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中小企業向けコラム
作成日:2026.02.27
辻 光明

執筆者:辻 光明

代表税理士

育休 確定申告は必要?控除の使い方|税理士が解説

8分で読めます
育休 確定申告は必要?控除の使い方|税理士が解説

育休中でも確定申告はできる?結論と注意点

育休・産休中でも確定申告は可能で、条件を満たせば住宅ローン控除や医療費控除も使えます。問題になりやすいのは「そもそも申告が必要か」「育休中で所得が少ない(またはない)場合に控除がどう効くか」です。

育休中の主な収入である雇用保険等の給付(育児休業給付金や育児休業手当金など)は、原則として所得税の課税対象ではないため、給与所得が少ない年は「控除を使っても還付が発生しにくい」ことがあります。一方で、年の途中に働いて給与の源泉徴収がある、住宅ローン控除を初めて使う、医療費が多い、配当や副業収入がある、といった場合は申告メリットが出やすいです。

税理士法人 辻総合会計では、クリニックや共働き世帯のご相談で「育休中の控除の取りこぼし」「初年度の住宅ローン控除の申告漏れ」をよく見ます。育休に入る前後で年末調整・住民税・家族の扶養関係が連動するため、早めに整理しておくのが安全です。

ここがポイント
育休中は「確定申告した方が得」ではなく、「申告しないと控除を受けられない(または翌年以降に影響する)」ケースが重要です。特に住宅ローン控除の初年度は要注意です。

産休 確定申告 必要?育休中の申告が必要な人・不要な人

「産休中・育休中に確定申告が必要か」は、年の収入構造と控除の種類で決まります。判断の早見表を用意しました。

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判定典型例ポイント
確定申告が必要になりやすい住宅ローン控除を初めて受ける/医療費控除を使う/副業・配当・不動産収入がある会社の年末調整だけでは完結しない控除や所得がある
確定申告を検討するとよい年の途中に給与があり源泉徴収されている/ふるさと納税がワンストップ未適用還付(税金が戻る)可能性がある
多くの場合は不要給与がなく、課税所得もほぼない/年末調整で完結している申告しても還付が出ないことが多い(ただし例外あり)

ここで大切なのは、「育休中で所得が少ない=申告不要」と決めつけないことです。住宅ローン控除(初年度)は、基本的に確定申告が入口になりますし、医療費控除も年末調整ではできません。

育休中 住宅ローン控除は使える?初年度と2年目以降の違い

育休中でも、要件を満たせば住宅ローン控除は使えます。実務上の分岐は「初年度か、2年目以降か」です。

初年度は原則、確定申告が必要

住宅ローン控除をはじめて受ける場合、必要書類を添付して確定申告を行う必要があります(住宅の区分により添付書類は変わります)。育休中で会社に行かない時期と重なると、書類準備が遅れがちなので前倒しが安全です。

2年目以降は年末調整でできることが多い(ただし勤務先対応が前提)

2年目以降は、勤務先の年末調整で住宅ローン控除を適用できるのが一般的です。ただし、勤務先が電子データの提出に対応しているか、控除証明書・年末残高証明などの提出ができるか、といった運用面で詰まることがあります。育休中で年末調整を受けられない(給与支払がない等)場合は、確定申告に回るケースもあります。

ここがポイント
住宅ローン控除は「控除できる税額」が上限です。育休で課税所得が小さい年は、控除枠を使い切れず、思ったほど戻らないことがあります。世帯全体での資金計画(誰が控除を使うか)も含め、取得時から設計しておくとブレが減ります。

育休中に住宅ローン控除で詰まりやすい論点

  • 住み始めた年(入居年)と産休・育休の開始時期が重なる
  • 年末調整の対象外(給与支払がない、休職扱い等)で勤務先処理ができない
  • 添付書類の不足(登記事項証明書、売買契約書(請負契約書)、年末残高証明等)

育休 医療費控除は使える?対象・計算・申告のコツ

医療費控除は、一定額を超える医療費を支払った場合に、所得控除として適用できる制度です。育休中でも当然使えますが、こちらも「控除しても税額が発生しなければ還付は出にくい」点は同じです。

医療費控除の基本(何が対象になりやすいか)

  • 病院・歯科の診療費、治療に必要な医薬品
  • 通院のための交通費(一定条件の公共交通機関など)
  • 出産に関連する費用(内容により判断が必要)

医療費の領収書が多い場合、国税庁の「医療費集計フォーム」等を使うと集計負担が軽くなります。申告実務では、家族分を合算する際に「誰が支払ったか」「保険金等の補填があるか」の整理が最重要です。

産休・育休の年に医療費控除が効きやすいパターン

  • 年の前半に給与があり源泉徴収されている(産休・育休は後半)
  • 夫婦共働きで、医療費を負担した側に課税所得がある
  • 住宅ローン控除と併用し、還付可能性がある(ただし税額の上限に注意)

医療費控除の申告手順(最低限の流れ)

Step 1: 年間の医療費を家族単位で集計する
本人・配偶者・扶養親族分を合算し、「支払った医療費」と「保険金等で補填された額」を整理します。

Step 2: 申告する人を決める
原則として、医療費を実際に負担した人が申告します。世帯内で課税所得がある人に寄せた方が、控除メリットが出やすい場合があります。

Step 3: 確定申告書等作成コーナーで入力し、提出する
医療費集計フォーム等のデータを活用し、入力ミス(補填額の控除漏れ、対象外支出の混入)を避けます。

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育休中の「よくある落とし穴」扶養・配偶者控除・住民税も連動する

育休中の確定申告では、所得税だけでなく、翌年度の住民税・扶養判定にも影響が出ます。以下は相談で多い論点です。

  • 育休中の給付は非課税でも、年の前半給与があると「配偶者控除/配偶者特別控除」の判定に影響
  • ふるさと納税は、年の課税所得が小さいと上限が下がる(やり過ぎると実質負担増になり得る)
  • 住宅ローン控除と医療費控除を同時に使うと、控除しきれず還付が頭打ちになることがある

「どの控除を誰が使うか」を世帯で最適化するには、年収見込み(復職月、賞与の有無、育休給付の期間)まで踏み込んだシミュレーションが必要になります。

よくある質問

Q: 育休中で収入がほぼないのですが、確定申告をしても意味がありますか? ▼
所得税が発生していない年は、医療費控除等を入れても還付が出ないことが多いです。ただし、住宅ローン控除の初年度は確定申告が入口になるため、収入が少なくても手続きとして必要になる場合があります。また、年の前半に源泉徴収があるなら還付可能性があります。
Q: 育休中 住宅ローン控除は年末調整でできますか? ▼
初年度は原則、確定申告が必要です。2年目以降は年末調整で受けられることが多い一方、育休で給与支払がない・勤務先の運用対応が難しい等の事情があると、確定申告に回るケースがあります。控除証明書や年末残高証明の提出方法(電子・書面)も確認してください。
Q: 育休中の医療費控除は、夫婦どちらが申告した方が得ですか? ▼
原則は「負担した人」ですが、世帯内で課税所得がある人が申告した方が控除が効きやすい傾向があります。育休で本人の課税所得が小さい年は、配偶者側で申告した方が還付が出るケースが多いです。実際は医療費の負担状況、補填(保険金等)、他の控除との兼ね合いで変わります。

まとめ

  • 育休・産休中でも確定申告は可能で、条件を満たせば住宅ローン控除や医療費控除は使える
  • 住宅ローン控除の初年度は原則、確定申告が必要で、書類不足が起きやすい
  • 医療費控除は年末調整ではできないため、使うなら確定申告が必要
  • 育休で課税所得が小さい年は、控除しても還付が小さくなる(または出ない)ことがある
  • 扶養・配偶者控除、ふるさと納税上限、住民税まで含めて世帯で整理するとミスが減る

参照ソース

  • 国税庁「No.1400 給与所得(育児休業手当金等は非課税)」: https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1400_qa.htm
  • 国税庁「住宅ローン控除を受ける方へ(確定申告特集)」: https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/tokushu/keisubetsu/juutaku.htm
  • 国税庁「No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除)」: https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1120.htm

この記事を書いた人

辻 光明

辻 光明

代表税理士

税理士 / 認定経営革新等支援機関

税理士法人 辻総合会計の代表。クリニック開業支援・医療法人設立・クラウド会計導入を得意とし、オンラインでの税務顧問サービスを推進。

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