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中小企業向けコラム
作成日:2026.01.24
辻 光明

執筆者:辻 光明

代表税理士

ふるさと納税確定申告|特例忘れ・6自治体以上の対処|税理士が解説

9分で読めます
ふるさと納税確定申告|特例忘れ・6自治体以上の対処|税理士が解説

結論:ワンストップ忘れ・6自治体以上は確定申告でリカバリー

ふるさと納税の控除は、原則として確定申告(寄附金控除)で受けます。ワンストップ特例は例外的に「確定申告が不要な人」が「寄付先5自治体以内」などの条件を満たす場合に限り使える制度です。したがって「ワンストップ特例を忘れた」「6自治体以上に寄付した」場合でも、ほとんどのケースは確定申告に切り替えることで控除を受けられます。ポイントは、寄付の情報を漏れなく集め、申告書の住民税欄まで正しく記載することです。

ワンストップ特例とは:使える条件と「使えない」典型例

ワンストップ特例が使える人(ざっくり整理)

ワンストップ特例は、確定申告をしなくても住民税の減額という形で控除を受けられる仕組みです。実務上は、次の条件に当てはまるかで判断します。

  • もともと確定申告が不要な給与所得者等である
  • その年の寄付先が5自治体以内である(同一自治体への複数回寄付は「1自治体」として数える)
  • 各自治体へ申請書等を期限までに提出している

国税庁も、5自治体を超える場合や、医療費控除などで確定申告をする人は、ふるさと納税分も含めて確定申告が必要になる旨を示しています。

「ワンストップ特例 忘れた」が起きやすいパターン

ワンストップ特例は「申請の提出」が前提です。次のようなケースが多発します。

  • 申請書を取り寄せたが、提出しないまま期限を過ぎた
  • 本人確認書類の添付漏れ等で受理されていなかった
  • 引っ越し等で住所が変わり、変更届の提出が必要だった
  • 年末に駆け込みで寄付し、書類が間に合わなかった

この場合、対処はシンプルで、確定申告へ切り替えるのが基本方針です。

「ふるさと納税 6自治体以上」は原則アウト

寄付先が6自治体以上になると、ワンストップ特例の要件から外れます。さらに、たとえ5自治体以内でも、住宅ローン控除の初年度や医療費控除などで確定申告をするなら、ワンストップ特例ではなく確定申告で処理することになります。

ワンストップ特例を忘れた場合の対処法(確定申告への切替手順)

ここでは「本来はワンストップ特例を使うつもりだったが、申請が未提出・不備で間に合わなかった」ケースを想定します。

Step 1: 寄付記録を「漏れなく」集める

  • 各自治体の寄附金受領証明書(紙)を集める
  • ポータルサイトの履歴から、自治体名・寄付日・金額・寄付回数を一覧化する
  • (可能なら)マイナポータル連携や、特定事業者が発行する「寄附金控除に関する証明書(年間合計)」の利用を検討する
    • ばらばらの証明書をまとめられるため、入力ミスを減らせます

Step 2: 確定申告書に「寄附金控除」を入力する

  • 確定申告書等作成コーナー(e-Tax含む)で、寄附金控除(ふるさと納税)を入力
  • 住民税の控除にも反映されるよう、申告書第二表の住民税欄まで記載する(ここを落とすと、住民税側の控除に影響することがあります)

Step 3: 申告後の反映タイミングを理解する

  • 確定申告をすると、所得税の還付(または税額減)+翌年度住民税の減額として反映されます
  • 住民税は翌年6月以降の住民税決定通知で反映を確認します
ここがポイント
ワンストップ特例を提出していた自治体が一部ある場合でも、医療費控除などで確定申告が必要になった時点で、実務上は「ふるさと納税分をすべて確定申告で処理する」ことが基本です。結果として、ワンストップ特例に頼らずに控除を完結させます。

6自治体以上に寄付した場合の対処法(やることは1つ:確定申告)

「6自治体以上寄付した」場合は、ワンストップ特例の選択肢が消えます。迷わず確定申告で寄附金控除を適用します。

Step 1: 寄付先を自治体単位で数え直す

  • 同一自治体への複数回寄付は1自治体
  • 寄付先が6以上であることを確認(判断がつかないときは一覧表を作る)

Step 2: 寄付金控除の入力方法を決める(紙かデータか)

  • 寄附金受領証明書を自治体ごとに入力する
  • 可能なら「寄附金控除に関する証明書(年間合計)」やマイナポータル連携で自動入力を使う
    • 証明書が揃わない場合は、自治体へ再発行依頼も検討します(時間がかかることがあるため早めが安全です)

Step 3: 住民税欄の記載まで含めて提出する

確定申告書は住民税申告書を兼ねる扱いになるため、住民税に関する記載が不十分だと控除の反映に影響する可能性があります。入力の最終確認では、寄付金控除と住民税欄の整合性を必ず見ます。

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ワンストップ特例と確定申告の違い(比較表で整理)

「どちらが得か」よりも、「どちらが適用できるか」で決まります。違いを押さえると判断が速くなります。

←横にスクロールできます→
項目ワンストップ特例確定申告(寄附金控除)
使える条件寄付先5自治体以内+確定申告不要等原則だれでも(要件あり)
控除の出方所得税の還付なし/翌年度住民税で調整所得税+翌年度住民税で調整
手続負担自治体ごとに申請が必要申告で一括処理できる
6自治体以上利用不可対応可能
医療費控除等で申告する年原則使えない対応可能

ワンストップ特例は「申告しない」制度であり、確定申告をする年は原則として確定申告側で整合させるのが安全です。

現場で多い落とし穴と、税理士が見るチェックポイント

落とし穴1:寄付金控除を入れたのに、住民税側が反映されない

国税側(所得税)の処理だけで満足してしまい、申告書第二表の住民税欄が未記載・不十分だと、住民税の控除に影響することがあります。作成コーナーでも、入力の最後に「住民税に関する事項」を確認してください。

落とし穴2:証明書が揃わないまま申告期限が迫る

年末の駆け込み寄付ほど、証明書の到着が遅れがちです。自治体へ再発行依頼をするなら早めが原則です。可能であれば、データ連携(マイナポータル連携等)を使い、証憑集めの負担を下げます。

落とし穴3:寄付先の数え方を誤る

同一自治体への複数回寄付は「1自治体」です。一方で、同じポータルサイト内で寄付していても自治体が違えば別カウントです。ここがズレると、ワンストップ特例の可否判断を誤ります。

ケーススタディ(匿名)

当法人(税理士法人 辻総合会計)では、開業医・会社員の確定申告支援を含め、30年以上にわたり多数の税務相談を受けてきました。よくある例として、会社員Aさんが年末に5自治体へ寄付し、申請書を準備したものの提出が間に合わず、翌年になって焦って相談に来られたケースがあります。結論としては、寄付の証明書を揃えて確定申告に切り替え、所得税の還付と住民税の減額で控除を受けられました。ポイントは「寄付の漏れを防ぐ一覧化」と「住民税欄まで含めた入力」でした。

ここがポイント
本記事は一般的な制度説明です。所得状況、控除(住宅ローン控除・医療費控除等)、自治体の運用により結論が変わることがあります。判断に迷う場合は、税務署または税理士へ個別にご相談ください。

よくある質問

Q: ワンストップ特例を忘れたら、もう控除は受けられませんか? ▼

A:

多くの場合、確定申告に切り替えることで寄附金控除を受けられます。寄附金受領証明書等を揃え、寄付金控除として申告してください。
Q: 6自治体以上に寄付した場合、ワンストップ特例を一部だけ使えますか? ▼

A:

寄付先が6自治体以上になると、ワンストップ特例の要件から外れるため、原則として確定申告でまとめて処理します。寄付の漏れがないよう、全自治体分を入力するのが安全です。
Q: ふるさと納税以外の理由で確定申告が必要になりました。ワンストップ特例はどうなりますか? ▼

A:

医療費控除などで確定申告をする場合、ふるさと納税分も確定申告で寄附金控除として処理するのが基本です。申告の中で一体的に整合させることで、控除漏れを防げます。

まとめ

  • ワンストップ特例は「5自治体以内」など条件があり、外れたら確定申告で対応する
  • 「ワンストップ特例 忘れた」は、寄附金受領証明書等を集めて確定申告へ切り替えるのが基本
  • 「ふるさと納税 6自治体以上」は原則ワンストップ不可のため、確定申告で一括処理する
  • 申告では寄付金控除だけでなく、申告書第二表の住民税欄まで含めて整合させる
  • 証明書が多い場合は、マイナポータル連携や年間合計証明書の活用で入力ミスを減らす

参照ソース

  • 国税庁「No.1155 ふるさと納税(寄附金控除)」: https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1155.htm
  • 国税庁「ふるさと納税をされた方へ|令和7年分 確定申告特集」: https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/tokushu/keisubetsu/furusato.htm
  • 国税庁「ふるさと納税に係る寄附金控除に関する証明書等について」: https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/kakutei/koujyo/kifukin.htm

この記事を書いた人

辻 光明

辻 光明

代表税理士

税理士 / 認定経営革新等支援機関

税理士法人 辻総合会計の代表。クリニック開業支援・医療法人設立・クラウド会計導入を得意とし、オンラインでの税務顧問サービスを推進。

ご注意事項

本記事の内容は、公開日時点における一般的な情報提供を目的としており、 特定の個人や法人に対する専門的なアドバイスを構成するものではありません。

税務・会計・法務等に関する具体的なご相談については、 必ず資格を持った専門家にご確認ください。 本記事の情報に基づいて行われた判断や行動により生じた損害について、 当事務所は一切の責任を負いかねます。

記事の内容は法令の改正等により変更される場合があります。 最新の情報については、関係省庁の公式サイト等でご確認ください。

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