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相続・事業承継コラム
作成日:2026.02.08
辻 勝

執筆者:辻 勝

会長税理士

自動車相続の名義変更手続き|必要書類と期限を税理士が解説

7分で読めます
自動車相続の名義変更手続き|必要書類と期限を税理士が解説

相続した車の名義変更とは(結論)

亡くなった方名義の車は、原則として運輸支局等で「相続による移転登録(名義変更)」を行い、新しい所有者を登録します。名義が故人のままだと、売却・廃車・保険手続きが進まず、自動車税の通知先や事故時の実務対応でトラブルになりがちです。
一方で、相続は家族関係や遺産分割の状況で必要書類が変わるため、まず「誰が相続するか」と「その車が普通車か軽自動車か」を切り分けることが重要です。税理士法人 辻総合会計でも、相続手続きの現場では「車だけ後回し」で困るケースがよくあります。

車 相続 手続きの全体像(普通車と軽自動車の違い)

まず確認するポイント(車検証で判定)

  • 車検証の「所有者」欄が亡くなった方か(ローン会社・ディーラー名義なら相続ではなく別手続きの可能性)
  • 普通車(登録車)か、軽自動車か
  • 「使用の本拠の位置(住所)」が変わるか
ここがポイント
相続手続きは個別事情で必要書類が増えることがあります。運輸支局等へ行く前に、車検証(または自動車検査証記録事項)を手元に置いて事前確認すると、窓口での手戻りが減ります。

手続き先のイメージ

  • 普通車:運輸支局/自動車検査登録事務所で「移転登録」
  • 軽自動車:管轄機関で名義変更(様式や呼び方が異なる)

※本記事は、問い合わせが多い「普通車(登録車)の相続」を軸に解説し、軽自動車は相違点を要点で補足します。

自動車 相続 必要書類(ケース別チェックリスト)

相続の名義変更で必要となる書類は、「相続人が1人か/複数か」「第三者へ売却するか」「使用の本拠が変わるか」で変わります。現場では戸籍の取り方と遺産分割協議書の形式がボトルネックになりやすいです。

基本セット(多くのケースで必要)

  • 自動車検査証(車検証:有効期間内が前提)
  • 申請書(OCRシート:移転登録用)
  • 手数料納付書(印紙を貼付)
  • 相続関係を確認できる戸籍一式(死亡の事実と相続人全員が確認できるもの)
  • 新所有者(相続する人)の印鑑証明書 等(運用は管轄で異なるため事前確認推奨)

遺言書/遺産分割協議書

  • 遺言書がある:遺言内容に従って手続き
  • 遺言書がない・相続人が複数:遺産分割協議書(または全員の合意を示す書類)が必要になるのが一般的

追加で必要になりやすいもの

  • 住所変更が絡む場合:住民票等のつながり書類
  • 使用の本拠の位置が車検証と相違:車庫証明が必要になることがある

相続した車の名義変更の流れ(ステップで解説)

以下は「普通車(登録車)」で、相続人が新所有者として使い続ける代表例です。

Step 1: 車の状態と名義を確認する(最重要)
車検証の「所有者」「使用者」「使用の本拠の位置」を確認します。所有者がローン会社名義なら、相続手続きとは別に所有権解除が必要な場合があります。

Step 2: 誰が車を相続するか決め、相続関係書類を揃える
遺言書の有無、相続人の範囲、遺産分割協議の要否を確定します。戸籍は「死亡の事実」と「相続人全員」が追える形で求められることがあるため、早めに着手します。

Step 3: 申請書(OCR)と手数料を準備する
移転登録ではOCR申請書を使用します。様式は国土交通省サイトから入手できます。

Step 4: 管轄の運輸支局等で申請し、新しい車検証を受領する
申請が整っていれば当日発行になることもありますが、不備があると再提出になります。書類の「氏名・住所表記ゆれ(戸籍と印鑑証明の差)」は要注意です。

ここがポイント
「相続→第三者へ売却」まで同時に進める場合、相続手続き用と譲渡手続き用で申請書が複数必要になるなど、提出物が増えます。先に窓口へ手順を確認してから動くと安全です。

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手続きパターン別の違い(比較表)

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パターン主なゴール書類が増えるポイント実務上の注意
相続人が1人で相続故人→相続人へ名義変更戸籍で「他に相続人がいない」確認が厚めになることまずここを確実に終わらせる
相続人が複数で1人が相続故人→特定相続人へ名義変更遺産分割協議書等が必要になりやすい協議書の署名押印・印鑑証明の整合
相続後すぐ売却(第三者へ名義変更)故人→相続→買主(同時申請等)申請書が複数、譲渡関係書類も必要先に相続を確定させないと売却が止まる
廃車(抹消)したい相続→抹消(順序あり)抹消用の追加申請が必要相続移転の後に抹消へ進むのが一般的

期限はいつまで?放置リスクと注意点

「いつまでに名義変更しないといけないか」は、相続の進み方や車の利用状況で実務判断が変わります。ただ、名義が故人のままだと次の支障が現実的です。

  • 車の売却・下取り・廃車が進まない
  • 自賠責や任意保険の名義・記名被保険者の整理が遅れる
  • 自動車税(種別割)の通知や納付の実務が煩雑になる

特に、車検の更新時期が近い車は、手続きが詰まると「継続検査に出せない」「売却できない」などの形で顕在化します。相続手続き全体(預金解約・不動産等)と並走しつつ、車は早めに段取りを切っておくのがお勧めです。

よくある質問

Q: 故人名義の車をそのまま乗り続けても問題ありませんか? ▼
直ちに走行できなくなるわけではありませんが、売却・廃車・保険対応などで手続きが止まります。相続人間の合意が固まったら、早めに名義変更まで進める方が安全です。
Q: 相続人が複数で、まだ遺産分割がまとまりません。名義変更はできますか? ▼
一般には、誰が所有者になるかが確定しないと移転登録が難しくなります。まず相続関係を整理し、遺産分割協議書等の形にしてから進めるのが基本です(例外的に状況により取扱いが変わるため、管轄窓口へ事前相談が確実です)。
Q: 相続した車をすぐ第三者に売る予定です。手続きはどう進めますか? ▼
「故人→相続人」への相続移転と、「相続人→買主」への移転を同時に進める運用がありますが、申請書が複数必要になるなど提出物が増えます。売却契約を急ぐほど手戻りが起きやすいので、窓口で必要書類を先に確定させてください。

まとめ

  • 自動車の相続では、運輸支局等で「相続による移転登録(名義変更)」を行う
  • まず車検証で「所有者」「普通車/軽」「使用の本拠」を確認する
  • 必要書類はケースで変わり、戸籍一式と遺産分割協議書が論点になりやすい
  • 使用の本拠が変わると車庫証明が必要になることがある
  • 放置すると売却・廃車・保険・税金の実務で詰まるため、早めの段取りが有利

参照ソース

  • 関東運輸局「自動車の相続による手続き」: https://wwwtb.mlit.go.jp/kanto/jidou_gian/touroku/souzoku.html
  • 国土交通省「OCR申請書各種様式について」: https://www.mlit.go.jp/jidosha/jidosha_tk6_000021.html
  • 国土交通省 北陸信越運輸局(石川)「相続に関する必要書類(PDF)」: https://wwwtb.mlit.go.jp/hokushin/ishikawa/car_pattern/car-pattern48.pdf

この記事を書いた人

辻 勝

辻 勝

会長税理士

税理士 / 行政書士

税理士法人 辻総合会計の会長。40年以上の実務経験を持ち、相続税・事業承継を専門とする。多くの医療法人・クリニックの顧問を務める。

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