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中小企業向けコラム
作成日:2026.02.27
辻 光明

執筆者:辻 光明

代表税理士

大学生アルバイト178万円は非課税?特定扶養控除の新ルール|税理士が解説

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大学生アルバイト178万円は非課税?特定扶養控除の新ルール|税理士が解説

大学生のアルバイトについて「年収178万円まで非課税」と聞くことがありますが、結論としては、誰の税金がどの税目でどの控除を前提にの話かで答えが変わります。学生本人の所得税がゼロになるラインと、親の特定扶養控除(または新設の特定親族特別控除)に影響が出るラインは一致しません。

税理士法人 辻総合会計では、クリニック等の顧問業務の中で、ご家族の扶養判定(学生アルバイト・年末調整・確定申告)に関する相談を継続的に受けています。ここでは2026年の実務で混乱しやすいポイントを、制度の数字に落として整理します。

「178万円まで非課税」がズレやすい理由

「非課税」という言葉が一人歩きする原因は、次の3つが混同されがちだからです。

  • 学生本人の所得税がかからない(課税所得が0になる)ライン
  • 親の扶養控除(特定扶養控除)の対象かどうか
  • 2026年からの特定親族特別控除で「扶養控除が消えても一部控除できる」範囲

まずは「学生本人」と「親(扶養する側)」を分けて考えるのが最短です。

ここがポイント
SNSや会話で出てくる「178万円」は、制度改正の文脈(基礎控除・給与所得控除の見直し、特定親族特別控除の創設等)と混ざって語られることが多く、数字だけを鵜呑みにすると判定を誤りやすい点に注意してください。

学生バイトの税金(2026):本人の所得税はいつから発生する?

アルバイトが給与収入のみの場合、所得税は概ね「給与収入-給与所得控除-基礎控除」から計算されます。2026年に向けて重要なのは、基礎控除と給与所得控除(最低保障額)の見直しです(令和7年分以後の適用関係や源泉徴収実務を含む)。
制度の方向性は国税庁の特設ページにまとまっています。

  • 給与所得控除:給与収入に応じた控除(最低保障額の引上げ等)
  • 基礎控除:合計所得金額に応じた控除額(低所得層での上乗せ等)

ここでの実務ポイントは、次の2点です。

1) 「非課税=税金ゼロ」は、給与収入だけでは判断できない

学生でも、給与以外(投資の配当、フリマ・副業の雑所得など)があると合計所得が増え、基礎控除の適用関係や課税所得が変わります。
また、年末調整がされていない(扶養控除等申告書を出していない)場合、源泉徴収されていても確定申告で還付になるケースがあります。

2) 所得税だけでなく、住民税・社会保険も別軸

「所得税がゼロ」でも、住民税は自治体の基準・均等割などで結果が変わり得ます。さらに、社会保険の扶養判定は税法ではなく健康保険のルールが絡むため、税金の壁と一致しません(ここは本記事の対象外なので、加入先の健保・協会けんぽ等で確認してください)。

特定扶養控除(大学生)と2026の新ルール:親の控除はどう変わる?

大学生(一般に19歳以上23歳未満)は、親側では「特定扶養親族」として扶養控除の対象になり得ます。従来は、子の給与収入が一定額を超えると親の特定扶養控除が外れ、世帯の手取りが急に落ちる(いわゆる壁)が問題になっていました。

この点について、2026年を見据えた大きな変更が特定親族特別控除です。親に「特定親族(19~23歳、一定の所得要件)」がいる場合、子の所得レンジに応じて親が一定額の所得控除を受けられる制度として整理されています。

特定扶養控除と特定親族特別控除の関係(ざっくり)

  • 子の所得が低い:親は従来どおり扶養控除(特定扶養控除)の対象になりやすい
  • 子の所得が一定以上:扶養控除から外れるが、代わりに特定親族特別控除の対象になる帯がある
  • 子の所得がさらに高い:どちらの控除も難しくなる
ここがポイント
「親の控除を守るために、子の年収は○円まで」と言い切るのは危険です。なぜなら、判定は年収(収入)ではなく、原則として合計所得金額で行われ、給与所得控除の改正があると収入→所得の変換が変わるからです。

「いくらまで働ける?」を整理する比較表(本人の税金/親の控除)

混乱を避けるため、論点を2軸(学生本人・親)に分け、判断に使うものさしを整理します。

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観点何が変わる?判定で見る主な指標相談で多い勘違い
学生本人所得税が発生するか、源泉徴収されるか課税所得(給与所得控除・基礎控除後)「年収○円までは必ず税金ゼロ」
親(扶養する側)特定扶養控除の対象か/特定親族特別控除の対象か子の合計所得金額(給与収入だけなら給与所得控除後)「年収103万円を超えたら全部アウト」
世帯全体手取りの最適点本人税+親税+住民税+社保「税金の壁=社会保険の壁」

本記事のテーマである「178万円」は、上の表でいうとどのセルの話かを確定しないと意味がズレます。実務では、次の順で判定すると事故が減ります。

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Step 1: 学生本人の収入の種類を棚卸しする

給与だけか、給与以外(雑所得・配当等)があるかを確認します。給与以外がある場合、扶養判定や本人の課税所得が想定より増えることがあります。

Step 2: 親側の「対象」を整理する(扶養控除か、特定親族特別控除か)

子の年齢(19~23歳か)と生計同一などの前提を確認し、年末調整で提出する申告書(扶養控除等の申告書、必要に応じて特定親族特別控除の申告書)を揃えます。

Step 3: 年末時点の見込みでなく、年間の確定値で最終確認する

アルバイトの掛け持ち、年末のシフト増などで年収がブレやすいのが大学生の特徴です。最終的には源泉徴収票(複数あれば合算)で確定値を確認し、必要なら親・子ともに確定申告で調整します。

よくある質問

Q: 大学生のアルバイトは「178万円まで非課税」で合っていますか? ▼
一概には言えません。「学生本人の所得税がゼロ」の話なのか、「親の扶養(特定扶養控除・特定親族特別控除)」の話なのかで結論が変わります。2026年に向けて基礎控除・給与所得控除の見直しや特定親族特別控除の制度整理があるため、年収だけで判断せず、給与以外の所得も含めて確認してください。
Q: 103万円の壁は2026でも同じですか? ▼
近年は、扶養親族等の所得要件や控除体系の見直しが進んでおり、「103万円だけ見ておけばよい」という状況ではありません。特に19~23歳の子がいる世帯は、扶養控除に加えて特定親族特別控除の適用関係が実務上のポイントになります。
Q: 親の年末調整で何を出せばいいですか? ▼
通常は「扶養控除等(異動)申告書」が基本になります。さらに、特定親族特別控除の適用を受ける場合は、国税庁が案内する申告書(給与所得者の特定親族特別控除申告書)を含む取扱いが論点になります。勤務先の年末調整スケジュールに合わせ、早めに確認してください。
Q: 子がバイトを掛け持ちしています。注意点は? ▼
源泉徴収票が複数になり、年末調整だけでは精算しきれないケースがあります。親の控除判定も年間合計で決まるため、12月に収入が跳ねると想定外の結果になりがちです。年明けに源泉徴収票が揃った段階で、親子それぞれ確定申告の要否を確認するのが安全です。

まとめ

  • 「大学生のアルバイトは178万円まで非課税」は、本人の税金と親の控除が混同されやすい
  • 2026年に向けて、基礎控除・給与所得控除の見直し、特定親族特別控除の整理が重要になる
  • 親の特定扶養控除(または特定親族特別控除)は、原則として子の合計所得金額で判定する
  • 掛け持ちや給与以外の所得があると、年収だけの判断は危険
  • 年末調整→源泉徴収票で確定値確認→必要なら確定申告、の順で整えると失敗しにくい

参照ソース

  • 国税庁「令和7年度税制改正による所得税の基礎控除の見直し等について」: https://www.nta.go.jp/users/gensen/2025kiso/index.htm
  • 国税庁「No.1177 特定親族特別控除」: https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1177.htm
  • 国税庁「No.1180 扶養控除」: https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1180.htm

この記事を書いた人

辻 光明

辻 光明

代表税理士

税理士 / 認定経営革新等支援機関

税理士法人 辻総合会計の代表。クリニック開業支援・医療法人設立・クラウド会計導入を得意とし、オンラインでの税務顧問サービスを推進。

ご注意事項

本記事の内容は、公開日時点における一般的な情報提供を目的としており、 特定の個人や法人に対する専門的なアドバイスを構成するものではありません。

税務・会計・法務等に関する具体的なご相談については、 必ず資格を持った専門家にご確認ください。 本記事の情報に基づいて行われた判断や行動により生じた損害について、 当事務所は一切の責任を負いかねます。

記事の内容は法令の改正等により変更される場合があります。 最新の情報については、関係省庁の公式サイト等でご確認ください。

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