
執筆者:辻 光明
代表税理士
住宅ローン控除2026延長と変更点|子育て上乗せまで税理士が解説

結論:住宅ローン控除は2030年まで延長、2026年入居分は「既存住宅」「子育て上乗せ」が要点
住宅ローン控除は、2026年(令和8年)入居分から2030年(令和12年)まで適用期限が延長される見込みです。2026年の変更点は、①省エネ性能の高い既存住宅のテコ入れ、②子育て世帯・若者夫婦世帯の借入限度額上乗せ、③床面積要件の緩和(40㎡)が中心です。
一方で、2028年(令和10年)以降は一部住宅が対象外になるなど「いつ買うか・どの住宅区分か」で差が出ます。制度は国会で関連税制法が成立することが前提のため、契約・入居時期は最新情報の確認が欠かせません。
住宅ローン控除とは(住宅ローン減税 2026)
住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)は、住宅ローン等を利用して住宅の新築・取得・増改築等を行い、一定の要件を満たす場合に、年末ローン残高等に応じて所得税(+一部住民税)から税額控除を受けられる制度です。
2026年入居分の制度設計では、控除率は0.7%が前提となっています(区分・年によって控除期間や借入限度額が異なります)。
住宅ローン控除はいつまで?「2030年まで延長」の読み方(住宅ローン控除 いつまで)
2026年以降の改正案では、適用期限が2026年1月1日〜2030年12月31日入居まで延長される整理です。つまり、2026〜2030年に入居(居住開始)していれば、要件を満たす限り控除の対象になり得ます。
ここで注意したいのは「契約日」ではなく「入居日(居住開始)」が実務上の判定の軸になる点です。引渡し・入居が年をまたぐ案件では、控除の区分や要件が変わることがあります。
2026年の変更点:子育て世帯の上乗せと、既存住宅の拡充が中心
借入限度額・控除期間の全体像(2026〜2030の枠組み)
2026年入居以降の概要(案)は次のとおりです。特に、既存住宅(中古)で省エネ性能が高い場合に、借入限度額の引上げや控除期間の拡充(13年)が盛り込まれています。
| 住宅の区分(例) | 新築の借入限度額・控除期間(2026〜) | 既存(中古等)の借入限度額・控除期間(2026〜) | 子育て等の上乗せ |
|---|---|---|---|
| 長期優良住宅・低炭素住宅 | 4,500万円×13年 | 3,500万円×13年 | かっこ内へ上乗せ |
| ZEH水準省エネ住宅 | 3,500万円×13年 | 3,500万円×13年 | かっこ内へ上乗せ |
| 省エネ基準適合住宅 | 2,000万円×13年(※) | 2,000万円×13年 | かっこ内へ上乗せ |
| その他住宅 | 新築は原則対象外 | 2,000万円×10年 | なし |
※省エネ基準適合住宅の新築は、2028年(令和10年)以降に建築確認を受けるものは対象外となる扱いが示されています(経過措置あり)。また、2028年以降は一部区分で「支援対象外」となる整理が含まれています。
子育て世帯・若者夫婦世帯の「上乗せ」とは(住宅ローン控除 子育て世帯)
改正案では、借入限度額の表記で「( )」が付いている金額が、子育て世帯・若者夫婦世帯に適用される上乗せ後の枠です。
定義(要旨)は次のとおりです。
- 子育て世帯等:19歳未満の子を有する世帯、または夫婦のいずれかが40歳未満の世帯(若者夫婦世帯)等
「どちらに該当するか」で適用の可否が変わるため、入居年の時点での年齢・扶養関係の整理が重要です。
床面積要件の緩和(40㎡)と例外(50㎡)
2026年入居以降、床面積要件は40㎡以上に緩和される方向です。一方で、次のケースは50㎡以上が必要となる整理です。
- 合計所得金額が1,000万円超の方
- 子育て世帯等の上乗せ措置を利用する方
マンションの住戸選び(40㎡台)で控除を見込む場合、所得要件や上乗せ利用の有無が結論を左右します。
2028年(令和10年)以降の注意:対象外となる住宅が増える
改正案では、2028年以降に次の制限が追加されます。
- 省エネ基準適合住宅:一定時期以降に建築確認を受ける新築は対象外(経過措置あり)
- 災害レッドゾーン内の新築住宅:一定時期以降の入居分は対象外(建替え・既存住宅・リフォームは対象)
ハザード情報(自治体のハザードマップ等)と、建築確認時期・登記上の建築日付など、税務以外の書類要素も絡む点が実務上の落とし穴です。
いくら戻る?控除額の計算イメージ(住宅ローン減税 2026)
控除額の基本は「年末残高(上限あり)×控除率」です。2026年入居分の枠組みでは控除率0.7%が前提です。
- 控除額(目安)= 年末ローン残高(ただし借入限度額まで) × 0.7%
例:年末残高4,000万円、区分が「長期優良住宅(新築)」で借入限度額4,500万円の場合
- 4,000万円 × 0.7% = 年28万円(所得税額等の範囲で控除)
一方、年末残高が借入限度額を超える場合は、借入限度額が上限になります。子育て世帯等の上乗せが使えると、上限到達までの余地が広がるため、年末残高が大きい世帯ほど差が出やすくなります。
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申告手順:1年目の確定申告から、2年目以降まで
住宅ローン控除は、原則として「初年度に確定申告」が必要です(会社員でも例外ではありません)。2年目以降は年末調整で対応できるケースが一般的です。
Step 1: 初年度の必要書類を揃える(入居年の翌年に申告)
- 住宅ローンの年末残高証明書
- 登記事項証明書、売買契約書等(区分により必要書類が異なる)
- 省エネ・認定住宅の証明書類(該当する場合)
- 源泉徴収票(給与所得者の場合) など
Step 2: 確定申告書等作成コーナー等で申告する
国税庁の案内に沿って入力し、控除額を計算して申告します。e-Taxの場合、添付書類のイメージデータ提出が必要となる場面があります。
Step 3: 2年目以降は年末調整(該当者)
税務署から届く「控除証明書」等を会社へ提出し、年末調整で控除を受けます(転職や年末調整未了の場合は再び確定申告が必要になることがあります)。
税理士実務で多い注意点(2026年版)
- 「子育て世帯等の上乗せ」を見込んでいたが、入居時点の年齢・扶養関係が要件から外れていた
- 40㎡の緩和を前提に買ったが、所得が1,000万円超で50㎡要件が必要だった
- 2028年以降の「対象外」条件(建築確認時期・災害レッドゾーン)を後から知った
- 必要書類の不足で還付が遅れた(特に認定・省エネ関係の証明書)
当法人(税理士法人 辻総合会計)でも、住宅購入の税務相談は「購入前」にご相談いただくほど、手戻りが減ります。契約前に区分・入居時期・必要書類を一度棚卸しするのが最も確実です。
よくある質問
Q: 住宅ローン控除は2030年入居まで必ず使えますか?
Q: 子育て世帯の上乗せは、いつの時点で判定されますか?
Q: 会社員でも初年度に確定申告が必要ですか?
まとめ
- 住宅ローン控除は2026〜2030年入居まで延長される見込み
- 2026年は「省エネ性能の高い既存住宅の拡充」「子育て世帯等の上乗せ」が柱
- 床面積要件は40㎡へ緩和される一方、所得1,000万円超や上乗せ利用は50㎡要件に注意
- 2028年以降は建築確認時期や災害レッドゾーン等で対象外となる新築がある
- 初年度は原則確定申告。必要書類不足が最も多いトラブルなので早めの準備が重要
参照ソース
- 国土交通省「住宅ローン減税等の延長・拡充が閣議決定されました!」: https://www.mlit.go.jp/report/press/house02_hh_000241.html
- 国土交通省「(別紙1)令和8年度住宅税制改正概要(PDF)」: https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001975750.pdf
- 国税庁「住宅ローン控除を受ける方へ(確定申告特集)」: https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/tokushu/keisubetsu/juutaku.htm
- 財務省「住宅ローン控除の拡充(令和6年度改正)(PDF)」: https://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/income/r6kaisei.pdf
この記事を書いた人

辻 光明
代表税理士
税理士 / 認定経営革新等支援機関
税理士法人 辻総合会計の代表。クリニック開業支援・医療法人設立・クラウド会計導入を得意とし、オンラインでの税務顧問サービスを推進。
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