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中小企業向けコラム
作成日:2026.02.22
辻 光明

執筆者:辻 光明

代表税理士

メルカリ確定申告はいくらから?20万円ルールを税理士が解説

9分で読めます
メルカリ確定申告はいくらから?20万円ルールを税理士が解説

メルカリの売上があっても、すべてが確定申告対象になるわけではありません。結論から言うと、「生活に使っていた不用品の売却」は原則として非課税ですが、転売目的や継続的な販売は課税(雑所得・事業所得など)になり得ます。特に会社員の方は「20万円ルール」を売上と勘違いして申告漏れが起きやすい点が要注意です。

本記事では、税理士法人 辻総合会計の実務目線で、判断に迷いやすい境界線と、申告漏れを防ぐためのチェック手順をまとめます(個別事情で結論が変わるため、最終判断は専門家へご相談ください)。

不用品販売は非課税?「生活用動産」と30万円基準

「生活用品の売却は非課税」は原則として正しい

国税庁は、家具・衣服など生活に通常必要な動産(生活用動産)の譲渡による所得は課税されないと整理しています。つまり、クローゼット整理で出た古着や家電を売るケースは、通常は確定申告の対象外になりやすいです。
一方で、「生活用動産」の範囲から外れると課税の可能性が出ます。国税庁は、貴金属・宝石・書画・骨とう等で「1個または1組の価額が30万円を超えるもの」は非課税扱いから除くとしています。

30万円基準は「売上」ではなく「1個(1組)の価額」

誤解が多いのが「年間30万円まで非課税」という誤認です。そうではなく、原則非課税の対象から除外されるのは「1個(1組)の価額が30万円を超える貴金属等」です。
高額腕時計やブランド宝飾などは、取引単位の価額で判定され、課税関係が変わり得ます。

ここがポイント
メルカリの「売上(入金額)」と「所得(もうけ)」は別物です。課税判断は原則として所得(収入-必要経費)で行います。送料・販売手数料・梱包資材・仕入(転売の場合)など、性質が明確なものは記録しておくと申告時に整理しやすくなります。

転売・継続販売は課税:雑所得か事業所得かの考え方

「不用品」でも転売目的なら課税になり得る

同じ商品でも、目的と実態で扱いが変わります。たとえば、

  • 生活で使っていた家電を処分目的で売る:原則非課税になりやすい
  • 仕入れて売る、相場を見て繰り返し売る:課税(雑所得・事業所得等)の可能性

国税庁は、フリマアプリ等の個人取引による所得について、生活用資産の売却は非課税で申告不要としつつ、一般に副収入としては雑所得に該当し得る例を示しています。

ハンドメイド販売は「業として」行うと課税(雑所得/事業所得)

ハンドメイドやデジタル商品販売は、生活用動産の「処分」とは性質が異なり、基本的に課税の土俵に乗りやすい領域です。判断の実務ポイントは次の通りです(単一要件で決まりません)。

  • 反復継続性:毎月出品している、在庫を持っている
  • 営利性:原材料を仕入れて利益を確保している
  • 規模:売上や取引件数が大きい、作業時間が長い
  • 体制:SNS集客、外注、専用口座・帳簿の整備 など

税理士法人 辻総合会計でも「趣味の延長のつもりだったが、実態は継続販売で利益が出ていた」という相談は少なくありません。迷う場合は、まず雑所得として整理し、規模が大きければ事業所得(開業届・帳簿・青色申告など)も含めて検討するのが現実的です。

20万円ルールの落とし穴:会社員ほど誤解しやすいポイント

20万円は「売上」ではなく「所得」

給与所得者(会社員など)は、年末調整済みでも「給与以外の各種所得の合計額が20万円を超える」場合、原則として確定申告が必要です。ここでいう20万円は売上ではなく、必要経費を引いた後の所得(もうけ)の合計です。

20万円以下でも「確定申告しなくていい」=完全に何もしなくていい、ではない

国税庁の整理では「確定申告を要しない場合」の規定であって、「確定申告をする場合に20万円以下は申告しなくてよい」という意味ではない点が明示されています。
また、所得税の確定申告が不要な場合でも、住民税は別途申告が必要になるケースがあります(所得税の確定申告をした場合はデータ連携されるため、住民税の申告は原則不要)。

メルカリ副業が「会社にバレる」より先に起きる税務リスク

いわゆる「副業がバレる/バレない」の話題が先行しがちですが、税務上は「申告義務があるのにしていない」状態が最大のリスクです。国税庁の確定申告特集でも、フリマアプリ等の収入の申告漏れに注意喚起があります。
実務上、税務署からの照会・調査では、入金記録、決済サービス、口座取引などから収入の裏付けが取られることがあります。申告要否の判断を先に固め、必要なら期限内申告・修正で整えることが最優先です。

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よくある状況税務上の扱いの目安典型的な対応
使っていた服・家電を処分で売却生活用動産なら原則非課税記録は残しつつ申告は通常不要
仕入れて相場差益を狙う転売課税(雑所得/事業所得の可能性)収支計算、必要経費の整理、申告検討
ハンドメイドを継続販売課税(雑所得/事業所得の可能性)売上・経費台帳、必要なら開業届
高額な宝飾・骨とう等(1個30万円超)原則非課税から除外され得る取得価額・譲渡価額の記録、申告検討

申告漏れが発覚しやすいケースと、記録の残し方

発覚しやすいケース(実務で多い順)

  • 入金が銀行口座にまとまっている(振込履歴が明確)
  • 年間を通じて取引回数が多い、同種商品の反復(転売・継続販売の疑い)
  • 利益が出やすい商材(限定品、ブランド、せどり系)
  • 他の申告(住宅ローン控除・医療費控除など)で確定申告をする年に、フリマ収入を「入れ忘れる」

国税庁も、確定申告特集でフリマアプリ等の収入を含む申告漏れに注意喚起し、申告漏れの修正申告では延滞税、調査で指摘された場合は加算税が課され得る旨を示しています。

記録の残し方(最低限)

  • 年間の「売上(入金)」一覧:アプリの取引履歴CSV、スクリーンショット
  • 必要経費の証拠:送料、梱包資材、仕入、手数料の明細
  • 不用品か転売かの説明材料:購入時期、使用実態(任意だが高い防御力)
ここがポイント
不用品売却は原則非課税でも、「何を」「いつ」「なぜ売ったか」をざっくり説明できる状態にしておくと、転売と誤解されるリスクが下がります。家族名義の出品・入金口座を混在させると整理が難しくなるため、できれば分けて管理してください。

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今から間に合う:修正申告・期限後申告の進め方と加算税リスク

「申告が必要だったかも」と気づいたら、放置せず早めに手当てするのが鉄則です。国税庁は、申告を忘れた場合はできるだけ早く申告(期限後申告)するよう案内しています。

Step 1: まずは課税対象の所得を切り分ける

  • 不用品(生活用動産)売却:原則非課税の範囲か確認
  • 課税になり得る取引:転売・継続販売・ハンドメイド等を抽出
  • 売上ではなく所得で集計(収入-必要経費)

Step 2: 申告区分を決める(雑所得/事業所得など)

  • 小規模で副収入に近い:雑所得で整理しやすい
  • 反復継続・規模大・事業実態:事業所得も検討(帳簿・届出含む)

Step 3: 申告書を作成して提出(e-Tax等)
国税庁の「確定申告書等作成コーナー」を利用し、年分・所得区分を誤らないよう入力します。

Step 4: 追加納税がある場合は速やかに納付
修正申告等で追加納税がある場合、延滞税がかかることがあります。さらに、税務署の調査で申告漏れを指摘されると加算税が課され得ます。ペナルティを最小化する観点でも、自主的・早期の対応が重要です。

よくある質問

Q: メルカリの「売上」が20万円を超えたら確定申告が必要ですか? ▼
20万円基準は原則として「所得(利益)」です。売上から必要経費(手数料・送料・仕入等)を引いた後の所得で判定します。なお、不用品(生活用動産)の処分であれば原則非課税の範囲に入る可能性があります。
Q: 不用品販売でも、何を売っても非課税ですか? ▼
いいえ。生活用動産の譲渡は原則非課税ですが、貴金属・宝石・書画・骨とう等で「1個または1組の価額が30万円を超えるもの」は非課税から除外され得ます。また、転売目的や継続販売は課税(雑所得・事業所得など)の可能性があります。
Q: 会社員で副業所得が20万円以下なら、住民税も何もしなくていいですか? ▼
所得税の確定申告が不要でも、住民税は別途申告が必要になる場合があります。所得税の確定申告をした場合は自治体へデータ連携されるため通常は不要ですが、確定申告をしない場合はお住まいの市区町村で確認してください(扱いは自治体運用も関係します)。

まとめ

  • メルカリの不用品販売は、生活用動産の処分なら原則非課税になりやすい
  • ただし貴金属等で「1個(1組)30万円超」は非課税から除外され得る
  • 転売目的・継続販売・ハンドメイドは課税(雑所得/事業所得)の可能性が高い
  • 20万円ルールは「売上」ではなく「所得(利益)」で判定する(給与所得者は特に注意)
  • 申告漏れに気づいたら、期限後申告・修正申告で早期に是正し、延滞税・加算税リスクを抑える

参照ソース

  • 国税庁「No.3105 譲渡所得の対象となる資産と課税方法」: https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3105.htm
  • 国税庁「No.1906 給与所得者がネットオークション等により副収入を得た場合」: https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1906.htm
  • 国税庁「No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人」: https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1900.htm
  • 国税庁「こんな収入の申告漏れにご注意(令和7年分 確定申告特集)」: https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/tokushu/shinkoku-tyuui/
  • 政府広報オンライン「住民税の申告が必要な場合(確定申告不要制度の解説内)」: https://www.gov-online.go.jp/article/201212/entry-7511.html

この記事を書いた人

辻 光明

辻 光明

代表税理士

税理士 / 認定経営革新等支援機関

税理士法人 辻総合会計の代表。クリニック開業支援・医療法人設立・クラウド会計導入を得意とし、オンラインでの税務顧問サービスを推進。

ご注意事項

本記事の内容は、公開日時点における一般的な情報提供を目的としており、 特定の個人や法人に対する専門的なアドバイスを構成するものではありません。

税務・会計・法務等に関する具体的なご相談については、 必ず資格を持った専門家にご確認ください。 本記事の情報に基づいて行われた判断や行動により生じた損害について、 当事務所は一切の責任を負いかねます。

記事の内容は法令の改正等により変更される場合があります。 最新の情報については、関係省庁の公式サイト等でご確認ください。

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