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クリニック向けコラム
作成日:2026.04.06
辻 勝

執筆者:辻 勝

会長税理士

ベースアップ評価料のスケジュール2026|届出・報告の年間整理

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ベースアップ評価料のスケジュール2026|届出・報告の年間整理

ベースアップ評価料のスケジュール2026を先に整理

2026年6月施行のベースアップ評価料は、「5月に届出準備・提出」「6月1日施行」「施行後に賃上げ実施と記録管理」「その後の報告対応」という流れで捉えるのが実務上わかりやすい整理です。特に院長や事務長にとっての問題は、改定内容の理解そのものよりも、何をいつまでにやるかが見えにくいことではないでしょうか。税理士法人 辻総合会計でも、制度改定時は「届出はいつ出すのか」「賃上げを先にするのか」「報告資料は何を残すのか」という相談が集中します。

2026年度改定では、厚生労働省が令和8年6月1日施行を明示しており、賃上げ対応の説明資料も公開されています。一方で、ベースアップ評価料の専用ページでは、2026年改定の個別詳細は順次公開予定とされており、現時点では確定情報と公開待ち情報を分けて実務対応することが重要です。

ベースアップ評価料 2026の変更点とは

2026年度改定の概要資料では、ベースアップ評価料について次の方向性が示されています。

  • 令和8年6月1日から新水準で施行
  • 令和8年度・令和9年度で段階的評価
  • 継続的に賃上げをしている医療機関と、それ以外で評価が異なる
  • 対象職員を拡大し、事務職員や40歳未満の医師等も対象に含める方向
  • 外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅰ)は点数水準が見直される

たとえば外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅰ)は、2026年6月から2027年5月までの新たに賃上げを行う施設で、初診時17点、再診時4点とされ、継続的賃上げ実施施設ではさらに高い評価が示されています。2027年6月以降は、さらに段階的な引上げが予定されています。

ここがポイント
2026年4月6日時点では、厚労省のベースアップ評価料専用ページに「令和8年度診療報酬改定のベースアップ評価料についての詳しい情報は追って公開予定」と明記されています。したがって、届出様式や細かな運用は今後の通知・疑義解釈で更新される可能性があります。

ベースアップ評価料 6月施行までの準備スケジュール

2026年の実務は、次の時系列で押さえると整理しやすくなります。

2026年3月から4月にやること

3月から4月は、改定内容の把握と自院への影響確認の時期です。ここで確認したいのは、単に点数表だけではありません。

  • 自院が外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅰ)だけで足りるか
  • 継続的賃上げ実施施設として扱えるか
  • 対象職員の範囲をどう定義するか
  • 2025年度までの賃金実績と2026年度の賃上げ方針をどう整合させるか
  • レセコン、給与計算、就業規則、院内説明の準備が必要か

現場では、診療報酬の届出と賃上げ原資の見積りを別々に考えてしまい、後から整合が取れなくなるケースがあります。届出前に「誰に・いくら・いつから」賃上げするかを数値で整理することが重要です。

2026年5月にやること

地方厚生局の案内では、2026年度改定に伴う施設基準の届出は5月7日から受付開始とされています。6月1日から算定したい場合は、6月1日までに提出され、要件審査を終えて受理される必要があります。

この時期の実務は次のとおりです。

Step 1: 算定区分を決める

自院が届出すべき評価料区分を確認します。外来中心の診療所でも、在宅や複数機能の有無で検討事項が変わります。

Step 2: 届出様式を作成する

厚労省・厚生局の最新様式を使い、必要シートを作成します。旧様式の流用は避けたいところです。

Step 3: 賃上げ計画と院内説明を整える

実際に支給する賃金改善の方法、開始月、対象者を整理し、給与計算担当者にも共有します。

Step 4: 管轄の地方厚生局へ提出する

メール提出や提出先の運用は管轄ごとに確認が必要です。締切日当日ではなく、補正対応の余地を見て前倒し提出が安全です。

ベースアップ評価料 届出はいつまでか

「届出はいつまでか」という検索が多い理由は、制度上の施行日と、算定開始のための届出期限が混同されやすいからです。実務では次の整理が有効です。

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項目2026年の目安実務上の意味
改定施行日2026年6月1日この日から新水準の点数体系が動く
届出受付開始2026年5月7日地方厚生局への提出準備を開始できる時期
6月算定の提出目安2026年6月1日必着・受理この日までに受理されれば6月1日算定開始が可能
期限後提出以後は通常扱い6月開始に間に合わない可能性がある

ここで大切なのは、「提出した日」ではなく「受理されたか」まで見て動くことです。差戻しや補正が入ると、想定どおり6月算定に乗らないおそれがあります。とくに2026年改定は新旧制度の読み替えが発生するため、早めの提出が安全です。

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施行後の賃上げと報告は何をすべきか

6月1日に届出が終われば終了ではありません。むしろ実務負担は施行後に残ります。

賃上げ実施後に残すべき記録

  • 対象職員一覧
  • 改定前後の給与テーブル
  • 手当、基本給、夜勤手当等の変更内容
  • 賞与を含む賃金改善実績
  • ベースアップ評価料収入の月次集計
  • 院内決裁資料や説明記録

2026年度改定の説明資料では、実際に支給される給与や賞与に係る賃上げ措置の実績について詳細把握を行う方向が示されています。つまり、単に届出だけ整っていても、後から説明できる証拠がないと運用面で弱いということです。

実績報告はいつか

現行の厚労省ベースアップ評価料ページでは、賃金改善実績報告書は「各年8月に提出」と案内されています。2026年度改定後のベースアップ評価料の専用詳細は今後公開予定ですが、少なくとも年間管理の発想としては、6月施行後に月次で記録を取り、8月報告を見据えて資料を積み上げる運用が合理的です。

ここがポイント
2026年度改定後の報告様式や提出時期の細目は、今後の厚労省通知・専用ページで必ず再確認してください。現時点では、施行日や評価見直しは確定していますが、報告実務の詳細は公開待ちの部分があります。

ベースアップ評価料の年間スケジュールをどう運用するか

最後に、診療所・クリニック向けに年間の実務カレンダーとして整理します。

2026年のやることリスト

  • 3月: 改定概要、対象職員、点数見直しの確認
  • 4月: 賃上げ方針、原資試算、給与設計、院内共有
  • 5月上旬: 届出様式の完成、提出先確認、提出
  • 6月1日: 改定施行、算定開始、給与反映の運用開始
  • 6月以降: 算定額と賃金改善額の月次管理
  • 夏以降: 実績報告や追加通知に対応
  • 2027年6月以降: 段階的評価の次年度見直しも見据えて再点検

「とりあえず届出だけ出す」ではなく、2026年は届出・算定・賃上げ・報告を一連のプロジェクトとして管理する年と考えると失敗しにくくなります。よくある相談として、届出は済んだものの、賃上げ対象者の整理が曖昧で、後から給与台帳との整合に苦労するケースがあります。個別の状況により最適な設計は異なるため、医療機関の規模、職種構成、既存の賃金制度まで含めた検討が必要です。

よくある質問

Q: 2026年6月1日から算定したい場合、いつまでに届出すればよいですか? ▼
地方厚生局の案内では、2026年5月7日から受付開始とされ、2026年6月1日までに届出書が提出され、要件審査を終えて受理されたものは6月1日から算定できるとされています。実務上は補正対応を見込んで前倒し提出が安全です。
Q: 2026年度改定の詳細はもうすべて出ていますか? ▼
いいえ。厚生労働省は2026年6月1日施行を示し、改定概要資料も公表していますが、ベースアップ評価料専用ページでは個別詳細は追って公開予定と案内されています。最新の届出様式や疑義解釈は追加公表を確認する必要があります。
Q: 実績報告のために何を残しておけばよいですか? ▼
対象職員一覧、給与台帳、手当変更記録、賞与を含む賃金改善実績、ベースアップ評価料収入の集計資料は最低限残したいところです。報告時に金額の根拠説明ができる状態を作ることが大切です。

まとめ

  • 2026年のベースアップ評価料は、6月1日施行を前提に5月の届出準備が重要
  • 6月算定開始を目指すなら、管轄厚生局への早めの提出と受理確認が必要
  • 2026年度改定では対象職員拡大や段階的評価が示されている
  • 施行後は賃上げ実施だけでなく、給与台帳や算定額の記録管理が重要
  • 報告実務の細部は今後の通知で更新されるため、最新公表の確認が欠かせない

参照ソース

  • 厚生労働省「ベースアップ評価料等について」: https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000188411_00053.html
  • 厚生労働省「令和8年度診療報酬改定について」: https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_67729.html
  • 厚生労働省「令和8年度診療報酬改定説明資料等について」: https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_71068.html
  • 厚生労働省東海北陸厚生局「令和8年度診療報酬改定に伴う施設基準の届出等について」: https://kouseikyoku.mhlw.go.jp/tokaihokuriku/000455889.pdf

この記事を書いた人

辻 勝

辻 勝

会長税理士

税理士 / 行政書士

税理士法人 辻総合会計の会長。40年以上の実務経験を持ち、相続税・事業承継を専門とする。多くの医療法人・クリニックの顧問を務める。

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本記事の内容は、公開日時点における一般的な情報提供を目的としており、 特定の個人や法人に対する専門的なアドバイスを構成するものではありません。

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