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中小企業向けコラム
作成日:2026.02.27
辻 光明

執筆者:辻 光明

代表税理士

中古住宅 住宅ローン控除13年延長と省エネ条件|税理士が解説

8分で読めます
中古住宅 住宅ローン控除13年延長と省エネ条件|税理士が解説

中古住宅の住宅ローン控除は「省エネなら13年」です

結論から言うと、中古住宅(既存住宅)の住宅ローン控除は、省エネ性能の高い住宅に該当すれば控除期間が13年に拡充されます(控除率0.7%)。一方で、省エネ要件を満たさない「その他の住宅」は10年のままです。中古住宅を買う方にとっての悩みは「13年の対象になるか」「省エネ基準適合の証明をどう取るか」の2点に集約されます。

本記事では、税理士法人 辻総合会計の実務目線で、既存住宅の13年適用の条件と、省エネ基準適合の確認方法を手続きまで落とし込みます(法改正は国会で関連税制法が成立することが前提の論点があるため、最終的には申告年の制度をご確認ください)。

既存住宅ローン控除の「13年延長」はいつからいつまで?

令和8年度税制改正の大綱ベースでは、住宅ローン減税の適用期限が5年延長され、2026年(令和8年)〜2030年(令和12年)入居まで対象となります。加えて、既存住宅については「省エネ性能の高い既存住宅」を中心に、借入限度額の引上げや、控除期間13年への拡充が示されています。

また、床面積要件は「40㎡以上」へ緩和(一定の場合は50㎡以上)という整理です。中古マンションのコンパクト需要を想定すると、床面積要件の緩和は実務上インパクトが大きい論点です。

ここがポイント
「13年になるのは中古住宅なら何でも」ではありません。あくまで住宅の環境性能区分(認定住宅等/省エネ基準適合/その他)で分かれます。購入前に、売主・仲介・検査機関に「どの区分で証明できるか」を確認するのが安全です。

中古住宅13年の対象:住宅区分と借入限度額(比較表)

既存住宅(中古住宅)の控除期間・借入限度額は、住宅の省エネ区分で変わります。2026〜2030入居の整理(大綱ベースの資料)を、実務で使いやすい形にまとめると次のとおりです。

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既存住宅の区分控除期間借入限度額(一般)借入限度額(子育て世帯等)
認定長期優良住宅・低炭素住宅(既存)13年3,500万円4,500万円
ZEH水準省エネ住宅(既存)13年3,500万円4,500万円
省エネ基準適合住宅(既存)13年2,000万円3,000万円
その他の住宅(既存)10年2,000万円2,000万円

あわせて、所得要件は合計所得金額2,000万円以下、床面積は原則40㎡以上(ただし一定の場合は50㎡以上)が基本線です。

「省エネ基準適合」の条件:断熱等級と一次エネ等級

中古住宅で13年を狙う場合、ポイントは省エネ基準適合住宅に該当するか、またはそれ以上(ZEH水準、省エネ上位の認定住宅等)で証明できるかです。

国税庁の定義ベースで整理すると、代表的には次のイメージです。

  • ZEH水準省エネ住宅:断熱等性能等級5以上 かつ 一次エネルギー消費量等級6以上
  • 省エネ基準適合住宅:断熱等性能等級4以上 かつ 一次エネルギー消費量等級4以上

中古住宅では「建物がその等級を満たすことの証明」をどう取るかが実務の肝になります。

省エネ基準適合の確認方法:必要書類と取得ルート

ZEH水準省エネ住宅・省エネ基準適合住宅の証明は、原則として次のいずれかで行います。

  • 建設住宅性能評価書(登録住宅性能評価機関が発行)
  • 住宅省エネルギー性能証明書(登録住宅性能評価機関のほか、登録建築士事務所の建築士、指定確認検査機関、住宅瑕疵担保責任保険法人などが発行)

実務上は「中古で性能評価書が手元にない」ケースが多いので、住宅省エネルギー性能証明書の取得が現実的な着地点になりやすいです。発行可能な主体や様式は国交省の案内に沿って手配します。

ここがポイント
確定申告の期限までに証明書が間に合わない場合でも、いったん該当区分で申告し、後日、証明書が交付されたら速やかに税務署へ提出する取扱いが案内されています。とはいえ、後出し提出はミスが起きやすいので、可能なら入居・申告前に取得しておくのが安全です。

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既存住宅(中古)の住宅ローン控除:申告の手順(ステップ)

中古住宅で住宅ローン控除を初めて受ける場合、基本は「初年度は確定申告、2年目以降は年末調整(給与所得者の場合)」です。必要書類の不足が多い論点でもあるため、手順を固定化しておくと事故が減ります。

Step 1: 住宅の区分を確定する(13年か10年か)

売買契約前〜引渡し前に、認定住宅等/ZEH水準/省エネ基準適合/その他のどれで証明できるか確認します。ここが曖昧なまま進むと、後で「13年のつもりが10年」になりやすいです。

Step 2: 省エネの証明書を準備する

建設住宅性能評価書がない場合は、住宅省エネルギー性能証明書の取得可否を確認し、発行主体に依頼します。証明書の手配は時間が読みにくいため、購入後すぐ動くのが実務的です。

Step 3: 共通書類+住宅区分に応じた書類を揃えて確定申告する

国税庁の「確定申告書等作成コーナー」を使えば控除額は自動計算されますが、添付書類の不足が多いと明示されています。e-Taxの場合も、送信票(兼送付書)に表示される提出書類を必ず確認します。

Step 4: 2年目以降(給与所得者)は年末調整へ切替

国税庁は、住宅借入金等特別控除証明書の電子交付データの提出など、年末調整での扱いも案内しています。会社の受領方法(電子可/紙のみ)により出力方法が変わる点は実務でつまずきがちです。

既存住宅ローン控除でよくある注意点(失敗パターン)

中古住宅は新築よりも「書類が揃っていない」「性能が読めない」ため、ミスが起きやすい領域です。特に次は要注意です。

  • 床面積要件:登記事項証明書の床面積で判定。マンションは専有部分で判断。
  • 耐震要件:昭和57年以後建築(新耐震)か、耐震基準適合の証明が必要なケースがあります。
  • 13年を狙うなら「省エネ性能の証明」が先:売主・仲介に確認しても、最終的には証明書で裏取りが必要です。
  • 「その他の住宅」は10年:中古でも必ずしも13年になりません。

よくある質問

Q: 既存住宅(中古)なら、必ず住宅ローン控除は13年になりますか? ▼
いいえ。13年になるのは、認定住宅等(認定長期優良・低炭素)、ZEH水準省エネ住宅、または省エネ基準適合住宅として証明できる場合です。省エネ要件を満たさない「その他の住宅」は10年です。
Q: 省エネ基準適合の証明は、どんな書類で行いますか? ▼
代表例は「建設住宅性能評価書」または「住宅省エネルギー性能証明書」です。中古で性能評価書がない場合は、住宅省エネルギー性能証明書の取得が現実的なルートになります。
Q: 申告期限までに住宅省エネルギー性能証明書が間に合わない場合はどうしますか? ▼
国交省の案内では、該当区分として申告し、後日証明書が交付されたら速やかに税務署へ提出する取扱いが示されています。ただし、後出し提出は漏れが起きやすいため、可能なら申告前に取得してください。
Q: 2026年以降の制度は確定していますか? ▼
国交省の資料では「今後の国会で関連税制法が成立することが前提」とされています。実務では、入居年・申告年の国税庁の手引き、最新の告示・Q&Aで最終確認してください。

まとめ

  • 中古住宅の住宅ローン控除は、省エネ性能の高い既存住宅なら13年、その他は10年が基本
  • 2026〜2030入居の整理(大綱ベース)では、既存住宅の省エネ区分ごとに借入限度額が異なる
  • 省エネ基準適合は「断熱等級」と「一次エネ等級」を証明できるかが核心
  • 証明書は「建設住宅性能評価書」または「住宅省エネルギー性能証明書」が実務の主役
  • 初年度は確定申告が必須。添付書類不足が多いので、申告書作成時の提出書類表示を必ず確認

参照ソース

  • 国土交通省「住宅ローン減税」: https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk2_000017.html
  • 国土交通省 報道発表「住宅ローン減税等の延長・拡充(令和8年度税制改正)」: https://www.mlit.go.jp/report/press/house02_hh_000241.html
  • 国税庁「No.1211-3 中古住宅を取得し、令和4年以降に居住の用に供した場合」: https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1211-3.htm
  • 国税庁「住宅ローン控除を受ける方へ(確定申告特集)」: https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/tokushu/keisubetsu/juutaku.htm

この記事を書いた人

辻 光明

辻 光明

代表税理士

税理士 / 認定経営革新等支援機関

税理士法人 辻総合会計の代表。クリニック開業支援・医療法人設立・クラウド会計導入を得意とし、オンラインでの税務顧問サービスを推進。

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記事の内容は法令の改正等により変更される場合があります。 最新の情報については、関係省庁の公式サイト等でご確認ください。

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