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中小企業向けコラム
作成日:2026.01.07
更新日:2026.01.07
辻 光明

執筆者:辻 光明

代表税理士

源泉徴収票の書き方|2026年版記入例付き|税理士が解説

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源泉徴収票の書き方|2026年版記入例付き|税理士が解説

源泉徴収票の書き方は、「年末調整で確定した数字を、所定の欄に“転記”する作業」が中心です。特に支払金額、給与所得控除後の金額、所得控除の額の合計額、源泉徴収税額の4点がズレると、従業員の確定申告・住宅ローン控除・保育料判定などにも影響します。税理士法人 辻総合会計でも、毎年1月の相談で最も多いのが「控除額は合っているのに源泉徴収税額が合わない」「摘要の書き方がわからない」です。

源泉徴収票とは

源泉徴収票(給与所得の源泉徴収票)は、1年間の給与等と、年末調整で確定した所得控除・税額をまとめた法定調書です。従業員へ交付するほか、一定の場合は税務署へ提出し、また市区町村へ給与支払報告書(住民税用)を提出します。

企業側の実務では、次の2点を押さえると迷いが減ります。

  • 源泉徴収票は「給与計算ソフトが算出した年末調整結果の最終アウトプット」
  • 記入作業は「計算」ではなく「転記+体裁(氏名・住所・摘要など)の整備」

2026年版で押さえるべきポイント

交付期限・提出期限の考え方

源泉徴収票は、原則として「翌年1月31日まで」に従業員へ交付します(中途退職者は退職後1か月以内)。1月31日が土日祝の場合は、実務上は翌開庁日を目安に運用されます。

税務署への提出(該当者がいる場合)も、原則「翌年1月31日まで」です。2026年は1月31日が土曜日のため、提出期限は翌開庁日に繰り延べとなります。

ここがポイント
源泉徴収票は「従業員へ交付するもの」と「税務署へ提出するもの」で運用が分かれがちです。まず“交付の締切”を社内の絶対期限として固定し、提出は対象者抽出(提出範囲の判定)まで含めて工程化するのが安全です。

電子交付・電子提出を前提に設計する

近年は、e-Tax提出とあわせて、従業員への電子交付(PDF配布、従業員サイト掲載など)を併用するケースが増えています。紙での交付・提出も可能ですが、従業員が確定申告書等作成コーナーを使う場合、e-Tax提出が前提の方が入力負担が軽くなる傾向があります。

源泉徴収票の書き方(主要欄の意味と埋め方)

ここでは「給与計算ソフトの年末調整結果から転記する」前提で、迷いやすい欄を中心に整理します。

① 支払を受ける者(住所・氏名)/支払者(会社情報)

  • 住所:原則、翌年1月1日(中途退職者は退職時)時点の住所で整えます。
  • 氏名:フリガナ含め、住民票・本人申告と突合し表記ゆれを防ぎます。
  • 支払者:法人名、所在地、法人番号(必要な場面)などを固定マスタ化します。
ここがポイント
従業員へ交付する源泉徴収票には、個人番号(マイナンバー)を記載しません。社内保管用・提出用の取り扱いと混在しないよう、出力設定と保管ルールを分けておくのが実務上の要点です。

② 種別(給与・賞与など)

一般的には「給与」「賞与」等、給与等の区分を記載します。給与と賞与を合算して年間で集計する運用なら、種別は給与等として統一し、摘要で補足する設計もあり得ます(運用はソフト仕様に合わせます)。

③〜⑥ 金額欄(ここが最重要)

  • ③ 支払金額:その年中に支払が確定した給与等の総額(年末調整に通算した他社給与がある場合は通算後)。
  • ④ 給与所得控除後の金額:年末調整の表(またはソフト算定)により確定した「給与所得」相当額。
  • ⑤ 所得控除の額の合計額:社会保険料控除、生命保険料控除、扶養控除、基礎控除など、年末調整で適用した控除の合計。
  • ⑥ 源泉徴収税額:年末調整後に確定した所得税+復興特別所得税の合計。

実務上のミスは、③は合っているのに④⑤⑥がズレるパターンです。原因の多くは「扶養・配偶者・保険料控除の申告内容の回収漏れ」または「年末調整対象外(主たる給与でない、給与2000万円超など)の判定誤り」にあります。

配偶者・扶養・障害者等の“人数欄”と“控除額欄”

人数欄(控除対象扶養親族等の数、16歳未満扶養親族の数、障害者の数など)は、住民税にも連動しやすいため、次の順で確認します。

  • 扶養控除等(異動)申告書の最終版が回収できているか
  • 配偶者控除・配偶者特別控除のどちらを適用しているか
  • 年齢要件(特定扶養、老人扶養、16歳未満等)の判定日が合っているか

住宅ローン控除等がある場合(摘要・控除額)

住宅借入金等特別控除(いわゆる住宅ローン控除)は、源泉徴収票の所定欄に控除額を記載し、摘要に必要事項を補足します。初年度(確定申告が必要な年)か、2年目以降(年末調整で適用)かで運用が異なるため、社内では「初年度/2年目以降」のチェック項目を設けると誤りが減ります。

源泉徴収票と給与支払報告書の違い(提出先・目的)

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書類主な提出先目的実務の注意点
源泉徴収票従業員、(一定の場合)税務署所得税の確定情報の通知交付期限の管理が重要
給与支払報告書市区町村住民税の課税資料提出先が複数自治体に分かれる

給与支払報告書を提出しているからといって、源泉徴収票の交付義務がなくなるわけではありません。従業員の手続きに直結するため、交付は必ず別工程として管理します。

源泉徴収票の作成手順(チェックリスト付き)

Step 1: 年末調整の回収物を確定させる

  • 扶養控除等(異動)申告書
  • 保険料控除申告書
  • 配偶者控除等申告書
  • 住宅借入金等特別控除申告書(該当者のみ)

Step 2: 給与データを締め、年末調整を確定する

  • 12月給与・賞与の確定処理
  • 社会保険料・小規模共済等の控除反映
  • 他社給与通算(中途入社で必要な場合)

Step 3: 源泉徴収票を出力し、転記項目を突合する

  • ③〜⑥の金額が年末調整結果と一致するか
  • 人数欄が申告書と一致するか
  • 住宅ローン控除の摘要が必要十分か

Step 4: 交付(紙 or 電子)と提出要否の判定を行う

  • 全従業員へ交付(退職者含む)
  • 税務署提出が必要な対象者を抽出(役員・高額給与・年末調整未了等)

Step 5: 提出(税務署・市区町村)を完了し、証跡を保管する

  • e-Tax/eLTAXの送信結果、控え、ログを保存
  • 交付方法(電子交付の同意等)を含めて監査対応できる形にする

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記入例(一般的な会社員のケース)

※以下は「記載位置のイメージ」を示す例です。金額そのものは、必ず自社の年末調整結果に基づいて記載してください。

  • ② 種別:給与
  • ③ 支払金額:4,800,000
  • ④ 給与所得控除後の金額:3,300,000
  • ⑤ 所得控除の額の合計額:1,450,000
  • ⑥ 源泉徴収税額:78,600
  • 社会保険料等の金額:720,000
  • 生命保険料の控除額:40,000
  • 配偶者(特別)控除の額:0(配偶者なしの想定)
  • 扶養親族:特定扶養1名(人数欄に反映)

この例で重要なのは、「③は年間総額」「④⑤⑥は年末調整で確定した“結果値”」という整理です。④⑤⑥を“計算し直して作る”運用にすると、ソフトの丸め・税額計算ロジック差で不一致が発生しやすくなります。

よくあるミスと防止策

  • 住所が旧住所のまま:12月末〜1月初の住所変更届を反映し、退職者は退職時点住所で確定
  • 扶養人数は合っているが控除額が違う:配偶者控除と配偶者特別控除の適用誤り、所得見積りの更新漏れ
  • 住宅ローン控除の摘要不足:2年目以降の年末調整適用要件の確認漏れ
  • 交付はしたが退職者に届いていない:退職者だけ別送・本人確認・再発行フローを整備

よくある質問

Q: 源泉徴収票は全員分作成が必要ですか? ▼

A:

はい。税務署への提出要否とは別に、源泉徴収票は原則として全ての受給者に交付が必要です(中途退職者は退職後1か月以内、その他は翌年1月31日まで)。
Q: 源泉徴収票は必ず紙で渡さないといけませんか? ▼

A:

一定の要件(事前承諾など)を満たせば、電磁的方法による提供(電子交付)も可能です。就業規則・同意取得・閲覧期間などの社内ルールも合わせて整備してください。
Q: 年末調整をしていない従業員の源泉徴収票はどう書きますか? ▼

A:

年末調整を行っていない場合でも、支払金額や源泉徴収税額など、支払時点で確定している情報を記載して交付します。控除情報が未確定な項目は、申告状況に応じて記載範囲が変わるため、給与計算ソフトの出力仕様と照合するのが安全です。

まとめ

  • 源泉徴収票の作成は「年末調整結果の転記」が中心で、③〜⑥の整合が最重要
  • 交付期限は原則「翌年1月31日まで」(退職者は退職後1か月以内)
  • 提出要否の判定(役員・高額給与・年末調整未了等)を工程に組み込む
  • 住宅ローン控除や配偶者・扶養は摘要・人数欄でミスが出やすい
  • 電子交付・電子提出を前提に、同意・証跡・保管まで設計すると運用が安定する

参照ソース

  • 国税庁「F1-1 給与所得の源泉徴収票(同合計表)」: https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/hotei/23100051.htm
  • 国税庁「No.7411『給与所得の源泉徴収票』の提出範囲と提出枚数等」: https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hotei/7411.htm
  • 国税庁「令和7年分 給与所得の源泉徴収票等の法定調書の作成と提出の手引(第2)」: https://www.nta.go.jp/publication/pamph/hotei/tebiki2025/PDF/02.pdf

この記事を書いた人

辻 光明

辻 光明

代表税理士

税理士 / 認定経営革新等支援機関

税理士法人 辻総合会計の代表。クリニック開業支援・医療法人設立・クラウド会計導入を得意とし、オンラインでの税務顧問サービスを推進。

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