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中小企業向けコラム
作成日:2026.02.27
辻 光明

執筆者:辻 光明

代表税理士

住宅取得資金贈与の非課税枠と要件|2026年版を税理士解説

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住宅取得資金贈与の非課税枠と要件|2026年版を税理士解説

住宅取得資金贈与の非課税とは(2026年版の結論)

住宅取得資金贈与の非課税とは、父母・祖父母など直系尊属から「住宅の新築・取得・増改築のための金銭」を受け取った場合に、一定要件を満たせば贈与税がかからない枠を使える制度です。2026年(令和8年)も適用期限内で、省エネ等住宅は最大1,000万円、それ以外は最大500万円が非課税限度額の目安になります。

一方で、要件(年齢・所得・床面積・居住時期・申告)を一つでも外すと適用できず、後から修正申告が必要になるケースもあります。特に「親から住宅資金の援助を受けたいが、いくらまで・どんな条件で非課税にできるのか」が悩みどころではないでしょうか。

税理士法人 辻総合会計では、クリニックを含むオーナー家計の資金移転・相続対策の実務で、贈与の設計と申告まで一気通貫で支援してきました。制度は枠の大きさよりも、適用要件と書類の整合で結果が決まります。

非課税枠はいくらまで(省エネ等住宅とその他で違う)

2026年版でまず押さえるべきは、「住宅の性能区分」で非課税枠が分かれる点です。

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区分非課税限度額(受贈者1人あたり)代表的な判定の考え方
省エネ等住宅1,000万円住宅性能証明書等で省エネ・耐震・バリアフリー等の基準適合を証明
それ以外の住宅500万円上記の証明がない、または基準を満たさない
ここがポイント
非課税枠は「受贈者(もらう人)ごと」に判定されます。過去に同制度で非課税適用を受けた金額がある場合、原則としてその分を差し引いた残額が上限になります。

「親 住宅 贈与 いくらまで?」の実務的な見方

「いくらまで非課税か」は、次の3つで決まります。

  • 住宅が省エネ等住宅か(1,000万円 or 500万円)
  • 受贈者の所得要件・床面積要件を満たすか
  • 申告・証明書類が揃うか(証明の出し忘れで省エネ等住宅扱いにならないことがあります)

また、制度の非課税枠とは別に、一般的な贈与の基礎控除(暦年課税の110万円)など、他制度との組み合わせも検討余地があります。ただし、組み合わせ方は贈与の形式(暦年課税・相続時精算課税)やご家庭の相続設計で変わるため、全体最適で考えるのが安全です。

適用要件(住宅取得資金贈与 条件)をチェック

ここが最重要です。非課税枠が大きくても、要件を満たさなければゼロになります。

受贈者(子・孫など)の主な要件

代表的なポイントは次のとおりです。

  • 贈与者が直系尊属、受贈者が直系卑属であること(配偶者の親は原則対象外)
  • 贈与年の1月1日時点で18歳以上
  • 贈与年の合計所得金額が2,000万円以下
    • ただし、床面積が40㎡以上50㎡未満の住宅を使う場合は、所得1,000万円以下の要件が付く
  • 贈与を受けた年の翌年3月15日までに、資金を充てて新築等を行うこと
  • 贈与を受けた年の翌年3月15日までに居住、または遅滞なく居住する見込みがあること
    • 翌年12月31日までに居住していないと原則適用できず、修正申告が必要になることがある

対象となる住宅(床面積・中古の注意点)

住宅の要件でつまずきやすいのは「床面積」と「中古住宅の耐震」です。

  • 日本国内の住宅であること
  • 新築・取得の場合:床面積40㎡以上240㎡以下(マンションは専有部分)
    • かつ、床面積の1/2以上が自己居住用
  • 中古住宅は、一定の建築年要件(昭和57年以後の建築など)または耐震基準適合の証明が必要になる場合がある

「中古+リフォーム」や「中古取得後に耐震改修」などは、契約書・証明書の組み合わせで判断が変わります。契約の順序や証明書の種類で適否が分かれるため、事前確認が重要です。

申告手続きの流れ(2026年にやること)

この制度は「申告しなくても自動で非課税」ではありません。贈与税の申告が必要です。

Step 1: 住宅の区分を確定(省エネ等住宅か)

  • 省エネ等住宅で1,000万円枠を狙うなら、住宅性能証明書などの取得可能性を早めに確認します。
  • 証明を申告書に添付できないと、原則として省エネ等住宅扱いにならないリスクがあります。

Step 2: 要件の事前チェック(所得・床面積・居住時期)

  • 合計所得金額の見込み(給与・事業・不動産・譲渡等)を含めて判定します。
  • 住宅の床面積40㎡~50㎡のゾーンは所得要件が厳しくなるため、注意が必要です。

Step 3: 資金移動の記録を整える

  • 贈与の事実(誰から、いつ、いくら)を説明できるよう、振込記録や贈与契約書を整備します。
  • 住宅代金への充当(いつ、どの支払いに使ったか)が追える形にします。

Step 4: 贈与税の申告(翌年2/1〜3/15)

  • 贈与を受けた年の翌年2月1日〜3月15日に、所轄税務署へ申告します。
  • 戸籍謄本、契約書の写し等、必要書類の添付が必要です(ケースにより追加書類あり)。

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よくある落とし穴と実務上の注意点

1) 「期限内に住めばOK」と思い込み、居住要件で外れる

引渡し遅れ・転勤・家族事情などで居住が遅れると、原則として適用できず修正申告が必要になる可能性があります。入居時期は資金計画だけでなく、工期・引渡し条件も含めて逆算が必須です。

2) 省エネ等住宅の証明書類が間に合わず、500万円枠に落ちる

性能証明は「取ればいい」ではなく、申告書への添付が前提です。工務店・ハウスメーカー側の対応範囲もあるため、契約段階で確認しておくと事故が減ります。

3) 親子間の資金の動きが曖昧で、贈与の説明ができない

同居口座・現金手渡し・名義口座など、資金の動きが説明しづらい形は避け、振込記録など第三者的に追える形に寄せるのが安全です。

4) 他制度との併用を雰囲気で決めてしまう

暦年課税・相続時精算課税・他の非課税制度等は、将来の相続税や家族の資産構成で最適解が変わります。次の比較は入口の整理に役立ちます。

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論点住宅取得資金の非課税措置一般的な暦年贈与(基礎控除)
目的住宅資金の贈与を大きく非課税に毎年少額を分散して移転
非課税枠省エネ等1,000万円/その他500万円(要件あり)年110万円(毎年)
必要手続贈与税申告が必要申告不要なことが多い(状況による)
失敗しやすい点要件・添付書類・居住時期贈与の実態(名義預金化等)

よくある質問

Q: 住宅資金贈与の非課税は2026年も使えますか? ▼
使える可能性があります。制度は令和6年1月1日〜令和8年12月31日までの贈与が対象とされており、2026年(令和8年)中の贈与は適用期限内です。ただし、住宅の種類・所得・床面積・居住時期・申告など要件を満たす必要があります。
Q: 親から1,000万円もらえば必ず非課税になりますか? ▼
いいえ。省エネ等住宅に該当し、証明書類を申告書に添付できることなどが前提です。省エネ等住宅に該当しない場合の非課税限度額は500万円となります。
Q: 住宅を買う前にお金をもらっても大丈夫ですか? ▼
可能ですが、贈与を受けた年の翌年3月15日までに、その資金の全額を充てて新築等を行うことなどの要件があります。契約・着工・引渡しのスケジュール次第で要件を外れるリスクがあるため、資金移動のタイミングは慎重に設計してください。
Q: 申告し忘れたらどうなりますか? ▼
原則として非課税の特例は適用できず、贈与税の申告・納税(必要なら加算税や延滞税の対象)となる可能性があります。期限後でも更正の請求や修正申告が絡むケースがあるため、早めに税務署または税理士へ相談するのが安全です。

まとめ

  • 住宅取得資金贈与の非課税は、2026年も期限内で使える可能性がある(令和8年12月31日まで)
  • 非課税枠は省エネ等住宅1,000万円、その他500万円が基本
  • 18歳以上・所得要件・床面積40〜240㎡・居住時期など、要件を一つでも外すと適用できない
  • 省エネ等住宅扱いには証明書類の添付が重要(間に合わないと枠が下がり得る)
  • 贈与税申告が必要(翌年2/1〜3/15)。資金移動と契約書類の整合が実務の要

参照ソース

  • 国税庁「No.4508 直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税」: https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4508.htm
  • 国土交通省「住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置」: https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk2_000018.html

この記事を書いた人

辻 光明

辻 光明

代表税理士

税理士 / 認定経営革新等支援機関

税理士法人 辻総合会計の代表。クリニック開業支援・医療法人設立・クラウド会計導入を得意とし、オンラインでの税務顧問サービスを推進。

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