
執筆者:辻 勝
会長税理士
初診料・再診料2026点数|診療報酬改定の見通しを解説

初診料・再診料の2026点数はいくらに?結論
2026年度(令和8年度)の初診料・再診料の「確定点数」は、厚生労働省の告示(点数表の公表)までは断定できません。現時点で確実に言えるのは、現行(令和6年度点数表)では初診料 291点、再診料 75点であることです。
一方で、中医協(中央社会保険医療協議会)での議論整理では、物価・賃金上昇を踏まえて「初・再診料等の見直し」を行う方針が示されています。したがって、2026改定で「基本診療料が何らかの形で手当てされる可能性」は読み取れますが、上げ幅が点数本体になるのか、加算に寄るのかは最後まで見極めが必要です。
初診料・再診料の現行点数と過去改定の推移
まず「いま何点か」を押さえると、改定の影響(増減の方向感)が読みやすくなります。
- 令和6年度(現行)
- A000 初診料:291点
- A001 再診料:75点
- 令和4年(参考)
- A000 初診料:288点
- A001 再診料:73点
改定差の比較(2022→2024)
| 区分 | 令和4年 | 令和6年 | 増減 |
|---|---|---|---|
| 初診料(A000) | 288点 | 291点 | +3点 |
| 再診料(A001) | 73点 | 75点 | +2点 |
ここ2回の改定では、初・再診料は「数点単位での調整」にとどまっています。2026も同様に“数点”の世界で動く可能性はありますが、今回は物価高騰対応と賃上げ原資の確保が前面に出ているため、「点数本体」以外(加算・施設基準・配分方法)で設計される可能性も要注意です。
同じ“初診”でも点数が変わる代表例
令和6年度点数表を見ると、初診料・再診料は条件により点数が変わります(例:情報通信機器を用いた初診、特定の病院での紹介状なし初診等)。
「2026の点数」を語るときは、院内の実態がどの区分に当たるか(オンライン診療の割合、紹介状ルート、病床規模等)までセットで確認する必要があります。
診療報酬改定2026のスケジュールと「点数が決まるまで」
点数は、いきなり発表されるのではなく、方針→改定率→個別点数→告示という順で固まります。2026改定に向けても、中医協で継続的に議論が行われています。
改定点数の確認手順(実務向け)
Step 1: 基本方針(何に重点配分するか)を確認
「初・再診料を含む基本診療料をどう位置づけるか」を読む材料になります。
Step 2: 中医協資料(議論の整理)で“見直し対象”を確認
「初・再診料等の見直し」など、対象範囲が明示されることがあります。
Step 3: 告示(点数表)と通知・疑義解釈で最終確定
レセプト算定に直結するのはここです。院内のマスタ更新・算定ルールの確認も同時に行います。
初診料・再診料は引き上げ?2026改定の「予想」の立て方
「点数が上がるか」を当てにいくよりも、改定の設計思想から“どこに手当てが来やすいか”を読む方が、経営・実務では役に立ちます。
1) “点数本体”が動くケース
議論整理では、物価高騰による負担増を踏まえ、初・再診料等や入院基本料等について必要な見直しを行う旨が示されています。
この文脈どおりに進む場合、初・再診料が「数点〜十数点未満」程度で調整されるシナリオが想定されます(ただしこれはあくまで幅の置き方で、確定情報ではありません)。
2) “加算で配る”ケース(実務上は影響大)
近年の傾向として、政策誘導(医療DX、感染対策、かかりつけ機能等)は「加算」設計になりやすい面があります。
この場合、初・再診料“本体”が動かなくても、加算の要件や点数次第で実質単価が変わります。
- 算定要件の厳格化(満たせないと減収)
- 施設基準の整備で増収余地
- 月1回・初回のみなど、算定回数制限による影響差
3) “再配分”ケース(上げ下げが同時に起きる)
診療報酬は全体の枠があり、どこかを上げるなら別のどこかを調整する設計になりがちです。
そのため、初・再診料は微増でも、外来関連の別項目(管理料、処方関連、検査の包括/算定要件など)が動き、結果として外来収益の構造が変わることがあります。
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クリニック経営での影響と準備ポイント
税理士法人 辻総合会計では、クリニックの「資金繰り・人件費・委託費の増加」を前提に、改定をまたぐ予算組み替えのご相談を多く受けます。改定が近づいたら、点数そのものより先に以下を準備すると手戻りが減ります。
改定前にやるべきチェックリスト(現場で効く順)
- 直近12か月の「初診・再診の件数」と、加算(医療DX、感染対策等)の算定状況を棚卸しする
- 算定漏れが起きやすい項目(算定回数制限、初回のみ、月1回等)をルール化する
- マスタ更新・レセコン改修のスケジュールをベンダーと早めに合わせる
- 人件費・委託費の上昇を織り込んだ上で、改定後の損益分岐を再計算する
収益シミュレーションのコツ
初診料が数点動くより、加算の取得・算定率が数%変わる方がインパクトが大きいことがあります。
改定対応では「点数×件数」だけでなく、「算定できる体制か」「算定漏れを抑えられるか」を同じ重みで見てください。
よくある質問
Q: 初診料・再診料の2026点数は、いつ確定しますか?
A:
原則として、厚生労働省の告示(点数表の公表)と関連通知・疑義解釈が出た段階で実務上の確定になります。改定方針や中医協資料は“方向性”の材料で、点数そのものの断定は告示前にはできません。Q: 初診料・再診料は必ず引き上げになりますか?
A:
「必ず」とは言えません。議論整理では初・再診料等の見直しが示されていますが、引き上げが本体点数になるのか、加算配分になるのか、また別項目との再配分になるのかで実質影響が変わります。Q: クリニックが改定で一番注意すべき点は何ですか?
A:
点数改定そのものより、加算の施設基準・算定要件の変更により「取れていた加算が取れなくなる」「算定漏れが増える」ことです。改定前に算定状況の棚卸しと院内ルール化を行うのが有効です。まとめ
- 現行(令和6年度)の初診料・再診料は、初診料291点/再診料75点
- 過去(令和4年)からは、初診料+3点、再診料+2点と“数点”の調整が中心
- 2026改定は、物価・賃金上昇を踏まえた「初・再診料等の見直し」が示されている
- ただし、上げ幅の有無より「本体か加算か」「要件変更で取れなくならないか」が実務では重要
- 最終判断は告示・通知・疑義解釈で行い、改定前に算定状況の棚卸しとレセコン対応を進める
参照ソース
- 厚生労働省「別表第一 医科診療報酬点数表(令和6年度)」: https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/001251499.pdf
- 厚生労働省「医科診療報酬点数表(令和4年10月1日施行・抜粋)」: https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/000975093.pdf
- 厚生労働省「令和8年度診療報酬改定に係るこれまでの議論の整理(案)」: https://www.mhlw.go.jp/content/10808000/001631272.pdf
この記事を書いた人

辻 勝
会長税理士
税理士 / 行政書士
税理士法人 辻総合会計の会長。40年以上の実務経験を持ち、相続税・事業承継を専門とする。多くの医療法人・クリニックの顧問を務める。
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