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中小企業向けコラム
作成日:2026.01.24
辻 光明

執筆者:辻 光明

代表税理士

確定申告の間違い修正|修正申告と更正の請求を税理士が解説

8分で読めます
確定申告の間違い修正|修正申告と更正の請求を税理士が解説

確定申告の間違いに気づいたら最初に判断すること

確定申告の間違いは、結論から言うと「税金が増える訂正」なら修正申告、「税金が減る(還付が増える)訂正」なら更正の請求で対応します。問題になりやすいのは、放置して延滞税や加算税が発生したり、還付を受け損ねたりする点です。特に事業所得・不動産所得・医療費控除・ふるさと納税などは入力ミスが起きやすく、早期判断が重要です。

税理士法人 辻総合会計では、個人の確定申告から個人事業者の申告まで、長年にわたり申告後の訂正相談を多数受けてきました。よくある相談として「還付が少ない気がする」「売上の計上漏れに後から気づいた」などがありますが、まずは次の3点を確認しましょう。

  • 間違いが見つかったのは「法定申告期限の前」か「後」か
  • 訂正すると「納める税金が増える」のか「減る(還付が増える)」のか
  • 税務署から調査の連絡(事前通知等)が来ていないか
ここがポイント
法定申告期限「前」に誤りに気づいた場合は、原則として“正しい申告書を作り直して期限内に提出し直す”対応になります(期限後の訂正とは手続が異なります)。

修正申告と更正の請求の違い

確定申告の訂正手続は、大きく「修正申告」と「更正の請求」に分かれます。ポイントは税額の方向です。

「税金が増える訂正」なら修正申告

売上(収入)の計上漏れ、必要経費の二重計上、控除の誤適用などにより、本来より税額が少なく申告されていた場合は「修正申告」で訂正します。修正申告は“納め直す”手続なので、提出日に新たな納付が発生し、あわせて延滞税がかかることがあります。

「税金が減る(還付が増える)訂正」なら更正の請求

医療費控除の入れ忘れ、生命保険料控除の計上漏れ、配当控除等の適用漏れなどにより、本来より税額が多くなっていた(還付が少ない)場合は「更正の請求」で減額を求めます。更正の請求には期限があり、原則として法定申告期限から5年以内です。

比較表:どちらを選ぶべきか

←横にスクロールできます→
項目修正申告更正の請求
使う場面納める税金が少なすぎた/還付が多すぎた納める税金が多すぎた/還付が少なすぎた
結果追加で税金を納付(延滞税が発生し得る)税務署の審査後、減額更正→還付等
期限原則「できるだけ早く」(調査前の自主是正が重要)原則 法定申告期限から5年以内
提出書類修正申告書(所得税は第1表・第2表等)更正の請求書
提出方法e-Tax提出/印刷して税務署へ提出e-Tax提出/印刷して税務署へ提出

修正申告のやり方(手続きの流れ)

修正申告は「税額が増える」場合の訂正です。加算税の有無がタイミングで変わるため、誤りを把握したら早めに動くのが実務的な鉄則です。

Step 1: 間違いの原因を特定し、証憑をそろえる

  • 売上計上漏れ:請求書、入金明細、レジデータ等
  • 経費の誤り:領収書、クレカ明細、帳簿
  • 控除の誤り:控除証明書、医療費通知、寄附金受領証明書 など
    修正理由を説明できる状態にしておくと、その後のやり取りが円滑になります。

Step 2: 修正後の申告書を作成する

国税庁の「確定申告書等作成コーナー」には「更正の請求書・修正申告書作成コーナー」があり、案内に従って入力すると税額が自動計算されます。e-Tax送信または印刷提出が可能です。

Step 3: 提出と同時に納付(+延滞税の確認)

修正申告で新たに納める税金は、原則として「修正申告書を提出する日」が納期限になります。納付が遅れるほど延滞税が増え得るため、資金繰りも含めて同日に納付できる形を取るのが安全です。延滞税は国税庁の計算ページ(年度別)で確認できます。

Step 4: 加算税リスクを整理する(調査連絡の有無が重要)

税務署からの調査の事前通知前に自主的に修正申告した場合、過少申告加算税がかからない取扱いがあります。一方、事前通知後は原則として過少申告加算税(一定割合)が発生し得ます。連絡が来ている場合は、対応順序を誤らないことが重要です。

更正の請求の期限とやり方(還付を取り戻す)

更正の請求は「税額が減る(還付が増える)」訂正です。期限があるため、「そのうちやろう」が最大のリスクになります。

更正の請求の期限は原則5年

更正の請求ができる期間は、原則として法定申告期限から5年以内です。還付申告(確定申告の義務がない人が還付のために申告したケース)など、起算点が異なる例外もあるため、迷う場合は制度の定義から確認しましょう。

更正の請求のやり方(手続きの流れ)

Step 1: 追加・修正したい控除や所得を整理する

  • 医療費控除の追加(集計表の作り直し)
  • 寄附金控除(ふるさと納税)の証明書追加
  • 生命保険料控除・地震保険料控除の証明書の反映
  • 配当控除等の適用漏れ など
    「何を追加すると税額がどう動くか」を試算してから進めると確実です。

Step 2: 更正の請求書を作成する

国税庁の作成コーナーで「更正の請求書」を作成し、e-Taxで提出または印刷提出します。更正の請求は提出すれば即還付ではなく、税務署で内容が検討され、認められれば減額更正→還付等の流れになります。

Step 3: 審査に備えて根拠資料を添付・保管する

添付が必要な書類は内容により異なりますが、少なくとも根拠資料を整理し、提示を求められた際に説明できる状態にしておきます。特に医療費控除・寄附金控除は証明書の不備があると手戻りが起きやすい領域です。

ここがポイント
「所得金額の増減や所得控除の追加があっても、最終的な税額に異動がない」場合は、更正の請求ができない取扱いがあります。税額影響の有無を先に確認しましょう。

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よくあるミスと注意点(延滞税・加算税・書式のアップデート)

最後に、実務でつまずきやすいポイントを整理します。

  • 期限前の誤りを「修正申告」で出してしまう
    期限前は原則“正しい申告書を作って期限内に提出”です。期限をまたぐかどうかで手続が変わります。
  • 「修正申告」と「更正の請求」を逆に選ぶ
    税額が増えるか減るかで決まります。還付が増えるなら基本は更正の請求です。
  • 延滞税の見落とし
    修正申告は追加納付が伴うため、納付日までの延滞税を併せて納める必要があります。年度により計算の前提が異なるため、国税庁の計算ページで確認するのが確実です。
  • 書式の変更を知らない
    所得税では、令和4年分以降の修正申告で申告書第5表(修正申告・別表)が不要になるなど、運用が簡素化されています。作成コーナーを使うと現行様式に合わせて作成できます。

よくある質問

Q: 修正申告はいつまでに出せばいいですか?(修正申告 やり方) ▼

A:

法律上は「○日まで」と一律に区切られるものではありませんが、実務上は誤りに気づいたらできるだけ早く提出し、追加税額と延滞税を早期に確定させるのが安全です。税務署から調査の連絡がある前に自主的に修正するかどうかで、加算税の取扱いが変わる点にも注意してください。
Q: 更正の請求の期限はいつまでですか?(更正の請求 期限) ▼

A:

原則として法定申告期限から5年以内です。還付申告など例外的に起算点が異なる場合もあるため、申告の類型(義務申告か還付申告か)を確認し、期限ギリギリになる前に手続を進めましょう。
Q: e-Taxで修正申告や更正の請求はできますか? ▼

A:

はい。国税庁の確定申告書等作成コーナー(更正の請求書・修正申告書作成コーナー)でデータを作成し、e-Taxで提出することができます。印刷して税務署へ提出する方法も選べます。

まとめ

  • 確定申告の間違いは「税額が増えるなら修正申告」「税額が減るなら更正の請求」で判断する
  • 期限前の誤りは、原則として正しい申告書を作り直して期限内に提出する
  • 更正の請求は原則として法定申告期限から5年以内。放置が最大のリスク
  • 修正申告は追加納付と延滞税が関係し、調査連絡の有無で加算税の取扱いが変わる
  • 作成コーナー(e-Tax)を使うと現行様式に沿って作成・提出できる

参照ソース

  • 国税庁「No.2026 確定申告を間違えたとき」: https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2026.htm
  • 国税庁「所得税及び復興特別所得税の更正の請求手続」: https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/shinkoku/annai/01.htm
  • 国税庁「延滞税の計算方法」: https://www.nta.go.jp/taxes/nozei/entaizei/keisan/entai.htm

この記事を書いた人

辻 光明

辻 光明

代表税理士

税理士 / 認定経営革新等支援機関

税理士法人 辻総合会計の代表。クリニック開業支援・医療法人設立・クラウド会計導入を得意とし、オンラインでの税務顧問サービスを推進。

ご注意事項

本記事の内容は、公開日時点における一般的な情報提供を目的としており、 特定の個人や法人に対する専門的なアドバイスを構成するものではありません。

税務・会計・法務等に関する具体的なご相談については、 必ず資格を持った専門家にご確認ください。 本記事の情報に基づいて行われた判断や行動により生じた損害について、 当事務所は一切の責任を負いかねます。

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