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相続・事業承継コラム
作成日:2026.02.27
辻 勝

執筆者:辻 勝

会長税理士

京都市 空き家税2026|新税の仕組みと波及を税理士が解説

9分で読めます
京都市 空き家税2026|新税の仕組みと波及を税理士が解説

京都市の空き家税2026年は「何が変わる」のか

京都市の「空き家税(通称)」は、空き家・別荘・セカンドハウス等のうち、居住実態のない住宅に対して追加で課税する新税(正式名称:非居住住宅利活用促進税)です。狙いは、放置されがちな非居住住宅を「売る・貸す・住む」方向へ動かし、住宅供給や地域環境の改善につなげる点にあります。

ただし、検索で「2026」と出てくる一方で、京都市は課税開始予定を後ろ倒ししており、現時点では令和12年度(令和12年1月1日時点の利用状況で判定)からの課税開始予定とされています。制度自体は条例制定・同意等のプロセスを経ていますが、「いつから課税されるか」と「どの住宅が対象か」を分けて確認することが重要です。

この記事では、京都市の空き家新税の仕組み、税額の考え方(空き家税 いくら)、固定資産税との違い、そして他自治体に波及する条件を、実務目線で整理します。

空き家税 京都の正式名称と制度の全体像

正式名称は「非居住住宅利活用促進税」

いわゆる「空き家税 京都」は、京都市が導入する法定外普通税(地方税法に基づき自治体が独自に創設する税)です。宿泊税のような「目的税」と異なり、法定外普通税は一般財源として扱われます(ただし、京都市は税収を活用して空き家利活用支援策を進める方針を示しています)。

課税の考え方は「居住実態」で判定

ポイントは「住民票の有無」だけではなく、生活の本拠として利用している人がいるか(生活実態)で判断される点です。住民票がなくても実態があれば対象外になり得ますし、住民票があっても生活実態が乏しければ対象になり得ます。結果として、所有者の申告や書面確認、現地調査といった運用が重要になります。

ここがポイント
「空き家」だけでなく、別荘・セカンドハウス等も広く射程に入るのが本税の特徴です。税務では名称よりも「非居住住宅」に該当するかの判定フローを重視してください。

空き家税 いくら?税率・計算方法のキホン

課税対象(納税義務者)

原則として、京都市の市街化区域内に所在する「非居住住宅」(その所在地に住所を有する者がいない住宅)の所有者が課税対象です。市街化区域かどうかは固定資産税・都市計画税の課税明細書等から確認する設計です。

免税点・課税免除・減免・徴収猶予

制度は「とにかく課税」ではなく、一定の配慮枠があります。

  • 免税点:家屋価値割の課税標準額(家屋の固定資産評価額)が20万円未満(導入当初5年間は100万円未満)
  • 課税免除:事業用、賃貸・売却予定(一定期間内)など、所有者の申告が前提となる類型
  • 減免:災害、生活保護、転勤・入院・介護施設入所等による一時不在(一定条件)など
  • 徴収猶予:相続等により非居住住宅が発生した場合など、一定期間の猶予(活用された場合は猶予税額が免除され得る)

ここは実務上の最重要ポイントで、特に「賃貸・売却予定」「事業用」「一時不在」は、放置すると課税に寄ってしまうため、証憑と申告の整備が鍵になります。

税率の仕組み(家屋価値割+立地床面積割)

京都市の公表情報では、税額は大きく2階建てです。

  1. 家屋価値割(家屋の固定資産評価額をベース)
  • 税率:0.7%
  1. 立地床面積割(土地評価の要素×延べ床面積をベース)
  • 1㎡当たり土地評価額 × 延べ床面積 を課税標準に置き、税率は3段階
    • 0.15%(一定区分)
    • 0.3%(一定区分)
    • 0.6%(一定区分)

「建物が高額・立地が良い・床面積が大きい」ほど負担が上がる設計で、単なる空き家罰則ではなく、住宅市場へのインセンティブ(ディスインセンティブ)として設計されています。

固定資産税・都市計画税との違い(比較表)

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税目課税の起点課税対象目的・性格
固定資産税賦課期日1/1の所有土地・家屋等基幹税(法定税)
都市計画税市街化区域等土地・家屋等都市計画事業等の費用に充当(法定税)
非居住住宅利活用促進税(空き家新税)1/1時点の利用状況(非居住か)市街化区域内の非居住住宅法定外普通税(住宅供給・利活用の促進を狙う)

「空き家税 いくら?」の答えは、固定資産税等とは別建てで上乗せになる点にあります。税額の目安は個別の評価・立地・床面積・免除該当性で大きく変動します。

空き家 新税の実務対応:所有者がやるべき手順

新税は「課税を避ける」こと自体が目的ではなく、非居住住宅を適切に流通・活用させることが政策目的です。ただし、税務実務としては、課税リスクをコントロールしつつ最適な出口(賃貸・売却・居住・改修・解体)を選ぶ必要があります。

Step 1: 対象判定(市街化区域・非居住の可能性)

固定資産税・都市計画税の課税明細書、住民票の状況、実際の利用実態(生活の本拠があるか)を整理します。親族の一時利用や週末利用など、グレーになりやすいパターンは利用実態の記録が重要です。

Step 2: 免除・減免・猶予に該当するか確認

  • 賃貸・売却の募集開始日、媒介契約、広告掲載などの証憑
  • 事業用の利用計画、開始予定の裏付け
  • 転勤・入院・介護施設入所等の一時不在を示す資料
  • 相続発生時の猶予要件の充足

該当するなら、必要な申告・申請を期限管理します。

Step 3: 活用方針を決め、税務と実務を同時に最適化

  • 賃貸:収益化+課税免除に寄せられる可能性
  • 売却:キャッシュ化、譲渡所得課税の整理、相続時の分割設計
  • 改修:耐震・用途変更、補助制度の有無、修繕費の税務
  • 解体:固定資産税の住宅用地特例の扱い(別論点)も含め判断
ここがポイント
空き家対策は「税金」だけで決まりません。管理不全になると、別途、固定資産税の住宅用地特例が外れる制度(空家法改正を含む枠組み)もあり、総合的なコスト設計が必要です。

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他自治体への波及はある?全国初が広がる条件

京都市の新税が注目される理由は「全国初」の法定外税として、空き家問題に税制で踏み込んだ点です。今後の波及は、次の条件が揃う自治体で現実味が増します。

  • 住宅不足・居住促進が政策課題(若年・子育て世代の流出等)
  • 別荘・セカンドハウス・投資用等が多く、非居住住宅の比率が高い
  • 空き家の管理不全が防災・防犯・景観に与える影響が大きい
  • 既存施策(空き家バンク、補助、指導・勧告)だけでは限界がある
  • 税務事務(対象判定、申告受付、調査)を運用できる体制がある

一方で、法定外税は「作ればよい」ものではなく、制度設計の妥当性(税負担の公平、対象範囲、免除・減免、徴収コスト)や、地方税法上の手続(協議・同意等)をクリアする必要があります。その意味で、京都市の事例は「ひな形」にはなっても、全国一律に広がるというより、自治体の課題構造に応じて採否が分かれると考えるのが現実的です。

よくある質問

Q: 「京都市 空き家税 2026」は、2026年から必ず課税されるのですか? ▼
現時点の京都市の公表では、課税開始予定は令和12年度(令和12年1月1日時点の利用状況で判定)とされています。過去の報道や解説で「2026」と記載されているものは、当初の目標時期を指しているケースがあります。最新の開始時期は市の公表情報で必ず確認してください。
Q: 空き家税 いくらかは、固定資産税通知書だけで分かりますか? ▼
目安の試算は可能です。制度上は「家屋価値割(評価額×税率)」と「立地床面積割(土地評価の要素×延べ床面積×税率)」の合算で構成され、免税点や課税免除・減免が入ると結果が変わります。固定資産税・都市計画税の課税明細書をベースに、該当性の確認と合わせて試算するのが実務的です。
Q: 賃貸に出す予定なら課税されませんか? ▼
「賃貸又は売却を予定している」類型は、所有者からの申告が前提で、募集開始からの期間など条件があります。単に「そのうち貸すつもり」では足りず、媒介契約、募集広告、内見対応など、実態と証憑を揃える運用が重要です。
Q: 相続で空き家になった場合もすぐ課税されますか? ▼
相続等で非居住住宅が発生した場合に配慮するため、一定要件のもとで徴収猶予の仕組みがあります。相続後の活用方針(売却・賃貸・居住)を早めに決め、猶予の申告と合わせて進めることが実務上のポイントです。

まとめ

  • 京都市の「空き家税(通称)」は、正式には非居住住宅利活用促進税(法定外普通税)で、非居住住宅の流通・利活用を促す狙いがある
  • 検索で「2026」と出る一方、京都市は課税開始予定を令和12年度へ後ろ倒ししているため、開始時期は最新公表で確認が必要
  • 税額は「家屋価値割(0.7%)」+「立地床面積割(3段階税率)」の合算で、免税点・課税免除・減免・猶予が実務の分岐点
  • 対応は「対象判定→免除等の確認→活用方針決定」を順に行い、証憑と期限管理をセットで進める
  • 他自治体への波及は、住宅政策課題と運用体制が揃う地域で現実味が増すが、制度設計と手続のハードルも高い

参照ソース

  • 国土交通省「空家等対策の推進に関する特別措置法関連情報」: https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk3_000035.html
  • 国土交通省「空家等対策の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律案を閣議決定」: https://www.mlit.go.jp/report/press/house03_hh_000160.html
  • e-Gov法令検索「地方税法」: https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=325AC0000000226

この記事を書いた人

辻 勝

辻 勝

会長税理士

税理士 / 行政書士

税理士法人 辻総合会計の会長。40年以上の実務経験を持ち、相続税・事業承継を専門とする。多くの医療法人・クリニックの顧問を務める。

ご注意事項

本記事の内容は、公開日時点における一般的な情報提供を目的としており、 特定の個人や法人に対する専門的なアドバイスを構成するものではありません。

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