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クリニック向けコラム
作成日:2026.01.10
更新日:2025.12.27
辻 勝

執筆者:辻 勝

会長税理士

クリニック集患の開業1年目Web戦略|HP・SEOまで税理士解説

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クリニック集患の開業1年目Web戦略|HP・SEOまで税理士解説

開業1年目の集患は、「良い医療を提供しているのに患者が増えない」という“見つけられない問題”でつまずきがちです。結論として、Web集患は広告の強弱よりも、予約に至る導線(検索→比較→不安解消→予約)を設計し、数字で改善することが成否を分けます。特に、院長の専門性や診療方針といった一次情報を軸に、ホームページ・SEO・MEO(Googleマップ)を整えるのが最優先です。

クリニック集患の全体像とは(開業後の経営安定化)

開業直後は「認知」が不足し、半年後から「比較」が増え、1年後に「継続(リピート)」が効いてきます。つまり、最初の一年は新患を増やすだけでなく、再来・紹介につながる体験設計が必要です。税理士法人 辻総合会計でも、開業後のご相談では「広告費を使っても予約が伸びない」というケースの多くが、導線と情報不足に起因しています。

集患ファネルを分解する(認知→来院→継続)

Web施策は、患者さんの行動に合わせて設計すると投資対効果が上がります。検索流入(SEO/MEO)で見つけてもらい、サイトで不安を解消し、予約まで迷わせないことが重要です。来院後は説明の丁寧さや待ち時間の見通しが満足度を左右し、口コミや紹介に波及します。

クリニックのホームページ集客(設計の優先順位)

ホームページは「名刺」ではなく、集患の基盤です。最初に作り込むべきはデザインよりも、誰が見ても迷わない情報設計と予約導線です。とくに開業1年目は、少ないアクセスを確実に予約へつなげる必要があります。

必須ページ(最小構成でも外せない項目)

以下は、集患の観点で外しにくい“最低限”です。

  • 診療内容(対象症状・得意分野・検査/処置の範囲)
  • 院長紹介(専門領域、経歴、診療方針、患者へのメッセージ)
  • 受診の流れ(初診/再診、持ち物、所要時間の目安)
  • アクセス(地図、駐車場、駅からの導線、バリアフリー情報)
  • 予約(Web予約・電話・LINE等の窓口、キャンセル方針)
  • よくある質問(費用、紹介状、健診、検査結果の説明など)

「予約される」導線の作り方(CV最適化)

トップページでは、最初の10秒で「何のクリニックか」「誰向けか」「どう予約するか」が伝わる必要があります。ボタンは「Web予約」「電話する」を明確にし、診療時間・休診日・場所は最上部で見えるようにします。コンバージョン(予約)は、専門用語よりも患者さんの言葉(症状ベース)で近づきます。

ここがポイント
医療機関のWebサイトも、医療広告規制の考え方の対象になります。治療効果の断定、誇大表現、体験談の扱い、比較優良表示などはトラブルになりやすいため、公開前に表現を点検してください(自由診療の記載は特に注意が必要です)。

クリニックのSEO対策(地域×診療で上位を狙う方法)

SEOは即効性は弱い一方、積み上がると広告依存を下げられます。開業1年目は、全国キーワードではなく「地域+診療(症状)」で勝ちに行くのが現実的です。まずは診療圏(来院可能な範囲)で検索される言葉を棚卸しします。

ロングテール設計(「症状名+地域」を拾う)

狙うべきは、以下のような具体的な検索です。

  • 「地域名+内科 発熱」「地域名+小児科 夜尿症」
  • 「最寄駅+皮膚科 湿疹」「地域名+整形外科 肩こり」
  • 「地域名+健康診断」「地域名+予防接種」

記事やページは“量産”よりも、院内で実際に多い相談を丁寧に解説した方が評価されやすくなります。診療圏を意識し、アクセス・予約・診療内容へ内部リンクでつなぐのが基本です。

SEOでやってはいけないこと(医療ならでは)

医療領域は、情報の正確性と責任が重く見られます。根拠が曖昧な治療効果の表現、他院比較、過度なランキング・「No.1」表記は避けるのが無難です。体験談の掲載はリスクが上がるため、方針として扱いを決めた上で運用してください。

MEO(Googleビジネスプロフィール)と口コミ戦略

地域集患の即戦力は、検索結果の地図枠(ローカル)です。ローカルSEO(MEO)は、開業直後でも整備の差が出やすい領域です。まずはGoogleビジネスプロフィール(GBP)を正確に整備し、情報の一貫性を作ります。

GBPで整える項目(初月でやること)

  • 名称・住所・電話(NAP)をホームページと一致させる
  • 診療時間、臨時休診、支払い方法、バリアフリー等を登録
  • 写真(外観/受付/待合/診察室)を定期的に追加
  • 投稿(休診案内、季節の注意、予防接種など)を継続

口コミ対応の原則(増やし方と返信)

口コミは数よりも、誠実な返信と継続性が信頼になります。返信では個人情報に触れず、謝意・改善姿勢・再発防止を簡潔に示します。低評価への反論は火種になりやすく、院内オペレーション改善に変換する姿勢が重要です。

ここがポイント
Web予約や問い合わせフォームでは、健康情報を含む個人情報を取得します。利用目的の明示、必要最小限の取得、委託先(予約システム等)の管理、漏えい時対応など、院内ルールを整備してから運用すると安全です。

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Web広告で立ち上がりを補う(リスティング・SNSの使い分け)

広告は「短期の穴埋め」に強い一方、止めると流入が止まります。開業1年目は、SEO/MEOの立ち上がりまでの期間を、広告で補完する設計が現実的です。ターゲットを絞り、予約単価が崩れない範囲で運用します。

主要チャネルの比較(どれを優先するか)

←横にスクロールできます→
施策立ち上がり向いている目的注意点
SEO(自然検索)遅い長期の安定集患コンテンツ品質が必須
MEO(地図)中近隣の初診増NAP不一致で損失
リスティング広告速い初診の即効獲得予約単価の管理が重要
SNS広告/運用中認知・採用にも波及予約に直結しにくい場合あり

広告クリエイティブのコツ(医療広告リスクを下げる)

広告文・LP(遷移先ページ)は、断定的な効果表現よりも「対応範囲」「診療体制」「予約のしやすさ」を訴求します。自由診療はとくに表現ルールの影響が大きいため、媒体審査に通っても安心せず、院内でも点検してください。問い合わせ導線は、電話とWeb予約を併記し、迷いを減らします。

KPIで回す集患の運用手順(開業1年目の改善サイクル)

集患は“施策”ではなく“運用”です。月1回でも数字を見て改善するだけで、同じ広告費・同じアクセスでも予約数は変わります。まずはKPIを固定し、改善の優先順位を明確にします。

まず見るべきKPI(最小セット)

  • サイト:アクセス数、主要ページ閲覧数、予約ボタンのクリック数
  • 予約:Web予約件数、電話件数、キャンセル率
  • MEO:表示回数、ルート検索、電話発信、口コミ数
  • 広告:費用、クリック数、予約件数、予約単価

月次の改善プロセス(Step形式)

Step 1: 予約数を分解する

予約数=(アクセス)×(予約率)で捉え、どちらが不足か判断します。

Step 2: ボトルネックを特定する

アクセス不足ならSEO/MEO/広告、予約率不足ならページ・導線・説明不足が疑われます。

Step 3: 施策を1〜2個に絞って実行する

同時に多くを変えると原因が追えません。まずは影響が大きい箇所から手を入れます。

Step 4: 2〜4週間で効果測定する

季節要因もあるため、短期の上下に一喜一憂せず、同条件で比較します。

Step 5: 標準化して院内オペレーションに落とす

うまくいった導線や説明は、スタッフの案内・掲示・予約ルールに反映します。

匿名ケース(モデル例)

例として、駅近の内科(平日中心、Web予約あり)で「アクセスはあるが予約が少ない」状況を想定します。トップに「発熱外来の受診方法」「持ち物」「所要時間」を追加し、予約ボタンを固定表示に変更したところ、予約率が1.2%→2.0%に改善したイメージです。数値はあくまでモデルですが、「不安の解消」と「導線の明確化」が予約率に直結しやすい点は共通します。

よくある質問

Q: 開業1年目はSEOと広告、どちらを優先すべきですか? ▼

A:

原則は「SEO/MEOで土台を作りつつ、広告で立ち上がりを補完」です。最初の3か月は広告で初診を確保し、並行して症状×地域のページ整備とGBP運用を進めると、半年以降に広告依存を下げやすくなります。
Q: ホームページ制作で、まず何にお金をかけるべきですか? ▼

A:

デザインより、予約導線・必須ページ整備・スマホ表示速度・FAQの充実を優先してください。特に「受診の流れ」「対象症状」「アクセス」「予約」が不足すると、せっかくの流入が離脱しやすくなります。
Q: 口コミを増やすために院内でできることはありますか? ▼

A:

来院体験(待ち時間の見通し、説明の丁寧さ、会計・予約のスムーズさ)が最も効きます。依頼する場合は押し付けにならない言い方にし、返信は個人情報に触れず、改善姿勢を示すのが安全です。
Q: Web予約システム導入時の注意点は? ▼

A:

取得する個人情報の範囲と利用目的を明確にし、委託先の安全管理措置や問い合わせ窓口を決めてください。入力項目を増やしすぎると予約率が落ちるため、必要最小限から始める運用が現実的です。

まとめ

  • 開業1年目の集患は、認知よりも「検索→不安解消→予約」の導線設計が重要
  • ホームページは必須ページと予約導線を最優先で整備する
  • SEOは地域×症状のロングテールから積み上げ、一次情報で差別化する
  • MEOはGBP整備と口コミ対応が効きやすく、近隣集患の即戦力になる
  • 広告は短期補完として使い、KPIで予約単価と予約率を管理する

参照ソース

  • 厚生労働省「医療法における病院等の広告規制について」: https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/kokokukisei/index_00003.html
  • 厚生労働省「医療広告ガイドラインに関するQ&A(PDF)」: https://www.mhlw.go.jp/content/000371812.pdf
  • 個人情報保護委員会「法令・ガイドライン等」: https://www.ppc.go.jp/personalinfo/legal/

この記事を書いた人

辻 勝

辻 勝

会長税理士

税理士 / 行政書士

税理士法人 辻総合会計の会長。40年以上の実務経験を持ち、相続税・事業承継を専門とする。多くの医療法人・クリニックの顧問を務める。

ご注意事項

本記事の内容は、公開日時点における一般的な情報提供を目的としており、 特定の個人や法人に対する専門的なアドバイスを構成するものではありません。

税務・会計・法務等に関する具体的なご相談については、 必ず資格を持った専門家にご確認ください。 本記事の情報に基づいて行われた判断や行動により生じた損害について、 当事務所は一切の責任を負いかねます。

記事の内容は法令の改正等により変更される場合があります。 最新の情報については、関係省庁の公式サイト等でご確認ください。

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