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クリニック向けコラム
作成日:2026.01.28
辻 勝

執筆者:辻 勝

会長税理士

診療報酬改定2026歯科の初再診料と衛生指導|専門家解説

8分で読めます
診療報酬改定2026歯科の初再診料と衛生指導|専門家解説

診療報酬改定2026(令和8年度)で歯科医院がまず押さえるべきは、令和8年6月施行というタイミングと、初診料・再診料の「基礎点数」が見直し議論の俎上にある点です。とくに初再診料は、改定影響が院内の算定全体に波及しやすく、対応が遅れるとレセプト誤りや返戻リスクになりがちです。一方、歯科衛生実地指導料は、直近では「口腔機能」に関する指導評価(加算)が新設されており、2026でも運用精度が問われるテーマと言えます。

診療報酬改定2026歯科の全体像

いつから変わるのか(施行日)

令和8年度の診療報酬改定は、原則として令和8年6月施行です。3月改定に慣れている医院ほど、院内ルール更新の時期を取り違えやすいので注意が必要です。

改定率の見え方(歯科への配分)

改定率は「診療報酬全体」と「歯科(各科)」で整理されます。歯科医院としては、個別項目(初再診料や指導料等)の増減と、賃上げ・物価対応の枠組み(どの点数で原資が配られるか)をセットで捉えるのが実務的です。

ここがポイント
改定項目の「点数」は、審議資料(案)の段階では伏字(●●)になっていることがあります。最終的には、中医協の答申を経て、厚労省の告示・通知で確定します。院内マニュアルやレセコン設定の更新は「確定版」を前提に行うのが安全です。

歯科初診料・再診料2026の改定ポイント

「初・再診料」はなぜ毎回注目されるのか

初診料・再診料は、ほぼ全患者で算定され得る「母数の大きい点数」です。そのため、初・再診料の評価見直しは、賃上げ原資や物価対応を広く配分する“導管”として使われやすい傾向があります。

現行(令和6年度改定後)の点数整理

まず、足元(令和6年度改定後)の点数は以下です(医院のレセコンに入っている基準値の確認にも使えます)。

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区分現行(令和6年度改定後)2026改定(2026年1月時点の資料の見え方)
歯科初診料267点改定後の点数は審議中(資料では●●表示)
歯科初診料(注:2回目以降の区分)240点同上
歯科初診料(注:特定条件の区分)233点同上
地域歯科診療支援病院歯科初診料291点同上
歯科再診料58点同上
歯科再診料(注:2回目以降の区分)44点同上
歯科再診料(注:特定条件の区分)51点同上
地域歯科診療支援病院歯科再診料75点同上

※「2026改定」の右列は、2026年1月時点で公表されている審議資料上、改定後点数が伏字で表示されていることを踏まえた記載です。

歯科 初診料 2026で医院が警戒すべき論点

  • 施設基準の要否・要件の追加(感染対策、医療DX、届け出の整合)
  • 同日算定・算定タイミングの整理(初診日の扱い、再初診の判断)
  • スタッフ賃上げ原資とのひもづき(賃上げ実績の説明責任が強まる可能性)

初再診料改定への実務対応(レセプト・院内ルール)

算定誤りが増える「境界パターン」

初再診料で返戻・査定が増えるのは、制度変更そのものより、運用の境界が院内で統一されないときです。たとえば「初診扱いか再診扱いか」「同月・同日の扱い」「前回受診からの期間」など、受付・歯科医師・事務の判断がズレるとミスが出ます。

改定対応の手順(チェックリスト)

Step 1: 6月施行の前提でスケジュールを引き直す
3月更新のつもりで準備すると、レセコン設定や院内掲示の更新が空白期間を生みます。院内の更新会議を「5月中旬までに一次完了」に寄せておくと事故が減ります。

Step 2: 初診・再診の判断基準を1枚に集約する
受付・会計担当が迷う論点(再初診の扱い、同日算定、紹介状の扱い等)をA4一枚にまとめ、全員が同じ参照元を見る状態を作ります。

Step 3: レセコンの点数マスター更新と、例外処理の確認を分ける
マスター更新はベンダー対応で一気に終わりますが、例外処理(医院独自の入力ルール、コメント運用)は院内で詰める必要があります。

Step 4: 施行後1か月は「日次の返戻予防」を入れる
請求締めの直前にまとめて確認するのではなく、施行後1か月は日次でサンプルチェック(初再診・指導料の算定根拠)を行うと、損失が小さくなります。

ここがポイント
税理士法人 辻総合会計では、歯科医院を含む医療機関の月次監査・業務設計の現場で「改定直後の入力ルール未統一」が最もコストを生む場面を多く見ます。改定資料の読み込みと同じくらい、院内フローの固定化が重要です。

歯科衛生実地指導料とは(歯科衛生士の評価ポイント)

歯科衛生実地指導料の位置づけ

歯科衛生実地指導料は、歯科衛生士が患者に対して行う口腔衛生に関する実地の指導を評価する点数です。医院側の“やっている”感覚と、請求上の“算定根拠”がズレやすいので、記録整備が収益と監査耐性の両面で鍵になります。

口腔機能指導加算(10点)の意味

令和6年度改定では、歯科衛生実地指導料について、歯科衛生士が口腔機能に係る指導を行った場合の評価として、口腔機能指導加算(10点)が新設されています。
2026改定では、点数そのものよりも「口腔機能管理・重症化予防」をどう実装しているかが、説明責任として問われやすくなる点に注意が必要です。

2026時点での“見通し”の置き方

2026年1月時点で公表されている個別改定項目資料では、歯科衛生実地指導料の点数変更が明示されていないため、現実的には「現行運用を崩さず、要件・記録の精度を上げる」準備が先行します。確定版で変更が出た場合にも、記録が整っていれば移行が容易です。

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歯科衛生実地指導料の実務対応(記録・監査の視点)

監査で見られるのは「実施の証拠」

歯科衛生実地指導料は、行為そのものより、実地指導の記録の整合性が問われます。次の3点が揃っているかを院内で点検してください。

  • 指導内容(何を、どのように)
  • 対象(患者の状態・課題と指導の結びつき)
  • 実施者(歯科衛生士が実施したことの明確化)

記録テンプレ(最低限の粒度)

  • 主訴・リスク(プラークコントロール不良、咀嚼機能の課題など)
  • 指導項目(ブラッシング、補助清掃用具、口腔機能に関する生活指導等)
  • 患者の理解度・次回課題(次回の評価項目を一言で残す)

このテンプレをカルテに定型文として組み込むだけで、算定の再現性が上がります。

よくある質問

Q: 歯科 初診料 2026は、いつ点数が確定しますか? ▼

A:

審議資料の段階では伏字(●●)のことがあり、最終的には中医協の答申後、厚労省の告示・通知で確定します。実務では「確定版の公表→レセコン更新→院内ルール配布」の順で反映するのが安全です。
Q: 初診料・再診料が上がると、患者負担も必ず増えますか? ▼

A:

一般論として点数が上がれば自己負担も増え得ますが、自己負担割合(1割・2割・3割)や他の算定項目の組み合わせで体感は変わります。改定後1か月は、窓口負担の説明フローも合わせて整備するとトラブル予防になります。
Q: 歯科衛生実地指導料で返戻を避ける最短の対策は? ▼

A:

指導の実施を裏づける記録(指導内容・対象・実施者)をテンプレ化し、誰が入力しても同じ粒度になる状態を作ることです。加算を算定する場合は、口腔機能に係る指導内容が読み取れる記載を必ず残してください。

まとめ

  • 診療報酬改定2026(令和8年度)は令和8年6月施行で、準備時期の取り違えに注意
  • 初診料・再診料は、賃上げ・物価対応の配分設計と連動しやすく影響が大きい
  • 2026年1月時点の資料では、初再診料の改定後点数は伏字(審議中)として示されている
  • 歯科衛生実地指導料は、直近で口腔機能指導加算(10点)が新設されており、運用精度が重要
  • レセプト事故を減らす鍵は、点数暗記よりも「院内ルール統一」と「実地指導の記録」の標準化

参照ソース

  • 中央社会保険医療協議会「総-1 令和8年度診療報酬改定の改定率等について」: https://www.mhlw.go.jp/content/10808000/001623410.pdf
  • 中央社会保険医療協議会「個別改定項目について(その2)」: https://www.mhlw.go.jp/content/10808000/001643628.pdf
  • 厚生労働省「令和6年度歯科診療報酬改定の主なポイント」: https://www.mhlw.go.jp/content/10200000/001213977.pdf

この記事を書いた人

辻 勝

辻 勝

会長税理士

税理士 / 行政書士

税理士法人 辻総合会計の会長。40年以上の実務経験を持ち、相続税・事業承継を専門とする。多くの医療法人・クリニックの顧問を務める。

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