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クリニック向けコラム
作成日:2026.04.06
辻 勝

執筆者:辻 勝

会長税理士

クリニック外国人採用の注意点|在留資格と労務対応

5分で読めます
クリニック外国人採用の注意点|在留資格と労務対応

クリニックの外国人スタッフ採用とは

クリニックの外国人採用とは、在留資格を満たした外国人を医療機関のスタッフとして雇用することです。人手不足が深刻な中、採用の選択肢として検討する院長が増えています。

一方で、在留資格の制限や医療特有の言語リスクがあり、単純な人材確保とは異なる対応が必要です。特に「採用できる職種」「できない業務」を誤ると、不法就労とみなされるリスクがあります。

当法人でも、医療事務や看護補助の外国人採用について相談が増えており、「制度理解の不足」が最大の課題となっています。

外国人スタッフの在留資格とは

医療機関で認められる在留資格

外国人採用では、在留資格の種類と業務内容の一致が最重要ポイントです。

主な在留資格は以下の通りです。

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在留資格主な対象職種クリニックでの可否
医療医師・看護師可(資格必須)
技術・人文知識・国際業務事務職一部可
特定技能介護など原則不可(医療機関は限定的)
留学(資格外活動)アルバイト制限あり

特に注意すべきは、医療事務は「単純労働」と判断される可能性がある点です。単純な受付業務のみでは「技術・人文知識・国際業務」の対象外となる場合があります。

ここがポイント
外国人を採用する際は「在留カード」で資格と就労制限の有無を必ず確認してください。コピー保管も義務付けられています。

外国人看護師の採用条件

外国人看護師の場合、日本の看護師免許が必要です。EPA(経済連携協定)ルートなどがありますが、以下の条件があります。

  • 日本語能力(N2程度が目安)
  • 国家試験合格
  • 病院・施設での研修

クリニック単独での採用はハードルが高く、現実的には経験者採用が中心です。

クリニックでの外国人採用のメリット・デメリット

メリット

  • 人手不足の解消
  • 多言語対応による患者サービス向上
  • 長期勤務の傾向(転職頻度が低い)

特に都市部では外国人患者も増加しており、語学対応がそのまま収益機会につながるケースもあります。

デメリット

  • 教育コストが高い
  • 医療用語の理解に時間がかかる
  • コミュニケーションリスク

当法人の顧問先でも、「採用後3ヶ月で業務理解に差が出る」ケースが多く見られます。

言語対応と医療安全のポイント

医療現場特有のリスク

医療機関では「誤解」が重大事故につながります。

例えば以下のような場面です。

  • 問診内容の聞き取りミス
  • 投薬説明の誤解
  • 緊急対応時の指示理解不足

そのため、日常会話レベルではなく医療日本語の理解が必要です。

対策方法

Step 1: 日本語レベルの明確化

採用基準としてN2以上を推奨

Step 2: マニュアル整備

専門用語を平易にした院内マニュアルを作成

Step 3: 二重チェック体制

重要業務は日本人スタッフが確認

ここがポイント
医療機関では「言語能力=安全性」と直結します。採用時の評価基準を曖昧にしないことが重要です。
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労務管理と法的注意点

労務管理の基本

外国人であっても、労務管理は日本人と同様です。

  • 労働基準法の適用
  • 社会保険の加入
  • 最低賃金の遵守

ただし、以下の点は追加で必要です。

  • 在留期限の管理
  • 資格外活動の時間制限(週28時間など)

不法就労リスク

以下の場合は違法となります。

  • 在留資格外の業務
  • 在留期限切れの雇用
  • 就労不可資格での勤務

違反すると、事業者にも罰則があります。

  • 3年以下の懲役または300万円以下の罰金

このため、採用時だけでなく継続的な在留管理が必要です。

外国人採用の進め方(実務手順)

外国人採用は以下の流れで進めます。

Step 1: 業務内容の整理

在留資格に適合する業務か確認

Step 2: 在留資格の確認

採用候補者の資格をチェック

Step 3: 雇用契約締結

労働条件通知書を明確化

Step 4: 入職後管理

在留期限・勤務時間の管理

当法人では、採用前に「業務内容チェック」を行うことでリスク回避を推奨しています。

よくある質問

Q: 医療事務として外国人を採用できますか? ▼
可能な場合もありますが、単純な受付業務のみでは在留資格の対象外となる可能性があります。専門性が必要です。
Q: 留学生アルバイトは使えますか? ▼
週28時間以内であれば可能です。ただし長時間勤務は違法となります。
Q: 英語が話せれば問題ありませんか? ▼
医療現場では日本語が必須です。特に医療用語の理解が重要です。

まとめ

  • 外国人採用は在留資格と業務内容の一致が最重要
  • 医療事務は単純労働と判断されるリスクあり
  • 日本語能力はN2以上が目安
  • 言語対応は医療安全に直結する
  • 在留期限管理を含めた継続的な労務管理が必要

参照ソース

  • 厚生労働省「外国人雇用について」: https://www.mhlw.go.jp
  • 出入国在留管理庁「在留資格一覧」: https://www.moj.go.jp
  • 厚生労働省「医療従事者の資格制度」: https://www.mhlw.go.jp

この記事を書いた人

辻 勝

辻 勝

会長税理士

税理士 / 行政書士

税理士法人 辻総合会計の会長。40年以上の実務経験を持ち、相続税・事業承継を専門とする。多くの医療法人・クリニックの顧問を務める。

ご注意事項

本記事の内容は、公開日時点における一般的な情報提供を目的としており、 特定の個人や法人に対する専門的なアドバイスを構成するものではありません。

税務・会計・法務等に関する具体的なご相談については、 必ず資格を持った専門家にご確認ください。 本記事の情報に基づいて行われた判断や行動により生じた損害について、 当事務所は一切の責任を負いかねます。

記事の内容は法令の改正等により変更される場合があります。 最新の情報については、関係省庁の公式サイト等でご確認ください。

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