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中小企業向けコラム
作成日:2026.02.27
辻 光明

執筆者:辻 光明

代表税理士

防衛特別法人税の対象を500万円控除で試算|税理士解説

10分で読めます
防衛特別法人税の対象を500万円控除で試算|税理士解説

結論:防衛特別法人税は「法人税が課される法人」なら原則対象です

防衛特別法人税は、令和8年4月1日以後に開始する事業年度から、各事業年度の所得に対する法人税を課される法人が原則として納税義務者になります。
つまり「うちは中小企業だから関係ない」というより、まずは「法人税の申告をする法人かどうか」で判定し、そのうえで年500万円の基礎控除によって実質負担がどれくらいかを見積もる、という順番が安全です。

なお、防衛特別法人税額が0でも申告が必要と明記されています(提出漏れリスクに注意)。
本記事では「対象判定」と「500万円控除を織り込んだ試算」を、税理士法人 辻総合会計の実務目線で分かりやすく整理します。


防衛特別法人税とは(税率4%・500万円控除の要点)

防衛特別法人税のざっくり理解は次のとおりです。

  • 課税の起点:令和8年4月1日以後に開始する事業年度
  • 対象:各事業年度の所得に対する法人税を課される法人
  • 計算:(基準法人税額 − 500万円)× 税率4%(マイナスは0扱い)

ここで重要なのが「基準法人税額」です。これは単なる最終的な納付法人税額とイコールではなく、一定の税額控除(例:所得税額控除・外国税額控除等)を含めないで計算した法人税額をベースにする、と整理されています。

ここがポイント
ポイントは「税額控除で法人税が最終的にゼロになっている会社」でも、基準法人税額の段階では金額が出る可能性があることです。試算は最終納付税額ではなく、まず基準法人税額を前提に作るのが実務的です。

うちの会社は対象?判定の最短ルート

判定は次の3点でほぼ足ります。

1) 事業年度の開始日がいつか

防衛特別法人税は、令和8年4月1日以後に開始する事業年度から適用です。
たとえば3月決算(4/1開始)なら「令和8年4月1日開始の期」から対象になるイメージです。

2) 「各事業年度の所得に対する法人税が課される法人」か

納税義務者は「各事業年度の所得に対する法人税を課される法人」とされています。
実務上は「通常の法人税申告をする法人」なら原則対象、と捉えると早いです(特殊な法人・非課税関係は個別検討)。

3) 基準法人税額が500万円を超えるか(=実質負担が出る境目)

負担が出るかどうかの境目は、年500万円の基礎控除を超えるかです。
超えない場合でも、申告要否は別問題なので要注意です。


防衛特別法人税500万円控除の計算(ステップで確認)

実務で迷いにくいよう、計算は「式」ではなく手順で固定するとミスが減ります。

Step 1: 基準法人税額を把握する

申告書(別表等)から防衛特別法人税の基準法人税額に該当する法人税額を確認します。
この金額は、一定の税額控除等を含めない前提で計算した法人税額として整理されています。

Step 2: 基礎控除額(年500万円)を差し引く

基準法人税額 − 基礎控除額(年500万円)。
差引結果がマイナスなら「0」とみなします。

Step 3: 税率4%を掛ける

(Step 2の金額)× 税率4% = 防衛特別法人税額。

ここがポイント
留保金課税(特定同族会社の特別税率)などがある場合、課税標準の計算が分岐します。該当しそうな会社は、試算段階で「留保金課税の加算の有無」を先に確認すると手戻りが減ります。

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【シミュレーション】基準法人税額別:防衛特別法人税はいくら?

ここでは「基準法人税額」が分かっている前提で、500万円控除がどれだけ効くかを一覧化します(端数処理等は実務で調整)。

←横にスクロールできます→
基準法人税額500万円控除後(課税標準)税率4%防衛特別法人税額
3,000,000円0円4%0円
5,000,000円0円4%0円
8,000,000円3,000,000円4%120,000円
15,000,000円10,000,000円4%400,000円
30,000,000円25,000,000円4%1,000,000円
100,000,000円95,000,000円4%3,800,000円

見てのとおり、年500万円の基礎控除は「小規模〜中規模の法人」の実質負担を大きく抑える設計です。
一方で、基準法人税額が大きい会社ほど控除の相対効果は薄まり、概ね「法人税額に対して4%の上乗せ」に近づきます。


申告実務の注意点:税額0でも「提出」は必要

国税庁資料では、防衛特別法人税額が0であっても申告は必要と明示されています。
実務で起こりやすいのは「うちは500万円以下だから関係ないはず」と思い込み、提出書類の別葉(別表一等)の添付・提出を落とすケースです。

また、防衛特別法人税は法令上「防衛財源確保のための特別措置として創設」された税目であることも、法律本文で確認できます。
制度趣旨・適用開始期は、財務省の解説資料でも整理されています。


よくある質問

Q: 中小企業(資本金1,000万円など)でも対象ですか? ▼
会社規模ではなく「各事業年度の所得に対する法人税を課される法人」かどうかが基本線です。 ただし、実質負担が出るかは「基準法人税額が年500万円を超えるか」で大きく変わります。
Q: 法人税を税額控除でゼロにしている場合、防衛特別法人税もゼロですか? ▼
必ずしも一致しません。防衛特別法人税は、一定の税額控除等を適用しないで計算した法人税額をベース(基準法人税額)にする整理がされています。 そのため「最終納付法人税額がゼロでも、防衛特別法人税が発生する(または申告が必要)」可能性がある点は要チェックです。
Q: いつの期から申告が必要になりますか? ▼
令和8年4月1日以後に開始する事業年度からです。 決算月によって開始期がずれるため、まずは「事業年度開始日」で判定してください。
Q: シミュレーションはどの数字を入れればいいですか? ▼
まずは「基準法人税額」を入れます。計算は(基準法人税額−500万円)×4%(マイナスは0)です。 基準法人税額の把握が難しい場合は、申告書の該当欄(防衛特別法人税の別表)を確認するのが最短です。

まとめ

  • 防衛特別法人税は、各事業年度の所得に対する法人税を課される法人が原則対象
  • 適用開始は令和8年4月1日以後に開始する事業年度
  • 税額は(基準法人税額−年500万円)×4%(マイナスは0)
  • 税額が0でも申告が必要なので、提出漏れリスクに注意
  • 実務の第一歩は「基準法人税額」がいくらかを把握し、500万円控除の効き方を試算すること

参照ソース

  • 国税庁「防衛特別法人税が創設されました(令和7年5月)」: https://www.nta.go.jp/publication/pamph/pdf/0025004-109_1.pdf
  • 財務省「防衛特別法人税の創設(令和7年度税制改正 解説資料)」: https://www.mof.go.jp/tax_policy/tax_reform/outline/fy2025/explanation/PDF/p0350-0424.pdf
  • e-Gov法令検索「我が国の防衛力の抜本的な強化等のために必要な財源の確保に関する特別措置法」: https://laws.e-gov.go.jp/law/505AC0000000069/20260401_507AC0000000013

この記事を書いた人

辻 光明

辻 光明

代表税理士

税理士 / 認定経営革新等支援機関

税理士法人 辻総合会計の代表。クリニック開業支援・医療法人設立・クラウド会計導入を得意とし、オンラインでの税務顧問サービスを推進。

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本記事の内容は、公開日時点における一般的な情報提供を目的としており、 特定の個人や法人に対する専門的なアドバイスを構成するものではありません。

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記事の内容は法令の改正等により変更される場合があります。 最新の情報については、関係省庁の公式サイト等でご確認ください。

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