows PCで同じPDF作業が繰り返し発生する | 毎月の請求書、領収書、顧客提出資料 |
| 外部アップロードを避けたい | 顧客資料、契約書、経理資料、税務資料 |
| 必要なのはページ整理が中心 | 削除、回転、結合、分割、並べ替え |
| 総合PDFソフトまでは不要 | 電子署名、墨消し、フォーム作成は別ツールでよい |
| 配布条件を確認したい | 顧問契約の有無、端末数、用途を整理したい |
PDF+は、Adobe Acrobatソフトウェア等の総合PDF編集ソフトを完全に置き換えるものではありません。ページ整理に絞ったローカル処理型ツールとして、Windows上で発生する削除・回転・結合・分割の頻度、利用端末数、顧問契約の有無を確認します。
税理士法人 辻総合会計グループでは、経理・士業・総務のPDF整理について、実際の業務フロー、扱う資料の機密性、顧問契約先への配布条件、PDF+で短縮できる作業範囲を分けて確認します。無料モニターでは、ツールの機能だけでなく、提出前チェックと保存ルールまで含めて運用を見ます。
提出前チェックリスト
| チェック | 確認内容 |
|---|---|
| 元ファイル | 受領原本を上書きしていない |
| 対象資料 | 別顧客・別月・別案件のPDFが混ざっていない |
| ページ削除 | 白紙、下書き、社内メモ、重複ページを確認した |
| 回転 | 横向き・逆向きページを直し、保存後に開き直した |
| 結合順 | ファイル名の番号順とPDF内のページ順が一致している |
| 保存名 | 顧客名、年月、用途、版数が分かる |
| 控え保存 | 送付したPDFと同じ内容を控えとして残した |
| 外部アップロード | Webツール利用時の規約・保存期間・社内承認を確認した |
よくある質問
Q: WindowsだけでPDFページを削除・結合できますか?
Q: PDFを回転しただけなら原本を上書きしてもよいですか?
Q: 無料Web PDFツールを業務で使ってはいけませんか?
Q: 電子帳簿保存法の対象になる請求書PDFを結合してもよいですか?
Q: PDF+はAdobe Acrobatソフトウェアの代わりになりますか?
まとめ
WindowsでPDFページを削除・回転・結合するなら、元ファイルを残し、作業用コピーで編集し、提出用と控え用を分けて保存します。操作の速さよりも、原本保存、ページ順、不要ページ、保存名、外部アップロード可否の確認が重要です。
経理・総務・士業事務所では、PDF作業のミスが顧客資料の混入、提出漏れ、電子取引データの上書き、機密資料の外部アップロードにつながることがあります。反復作業が多い場合は、Windows上でローカル処理できるページ整理ツールや総合PDF編集ソフトを、資料の種類に合わせて使い分けてください。
参考にした公的情報・公式情報
- Microsoft サポート「PDF リーダーで PDF を表示、印刷、編集する」 https://support.microsoft.com/ja-jp/office/pdf-%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%80%E3%83%BC%E3%81%A7-pdf-%E3%82%92%E8%A1%A8%E7%A4%BA-%E5%8D%B0%E5%88%B7-%E7%B7%A8%E9%9B%86%E3%81%99%E3%82%8B-5b2a8713-16ce-406c-a648-6978761306b3
- Adobe Acrobat「PDFを整理」 https://www.adobe.com/jp/acrobat/features/organize-pdf.html
- IPA「中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン」第4.0版 https://www.ipa.go.jp/security/guide/sme/about.html
- 個人情報保護委員会「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)」 https://www.ppc.go.jp/personalinfo/legal/guidelines_tsusoku/
- 国税庁「電子帳簿保存法関係」 https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/jirei/
商標について
Adobe、Adobe Acrobatは、Adobeの米国およびその他の国における登録商標または商標です。Microsoft、Windows、Microsoft Edgeは、Microsoftグループ企業の商標です。PDF+はAdobeまたはMicrosoftにより承認、推奨、後援された製品ではなく、各社とは関係ありません。この記事では、PDF編集・閲覧機能の説明のために各社製品名に言及しています。
この記事を書いた人

辻 光明
代表税理士・公認会計士・クラウド会計コンサルタント
公認会計士 / 税理士 / 認定経営革新等支援機関
税理士法人 辻総合会計の代表。公認会計士・税理士として、クラウド会計、税務顧問、資金繰り、経理体制づくりを中小企業向けに支援している。
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