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相続・事業承継コラム
作成日:2026.02.27
辻 勝

執筆者:辻 勝

会長税理士

相続登記期限は2027年3月まで?必要書類と費用|税理士が解説

11分で読めます
相続登記期限は2027年3月まで?必要書類と費用|税理士が解説

相続登記の期限は「2027年3月31日」までに何をすればいい?

結論:相続登記は2024年4月1日から義務化され、施行前に始まった相続で未登記の不動産は、原則として2027年3月31日までに相続登記が必要です。なお、施行後に「相続で取得したことを知った」ケース等は、そこから3年以内が期限になります。

税理士として現場で多いのは、「親の名義のまま何年も放置していた土地・建物がある」「相続税申告は終わったが登記は手つかず」という相談です。相続登記は税金そのものではありませんが、相続税申告・遺産分割・不動産売却・担保設定まで一気に詰まります。誰にとって何が問題かというと、相続人にとっては期限管理と書類収集が追いつかないことが最大のボトルネックではないでしょうか。

ここがポイント
この記事は一般的な制度説明です。相続関係(代襲・数次相続・遺言無効争い等)や不動産の状況により必要書類や手順が変わります。個別判断は法務局・司法書士等にご相談ください。

相続登記の義務化とは?「相続登記 義務化 期限」を正確に整理

いつから義務化された?

相続登記の申請義務は、2024年4月1日施行です。相続(遺言を含む)により不動産の所有権を取得した相続人は、「相続の開始」と「その不動産を取得したこと」を知った日から3年以内に申請する義務があります。

施行前の相続は「2027年3月31日」が重要

施行日より前に開始した相続でも、未登記なら義務化の対象になります。この場合の猶予として、基本は2027年3月31日までに相続登記が必要、という整理になります(ただし「知った日」が2024年4月以降ならそこから3年以内)。

遺産分割がまとまった後にも追加の期限がある

いったん法定相続分などで登記しても、その後に遺産分割が成立した場合は、分割成立から3年以内に分割内容に応じた登記を申請する義務(追加的義務)が生じます。

相続登記はいつまで?「相続登記 いつまで」をケース別チェック

期限の考え方は、次の2段構えで整理するとミスが減ります。

  • 基本:取得を知った日から3年以内
  • 例外(施行前相続で未登記):原則2027年3月31日まで

実務上、まず確認したいのは「いつ相続が開始したか(死亡日)」よりも、未登記のままになっている不動産があるかです。未登記がある時点で、期限管理の対象になります。

期限に間に合わないときの現実的な打ち手

相続人が多い、行方不明者がいる、遺言の有効性で争いがある――こうした理由で登記が進まないことはあります。法務省は、事情により「正当な理由」が認められる場合があることも示しています。
それでも、何もしないより「最低限の手当て」をしておく方が安全です。後述の相続人申告登記は、その代表例です。

相続登記の罰則は?「相続登記 罰則(過料)」と実務の流れ

相続登記の申請義務に正当な理由なく違反した場合、10万円以下の過料の対象となります。

ここで誤解が多いのは、「すぐ罰金が来る」というイメージです。法務省の説明では、登記官が違反を把握した場合に、まず相当期間を定めて申請するよう催告し、それでも正当な理由なく申請しないときに裁判所へ通知される流れが示されています。
つまり、期限が迫るほど「何もしていない状態」がリスクになります。

必要書類は何がいる?相続登記の書類を最短で集めるコツ

相続登記でつまずく原因の多くは、書類の不足・取り直しです。法務局の案内では、典型的に次のような書類が必要になります(ケースにより追加あり)。

  • 被相続人:出生から死亡までの戸籍・除籍等
  • 相続人:戸籍、住民票 など
  • 不動産:固定資産課税明細書等(評価額の把握)
  • 作成書類:登記申請書、(必要に応じて)相続関係説明図、委任状 など
ここがポイント
「登記簿上の住所」と「戸籍の本籍等」のつながりが取れない場合、住所のつながりを示す書類(住民票の除票、戸籍の附票等)が追加で必要になります。早めにつながり確認をしておくと、再取得の手間が減ります。

費用はいくら?登録免許税と専門家費用の目安

相続登記の費用は、大きく「税金(登録免許税)」と「実費・専門家報酬」に分かれます。税理士としては、相続税申告や遺産分割の設計と合わせて、トータルコストで見誤らないことを重視します。

登録免許税(原則)

相続による所有権移転登記の登録免許税は、原則として固定資産税評価額に対して一定税率で計算されます。税額表(国税庁)では相続に関連する免税措置も案内されています。
また法務局の案内では、土地の相続登記について本来0.4%(1000分の4)の税率がかかるところ、一定の要件で免税になる旨が示されています。

免税措置(使える可能性がある人)

相続登記の登録免許税には、一定要件の下で免税措置があります(期限のある制度を含む)。たとえば、相続登記をしないまま相続人が亡くなったケース等で免税になることがあり、適用期間が2027年3月31日までの枠が示されています。
適用可否は事案で変わるため、法務局・司法書士に確認しつつ進めるのが安全です。

司法書士報酬など(一般的な目安)

司法書士報酬は、相続関係の難易度(人数・数次相続・遺産分割協議の有無)と不動産の個数で幅があります。一般的には数万円〜十数万円程度のレンジが多い印象ですが、これはあくまで目安で、個別見積りが必須です(実費:戸籍等の取得費、郵送費なども加算)。

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相続登記の手順(ステップ形式):2027年3月までに間に合わせる段取り

Step 1: 不動産の棚卸し(名義と物件数の確認)
まず登記簿で「誰名義か」「土地・建物が何筆あるか」を確認します。相続税申告が済んでいても、登記名義が被相続人のままの不動産が残っているケースは珍しくありません。

Step 2: 相続関係の確定(戸籍収集)
被相続人の出生から死亡までの戸籍等を集め、法定相続人を確定します。ここが遅れると、後工程がすべて止まります。

Step 3: 遺産分割の方針決定(遺言・協議)
遺言があるか、協議が必要かを整理します。協議が長引くなら、後述の「相続人申告登記」を検討する価値があります。

Step 4: 申請書作成・添付書類準備
法務局のハンドブックや様式を参照し、申請書と添付書類を整えます。

Step 5: 申請(窓口・郵送・オンライン)
書面申請(持参・郵送)またはオンライン申請で提出します。期限が迫っている場合は、提出先(管轄)と不備補正の余裕を見込んで前倒しが重要です。

「相続登記」と「相続人申告登記」の違い(比較表)

遺産分割がまとまらない・相続人が多いなどで本登記が進まないとき、相続人申告登記が選択肢になります(ただし万能ではありません)。

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項目相続登記(本登記)相続人申告登記
目的不動産の名義を相続人へ移す相続人である旨を申出て義務の一部を履行
義務対応基本的義務を満たす基本的義務に対応(遺産分割後の追加的義務は不可)
向いている場面売却・担保・名義確定が必要分割が長期化、相続人多数などで時間がかかる
注意点書類量が多く、協議が必要なことも最終解決ではない。後で本登記が必要になる

よくある質問

Q: 相続登記の期限が「2027年3月」って全員に当てはまりますか? ▼
施行前に開始した相続で未登記の不動産がある場合、原則として2027年3月31日までに相続登記が必要、という整理になります。一方で、取得を知った日が2024年4月以降のケースなどは、その日から3年以内が期限になります。
Q: 罰則(過料)はすぐ科されますか? ▼
正当な理由なく義務に違反した場合は10万円以下の過料の対象ですが、登記官が違反を把握した場合にまず催告し、それでも申請がされないときに裁判所へ通知される流れが示されています。放置が長いほどリスクが高いと考えるのが安全です。
Q: 遺産分割がまとまらず、相続登記に間に合いそうにありません。どうすれば? ▼
分割が難航する場合、相続人申告登記により基本的義務を履行できる場面があります(ただし遺産分割成立後の追加的義務には使えません)。事情により「正当な理由」が認められる可能性もあるため、早めに法務局・専門家へ相談してください。
Q: 登録免許税が高そうで不安です。減らせる制度はありますか? ▼
一定要件で登録免許税の免税措置が用意されています(適用期間のある枠を含む)。該当可否は事案で変わるため、法務局・司法書士に要件確認の上で進めるのが確実です。

まとめ

  • 相続登記は2024年4月1日から義務化、基本は「取得を知った日から3年以内」
  • 施行前相続で未登記の不動産は、原則2027年3月31日までが重要な期限
  • 正当な理由なく放置すると10万円以下の過料の対象になり得る
  • 必要書類は戸籍収集が核心。住所のつながり確認を早めに行う
  • 分割が進まないなら相続人申告登記も選択肢(ただし万能ではない)

参照ソース

  • 法務省「相続登記の申請義務化について」: https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00599.html
  • 法務省「相続登記の申請義務化に関するQ&A」: https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00565.html
  • 法務省「相続人申告登記について」: https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00602.html
  • 法務局「相続登記の登録免許税の免税措置について」: https://houmukyoku.moj.go.jp/homu/page7_000017.html
  • 国税庁「No.7191 登録免許税の税額表」: https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/inshi/7191.htm

この記事を書いた人

辻 勝

辻 勝

会長税理士

税理士 / 行政書士

税理士法人 辻総合会計の会長。40年以上の実務経験を持ち、相続税・事業承継を専門とする。多くの医療法人・クリニックの顧問を務める。

ご注意事項

本記事の内容は、公開日時点における一般的な情報提供を目的としており、 特定の個人や法人に対する専門的なアドバイスを構成するものではありません。

税務・会計・法務等に関する具体的なご相談については、 必ず資格を持った専門家にご確認ください。 本記事の情報に基づいて行われた判断や行動により生じた損害について、 当事務所は一切の責任を負いかねます。

記事の内容は法令の改正等により変更される場合があります。 最新の情報については、関係省庁の公式サイト等でご確認ください。

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