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中小企業向けコラム
作成日:2026.02.27
辻 光明

執筆者:辻 光明

代表税理士

マイホーム売却3000万円控除の条件と申告|税理士が解説

8分で読めます
マイホーム売却3000万円控除の条件と申告|税理士が解説

マイホーム売却の3,000万円特別控除とは(結論)

マイホーム(居住用財産)を売ったときの「3,000万円特別控除」とは、売却益(譲渡所得)から最高3,000万円まで差し引ける制度です。国税庁の案内では、所有期間の長短に関係なく適用できる特例として整理されています。

一方で、要件の落とし穴が多く、「使えると思っていたのに使えない」「添付書類が足りずに否認リスクがある」という相談が毎年一定数あります。税理士法人 辻総合会計でも、売却前の段階で要件確認と書類準備まで逆算して進めるケースが多いです。


マイホーム売却の税金(譲渡所得)の基本

「マイホーム 売却 税金」で調べる方が最初につまずくのは、税金が売却代金にかかるのではなく利益(譲渡所得)にかかる点です。

譲渡所得(概算)は次の考え方です。

  • 譲渡所得 = 売却代金 -(取得費+譲渡費用)
  • ここから特例(3,000万円控除など)を差し引いた残りが課税対象

取得費・譲渡費用の典型例

  • 取得費:購入代金、建築代金、購入時の仲介手数料、登録免許税、不動産取得税など
  • 譲渡費用:売却時の仲介手数料、測量費、建物解体費(要件あり)、印紙税など
ここがポイント
取得費の証拠(売買契約書、領収書)が弱いと、取得費が小さく見積もられて税金が増えることがあります。売却を決めたら、まず「購入時資料の掘り起こし」を優先してください。

3,000万円特別控除の適用条件(要点)

国税庁の整理に沿って、実務で重要なポイントを絞ります。

1)対象となる資産(マイホームの範囲)

対象は「現に住んでいる家屋」だけでなく、一定の条件を満たす以前住んでいた家屋や、家屋と一緒に売る敷地等も含まれます。また、家屋を取り壊した場合の敷地でも、契約時期や用途制限などの要件を満たせば対象になり得ます。

実務では、「住まなくなってからの期限」と、取り壊し後の土地の使い方(貸駐車場にしていない等)が争点になりやすいです。

2)過去の特例適用との関係(2年前・1年前)

売却した年の前年・前々年に、同じ3,000万円特別控除や一定の譲渡損失の特例等を使っていると、原則として適用できません。複数年にまたがって自宅の売買をしている方は要注意です。

3)買換え特例など他の特例との併用制限

売却年、その前年・前々年に「買換え」「交換」等の特例の適用を受けていると、3,000万円特別控除が使えないケースがあります。制度の併用可否は「できる/できない」が明確に決まっているため、売却前に整理しておくのが安全です。

4)親子・夫婦など特別の関係がある人への売却は不可

親子・夫婦など、一定の特別関係者に売った場合は適用できません。名義や資金移動の実態も含めて見られるため、「実質が身内売買」になっていないかは慎重に判断します。

5)別荘・仮住まい等は対象外

別荘など趣味・保養目的の家屋や、仮住まい等一時的な目的と認められるケースは対象外とされています。


3,000万円控除が使える/使えないの比較表

相談頻度が高い論点を整理します(最終判断は事実関係と証拠次第です)。

←横にスクロールできます→
典型ケース3,000万円控除実務ポイント
現在住んでいる自宅を売却原則OK住民票住所・実際の居住実態
転居後、一定期限内に旧自宅を売却条件付きでOK「住まなくなってからの期限」を超えるとNG
建物を解体して土地だけ売却条件付きでOK解体後の土地を貸駐車場等にするとNGになりやすい
親・子・配偶者へ売却原則NG特別関係者に該当
別荘・セカンドハウス売却原則NG居住用の要件を満たさない
直近2年以内に同特例等を利用原則NG年度またぎの特例重複に注意

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確定申告の方法(自宅 売却 確定申告)

3,000万円特別控除を使うには、原則として確定申告が必要です。国税庁は、特例適用のために「一定の書類を添えて確定申告をすることが必要」と明記しています。

申告の全体像(ステップ)

Step 1: 売却内容を整理する(契約書・精算書の回収)
売買契約書、仲介手数料の領収書、譲渡費用の明細、購入時資料(取得費)を揃えます。購入時の契約書が見当たらない場合は、当時の資料や金融機関書類の再発行可否も含めて検討します。

Step 2: 譲渡所得を計算する(取得費+譲渡費用の確定)
建物がある場合は、減価償却を踏まえた取得費計算になることがあります。取得費の根拠資料の整備が重要です。

Step 3: 3,000万円特別控除の要件チェック
「居住用に該当するか」「期限内か」「特別関係者への売却でないか」「他特例との関係」などを点検します。

Step 4: 申告書・内訳書を作成し、必要書類を添付して提出
国税庁の様式に沿って、譲渡所得の内訳書等を作成します。作成は「確定申告書等作成コーナー」を利用するか、手引きに沿って作成します。

Step 5: 提出後、書類は保管する
税務署から追加確認が来ることもあるため、契約書・領収書・添付書類は整理して保管します。

必要書類(最低限ここから)

国税庁の案内では、提出書類として「譲渡所得の内訳書(土地・建物用)」の添付が明記されています。また、住民票の住所と物件所在地が異なる等の場合に、戸籍の附票の写し等、居住実態を明らかにする書類の追加提出が求められることがあります。


よくある失敗と注意点(税理士が現場で見た論点)

住所と居住実態のズレ

住民票を移していない、単身赴任・二拠点生活など、形式と実態がズレると説明資料が必要になることがあります。売却後に慌てないよう、売却前から整理しておくのが安全です。

使える特例の取り違え

3,000万円控除、買換え特例、軽減税率など、似た特例が複数あります。目的(税額を下げる/課税を繰り延べる)と併用制限が異なるため、どの特例を使うかは売却前に確定させるのが基本です。

ここがポイント
住宅ローン控除との関係も誤解が多い論点です。国税庁の案内でも、一定期間は住宅ローン控除等と両立しない旨が整理されています。自宅の買換え・リフォームが絡む場合は、年単位の設計が必要です。

よくある質問

Q: マイホームを売って利益が出ていなくても、確定申告は必要ですか? ▼
3,000万円控除を使うためには、原則として確定申告が必要です。また、利益が出ていない(譲渡所得がゼロまたはマイナス)場合でも、状況により申告の要否が変わるため、譲渡所得の計算と特例の適用関係を先に整理します。
Q: 住民票の住所と売却した家の住所が違います。3,000万円控除は使えますか? ▼
直ちに使えないとは限りませんが、国税庁の案内では、住所と所在地が異なる場合などに「戸籍の附票の写し等、居住の用に供していたことを明らかにする書類」の提出が必要になる旨が示されています。居住実態を説明できる資料を準備してください。
Q: 親に売った(または親から買った)場合でも使えますか? ▼
親子や夫婦など「特別の関係がある人」への売却は、原則として3,000万円特別控除の対象外です。名義や資金の動きも含め、形式だけ整えてもリスクが残ります。
Q: 建物を解体して土地だけ売りました。控除は使えますか? ▼
条件を満たせば対象になり得ますが、解体後の売買契約時期や、解体から契約までの土地の利用状況(貸駐車場等にしていない等)など、要件が細かく定められています。売却前に要件確認が重要です。

まとめ

  • 3,000万円特別控除は、マイホーム売却の譲渡所得から最大3,000万円を控除できる制度
  • 適用可否は「居住用の範囲」「期限」「他特例との併用」「特別関係者への売却」などで決まる
  • 特例を使うには、原則として確定申告が必要で、譲渡所得の内訳書等の添付が求められる
  • 取得費・譲渡費用の証拠が弱いと税負担が増えるため、書類回収を最優先に進める
  • 迷ったら売却前に要件確認(年単位の設計)を行うと、否認・手戻りを防ぎやすい

参照ソース

  • 国税庁「No.3302 マイホームを売ったときの特例」: https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3302.htm
  • 国税庁「令和7年分 譲渡所得の申告のしかた」: https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/tebiki/2025/kisairei/joto/index.htm
  • 国税庁「申告書添付書類一覧(譲渡所得関係)」: https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/joto/annai/1647_01_01.htm

この記事を書いた人

辻 光明

辻 光明

代表税理士

税理士 / 認定経営革新等支援機関

税理士法人 辻総合会計の代表。クリニック開業支援・医療法人設立・クラウド会計導入を得意とし、オンラインでの税務顧問サービスを推進。

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本記事の内容は、公開日時点における一般的な情報提供を目的としており、 特定の個人や法人に対する専門的なアドバイスを構成するものではありません。

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