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クリニック向けコラム
作成日:2026.04.06
辻 勝

執筆者:辻 勝

会長税理士

整形外科の診療報酬改定2026|リハビリ経営影響を解説

8分で読めます
整形外科の診療報酬改定2026|リハビリ経営影響を解説

整形外科クリニックの2026年診療報酬改定で何が変わるのか

整形外科クリニックの2026年診療報酬改定で重要なのは、運動器リハビリテーション料本体は大きく変わらない一方、計画書関連の評価が見直され、長期フォロー型の外来リハビリほど収益構造に影響が出やすい点です。特に、リハビリ患者数が多い院長にとっては、単なる点数確認ではなく、どの患者群で収益が目減りし、どこで補えるかの把握が経営課題になります。

2026年度改定では、運動器リハビリテーション料はⅠが185点、Ⅱが170点、Ⅲが85点で据え置かれました。一方で、リハビリテーション総合計画評価料は、初回300点に対し、2回目以降240点という区分が明確化されています。つまり、1単位あたりの訓練料ではなく、継続患者に付随する計画・説明業務の評価が実質的に圧縮されやすいのが今回の特徴です。

ここがポイント
本記事は2026年4月時点で公表されている厚生労働省資料を前提に整理しています。施設基準、届出状況、患者構成により実際の影響は異なるため、算定可否は個別確認が必要です。

運動器リハビリテーション料2026点数はどうなったか

運動器リハビリテーション料2026点数

整形外科クリニックが最も気にする運動器リハビリテーション料は、2026年度でも次の水準です。

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区分2026年点数主な見方
運動器リハビリテーション料Ⅰ185点高い体制整備が必要
運動器リハビリテーション料Ⅱ170点標準的な外来運用で中心
運動器リハビリテーション料Ⅲ85点収益性は限定的

このため、外来リハビリの売上の柱である疾患別リハビリそのものの単価は急減していません。2026年改定を「整形外科リハビリが全面減収」と捉えるのは正確ではなく、実際には周辺評価の見直しが収益性を左右します。

リハビリ計画書点数引き下げ2026の意味

今回の見直しで重要なのは、リハビリテーション総合計画評価料の2回目以降の区分です。初回300点に対し、2回目以降240点となるため、長期通院患者が多いクリニックほど、1人あたり年間の関連収益が薄くなりやすくなります。

さらに、計画書様式は簡素化され、説明者の範囲も医師以外へ広がりました。実務上は業務の柔軟性が増す半面、「手間は残るのに単価は下がる」患者群が生じやすいため、運用設計がそのまま利益率に直結します。

整形外科リハビリ収益はなぜ減少しやすいのか

長期リハビリ患者が多いほど逆風になりやすい理由

整形外科クリニックでは、変形性膝関節症、腰部脊柱管狭窄症、肩関節周囲炎、術後フォローなど、比較的長期間にわたり運動器リハビリを継続する患者が少なくありません。こうした患者は単位数が安定する一方で、計画書更新や説明の頻度も一定程度発生します。

そのため、計画関連評価の圧縮は、短期集中型よりも慢性疾患・維持期中心の外来リハビリに効いてきます。当法人でも、リハビリ部門の月次試算をすると、患者延べ人数は変わらなくても、計画評価料の比率が高い院ほど売上前年差が出やすい傾向があります。

収益影響を見誤りやすいポイント

見誤りやすいのは、点数表の本体だけを見て安心してしまうことです。整形外科では、売上は「初再診」「画像」「注射・処置」「リハビリ単位」「計画関連評価」で構成されます。このうちリハビリ部門は人件費比率が高いため、わずかな評価差でも利益への影響は大きくなります。

特に理学療法士を複数配置しているクリニックでは、計画関連評価の低下を放置すると、売上減より先に粗利率の低下として表面化しやすい点に注意が必要です。

運動器リハ算定要件変更2026への対応方法

Step 1: 患者群を初回型と継続型に分ける

まず必要なのは、患者を「初回評価が多い群」と「継続フォローが多い群」に分けることです。スポーツ障害や術後早期は初回比率が高く、慢性疼痛や加齢性疾患は継続比率が高くなる傾向があります。ここを分けないまま全体平均で見ると、改定影響を把握できません。

Step 2: 計画書作成と説明の担当体制を見直す

2026年改定では、計画書の説明を医師以外でも行える方向で見直されています。したがって、医師がすべて説明していた院は、看護師やリハ職を含めた運用に改めることで、医師の診察時間を確保しやすくなります。これは減収対策というより、生産性改善による利益確保の発想です。

Step 3: 1日あたり単位数と予約枠を再設計する

点数が据え置きでも、予約の詰め方が悪いと利益は残りません。キャンセル率、1枠20分当たり単位数、評価書更新のタイミングを見直し、スタッフ稼働を平準化することが重要です。特に夕方集中型の院では、混雑時間帯に評価業務が重なると非効率になりやすいでしょう。

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整形外科クリニック経営で使いたい収益対策

ベースアップ評価料やDX加算の活用

リハビリ部門の収益圧迫をそのまま受け止めるのではなく、医院全体で取り返す視点が必要です。ベースアップ評価料は人件費上昇への対応として重要であり、届出漏れや算定漏れがあると本来確保できる原資を失います。また、医療DX推進体制整備加算など、診療所全体で算定できる項目を整備することで、外来全体の採算改善につなげられます。

介護保険や自費リハビリによる収益多角化

2026年以降の整形外科経営では、保険リハだけに依存しないことが一層重要です。介護保険領域への接続、自費リハビリ、運動指導、術後コンディショニングなどを設計できる院は、保険改定の影響を受けにくくなります。

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対策期待効果注意点
ベースアップ評価料の適正算定人件費上昇の吸収届出・運用管理が必要
医療DX関連加算の整備院全体収益の底上げシステム対応が前提
介護保険との連携継続患者の受け皿確保制度区分の整理が必要
自費リハビリ導入単価改善説明責任と価格設計が重要
ここがポイント
自費リハビリを導入する場合は、保険診療との区分、予約導線、説明資料、キャンセルポリシーを明確にしておくことが重要です。曖昧な運用はトラブルや返戻リスクにつながります。

よくある質問

Q: 運動器リハビリテーション料2026は下がったのですか? ▼
本体点数はⅠ185点、Ⅱ170点、Ⅲ85点で大きな引下げはありません。影響が出やすいのは、総合計画評価料など周辺評価の見直しです。
Q: 整形外科リハビリの収益減少は避けられませんか? ▼
必ずしも避けられないわけではありません。患者構成の分析、計画書運用の見直し、加算の取りこぼし防止、介護保険や自費リハビリへの展開で吸収余地があります。
Q: リハビリ計画書の説明は医師でなければいけませんか? ▼
2026年改定では説明体制の柔軟化が示されており、一定の職種でも対応可能な方向です。ただし、具体的な院内運用は通知や施設基準の確認が必要です。

まとめ

  • 2026年改定では運動器リハビリテーション料Ⅰ185点、Ⅱ170点、Ⅲ85点は据え置き
  • 収益影響の中心は、リハビリテーション総合計画評価料の2回目以降区分など周辺評価の見直し
  • 長期リハビリ患者が多い整形外科クリニックほど利益率に逆風が出やすい
  • 対策は、患者群別の採算管理、説明業務の再配置、予約枠再設計が基本
  • ベースアップ評価料、医療DX関連加算、介護保険、自費リハビリで収益多角化を進めることが重要

参照ソース

  • 厚生労働省「令和8年度診療報酬改定について」: https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_67729.html
  • 厚生労働省「医科診療報酬点数表(令和8年度)」: https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001686842.pdf
  • 厚生労働省「令和8年度診療報酬改定 重点項目(リハビリテーション関連)」: https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001666318.pdf
  • 厚生労働省「ベースアップ評価料等について」: https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000188411_00053.html

この記事を書いた人

辻 勝

辻 勝

会長税理士

税理士 / 行政書士

税理士法人 辻総合会計の会長。40年以上の実務経験を持ち、相続税・事業承継を専門とする。多くの医療法人・クリニックの顧問を務める。

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