税理士法人 辻総合会計グループ
無料相談
医療経営ブログに戻る
クリニック向けコラム
作成日:2026.02.01
辻 勝

執筆者:辻 勝

会長税理士

アレルギー科開業のニーズと収益|花粉症外来の可能性を税理士が解説

9分で読めます
アレルギー科開業のニーズと収益|花粉症外来の可能性を税理士が解説

アレルギー科開業のニーズと収益|花粉症外来の可能性を税理士が解説

アレルギー専門医としての開業を検討されている先生に向けて、アレルギー科クリニックの開業ポイントを解説します。花粉症シーズンの収益最大化、舌下免疫療法による通年収益の確保、そして季節変動を乗り越える経営戦略まで、クリニック専門の税理士が詳しくお伝えします。

アレルギー疾患の現状と市場ニーズ

アレルギー患者の増加傾向

日本におけるアレルギー疾患の患者数は年々増加しており、国民の約2人に1人が何らかのアレルギー疾患を有するとされています。

主なアレルギー疾患の患者数(推計)

  • 花粉症:約3,000万人
  • アトピー性皮膚炎:約500万人
  • 気管支喘息:約800万人
  • 食物アレルギー:約150万人

特にスギ花粉症は毎年増加傾向にあり、2026年現在では国民の約38%が罹患していると推計されています。

アレルギー科開業の優位性

アレルギー科開業には以下の優位性があります:

←横にスクロールできます→
優位性内容
高い需要花粉症患者は毎年来院
リピート率舌下免疫療法で3年継続
幅広い年齢層小児から高齢者まで
専門医不足競合が比較的少ない
自費診療の余地アレルギー検査・食事指導等

アレルギー科開業の初期費用

開業費用の目安

アレルギー科クリニックの開業費用は、3,500万〜5,000万円が相場です。小児科を併設する場合は5,000万〜6,500万円程度になります。

費用内訳

←横にスクロールできます→
項目費用目安備考
内装工事600万〜1,000万円処置室・吸入室
医療機器800万〜1,500万円呼吸機能検査等
保証金・敷金200万〜400万円立地による
運転資金1,000万〜1,500万円6ヶ月分推奨
開業諸経費200万〜400万円広告・備品等

必要な医療機器

アレルギー診療に必要な主な医療機器:

  • スパイロメーター:50万〜150万円(呼吸機能検査)
  • 呼気NO測定器:100万〜200万円(気道炎症評価)
  • ネブライザー:5万〜20万円/台
  • プリックテスト用具:10万〜30万円
  • 血液検査機器(外注も可):200万〜500万円

比較的低コストで開業できるのがアレルギー科の特徴です。

花粉症シーズンの収益戦略

季節変動の実態

アレルギー科クリニックの最大の課題は季節変動です。スギ・ヒノキ花粉症シーズン(2月〜5月)に患者が集中し、夏〜秋は閑散期となります。

月別患者数の傾向(概算)

←横にスクロールできます→
月患者数比率主な疾患
1月80%インフル・風邪
2月150%スギ花粉症開始
3月200%スギ花粉症ピーク
4月180%ヒノキ花粉症
5月120%花粉症終盤
6〜8月60%閑散期
9月90%秋花粉・ダニ
10〜12月70%風邪・喘息

花粉症シーズンの対応策

繁忙期対策

  • 予約枠の拡大(オンライン診療活用)
  • 臨時スタッフの確保
  • 処方箋の効率化(リフィル処方)
  • 院内滞在時間の短縮

収益最大化のポイント

  • 初診時のアレルギー検査実施
  • 舌下免疫療法への誘導
  • 点鼻・点眼薬の院内処方

舌下免疫療法による通年収益の確保

舌下免疫療法とは

舌下免疫療法(SLIT)は、アレルゲンを少量ずつ投与して体を慣れさせる根治療法です。3〜5年の継続治療が必要なため、長期的な通院収入が見込めます。

対象疾患と製剤

←横にスクロールできます→
疾患製剤名投与期間
スギ花粉症シダキュア3〜5年
ダニアレルギーミティキュア3〜5年
ダニアレルギーアシテア3〜5年

舌下免疫療法の収益性

舌下免疫療法は、安定収入の柱となります。

患者1人あたりの収益(月次)

  • 再診料:730円(73点)
  • 処方箋料:680円(68点)
  • 薬学管理料等:430円(43点)
  • 月間収入:約1,840円/人

100人の舌下免疫患者がいる場合

  • 月間収入:約18.4万円
  • 年間収入:約220万円

さらに、舌下免疫療法の患者は3〜5年継続するため、一度獲得すれば長期的な収益が見込めます。

舌下免疫療法の導入ポイント

  1. 適切な患者選定:5歳以上、継続可能な患者
  2. 導入時期:スギは6〜11月、ダニは通年
  3. 説明・同意:継続の重要性を十分に説明
  4. フォロー体制:定期的な効果確認

閑散期対策と通年収益モデル

閑散期の収益確保策

花粉症シーズン以外の収益を確保するための戦略:

1. 通年性アレルギー疾患の診療

  • ダニ・ハウスダストアレルギー
  • 食物アレルギー
  • 薬剤アレルギー
  • 職業性アレルギー

2. 気管支喘息の診療

  • 喘息患者は通年で通院
  • 呼吸機能検査の定期実施
  • 吸入指導による患者教育

3. アトピー性皮膚炎の診療

  • スキンケア指導
  • 外用療法の管理
  • 生物学的製剤(デュピクセント等)

4. 自費診療メニューの導入

  • 詳細アレルギー検査(View39等)
  • 遅延型フードアレルギー検査
  • 栄養指導・食事相談

収益シミュレーション

通年安定モデル(舌下免疫療法重視)

前提条件

  • 舌下免疫療法患者:150名
  • 1日外来患者数:平均35名
  • 診療日数:月22日

月間収益試算(平均)

←横にスクロールできます→
項目金額
外来診療収入450万円
検査収入80万円
処置・吸入収入50万円
舌下免疫療法収入30万円
月間売上610万円
人件費180万円
家賃50万円
その他経費80万円
月間利益300万円

年間売上:約7,300万円、年間利益:約3,600万円

繁忙期(3月)の収益

  • 月間売上:900万円
  • 月間利益:500万円

医療機関専門の税理士にご相談ください

40年以上の実績。クリニック・医療法人の経営を税務・会計の両面からサポートします。

無料相談を申込む 📞 06-6206-5510

平日 9:15〜18:15(土日祝休業)

関連記事

ペインクリニック開業ガイド2026|費用・収益・集患戦略を税理士が解説

ペインクリニック開業で押さえるべき診療体制、麻酔科標榜の注意点、初期費用、収益モデル、集患戦略、資金計画を税理士視点で体系化した2026年版ガイドです。低コスト開業の判断軸と継続的な利益確保のポイントまで具体的に解説します。また、開業後の資金繰りと税務運営の注意点も解説しています。

続きを読む

開業立地の選定ポイント

アレルギー科に適した立地

優先すべき条件

  • 住宅地・ファミリー層が多いエリア
  • 小学校・幼稚園の近く
  • 駐車場確保可能
  • 駅徒歩10分以内

避けるべき条件

  • 競合アレルギー専門クリニックの近隣
  • 高齢者中心のエリア(花粉症患者少)

小児科との併設

アレルギー科と小児科の併設は、相乗効果が高い組み合わせです。

  • 小児喘息・アトピーの診療
  • 食物アレルギーの管理
  • 予防接種との組み合わせ
  • ファミリー層の取り込み

開業成功のためのポイント

専門性のアピール

  • アレルギー専門医の資格取得
  • 舌下免疫療法の実績公開
  • 患者向けセミナーの開催

Web集患の強化

花粉症シーズンは検索需要が急増するため、SEO対策が重要です。

  • 「花粉症 ○○市」でのSEO対策
  • 症状別のコンテンツ作成
  • オンライン予約システムの導入
  • Googleマイビジネスの最適化

患者教育の充実

  • 吸入指導・自己注射指導
  • アレルギー日記の活用
  • 食事指導・環境整備指導

あわせて読みたい

小児科開業ガイド2026年版

あわせて読みたい

耳鼻科開業費用の初期投資と収益モデル

まとめ

アレルギー科の開業は、花粉症患者の増加を背景に需要が高まっています。季節変動を乗り越えるためには、舌下免疫療法による通年収益の確保が鍵となります。

アレルギー科開業のポイント

  • 開業費用は3,500万〜5,000万円と比較的低コスト
  • 花粉症シーズンの繁忙期対策が重要
  • 舌下免疫療法で3〜5年の継続患者を確保
  • 通年性アレルギー・喘息で閑散期を補完
  • Web集患で花粉症シーズンの新患獲得

アレルギー専門医としての開業をお考えの先生は、ぜひ専門家にご相談ください。当事務所では、アレルギー科クリニックの開業支援実績がございます。


参考情報

  • 日本アレルギー学会 - アレルギー専門医制度について
  • 環境省 花粉情報サイト - 花粉飛散情報
  • 鳥居薬品 舌下免疫療法 - シダキュア・ミティキュア情報

この記事は2026年2月時点の情報に基づいています。診療報酬は改定される可能性がありますので、最新情報は専門家にご確認ください。

この記事を書いた人

辻 勝

辻 勝

会長税理士

税理士 / 行政書士

税理士法人 辻総合会計の会長。40年以上の実務経験を持ち、相続税・事業承継を専門とする。多くの医療法人・クリニックの顧問を務める。

ご注意事項

本記事の内容は、公開日時点における一般的な情報提供を目的としており、 特定の個人や法人に対する専門的なアドバイスを構成するものではありません。

税務・会計・法務等に関する具体的なご相談については、 必ず資格を持った専門家にご確認ください。 本記事の情報に基づいて行われた判断や行動により生じた損害について、 当事務所は一切の責任を負いかねます。

記事の内容は法令の改正等により変更される場合があります。 最新の情報については、関係省庁の公式サイト等でご確認ください。

シェア:
医療経営ブログに戻る

お電話でのご相談

06-6206-5510

受付時間 9:15〜18:15(土日祝休業)

Webお問い合わせ

おすすめコラム

防衛特別法人税と医療法人の影響|税理士が解説

防衛特別法人税と医療法人の影響|税理士が解説

暗号資産申告分離課税は2026に?医師向け税務最新|税理士が解説

暗号資産申告分離課税は2026に?医師向け税務最新|税理士が解説

特定親族特別控除2026とは?|税理士が解説

特定親族特別控除2026とは?|税理士が解説

人気コラムランキング

1
内科の訪問診療戦略|収益設計と集患・運用の実務を税理士が解説

内科の訪問診療戦略|収益設計と集患・運用の実務を税理士が解説

2
【失敗しない】クリニック開業税務の5つの注意点

【失敗しない】クリニック開業税務の5つの注意点

3
医師の講演料は確定申告必要?経費と手順|税理士が解説

医師の講演料は確定申告必要?経費と手順|税理士が解説

4
出資持分あり医療法人と持分なし医療法人の違いと承継・税務ポイント

出資持分あり医療法人と持分なし医療法人の違いと承継・税務ポイント

5
医師国保と厚生年金の加入判断ポイント|クリニック専門税理士が解説

医師国保と厚生年金の加入判断ポイント|クリニック専門税理士が解説

CONTACT

無料相談のご案内

開業・法人化・承継・経営改善など、どんなご相談でもお気軽にどうぞ。初回相談は無料です。

ご相談だけでも歓迎です。お気軽にお問い合わせください。

06-6206-5510
平日 9:15〜18:15

© 2026 税理士法人 辻総合会計グループ. All rights reserved.

プライバシーポリシー

お電話はこちら

06-6206-5510

06-6206-5510

無料相談する

平日 9:15〜18:15