税理士法人 辻総合会計グループ
無料相談
経営ブログに戻る
中小企業向けコラム
作成日:2026.02.27
辻 光明

執筆者:辻 光明

代表税理士

株の確定申告は必要?不要?特定口座の仕組み|税理士が解説

10分で読めます
株の確定申告は必要?不要?特定口座の仕組み|税理士が解説

株の確定申告が必要かどうかは、「どの口座で取引したか」と「申告で得する調整(損益通算・繰越控除など)をするか」で決まります。特定口座(源泉徴収あり)だけで完結していれば、原則として申告不要にできます。一方、一般口座や特定口座(源泉徴収なし)で利益が出ている場合は、原則として確定申告が必要です。税理士法人 辻総合会計でも、口座の種類の取り違えによる申告漏れ相談が多いため、まずは全体像を押さえて判断できる形に整理します。

株の確定申告が必要・不要の早見表

まずは結論を早見で確認しましょう。ポイントは「源泉徴収ありの特定口座かどうか」です。

←横にスクロールできます→
取引口座/状況原則の扱い例外(申告が必要/した方がよい)
特定口座(源泉徴収あり)で株の売却益が出た申告不要を選べる他口座と損益通算したい、損失の繰越控除をしたい場合は申告が必要
特定口座(源泉徴収なし)で株の売却益が出た原則、申告が必要(例外は個別事情。基本は申告前提で確認)
一般口座で株の売却益が出た原則、申告が必要(例外は個別事情。基本は申告前提で確認)
NISA口座内の売却益・配当非課税で申告不要損失が出ても損益通算・繰越控除はできない
ここがポイント
給与所得者には「給与以外の所得の合計が20万円以下なら所得税の確定申告が不要」という整理があります。ただし、住民税の申告が別途必要になるケースがあります。また、特定口座(源泉徴収あり)で申告不要を選択した株の譲渡所得等は、この「20万円判定の所得合計」に含めない扱いが示されています。迷う場合は、口座区分と年間取引報告書を先に確認しましょう。

特定口座とは?源泉徴収あり・なしの違い

特定口座は、証券会社等が取引損益の計算を行い、「特定口座年間取引報告書」でまとめてくれる仕組みです。ここで重要なのが「源泉徴収をするかどうか」です。

特定口座(源泉徴収あり)は「申告不要」を選べる

特定口座で源泉徴収を選択すると、譲渡益に対して証券会社等が税額計算と源泉徴収まで行います。その結果、源泉徴収口座内の上場株式等の譲渡による所得は、口座ごとに「申告する/申告不要」の選択ができます。

ただし、次で説明する損益通算・繰越控除を使う場合などは、申告が必要になります。

特定口座(源泉徴収なし)は「計算は楽だが、申告は原則必要」

源泉徴収なしは、損益計算の取りまとめはあるものの、納税は確定申告で行う前提になりやすい類型です。実務上は、一般口座と同様に「利益があるなら申告が必要」と理解しておくと判断ミスが減ります。

一般口座は自分で損益計算が必要

一般口座は、特定口座年間取引報告書のような整理が標準化されていないため、取得価額や手数料等を含めた計算を自分で行う必要があります。申告判断以前に、計算ミス・漏れが起きやすい点が注意です。

株の確定申告が必要なケース|いくらから?

ここでは「株 確定申告 必要」の検索意図に直結する、必要になる代表パターンを整理します。

1) 一般口座で売却益が出た

一般口座の上場株式等の譲渡益がある場合、原則として申告分離課税で確定申告を行う整理になります。口座区分が混在している人は、まず「どの口座で利益が出たか」を分解してください。

2) 特定口座(源泉徴収なし)で売却益が出た

源泉徴収が行われていないため、納税は申告で行う前提になります。特定口座年間取引報告書で金額の把握は容易でも、申告が不要になるとは限りません。

3) 給与所得者で、給与以外の所得合計が20万円を超える(目安)

給与所得者は、一定の要件のもとで「給与以外の所得合計が20万円以下なら申告不要」という枠組みがあります。逆にいえば、株の譲渡所得等を含む「給与以外の所得合計」が20万円を超える場合は確定申告が必要になりやすいです。

ただし、ここでいう「所得合計に含めないもの」も定められており、特定口座(源泉徴収あり)で申告不要を選択した譲渡所得等などは、合計に含めない扱いが示されています。判定は口座と選択状況で変わるため、「20万円」だけで機械的に判断しないことが重要です。

4) 損益通算・繰越控除を使う(申告が必要になる)

上場株式等に係る譲渡損失がある場合、確定申告により配当所得等(申告分離課税を選択したもの)と損益通算でき、控除しきれない損失は翌年以後3年間繰り越せます。この特例の適用には、確定申告が必要です。

申告不要でも「申告した方が得」なケース

「特定口座(源泉徴収あり)だから絶対に申告しない」が最適とは限りません。税理士法人 辻総合会計でも、次のケースは見直しの余地が大きいと感じます。

1) 他口座の利益と損失を相殺したい(損益通算)

A証券で利益、B証券で損失、といったケースでは、源泉徴収ありの特定口座内で完結していても、全体で損益通算するには確定申告が必要になります。申告により所得税が還付されることがあります。

2) 損失を翌年以後に繰り越したい(繰越控除)

繰越控除は「損失が出た年に申告して、その後も連続して申告する」ことが実務上の要点です。翌年以後に利益が出そうな人ほど、損失年の申告が将来の節税につながります。

3) 配当の課税方式を選びたい(申告分離課税など)

上場株式等の配当等は、総合課税に代えて申告分離課税を選択できます。配当を申告する場合は、申告方式の選択が絡むため、全体の税率や控除関係を踏まえて検討が必要です。

4) NISAの利益は申告不要。ただし損失が出ても使えない

NISA口座内の配当等や譲渡益は非課税です。一方で、NISA内で損失が出ても損益通算・繰越控除はできません。「今年はNISAで損したから他の利益と相殺したい」という発想は成立しない点が重要です。

中小企業の税務・経営相談

創業から成長期まで、企業のフェーズに合わせた税務・経営サポートを提供しています。

無料相談を申込む 📞 050-1808-9643

平日 9:15〜18:15(土日祝休業)

株の確定申告のやり方|特定口座年間取引報告書で進める手順

実務では、特定口座年間取引報告書を起点にするとミスが減ります。代表的な流れを整理します(電子申告/紙いずれでも考え方は同じです)。

Step 1: 取引口座を棚卸しする

  • 一般口座 / 特定口座(源泉徴収あり) / 特定口座(源泉徴収なし) / NISA を分ける
  • 証券会社が複数ある場合は全社分を集める

Step 2: 特定口座年間取引報告書を確認する

  • 年間の譲渡益(または譲渡損)
  • 源泉徴収税額(源泉徴収ありの場合)
  • 配当等を口座受入している場合は、その金額や控除額欄

Step 3: 申告するかの意思決定をする

  • 申告が必要(一般口座の利益、特定口座源泉徴収なしの利益 等)
  • 申告した方が得(損益通算、繰越控除、配当の申告方式検討 等)
  • 完全に申告不要で終える(源泉徴収あり特定口座のみで、調整不要)

Step 4: 確定申告書等作成コーナー等で入力し提出する

  • 株式等の譲渡・配当は、申告分離課税として入力する場面が中心
  • 繰越控除を使う場合は、付表等の添付が必要になる
ここがポイント
「申告しないと損益通算できない」「繰越控除は連続申告が必要」など、株の申告は申告する/しないの選択が将来の税額に影響します。税額だけでなく、翌年以後の見通し(利益が出そうか)も含めて判断するのがコツです。

よくある質問

Q: 株の確定申告はいくらから必要ですか? ▼
一般口座や特定口座(源泉徴収なし)で売却益が出ている場合は、原則として申告が必要になる前提で確認してください。給与所得者は「給与以外の所得合計が20万円以下なら申告不要」という整理もありますが、特定口座(源泉徴収あり)で申告不要を選択した譲渡所得等はその合計に含めない扱いが示されており、口座区分と選択状況で判定が変わります。
Q: 特定口座(源泉徴収あり)なら、確定申告は本当に不要ですか? ▼
原則は申告不要を選べます。ただし、他口座と損益通算したい、損失の繰越控除を使いたいなどの場合は確定申告が必要です。申告すると還付になるケースもあるため、「不要=申告しない方が得」とは限りません。
Q: 株で損した年は確定申告した方がいいですか? ▼
上場株式等の譲渡損失は、確定申告により配当所得等(申告分離課税を選択したもの)と損益通算でき、控除しきれない損失は翌年以後3年間繰り越せます。将来利益が出る見込みがあるなら、損失年の申告が有利になりやすいです。
Q: NISAで利益が出ました。確定申告は必要ですか? ▼
NISA口座内で生じた配当等や譲渡益は非課税のため、原則として確定申告は不要です。一方で、NISA口座内の損失は損益通算・繰越控除の対象にならない点に注意してください。

まとめ

  • 株の申告要否は、まず口座区分(一般/特定口座・源泉あり/なし)で決まる
  • 特定口座(源泉徴収あり)は原則申告不要を選べるが、損益通算や繰越控除を使うなら申告が必要
  • 一般口座・特定口座(源泉徴収なし)の利益は、原則として申告が必要
  • 給与所得者の「20万円基準」は口座と選択状況で扱いが変わるため、機械判断は危険
  • 迷ったら、特定口座年間取引報告書を集めて「申告が必要」か「申告した方が得」かを分けて判断する

参照ソース

  • 国税庁「特定口座制度(No.1476)」: https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1476.htm
  • 国税庁「株式等を譲渡したときの課税(申告分離課税)(No.1463)」: https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1463.htm
  • 国税庁「給与所得者で確定申告が必要な人(No.1900)」: https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1900.htm
  • 国税庁「上場株式等に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除(No.1474)」: https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1474.htm
  • 国税庁「上場株式等の配当等に係る申告分離課税制度(No.1331)」: https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1331.htm
  • 国税庁「NISA制度(No.1535)」: https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1535.htm
  • 国税庁「確定申告書等作成コーナー(特定口座年間取引報告書)」: https://www.keisan.nta.go.jp/r1yokuaru/ocat3/ocat33/cid1066.html

この記事を書いた人

辻 光明

辻 光明

代表税理士

税理士 / 認定経営革新等支援機関

税理士法人 辻総合会計の代表。クリニック開業支援・医療法人設立・クラウド会計導入を得意とし、オンラインでの税務顧問サービスを推進。

ご注意事項

本記事の内容は、公開日時点における一般的な情報提供を目的としており、 特定の個人や法人に対する専門的なアドバイスを構成するものではありません。

税務・会計・法務等に関する具体的なご相談については、 必ず資格を持った専門家にご確認ください。 本記事の情報に基づいて行われた判断や行動により生じた損害について、 当事務所は一切の責任を負いかねます。

記事の内容は法令の改正等により変更される場合があります。 最新の情報については、関係省庁の公式サイト等でご確認ください。

シェア:
経営ブログに戻る

お電話でのご相談

050-1808-9643

受付時間 9:15〜18:15(土日祝休業)

Webお問い合わせ

おすすめコラム

税金のクレジットカード払いは得?ポイントと手数料の損益分岐点|税理士が解説

税金のクレジットカード払いは得?ポイントと手数料の損益分岐点|税理士が解説

メルカリ税金いくらから?申告ライン|税理士が解説

メルカリ税金いくらから?申告ライン|税理士が解説

ふるさと納税限度額シミュレーション2026|年収・家族別早見表

ふるさと納税限度額シミュレーション2026|年収・家族別早見表

人気コラムランキング

1
経理効率化ツール5選|中小企業の導入手順まで税理士が解説

経理効率化ツール5選|中小企業の導入手順まで税理士が解説

2
顧問税理士の選び方|料金相場と失敗回避5つ

顧問税理士の選び方|料金相場と失敗回避5つ

3
創業融資の自己資金はいくら必要?|税理士が解説

創業融資の自己資金はいくら必要?|税理士が解説

4
決算だけ税理士に依頼は可能?費用と注意点|税理士が解説

決算だけ税理士に依頼は可能?費用と注意点|税理士が解説

5
freeeとマネーフォワード比較|どっちを選ぶ?税理士が解説

freeeとマネーフォワード比較|どっちを選ぶ?税理士が解説

CONTACT

無料相談のご案内

税務顧問・会社設立・創業融資・クラウド会計など、お気軽にご相談ください。初回相談は無料です。

ご相談だけでも歓迎です。お気軽にお問い合わせください。

050-1808-9643
平日 9:15〜18:15

© 2026 税理士法人 辻総合会計グループ. All rights reserved.

プライバシーポリシー

お電話はこちら

050-1808-9643

050-1808-9643

無料相談する

平日 9:15〜18:15