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クリニック向けコラム
作成日:2026.01.28
辻 勝

執筆者:辻 勝

会長税理士

診療報酬改定2026循環器内科|カテーテル・ペースメーカー点数

10分で読めます
診療報酬改定2026循環器内科|カテーテル・ペースメーカー点数

診療報酬改定2026で循環器内科が最初に確認すべきこと

診療報酬改定2026は、外来中心の循環器クリニックでも「検査・手技の点数」「材料(特定保険医療材料)の区分・価格」「算定要件(留意事項・施設基準)」が同時に動くため、現場の請求・運用にズレが出やすい局面です。特に循環器内科では、心臓カテーテル点数とペースメーカー関連(手術・管理・材料)の整合が崩れると、返戻・査定リスクや原価管理の悪化に直結します。

本記事では、2026年1月時点で公表されている公式資料の読み方を前提に、点数を「確定情報(現行点数)」と「改定で差分が出る可能性がある領域」に分けて、確認の優先順位を提示します。

ここがポイント
2026年4月改定の最終的な点数・算定要件は、告示・通知・点数表・マスター更新で確定します。この記事は「現行点数の整理」と「改定差分を見落とさない確認手順」を主目的にしています。

心臓カテーテル点数の基本と改定チェック手順

心臓カテーテル点数(D206)の現行整理

循環器で頻出の心臓カテーテル点数として、まず「D206 心臓カテーテル法による諸検査(一連の検査について)」の右心・左心、および加算の構造を押さえます。

  • D206 右心カテーテル:3,600点
  • D206 左心カテーテル:4,000点
  • 血管内超音波(IVUS)または血管内光断層撮影(OCT)を実施した場合の加算:400点(所定点数に加算)

ポイントは、点数そのものだけでなく「一連の検査の解釈」「同日・同一連続の算定の考え方」「画像・検査費用の包括関係(手技に含まれる範囲)」が改定で明確化されやすい点です。改定年は、点数が据置でも算定要件の整理で実務が変わることがあるため注意が必要です。

2026改定で「点数が変わったか」を最短で確認する方法

改定対応で最も事故が起きるのは「院内の算定ルールは変えたが、レセコンのマスターが追随していない」「材料は新機能区分で購入しているのに、請求コードが旧区分のまま」など、マスターと運用の不一致です。以下の手順で差分確認を標準化すると、改定直後の混乱を抑えやすくなります。

Step 1: 公式の点数・通知の更新有無を確認する
改定時期(通常は4月)に、告示・通知・点数表の差替えが公表されます。まずは改定版の点数表(PDF)と通知(留意事項)を確認します。

Step 2: マスター(基本マスター)更新日を確認する
厚生労働省の「診療報酬情報提供サービス」で、対象マスターの更新タイミングと、コード・点数の改定反映を確認します。マスター更新はレセコン連携の起点です。

Step 3: 院内の算定テンプレート(セット)を点検する
カテ検査・PCI前後で「包括される検査」「同日算定の可否」「加算の付け忘れ・重複」を、診療パス・検査オーダーセット単位で棚卸しします。

Step 4: 返戻・査定の多い論点を先回りで潰す
改定年は解釈変更が起きやすいため、過去の返戻理由(摘要不備、要件不足、算定日誤り)を先に潰しておきます。

ペースメーカー診療報酬の全体像

ペースメーカー移植術(K597)などの点数(現行)

ペースメーカー領域は「手術(Kコード)」「管理料(Bコード)」「材料(特定保険医療材料)」が分離しているため、改定時は整合を意識して確認します。現行の医科点数表では、心・脈管の手術区分に以下のコードが並びます(抜粋)。

←横にスクロールできます→
区分内容(抜粋)現行点数(例)
K597ペースメーカー移植術(心筋電極/経静脈電極/リードレス等の区分あり)点数表で区分ごとに設定
K597-2ペースメーカー交換術点数表で設定
K597-3植込型心電図記録計移植術4,000点
K597-4植込型心電図記録計摘出術1,260点
K598両心室ペースメーカー移植術点数表で区分ごとに設定
K599植込型除細動器移植術点数表で区分ごとに設定

改定対応では、K597本体の点数だけでなく、同一領域の関連コード(交換、除細動器、CRT、リード抜去など)を「一群」として点検すると、オーダー・算定テンプレートの漏れが減ります。

ここがポイント
K597(移植術)やK598/K599は、電極方式やデバイス種別で細かな区分があり、点数が複数並びます。改定版点数表が公表されたら、該当ページを院内資料として保存し「自院で使う区分」だけを抽出して周知すると運用が安定します。

心臓ペースメーカー指導管理料(管理・遠隔モニタリング)の確認点

外来運用に直結するのが管理料です。現行点数表では、心臓ペースメーカー指導管理料はデバイス種別で点数が分かれ、さらに導入期加算(手術日から起算して一定期間の加算)等の設計があります。

  • 心臓ペースメーカー指導管理料(ペースメーカーの場合):300点
  • 手術(K597等)実施日から起算して3月以内に行った場合の導入期加算:140点(所定点数に加算)

改定年は「遠隔モニタリング要件」「算定頻度」「対象患者の明確化」など、点数の増減よりも要件の整理が入ることがあるため、管理料の運用フロー(予約間隔、データ確認、記録の残し方、摘要の書き方)を見直す価値が高い領域です。

2026改定で関連する特定保険医療材料の動き

2026年1月の中医協資料で示された論点

2026年1月28日の中医協総会では、「特定保険医療材料の既存機能区分の見直し(案)」が資料として提示されており、その一覧に「ペースメーカー(定義変更:文章校正のみ)」が含まれています。特定保険医療材料は点数そのものではありませんが、材料コード・区分・価格の更新がレセ請求や原価管理に影響します。

材料マスターと請求実務への影響

循環器では、材料の区分変更が以下の形で実務に影響します。

  • 購買:同等品扱いの範囲が変わり、採用品目の整理が必要になる
  • レセコン:材料マスターの区分・単価改定により、請求コードの紐付け調整が必要になる
  • 監査・返戻:摘要で「使用目的・適応・実施手技との整合」を問われるケースが出やすい

点数の改定だけ追いかけるのではなく、材料の機能区分改定資料も同じフォルダで管理し、改定月前後は「材料の新旧対照表」を作ると事故が減ります。

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循環器クリニックの改定対応チェックリスト

改定対応を属人化させないために、確認対象を「点数」「要件」「マスター」「院内運用」に分解します。

←横にスクロールできます→
確認対象具体例(循環器)担当の目安
点数表(告示)D206、K597、管理料(指導管理料)医事+責任医師
留意事項(通知)同日算定、包括、摘要要件医事(主)
マスター更新診療行為・材料マスターの更新日と差分レセコン担当
院内運用オーダーセット、算定テンプレ、記録様式医師+看護+医事

Step 1: 改定版の点数表・通知を入手し、該当ページだけ抜粋する
循環器の「検査(カテ系)」「手術(心・脈管)」「管理料(ペースメーカー管理)」を抜粋し、院内共有フォルダに格納します。

Step 2: マスター更新の反映日を押さえ、改定月の請求テストを行う
改定月は請求の再現テスト(ダミー患者)を行い、点数・材料・加算が想定通り落ちるかを確認します。

Step 3: 算定ルールの「文章化」を先に済ませる
「誰が、いつ、どの条件で、どの加算を付けるか」を1枚にして、医師・看護・医事で共有します。

Step 4: 返戻リスクが高い項目は摘要テンプレを用意する
カテ関連の「一連の検査」解釈、ペースメーカー管理の遠隔モニタリング運用などは、摘要テンプレを作ってブレを減らします。

よくある質問

Q: 診療報酬改定2026で、心臓カテーテル点数は必ず変わりますか? ▼

A:

必ずしも点数(数値)が変わるとは限りません。改定年は「算定方法の明確化」「包括範囲の整理」など、運用面の差分が出やすいので、点数表だけでなく留意事項(通知)とマスター更新もセットで確認してください。
Q: ペースメーカーの点数は、手術点数だけ見れば十分ですか? ▼

A:

不十分です。手術(K597等)に加えて、外来の管理料(心臓ペースメーカー指導管理料)や材料(特定保険医療材料)の区分・価格が、請求・原価・監査対応に影響します。改定月は三点セットで点検するのが安全です。
Q: 改定後に返戻が増えやすいのはどこですか? ▼

A:

循環器では、カテ関連の同日算定・包括の解釈、加算の要件(記録・摘要)、材料コードの新旧不整合が増えやすい傾向があります。改定月前に、院内の算定テンプレと摘要テンプレを整備しておくと返戻を減らせます。

まとめ

  • 診療報酬改定2026は、循環器内科では「カテ点数」「ペースメーカー(手術・管理)」「材料区分」を同時に点検するのが重要
  • D206(心臓カテーテル)などは点数据置でも、算定要件の整理で運用が変わる可能性がある
  • ペースメーカー領域は、Kコード・管理料・特定保険医療材料を一体で確認する
  • 改定月はマスター更新と院内テンプレ(算定・摘要)の整合が最重要の事故防止策
  • 中医協資料(2026年1月時点)も参照し、材料区分の変更がレセ・原価に与える影響を先回りで把握する

参照ソース

  • 中央社会保険医療協議会(中央社会保険医療協議会総会): https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-chuo_128154.html
  • 中央社会保険医療協議会 総会(第645回)議事次第: https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_69484.html
  • 特定保険医療材料の既存機能区分の見直し(案): https://www.mhlw.go.jp/content/10808000/001643623.pdf
  • 医療機器の保険適用(D206の点数記載あり): https://www.mhlw.go.jp/content/10808000/001440797.pdf
  • 医科診療報酬点数表(別表第一): https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/001251499.pdf
  • 診療報酬情報提供サービス(マスター検索): https://shinryohoshu.mhlw.go.jp/shinryohoshu/searchMenu/

この記事を書いた人

辻 勝

辻 勝

会長税理士

税理士 / 行政書士

税理士法人 辻総合会計の会長。40年以上の実務経験を持ち、相続税・事業承継を専門とする。多くの医療法人・クリニックの顧問を務める。

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本記事の内容は、公開日時点における一般的な情報提供を目的としており、 特定の個人や法人に対する専門的なアドバイスを構成するものではありません。

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