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相続・事業承継コラム
作成日:2025.09.11
更新日:2026.01.26
辻 勝

執筆者:辻 勝

会長税理士

相続税がかかる財産一覧|非課税財産と墓・仏壇も税理士が解説

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相続税がかかる財産一覧|非課税財産と墓・仏壇も税理士が解説

相続税がかかる財産・かからない財産の結論

相続税は、原則として「亡くなった方の経済的価値のある財産」だけでなく、生命保険金や死亡退職金などのみなし相続財産にも課税されます。一方で、墓地・墓石・仏壇などの日常礼拝用のものは非課税です。
実務では「課税・非課税の区分」と「控除(葬式費用など)」を混同しやすく、申告漏れや過大申告につながりがちです。税理士法人 辻総合会計では30年以上にわたり相続税申告を支援してきた経験から、まずは一覧で棚卸しすることを強く推奨しています。

相続税がかかる財産とは(相続税の対象範囲)

相続税の対象となるのは、相続や遺贈で取得した財産(本来の相続財産)に加えて、法律上「相続で取得したものとみなす財産」なども含みます。具体的には、現金・預貯金・不動産・有価証券のほか、貸付金、特許権・著作権などの権利も対象です。
つまり「名義」ではなく、実質的に誰の財産か(管理・原資・運用実態)で判断されます。名義預金が典型例で、通帳は家族名義でも被相続人の資金管理であれば相続財産として計上が必要です。

相続税の基礎控除とは|計算方法と申告要否を税理士が解説【2025年版】

相続税がかかる財産一覧(本来の相続財産・みなし相続財産)

1) 本来の相続財産(代表例)

  • 現金・預貯金(普通預金、定期預金、外貨預金など)
  • 不動産(土地・建物、借地権、賃貸不動産、区分所有など)
  • 有価証券(上場株式、投資信託、国債・社債など)
  • 動産(自動車、貴金属、宝石、骨董品など)
  • 債権・権利(貸付金、未収金、ゴルフ会員権、特許権・著作権等)
  • 事業用資産(店舗設備、機械、在庫、営業権など)

2) みなし相続財産(代表例)

  • 被相続人が保険料を負担していた死亡保険金(生命保険金)
  • 死亡退職金(勤務先から遺族へ支給される退職手当金等)
ここがポイント
生命保険金・死亡退職金は「受取人固有の財産」と誤解されがちですが、相続税では一定の場合にみなし相続財産として課税対象です。 ただし非課税枠(後述)があるため、課税になるかは金額と法定相続人の数で変わります。

3) 生前贈与の加算など(相続税に影響するもの)

  • 相続開始前の一定期間の暦年贈与(加算対象)
  • 相続時精算課税を選択して取得した贈与財産
  • 教育資金・結婚子育て資金の一括贈与の管理残額(一定要件で加算)

ここは制度改正の影響を受けやすい領域です。生前贈与がある場合は、贈与契約書・資金移動・通帳履歴を時系列で整理し、加算対象を機械的に判定するのが安全です。

相続税がかからない財産一覧(非課税財産)

相続税には「そもそも課税しない財産(非課税財産)」が定められています。代表例は以下です。

1) 墓・仏壇・仏具など(非課税)

  • 墓地、墓石
  • 仏壇、仏具
  • 神を祭る道具など、日常礼拝をしている物
ここがポイント
注意点として、骨とう的価値があるなど投資対象となるもの、商品として所有しているものは課税され得ます。見た目が仏具でも「資産価値が高く換金性がある」場合は要注意です。

2) 生命保険金・死亡退職金の非課税枠

  • 相続で取得したとみなされる生命保険金等:500万円 × 法定相続人の数まで非課税
  • 相続で取得したとみなされる退職手当金等:500万円 × 法定相続人の数まで非課税

この非課税枠は「受取人が誰か」「法定相続人が何人か」で変動します。分割・受取設計は、節税だけでなく遺族の資金繰り(納税資金・生活資金)にも直結します。

3) 一定の公益目的等で取得し、要件を満たすもの

  • 宗教・慈善・学術など公益目的の事業に使われることが確実な財産
  • 相続税の申告期限までに国等へ寄附した財産(一定要件)

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区分代表例相続税計算での扱い実務上の注意
課税(本来の相続財産)預貯金、土地建物、株式遺産総額に加算名義預金・名義株に注意
課税(みなし相続財産)死亡保険金、死亡退職金原則加算(非課税枠あり)受取人・保険料負担者を確認
非課税財産墓地・墓石、仏壇等そもそも加算しない骨董価値・投資性があると課税リスク
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相続財産を棚卸しする方法(申告漏れを防ぐ手順)

Step 1: 財産を「名義」ではなく「実質」で集める
預貯金・証券・保険・不動産・借入を、本人と家族名義も含めて洗い出します。通帳管理者、印鑑、入出金原資を確認し、名義預金を除外しないことが重要です。

Step 2: 「課税・非課税・控除」に三分類する
上の比較表の区分で仕分けし、迷うものは理由(投資性の有無、保険料負担者など)を書き添えます。ここで非課税財産と控除項目を混同しないことがポイントです。

Step 3: みなし相続財産と非課税枠を適用する
生命保険金・死亡退職金は、まず課税対象として拾い上げた上で、非課税枠(500万円×法定相続人)を控除して計上します。

Step 4: 葬式費用など控除の証憑をそろえる
領収書を時系列で保管し、葬式費用に含まれるもの/含まれないものを区別します。特に墓地・墓石の購入費は葬式費用控除に入らないため要注意です。

よくある質問

Q: 墓や仏壇は本当に相続税がかかりませんか? ▼
墓地・墓石、仏壇・仏具、神を祭る道具など日常礼拝のものは非課税とされています。ただし骨董的価値があるなど投資対象のもの、商品として保有しているものは課税され得るため、評価や入手経緯を確認してください。
Q: 生命保険金は受取人のものだから相続税は関係ないのでは? ▼
一定の場合、生命保険金は「相続で取得したものとみなされ」相続税の対象です。もっとも、500万円×法定相続人の数まで非課税枠があるため、最終的に課税になるかは金額と相続人構成で決まります。
Q: 葬式費用はどこまで控除できますか? ▼
火葬・埋葬・納骨、遺体搬送、お通夜など通常必要な費用、読経料等は葬式費用として控除対象になり得ます。一方、香典返し、墓地・墓石の購入費、初七日など法事費用は控除対象になりません。

まとめ

  • 相続税は預貯金・不動産・株式などの本来財産に加え、生命保険金や死亡退職金などみなし相続財産も対象
  • 墓地・墓石・仏壇など日常礼拝用のものは非課税だが、骨董価値・投資性があると課税リスク
  • 生命保険金・死亡退職金には「500万円×法定相続人」の非課税枠がある
  • 「非課税」と「控除(葬式費用等)」は別物。区分して棚卸しする
  • 生前贈与の加算や相続時精算課税がある場合は、制度要件を含めて専門家確認が安全

参照ソース

  • 国税庁「No.4105 相続税がかかる財産」: https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4105.htm
  • 国税庁「No.4108 相続税がかからない財産」: https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4108.htm
  • 国税庁「No.4129 相続財産から控除できる葬式費用」: https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4129.htm

この記事を書いた人

辻 勝

辻 勝

会長税理士

税理士 / 行政書士

税理士法人 辻総合会計の会長。40年以上の実務経験を持ち、相続税・事業承継を専門とする。多くの医療法人・クリニックの顧問を務める。

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本記事の内容は、公開日時点における一般的な情報提供を目的としており、 特定の個人や法人に対する専門的なアドバイスを構成するものではありません。

税務・会計・法務等に関する具体的なご相談については、 必ず資格を持った専門家にご確認ください。 本記事の情報に基づいて行われた判断や行動により生じた損害について、 当事務所は一切の責任を負いかねます。

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