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クリニック向けコラム
作成日:2026.02.14
辻 勝

執筆者:辻 勝

会長税理士

診療報酬改定2026再診料76点の収益試算|税理士が解説

7分で読めます
診療報酬改定2026再診料76点の収益試算|税理士が解説

結論:再診1回あたり+30円相当、年1万回で+30万円が目安

「再診料が75点→76点(+1点)」に加えて、「物価対応料(再診時等)2点(+2点)」が算定できる前提なら、再診1回あたりの増収は合計+3点です。点数の単価を10円として計算すると、増収は概ね+30円/回(=3点×10円)になります。

つまり、年間の再診回数が

  • 1万回なら+30万円/年
  • 3万回なら+90万円/年
  • 5万回なら+150万円/年
    が大まかなレンジです。

本記事では、患者数(再診回数)別に「年間でいくら変わるか」を、現場で使える形に落とし込みます。なお、制度の細部(算定条件・包括範囲・経過措置)は告示・通知で確定するため、最終確認は必須です。

前提整理:再診料76点・物価対応料2点とは(ロングテール:76点とは)

今回の試算は、次のよくある院内の前提で統一します。

  • 再診料:75点→76点(+1点)
  • 物価対応料:外来・在宅の「再診時等」2点(+2点)
  • 合計:+3点/再診
  • 1点=10円で換算(※地域加算等は別途)
ここがポイント
物価対応料は「基本診療料・調剤基本料等の算定に併せて算定可能な加算」として新設が示されています。実務では「どの区分で・どの行為に併せて算定できるか」「包括される点数の扱い」を必ず確認してください。

収益シミュレーション:患者数(再診回数)別の年間増収(ロングテール:収益シミュレーション)

まずは計算式(テンプレ)

  • 年間増収(円)= 年間再診回数 × 3点 × 10円
  • 年間再診回数 = 1日再診数 × 年間診療日数

ここでは「年間診療日数=240日」で置きます(週5×約48週のイメージ)。自院の実績日数に差し替えるだけで精度が上がります。

早見表:年間再診回数別(最も使う表)

←横にスクロールできます→
年間の再診回数1回あたり増収年間の増収(概算)
5,000回30円150,000円
10,000回30円300,000円
20,000回30円600,000円
30,000回30円900,000円
50,000回30円1,500,000円
80,000回30円2,400,000円

ポイントは、増収は「再診回数」にほぼ比例することです。患者単価が上がるというより「再診のボリューム」が効きます。

早見表:1日再診数別(年間240日稼働)

←横にスクロールできます→
1日あたり再診数月あたり(20日)増収年間(240日)増収
50人/日30,000円360,000円
100人/日60,000円720,000円
150人/日90,000円1,080,000円
200人/日120,000円1,440,000円
300人/日180,000円2,160,000円

「再診100人/日」規模で、年72万円程度。ここに他の点数改定・加算の影響が重なると、体感として効いてきたとなりやすい水準です。

診療所の実務での見方:増収=手取りではない(ロングテール:注意点)

増収がそのまま利益になるわけではありません。税理士としては、次の3点をセットで見ます。

  • 物価上昇で増えたコスト(光熱費・リース・委託費等)をどこまで埋めるか
  • 人件費(ベースアップ・採用難による賃金上昇)に充てる余力になるか
  • そもそも算定漏れがない運用になっているか(取りっぱぐれ防止)

特に、「患者負担が増えるかどうか」と「医療機関の総収益が増えるかどうか」は別問題です。医療機関の収益は「保険者分+患者一部負担」の合計(総点数)で決まります。

ここがポイント
再診料が包括される点数(包括評価)や、同日に複数科での扱い、情報通信機器(オンライン)など、算定ルールで思ったより増えない/別の項目に吸収されるケースがあります。最終的には点数表と通知での確認が安全です。

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自院での当てはめ手順(ロングテール:方法/手順)

Step 1: 年間の再診回数を把握する

  • レセコンから「再診料算定回数」を12か月分集計
  • まだ出せない場合は「平均再診数/日 × 診療日数」で推計

Step 2: 増分の点数を設定する

  • 想定:再診料+1点、物価対応料(再診時等)+2点
  • 合計:+3点/回

Step 3: 年間増収を計算する

  • 年間増収(円)= 再診回数 × 3 × 10

Step 4: 使途(賃上げ・物価・DX)を先に割り付ける

  • 増収をなんとなく消すと効果が見えにくいです
  • 例:ベア原資、委託費上昇分、IT運用費(予約・問診・請求周辺)などに予算化

よくある質問

Q: 「患者数」と「再診回数」は同じですか? ▼
同じではありません。慢性疾患のフォローが多い診療科では、患者1人が年に複数回受診するため、収益影響は「患者数」より「再診回数(算定回数)」で見た方が正確です。
Q: 物価対応料2点は、すべての再診で算定できますか? ▼
「基本診療料等の算定に併せて算定可能」と整理されていますが、対象範囲・除外・包括の扱いは告示・通知で確定します。算定可否が分かれるケースがあるため、点数表確定後に院内ルールへ落とし込むのが安全です。
Q: 年間診療日数は何日で計算すべきですか? ▼
まずは自院の実績が最適です。過去12か月の「実稼働日(外来実日数)」を使うとブレません。概算なら240日(週5×約48週)を置くと保守的です。
Q: 増収分は税金でどれくらい減りますか? ▼
法人・個人、役員報酬設計、設備投資、繰越欠損金の有無で大きく変わります。増収=利益増の前提で、概算の実効税率(法人なら法人税等、個人なら所得税・住民税)を掛けて見積もりますが、最終判断は決算見込みとセットで行います。

まとめ

  • 再診料+1点と物価対応料(再診時等)+2点を前提にすると、再診1回あたり+3点=概ね+30円/回が目安
  • 年1万回の再診なら+30万円/年、年5万回なら+150万円/年のイメージ
  • 実務は「再診回数(算定回数)」で把握すると精度が上がる
  • 物価対応料は併算定の設計なので、包括・除外・算定条件の最終確認が重要
  • 税務上は「増収=手取り」ではないため、賃上げ・物価・DXの使途設計まで一体で検討する

参照ソース

  • 別紙1-1 医科診療報酬点数表(傍線部分は改正部分): https://www.mhlw.go.jp/content/10808000/001655178.pdf
  • 総-1 個別改定項目について(改定案の考え方・要件等): https://www.mhlw.go.jp/content/10808000/001655176.pdf
  • 厚生労働省「保険診療の仕組み(1点10円)」: https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/kousei/11-2/kousei-data/PDF/23010202.pdf

この記事を書いた人

辻 勝

辻 勝

会長税理士

税理士 / 行政書士

税理士法人 辻総合会計の会長。40年以上の実務経験を持ち、相続税・事業承継を専門とする。多くの医療法人・クリニックの顧問を務める。

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本記事の内容は、公開日時点における一般的な情報提供を目的としており、 特定の個人や法人に対する専門的なアドバイスを構成するものではありません。

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