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相続・事業承継コラム
作成日:2026.02.27
辻 勝

執筆者:辻 勝

会長税理士

葬儀費用の相続税控除とは?対象一覧|税理士が解説

7分で読めます
葬儀費用の相続税控除とは?対象一覧|税理士が解説

葬儀費用は相続税の控除対象?結論と考え方

葬儀費用は、一定の相続人や包括受遺者が負担した場合、相続税の計算上、遺産総額から差し引ける「控除(債務控除と同じ枠組みの控除項目)」です。重要なのは、「葬儀に直接必要な支出」に限られ、墓地・墓石や法事などは原則として対象外になる点です。

現場では「どこまでが葬儀費用か」「お布施は?」「香典返しは?」で迷われるケースが多いです。税理士法人 辻総合会計でも、申告前の整理でここが一番時間を取られがちです。まずは国税庁の整理に沿って判断するとブレが減ります。

ここがポイント
相続税の控除対象になるのは、原則として「相続開始後に、葬儀のために実際に支払った費用」です。未払いの見込みや、慣習的に支払ったが葬儀と関係が薄い支出は否認リスクが上がります。

【一覧表】控除できる葬儀費用・できない費用

国税庁は、控除できる葬式費用の典型例と、含まれない費用を明確に例示しています。迷ったら、まずここに当てはめてください。

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区分具体例相続税の控除実務メモ
葬式・葬送、火葬・埋葬・納骨火葬料、式場費、棺、骨壺、納骨に伴う費用対象葬儀の中心費用は基本的に対象
遺体・遺骨の回送搬送車、遺体安置の搬送等対象距離が長い場合は合理性メモが有用
通夜など「通常欠かせない」前後費用通夜の会場費、通夜振る舞い等対象「通常」の範囲がポイント(過度は注意)
寺院等へのお礼読経料、戒名料を含むお礼(いわゆるお布施等)対象領収書が出ないことがあるため記録が重要
捜索・運搬捜索費、遺骨運搬費等対象事故・災害等のケースで発生
香典返し返礼品、送料、会葬礼状等対象外国税庁が対象外と明示
墓地・墓石墓石購入、永代使用料、墓地の賃借料等対象外「葬儀」と「供養設備」は分けて考える
法事初七日、四十九日、一周忌等対象外初七日を葬儀同日に行う慣行でも原則は要注意

「香典」「お布施」はどう扱う?誤解が多いポイント

香典:相続税の控除ではなく、そもそも遺産計算に入れないのが通常

香典は弔意として遺族に贈られる金銭で、一般に「被相続人の財産を相続したもの」ではありません。そのため、相続税の計算で「葬儀費用の控除」として差し引く対象でもありません(控除ではなく、通常は相続財産に算入しない整理になります)。

実務では、香典を葬儀費用の支払いに充てることがありますが、だからといって「香典=控除」にはなりません。葬儀費用は、「誰が負担したか(相続人等)」と「何を支払ったか(対象費用)」で整理します。

お布施:控除対象になり得るが、証憑の整備がカギ

読経料など寺院等へのお礼は、国税庁が控除対象の例として挙げています。
一方で領収書が発行されないことも多いので、次のように「説明できる形」を作っておくと安全です。

  • 支払日・支払先(寺院名、担当者名が分かれば尚可)
  • 金額
  • 支払目的(通夜/葬儀/火葬前後など)
  • 同行者や手渡しの状況メモ
  • 葬儀社の見積・請求書(全体の文脈資料)
ここがポイント
「領収書がない=即アウト」ではありませんが、税務調査では事実認定が中心になります。メモ・振込記録・家計簿アプリ履歴など、代替資料を組み合わせて再現できるようにしましょう。

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申告で迷わない:葬儀費用控除の手順(チェックリスト)

Step 1: 支払先ごとに証憑を集める
葬儀社、火葬場、式場、料理、返礼品(ただし香典返しは対象外)など、支払先で束ねます。まずは漏れなく収集が最優先です。

Step 2: 「対象/対象外」に振り分ける
上の一覧表に沿って分類します。特に墓地・墓石と法事は混在しやすいので要注意です。

Step 3: 誰が負担したかを確定する
同居の家族が立替えた場合は、最終的な負担者が誰か(精算したか)まで整理します。申告では「相続人等が負担した葬式費用」を控除する整理が基本です。

Step 4: 相続税申告書へ反映し、根拠資料を保管する
提出後も問い合わせに備えて、証憑一式(原本・写しのルールは状況により)を保管します。個別事情により最適解が変わるため、迷う支出が多い場合は専門家レビューが有効です。

よくある質問

Q: どの相続人が葬儀費用を払っても控除できますか? ▼
原則として、一定の相続人や包括受遺者が負担した葬儀費用が控除の対象になります。誰が最終的に負担したかが重要なので、立替えや精算の有無を含めて整理します。
Q: 香典返しは「葬儀に必要」だから控除できますか? ▼
香典返しにかかった費用は、国税庁が「葬式費用に含まれないもの」として例示しており、控除対象外です。
Q: 墓地・墓石や永代供養料は控除できますか? ▼
墓石や墓地の購入費、墓地を借りる費用は控除対象外です。葬儀の費用と、供養設備・場所の費用は区分して管理してください。
Q: お布施の領収書がありません。控除は無理ですか? ▼
国税庁は読経料など寺院等へのお礼を控除対象の例に挙げています。領収書がない場合でも、支払日・金額・支払先・目的をメモし、振込記録や葬儀社資料などの代替資料と合わせて説明できる状態に整えるのが実務的です。

まとめ

  • 葬儀費用は、一定の相続人等が負担したものを遺産総額から控除できる
  • 控除対象は「葬儀に直接必要な費用」に限られ、香典返し・墓地墓石・法事は対象外
  • お布施(読経料など)は対象になり得るが、領収書がない場合は記録と代替資料が重要
  • 申告では「対象/対象外」と「最終負担者」をセットで整理すると迷いが減る
  • 個別事情で判断が割れる支出は、申告前に税理士へ確認すると安全

参照ソース

  • 国税庁「No.4129 相続財産から控除できる葬式費用」: https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4129.htm

この記事を書いた人

辻 勝

辻 勝

会長税理士

税理士 / 行政書士

税理士法人 辻総合会計の会長。40年以上の実務経験を持ち、相続税・事業承継を専門とする。多くの医療法人・クリニックの顧問を務める。

ご注意事項

本記事の内容は、公開日時点における一般的な情報提供を目的としており、 特定の個人や法人に対する専門的なアドバイスを構成するものではありません。

税務・会計・法務等に関する具体的なご相談については、 必ず資格を持った専門家にご確認ください。 本記事の情報に基づいて行われた判断や行動により生じた損害について、 当事務所は一切の責任を負いかねます。

記事の内容は法令の改正等により変更される場合があります。 最新の情報については、関係省庁の公式サイト等でご確認ください。

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