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クリニック向けコラム
作成日:2026.01.10
辻 勝

執筆者:辻 勝

会長税理士

診療報酬改定2026耳鼻科の処置・検査変更点|税理士が解説

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診療報酬改定2026耳鼻科の処置・検査変更点|税理士が解説

診療報酬改定2026で耳鼻科の点数はいつ確定する?

診療報酬改定2026における耳鼻咽喉科の処置・検査点数は、「告示(点数表)」と「疑義解釈」等の公表をもって初めて確定します。2026年1月10日現在、公表されているのは「基本方針」や中医協の議論資料が中心で、個別の処置・検査の点数が最終確定した形で一覧化されている段階ではありません。

耳鼻咽喉科は、診療単価が「検査・処置の構成比」に左右されやすい診療科です。数点の変更でも、月次のレセプト請求や患者導線(検査実施タイミング、再診間隔、説明・記録の手間)が変わり得ます。院長・事務長・医事担当にとっての課題は、「いつ」「どの資料で」「自院の頻出項目がどう変わったか」を取りこぼさず把握することです。

ここがポイント
本記事は、2026年1月10日時点で公表されている公的資料を前提に、「耳鼻科の処置・検査点数の変更点をどう確認し、どう備えるか」を解説します。最終点数・算定要件は、必ず最新の点数表・通知で確認してください。

耳鼻咽喉科の処置点数・検査点数 変更点の見つけ方

「耳鼻科の点数改定を確認したい」とき、最短ルートは次の2段階です。

  • 段階1:点数表(告示)で点数の増減・新設・削除を確認
  • 段階2:通知・疑義解釈で算定要件(回数、併算定可否、記載要件)を確認

耳鼻咽喉科で影響が出やすいのは、例えば次の領域です。

  • 聴力・平衡機能などの各種検査(実施回数・算定間隔・算定条件)
  • 内視鏡を用いる評価や処置(記録要件、包括・加算関係)
  • 鼻腔・咽喉頭・耳の外来処置(同日算定の扱い、包括範囲の見直し)
  • 感染症・抗菌薬適正使用に関する評価(検査実施の位置づけや説明義務)

ポイントは「耳鼻科っぽい名称の項目」から探すのではなく、自院のレセプト頻出項目を起点に洗い出すことです。

Step 1: 自院の頻出 検査・処置を20~30項目抽出する

直近1~3か月のレセプト(外来)から、件数が多い検査・処置をリスト化します。医事システムからコード別件数を出せる場合は、集計の粒度をそろえると改定比較がしやすくなります。

Step 2: 項目ごとに「点数」「注(算定ルール)」の改定差分を見る

点数の増減だけでなく、注の文章(算定回数、同日算定、所定点数に含まれる範囲、要件)を必ず確認します。実務影響は「点数」より「算定要件」の変更で大きくなることが少なくありません。

Step 3: 変更があった項目だけ、院内ルール(運用・記録)に落とし込む

運用変更が必要な場合は、受付~診察~検査~会計までの導線に反映します。記載要件が増える改定では、テンプレート整備が費用対効果の高い対策になります。

基本方針から読み解く、耳鼻科に効く改定テーマ

2026改定の議論は、点数の上下だけでなく、医療提供体制・物価賃金・医療DX・効率化といった大枠の方向性が重視されています。基本方針では、物価・賃金上昇や人材確保、医療DXの推進、効率化・適正化などが明示されています。これらは耳鼻咽喉科の「検査」「処置」にも波及し得ます。

耳鼻科にとって見落としやすいのは次の3つです。

  • 医療DXの要件化・加算整理
    受付(資格確認)や診療情報の利活用が、算定や施設基準と連動する流れが続いています。医療DXはIT投資ではなく算定リスク管理として捉える必要があります。

  • 外来機能分化・逆紹介の推進
    大病院の外来負荷軽減、かかりつけ機能の整理が議論の柱です。耳鼻科でも、検査の実施タイミングや紹介時の情報提供の質(結果提供、記録の標準化)が実務に直結します。

  • 適正化(重複・過剰の抑制)と評価のメリハリ
    「効率化・適正化」は、検査の位置づけ(必要性の説明、算定間隔、包括範囲)に影響しやすい領域です。点数が維持されても、算定要件の厳格化で実入りが変わることがあります。

ここがポイント
改定の方向性(テーマ)から個別点数を推測するのは危険です。確定情報として扱えるのは、点数表(告示)と通知・疑義解釈です。テーマは「影響を受けやすい領域を先回りで点検する」ために使うのが安全です。

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改定前後の収益インパクトを作る方法(シミュレーション)

税理士法人 辻総合会計では、クリニックの月次試算表とレセプト集計を突き合わせ、「改定の影響がPLにどう出るか」を早期に可視化する支援を行っています。耳鼻科の改定対応は、次の整理で十分に実務化できます。

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論点典型的な改定の形収益への効き方院内で先に準備すること
点数そのもの増点・減点・新設・削除件数×点数差分で直撃頻出項目の件数を把握し、改定差分表を作る
算定要件算定回数・間隔、同日算定、包括範囲件数が減る/算定漏れが増える記録テンプレ、同意書、検査フローの見直し
施設基準・届出届出要件追加、実績要件、体制要件算定可否が変わる(0か100)届出スケジュール、必要書類、運用監査の整備
医療DX関連情報活用・体制整備の評価整理加算の取りこぼし/返戻リスク資格確認、電子カルテ、結果共有の手順統一

次に、改定が出た後の作業手順(実務での最短ルート)です。

Step 1: 「頻出20~30項目×改定差分」を1枚にまとめる
点数差分と要件差分を同じ表に入れます。要件に変更がないものは点数差分だけで十分です。

Step 2: 影響額をレンジで試算する
まだ現場運用が固まらない時期は、影響を一点で断定せず、

  • 楽観:算定漏れゼロ
  • 標準:算定漏れ・回数減を一定率見込む
  • 悲観:導線変更で実施件数が落ちる
    の3レンジで見積もると、意思決定(人員配置、予約枠、検査枠)がしやすくなります。

Step 3: 影響が大きい順に運用変更を決める
全項目を完璧に作り込むより、影響上位から潰す方が費用対効果が高いです。「月○万円以上の影響」など基準を先に決めると、院内調整が進みます。

よくある質問

Q: 耳鼻咽喉科の処置・検査点数の変更点は、どこを見れば確実ですか? ▼
確定情報は「点数表(告示)」と「通知・疑義解釈」です。中医協資料は方向性や論点整理には有用ですが、個別点数と要件を確定させる根拠としては、告示・通知を優先してください。
Q: 点数が変わらなくても、収益が落ちることはありますか? ▼
あります。算定回数・算定間隔・同日算定の扱い・包括範囲・記載要件などが変わると、点数が同じでも請求できる件数が減ったり、算定漏れが増えたりします。
Q: 改定対応で最初にやるべきことは何ですか? ▼
自院の頻出検査・処置を20~30項目に絞ってリスト化し、改定差分(点数と要件)を1枚にまとめることです。そこから影響が大きい順に運用と記録を整備すると、短期間でも実務に落ちます。

まとめ

  • 耳鼻科の処置・検査点数は、点数表(告示)と通知・疑義解釈で確定する
  • 2026年1月時点では、基本方針や中医協資料が中心で、個別点数の最終確定版はこれから
  • 確認は「自院の頻出項目」起点で行うと、見落としが減る
  • 実務影響は点数差分だけでなく、算定要件(回数・間隔・記載)の変更で大きくなる
  • 改定後は差分表→影響試算(レンジ)→運用変更の順で進めると整理しやすい

参照ソース

  • 厚生労働省「令和8年度診療報酬改定について」: https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_67729.html
  • 厚生労働省「令和8年度診療報酬改定の基本方針」: https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_66800.html
  • 厚生労働省「中央社会保険医療協議会(総会)」: https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-chuo_128154.html

この記事を書いた人

辻 勝

辻 勝

会長税理士

税理士 / 行政書士

税理士法人 辻総合会計の会長。40年以上の実務経験を持ち、相続税・事業承継を専門とする。多くの医療法人・クリニックの顧問を務める。

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