
執筆者:辻 勝
会長税理士
診療報酬改定2026 小児科|税理士が解説

小児科クリニックの経営は、少子化による患者数減少と診療報酬改定の影響が同時に進行する構造的課題に直面しています。特に2026年改定では、小児かかりつけ診療料の見直しなどがあり、従来の外来中心モデルでは収益維持が難しくなっています。
小児科 診療報酬改定2026のポイントとは
2026年の改定では、小児科に関して以下の点が重要です。
小児かかりつけ診療料の見直し
小児かかりつけ診療料は、継続的な診療を評価する仕組みですが、算定要件や評価の見直しが議論されています。結果として、単純な登録患者数だけでは収益が伸びにくくなる可能性があります。
地域包括診療加算の対象拡大
高齢者中心だった地域包括診療加算について、介護給付受給者の拡大が行われ、小児科でも家族単位の医療提供が評価される方向です。
小児科クリニック 少子化による経営影響
出生数は2025年に70万人を下回る見通しであり、小児人口は長期的に減少します。
患者数減少の構造
| 項目 | 過去 | 現在 |
|---|---|---|
| 出生数 | 約120万人 | 約70万人 |
| 小児人口 | 増加傾向 | 減少傾向 |
| 外来患者数 | 安定 | 減少 |
この結果、「待てば患者が来る時代」は完全に終了しています。
収益モデルの変化
従来の小児科は以下の構造でした。
- 感染症外来中心
- 季節変動依存
- 診療報酬依存
しかし現在は、
- 患者数減少
- 単価横ばい
- 人件費上昇
により、利益率が低下しています。
小児科 開業 少子化時代の生き残り戦略
今後の小児科経営は「量から質」への転換が不可欠です。
戦略1:診療の多角化
以下の分野が有効です。
- アレルギー外来(長期フォロー)
- 発達相談(自費含む)
- 予防接種(定期+任意)
慢性疾患・継続診療へシフトすることで安定収益化が可能です。
戦略2:家族単位医療への転換
親世代も診ることで、
- 患者単価向上
- 来院頻度増加
- 医療圏拡大
が期待できます。
小児科 収益改善2026の具体策
実務的な改善策を整理します。
Step 1: 収益構造の可視化
- 外来単価
- 来院回数
- 診療内容別収益
を分析します。
Step 2: 自費診療の導入
- 発達相談(30分5,000円など)
- 育児相談
- 栄養指導
Step 3: 診療メニュー再設計
- アレルギー外来の強化
- 定期フォロー導線の設計
- 予防接種スケジュール管理
小児科 予防接種・自費診療の収益化
予防接種は小児科にとって重要な収益源です。
予防接種の位置付け
- 定期接種:安定収益
- 任意接種:利益率高
自費診療の可能性
| 分野 | 内容 | 特徴 |
|---|---|---|
| 発達相談 | ASD・ADHD相談 | 高単価 |
| アレルギー | 食物・花粉 | 継続収益 |
| 育児支援 | 離乳食・睡眠 | 差別化 |
自費診療は「単価向上」の最も有効な手段です。
小児科 オンライン診療の活用方法
オンライン診療は今後の標準機能になります。
活用シーン
- 再診
- 軽症相談
- 発達フォロー
メリット
- 診療効率向上
- 来院負担軽減
- 他院との差別化
よくある質問
Q: 小児科は今後も経営として成り立ちますか?
Q: 自費診療はどこから始めるべきですか?
Q: オンライン診療は収益になりますか?
まとめ
- 少子化により小児科の患者数は構造的に減少
- 2026年改定は「継続診療・地域医療」を重視
- 外来依存から多角化モデルへの転換が必要
- 自費診療と予防接種が収益改善の鍵
- オンライン診療は今後の必須インフラ
参照ソース
- 厚生労働省「医療提供体制の動向」: https://www.mhlw.go.jp
- 厚生労働省「人口動態統計」: https://www.mhlw.go.jp
この記事を書いた人

辻 勝
会長税理士
税理士 / 行政書士
税理士法人 辻総合会計の会長。40年以上の実務経験を持ち、相続税・事業承継を専門とする。多くの医療法人・クリニックの顧問を務める。
ご注意事項
本記事の内容は、公開日時点における一般的な情報提供を目的としており、 特定の個人や法人に対する専門的なアドバイスを構成するものではありません。
税務・会計・法務等に関する具体的なご相談については、 必ず資格を持った専門家にご確認ください。 本記事の情報に基づいて行われた判断や行動により生じた損害について、 当事務所は一切の責任を負いかねます。
記事の内容は法令の改正等により変更される場合があります。 最新の情報については、関係省庁の公式サイト等でご確認ください。
