
執筆者:辻 光明
代表税理士
副業確定申告バレない方法|住民税の普通徴収を税理士が解説

結論:副業バレの最大要因は住民税。普通徴収で「入口」を塞ぐ
副業が会社にバレる典型パターンは、住民税の通知で会社の経理・人事が「前年より天引きが増えている」と気づくケースです。これを避ける基本は、確定申告(または住民税申告)で、給与以外の副業分の住民税を「普通徴収(自分で納付)」に寄せることです。
ただし、万能ではありません。副業が「給与(アルバイト等)」の場合は原則として住民税が給与天引き(特別徴収)に乗りやすく、普通徴収を選んでも自治体処理の結果として会社側に見えることがあります。ここでは、会社に知られにくくするための現実的な手順と限界、よくある落とし穴を整理します。
副業が会社にバレる理由:住民税が9割、残りは別ルート
副業が会社に伝わる経路は大きく3つです。
- 住民税(特別徴収)の増加
会社員は住民税が給与から天引きされるのが一般的で、前年と比べた差が目立つと照会されやすくなります。副業分の所得が合算されると、住民税額(天引き額)が増えるためです。 - 社会保険・雇用保険などの制度的な痕跡
副業先で社会保険に加入する働き方(一定の勤務条件等)になると、手続や照会が発生し得ます。住民税より確率は低いですが、条件次第でリスクになります。 - 社内の情報(就業規則違反の申告、同僚経由、SNS等)
税務以外の経路は、コントロールしにくい点が特徴です。税務面を整えても、運用面で漏れるケースがあります。
このうち、確定申告で対処しやすいのが住民税です。次章で仕組みを整理します。
住民税の「普通徴収」と「特別徴収」の違い
住民税の徴収方法は、ざっくり言えば「会社が天引きして納付するか」「本人が納付するか」です。会社員の場合、給与から天引きする特別徴収が原則とされ、一定の所得だけが「自分で納付(普通徴収)」を選べる運用になっています。
| 項目 | 特別徴収(給与天引き) | 普通徴収(自分で納付) |
|---|---|---|
| 納付主体 | 会社(特別徴収義務者) | 本人 |
| 通知の届き方 | 会社に「税額決定通知」等が届く | 本人に納付書・通知が届く |
| 会社に見える可能性 | 高い(天引き額の変化が見える) | 相対的に低い |
| 副業バレ対策 | 住民税が増えると気づかれやすい | 会社に見える入口を減らせる |
| 注意点 | 原則こちらになる所得がある | 自治体の処理で混ざる場合あり |
住民税を普通徴収にするやり方:確定申告での選び方(住民税 普通徴収 やり方)
会社員の副業で「バレにくくする」実務は、確定申告書の「住民税・事業税に関する事項」(紙なら第二表、作成コーナーなら該当画面)で、給与以外の所得分を「自分で納付」に寄せることが中核です。
Step 1: 副業の所得区分を整理する(給与か、事業/雑か)
- 副業が「業務委託・フリーランス」なら、一般に事業所得または雑所得になりやすく、住民税の徴収方法選択の対象になり得ます。
- 副業が「アルバイト・パート」などの給与所得だと、住民税が給与天引きに回りやすく、会社に見えやすい構造です。副業が給与所得かどうかが分岐点になります。
Step 2: 確定申告書(または作成コーナー)で「自分で納付」を選ぶ
- 紙申告の場合:確定申告書第二表の「住民税・事業税に関する事項」欄で、給与・年金以外の所得に対する徴収方法を「自分で納付(普通徴収)」に寄せる意図で記入します。
- 確定申告書等作成コーナーの場合:住民税の徴収方法選択画面で「自分で納付」を選択します(表示されるのは、給与以外の所得がある場合等に限られます)。
Step 3: 申告後(5〜6月頃)に「住民税の通知」を確認する
- 普通徴収になっていれば、本人宛に納付書(または電子納付案内)が届き、会社の天引きとは別枠で納付する形になります。
- もし会社天引きに混ざった(特別徴収に合算された)疑いがある場合、早めに居住地の市区町村へ確認します。
Step 4: 納付を遅れずに行う(延滞・督促が別リスク)
普通徴収は「自分で納付」なので、納付遅延があると督促等が発生します。税務リスクとは別に、郵送物・督促が増えること自体が生活上のリスクになり得ます。
普通徴収でも会社にバレるケース:副業 会社 バレる 理由
普通徴収を選んでも、次のパターンでは会社に見える可能性が残ります。
副業が「給与所得(アルバイト)」の場合
副業先から給与支払報告書が自治体へ提出され、あなたの所得が「給与所得」として把握されると、住民税計算上は給与所得者としての特別徴収に合算されやすくなります。結果として、会社の天引きが増え、気づかれる可能性が上がります。
対策としては、働き方(業務委託化など)を含めた設計が必要です。ただし、形式だけを変えるのではなく、実態(指揮命令の有無、時間拘束、成果物の納品など)が重要です。
自治体側で「給与分とそれ以外」を分けない(または分けられない)運用
制度上、給与以外の所得について徴収方法選択ができる場面があっても、自治体の事務処理の都合で「特別徴収にまとめる」結果になることがあります。これは納税者側の操作で完全に排除できない領域です。
住民税以外の情報で発覚する
- 副業先での社会保険加入(条件に該当する働き方)
- 社内規程違反の申告や面談での自己申告
- SNS・同僚経由での発覚
住民税対策は有効ですが、万能ではありません。税務と運用の両輪で設計が必要です。
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実務でよくある相談とケーススタディ(匿名)
税理士法人 辻総合会計では、30年以上にわたり中小企業・個人の税務相談を支援してきました。副業解禁が進む一方、社内規程や評価を気にして「会社に知られずに処理したい」という相談は継続的に増えています。
- ケースA(会社員・業務委託の副業)
副業収入は業務委託で年間90万円、経費を差し引いて所得は40万円程度。確定申告で住民税の徴収方法を「自分で納付」に設定し、6月の通知で普通徴収になっていることを確認。会社の天引き額に変化が出ず、結果として社内で問題化しませんでした。 - ケースB(会社員・アルバイト副業)
週末アルバイトで給与収入が発生。確定申告で「自分で納付」を選択したつもりでも、住民税が特別徴収に合算され、天引きが増加。人事から照会され、副業が発覚しました。原因は副業が給与所得であった点と、自治体処理で給与分が特別徴収に寄った点でした。
ポイントは「選び方」だけでなく「所得の種類」と「自治体処理」の現実を踏まえた設計です。
税理士が勧める「バレにくくする」運用ポイント
- 副業の所得区分を理解し、給与所得の副業はリスクが高い前提で設計する
- 申告後は、6月前後に届く住民税の通知で結果を必ず確認する
- 普通徴収になった場合でも、納付遅延を起こさない(督促・郵送物の増加を避ける)
- 住民税だけに頼らず、就業規則・情報管理(SNS等)も同時に整える
- 申告漏れ・無申告は最悪の選択肢(税務調査や延滞税・加算税が別軸の重大リスク)
よくある質問
Q: 確定申告で「普通徴収(自分で納付)」を選べば、必ず会社にバレませんか?
A:
必ずではありません。住民税の徴収方法は自治体が決定します。特に副業が給与所得(アルバイト等)の場合、特別徴収に合算されやすく、会社の天引き額が増えて気づかれる可能性が残ります。Q: 副業がアルバイト(給与)でも、住民税を普通徴収にできますか?
A:
一般に難易度が上がります。給与所得に係る住民税は特別徴収が原則で、給与分は給与天引きに寄りやすい構造です。副業の働き方や契約形態を含め、実態に即した見直しが必要になることがあります。Q: e-Tax(確定申告書等作成コーナー)で「自分で納付」が表示されないのはなぜですか?
A:
給与・公的年金等に係る所得のみなど、条件によっては住民税の徴収方法選択が表示されません。副業所得の有無・所得区分により表示要件が変わるため、入力内容を見直し、それでも不明な場合は市区町村や税理士へ確認してください。まとめ
- 副業が会社にバレる最大要因は、住民税が特別徴収に合算されて天引き額が増えること
- 対策の基本は、確定申告の「住民税・事業税に関する事項」で給与以外の所得分を普通徴収(自分で納付)へ寄せること
- ただし副業が給与所得(アルバイト等)の場合は特別徴収に寄りやすく、普通徴収でもバレる余地が残る
- 申告後は6月前後の住民税通知で結果確認し、普通徴収なら納付遅延を避ける
- 「絶対にバレない」を狙うのではなく、制度の限界を踏まえた現実的なリスク低減が重要
参照ソース
- 国税庁「手順6 住民税、事業税に関する事項を記入する」: https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/tebiki/2025/03/order6/3-6_01.htm
- 国税庁「確定申告書等作成コーナー よくある質問:住民税の徴収方法の選択(令和7年分申告)」: https://www.keisan.nta.go.jp/r7yokuaru/cat1/cat13/cat132/cat1324/cid395.html
- 国土交通省「住民税の特別徴収にご協力ください!(PDF)」: https://www.mlit.go.jp/jidosha/content/001970444.pdf
この記事を書いた人

辻 光明
代表税理士
税理士 / 認定経営革新等支援機関
税理士法人 辻総合会計の代表。クリニック開業支援・医療法人設立・クラウド会計導入を得意とし、オンラインでの税務顧問サービスを推進。
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