税理士法人 辻総合会計グループ
無料相談
経営ブログに戻る
中小企業向けコラム
作成日:2026.02.27
辻 光明

執筆者:辻 光明

代表税理士

フリーランス保護法と取適法で何が変わる?2026年対応|税理士が解説

7分で読めます
フリーランス保護法と取適法で何が変わる?2026年対応|税理士が解説

フリーランス保護新法+取適法で何が変わる?

結論として、フリーランス保護新法(正式名称:特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律、通称:フリーランス・事業者間取引適正化等法)は、「取引の適正化」と「就業環境の整備」をセットで義務化し、フリーランスの権利を契約実務として担保する法律です。
「口約束」「後出し条件」「支払遅延」「一方的な契約終了」など、個人事業主が構造的に不利になりやすい場面に、ルールと相談ルートが整備されました。

税理士法人 辻総合会計では、中小企業の顧問先・外注管理の見直し相談や、個人事業主の契約トラブルの整理を日常的に扱います。2026年時点では、施行後の運用が進み「契約書・発注書の整備」「支払管理」「募集表示(クラウドソーシング等)の表示」まで含めた体制づくりが重要です。

ここがポイント
この記事の「取適法」は、実務で使われる略称として「取引適正化(等)法」の意味で用い、フリーランス・事業者間取引適正化等法を指します(下請法など別法の略称として使われる場面もあるため、正式名称で確認するのが安全です)。

フリーランス保護法(取適法)の対象:誰が守られる?

この法律で保護される「フリーランス」は、一般用語の広さとは異なり、法律上は概ね「従業員を使わずに事業者として業務委託を受ける個人(特定受託事業者)」が中心です。
また、契約名が「業務委託」でも、実態が雇用(労働者性が強い)なら労働法が優先される点も重要です。

個人事業主が最初に確認すべき3点

  • 自分が「従業員を使用していない」形で受託しているか(対象になりやすい)
  • 相手が事業者として発注しているか(BtoBの委託か)
  • 実態が雇用ではないか(指揮命令・時間場所拘束・代替性など)

取引面(取引適正化)で増えた「権利」と「発注者の義務」

取引面でのポイントは、「取引条件の明示」と「報酬支払の期日管理」、そして申出(通報)したことを理由に不利益取扱いを受けない仕組みです。
発注者側の体制整備が進むほど、フリーランス側も「言った言わない」から卒業し、交渉の土台を持てます。

よく問題になる場面と、法が狙う改善点

  • 発注内容・報酬・納期が曖昧なまま着手してしまう
  • 検収が長引き支払が遅れる/支払日が月末締め翌々月など極端に遅い
  • 直前キャンセル・仕様変更が一方的に入る
  • 申出や相談をしたら、次回から発注が止まる(報復的な扱い)

就業環境(ハラスメント・配慮・解除予告)で何が変わる?

この法律は「取引法」だけでなく、就業環境の整備も含む点が特徴です。具体的には、業務委託の場面でも、ハラスメント対策の体制整備が求められ、一定の契約では育児・介護等への配慮や、解除(打切り)に関する予告が論点になります。
特に、契約期間が長い(更新を含む)ケースでは、途中解除・更新拒否がトラブル化しやすいため、2026年は運用の成熟が求められます。

ここがポイント
長期契約(更新を含めて6か月以上になり得る契約)では、育児・介護等への配慮や、解除予告(30日前)の論点が出やすいとされています。実務では「契約期間」「更新条項」「解除条項」「通知方法(メール可否)」まで含めて事前に確認しましょう。

中小企業の税務・経営相談

創業から成長期まで、企業のフェーズに合わせた税務・経営サポートを提供しています。

無料相談を申込む 📞 050-1808-9643

平日 9:15〜18:15(土日祝休業)

比較表:新法で「フリーランスの立場」はどう変わった?

←横にスクロールできます→
項目従来(ありがちな実務)新法施行後(目指すべき実務)
条件提示口頭・チャット中心で曖昧発注内容・報酬・納期等を明示し記録化
支払検収・社内都合で遅れがち支払期日を設計し遅延リスクを管理
変更・中止一方的変更や直前キャンセル変更・中止のルール(費用負担含む)を契約で明確化
相談・申出相談したら取引停止が怖い申出を理由とした不利益取扱いを抑止
就業環境ハラスメント対応が曖昧相談窓口・対応手順の整備が期待される

フリーランス新法(2026)で損しないための実務ステップ

Step 1: 自分の「立場」を確定する
個人で受託していても、従業員を使っている場合や、消費者相手の取引中心の場合などは、法律上の範囲から外れることがあります。対象外でも、同様の観点で契約整備する価値は高いです。

Step 2: 発注前に「明示されるべき条件」をテンプレ化する
最低限、業務内容、成果物、報酬、支払日(または支払条件)、納期、検収方法、修正回数、著作権・利用範囲、再委託可否、キャンセル時の扱いを文面で残します。
契約書でなくても、発注書・メール・チャットでも「後で確認できる状態」にするのが肝です。

Step 3: 証跡を残す(修正指示・追加作業・検収)
トラブルの多くは「追加作業の扱い」と「検収の長期化」です。日付入りの指示、納品、検収OKの連絡を保存し、追加作業は都度「追加見積」または「追加条件」を確定します。

Step 4: 困ったら申出・相談ルートに接続する
取引の問題は、公正取引委員会・中小企業庁の枠で整理される場面があります。就業環境(ハラスメント等)の問題は、労働局等の相談が関係することがあります。
最初から全面対決にせず、「事実関係の整理(時系列・証拠)→相談→是正」の順に進めると解決率が上がります。

よくある質問

Q: フリーランス新法は2026年に新しく始まった制度ですか? ▼
いいえ。フリーランス・事業者間取引適正化等法は、2024年11月1日に施行されています。2026年は「施行後の運用が進んだ段階」で、契約書面・支払管理・募集表示などの実務がより重視されます。
Q: 発注者から「契約書は出せない」と言われたらどうすればいいですか? ▼
契約書がなくても、発注条件が確認できる形(発注書、メール、チャット、業務委託の申込画面など)で、業務内容・報酬・納期・検収・支払期日が残るよう求めましょう。最低限、後で条件を再現できる証跡が重要です。
Q: 取適法の対象外(従業員あり等)でも意味はありますか? ▼
あります。対象外でも、条件明示・支払期日・キャンセルルール・ハラスメント対応は、紛争予防として有効です。税務面でも、契約と請求・入金の整合性は、売上計上・源泉・消費税区分の確認に役立ちます。
Q: 相談先はどこを見ればいいですか? ▼
取引適正化の枠は公正取引委員会や中小企業庁、就業環境整備の枠は厚生労働省の案内を起点に確認すると整理しやすいです。状況により窓口が分かれるため、まずは論点(取引条件か、ハラスメント等か)を切り分けましょう。

まとめ

  • フリーランス保護新法(取適法)は「取引の適正化」と「就業環境の整備」をセットで進める法律
  • 2026年は施行後の実務が進み、条件明示・支払管理・募集表示の運用品質が問われる
  • 個人事業主は、条件の記録化と証跡保存で交渉の土台を作る
  • 長期契約は解除・更新・配慮の論点が出やすく、条項と通知手順を事前に固める
  • 困ったときは論点を切り分け、適切な相談ルートに接続する

参照ソース

  • 公正取引委員会「フリーランス・事業者間取引適正化等法」: https://www.jftc.go.jp/fllaw_limited.html
  • 中小企業庁「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律」: https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/torihiki/law_freelance.html
  • 厚生労働省「フリーランス・事業者間取引適正化等法(就業環境整備等)」: https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/bunya/freelance_00006.html

この記事を書いた人

辻 光明

辻 光明

代表税理士

税理士 / 認定経営革新等支援機関

税理士法人 辻総合会計の代表。クリニック開業支援・医療法人設立・クラウド会計導入を得意とし、オンラインでの税務顧問サービスを推進。

ご注意事項

本記事の内容は、公開日時点における一般的な情報提供を目的としており、 特定の個人や法人に対する専門的なアドバイスを構成するものではありません。

税務・会計・法務等に関する具体的なご相談については、 必ず資格を持った専門家にご確認ください。 本記事の情報に基づいて行われた判断や行動により生じた損害について、 当事務所は一切の責任を負いかねます。

記事の内容は法令の改正等により変更される場合があります。 最新の情報については、関係省庁の公式サイト等でご確認ください。

シェア:
経営ブログに戻る

お電話でのご相談

050-1808-9643

受付時間 9:15〜18:15(土日祝休業)

Webお問い合わせ

おすすめコラム

税金のクレジットカード払いは得?ポイントと手数料の損益分岐点|税理士が解説

税金のクレジットカード払いは得?ポイントと手数料の損益分岐点|税理士が解説

メルカリ税金いくらから?申告ライン|税理士が解説

メルカリ税金いくらから?申告ライン|税理士が解説

ふるさと納税限度額シミュレーション2026|年収・家族別早見表

ふるさと納税限度額シミュレーション2026|年収・家族別早見表

人気コラムランキング

1
経理効率化ツール5選|中小企業の導入手順まで税理士が解説

経理効率化ツール5選|中小企業の導入手順まで税理士が解説

2
顧問税理士の選び方|料金相場と失敗回避5つ

顧問税理士の選び方|料金相場と失敗回避5つ

3
創業融資の自己資金はいくら必要?|税理士が解説

創業融資の自己資金はいくら必要?|税理士が解説

4
決算だけ税理士に依頼は可能?費用と注意点|税理士が解説

決算だけ税理士に依頼は可能?費用と注意点|税理士が解説

5
freeeとマネーフォワード比較|どっちを選ぶ?税理士が解説

freeeとマネーフォワード比較|どっちを選ぶ?税理士が解説

CONTACT

無料相談のご案内

税務顧問・会社設立・創業融資・クラウド会計など、お気軽にご相談ください。初回相談は無料です。

ご相談だけでも歓迎です。お気軽にお問い合わせください。

050-1808-9643
平日 9:15〜18:15

© 2026 税理士法人 辻総合会計グループ. All rights reserved.

プライバシーポリシー

お電話はこちら

050-1808-9643

050-1808-9643

無料相談する

平日 9:15〜18:15