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作成日:2025.10.22
更新日:2026.01.02
辻 勝

執筆者:辻 勝

会長税理士

年末調整のやり方|2025年版 書類・書き方を税理士が解説

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年末調整のやり方|2025年版 書類・書き方を税理士が解説

年末調整のやり方とは(結論と全体像)

年末調整とは、会社が1年間に給与から天引きした所得税(源泉徴収税額)を、従業員の控除情報を反映して年末に精算する手続きです。2025年分(令和7年分)は、基礎控除等の見直しや特定親族特別控除の新設など制度面の変更があり、申告書の記入・確認が重要になります。従業員にとっては「書類の書き漏れ」、担当者にとっては「控除判定の誤り」が手戻りの主因です。

年末調整の対象者

原則として、会社から給与の支払を受ける人で、年末まで在籍し年末調整を受ける人が対象です。中途退職でも一定の場合に年末調整を行うケースがあります。

年末調整と確定申告の違い(必要になる代表例)

年末調整では扱えない控除や事情があります。次のようなケースは確定申告(還付申告を含む)が必要・有利になることがあります。

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区分年末調整確定申告
医療費控除・寄附金控除原則不可原則必要
住宅ローン控除(初年度)不可原則必要
給与以外の所得(一定額超)反映できない場合あり原則必要
年末までに控除証明書が揃わない反映できない後日還付申告で対応
ここがポイント
「年末調整で提出し忘れた控除証明書」が後から見つかる相談は毎年多いです。年末調整に間に合わない場合でも、条件を満たせば翌年の還付申告で精算できることがあります(期限・要件の確認が必要です)。

2025年分で変わった点:改正がある年のチェック箇所

2025年分(令和7年分)の年末調整では、国税庁の手引に「昨年と比べて変わった点」として、基礎控除や給与所得控除の見直し、特定親族特別控除の創設などが整理されています。加えて、交通用具等を使用する通勤手当について、非課税限度額の改正により、改正前の限度額を超えて支給していた場合は年末調整での調整が必要になり得ます。

実務上の影響(現場のよくある相談)

税理士法人 辻総合会計では、給与計算・源泉徴収事務の相談を継続的に受けていますが、改正がある年は「旧様式のまま作成」「控除区分の読み違い」「通勤手当の課税・非課税の判定漏れ」が増えがちです。提出された申告書を“形式チェックだけで終えない”運用が有効です。

必要書類の書き方とチェックポイント(2025年版)

まず押さえる「回収する書類」一覧

  • 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書
  • 基礎控除申告書 兼 配偶者控除等申告書 兼 特定親族特別控除申告書 兼 所得金額調整控除申告書
  • 保険料控除申告書(生命保険・地震保険・社会保険料等)
  • (該当者)住宅借入金等特別控除申告書(2年目以降等)・残高証明書など
  • (該当者)障害者手帳等、学生証明、扶養親族の所得が分かる資料など

扶養控除等(異動)申告書:扶養の判定は「年収」ではなく「所得見込み」

扶養控除の判定は、原則として「合計所得金額」で行います。アルバイト収入がある学生の扶養や、年の途中で就職・退職した配偶者がいる場合は、所得見込みの更新が必要です。住所・マイナンバー等の記載漏れも差戻しの原因になります。

基礎控除等申告書:所得区分と親族区分の読み違いを防ぐ

2025年分は様式が統合され、複数の控除を同一申告書で扱います。本人の所得見積額、配偶者の所得見積額、親族の区分(年齢要件等)により、控除の可否や控除額が変わります。新設の特定親族特別控除は該当要件の読み違いが起こりやすいため、国税庁の記載例・Q&Aを参照しながら確認してください。

保険料控除申告書:証明書の「種類」「年分」「合算漏れ」を確認

生命保険料控除は「一般」「介護医療」「個人年金」で枠が分かれます。地震保険料控除は火災保険と混同しやすい点です。控除証明書は「2025年分」であるか、電子交付の場合は提出方法(PDF提出可否、印刷要否)を会社ルールで統一すると混乱が減ります。

ここがポイント
証明書の紛失が多いのは10〜11月です。保険会社のマイページで再発行できる場合があるため、回収依頼は早めが実務的です。

住宅ローン控除:初年度は原則「確定申告」、2年目以降は年末調整が中心

住宅ローン控除は、初年度は確定申告が原則で、2年目以降は年末調整で控除を受けられるのが一般的です。2年目以降でも、転居・借換え・増改築などで必要書類が変わることがあります。残高証明書の提出期限と、申告書の記載内容の整合を確認しましょう。

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年末調整の方法・手順(会社側の進め方)

Step 1: 回収計画を立てる(期限と対象者の洗い出し)

提出期限、差戻し期限、最終給与(賞与)での精算タイミングを決め、対象者(中途入社・退職者、扶養変更者、住宅ローン控除対象者など)をリスト化します。

Step 2: 「形式チェック」と「内容チェック」を分けて行う

形式(署名、押印要否、マイナンバー、添付書類)と、内容(所得見積、控除要件、通勤手当の課税判定等)を分けて確認します。改正がある年は内容チェックの比重を上げる運用が安全です。

Step 3: 年税額を計算し、過不足を精算する

源泉徴収簿等で年税額を計算し、年末の給与(賞与)で過不足を精算します。通勤手当の改正が影響する場合は、この段階で課税・非課税の区分を再確認します。

Step 4: 源泉徴収票の作成・交付、法定調書・納付の対応

源泉徴収票を交付し、必要に応じて法定調書の提出、納付手続を行います。年末調整後に追加払や扶養異動が判明した場合は「再調整」が必要になります。

よくある質問

Q: 年末調整の提出期限に間に合いません。どうなりますか? ▼

A:

年末調整に反映できない控除がある場合でも、条件を満たせば翌年の確定申告(還付申告)で精算できることがあります。ただし、住宅ローン控除(初年度)など、年末調整では対応できない項目もあるため、控除の種類ごとに確認してください。
Q: 扶養に入れていた家族が年の途中で働き始めました。何を直すべきですか? ▼

A:

扶養控除等(異動)申告書の内容を更新し、扶養親族の所得見込み(合計所得金額の見積)を再計算します。配偶者控除等や特定親族特別控除の対象になるかも併せて見直してください。
Q: 住宅ローン控除は2年目以降なら必ず年末調整でできますか? ▼

A:

多くのケースで可能ですが、転居、借換え、増改築、適用要件の変化などで追加書類や確定申告が必要になることがあります。年末調整の申告書と残高証明書の整合を確認してください。

まとめ

  • 年末調整は、給与の源泉所得税を年末に精算する手続き
  • 2025年分は基礎控除等の見直し・特定親族特別控除など変更点がある
  • 必要書類は「扶養」「基礎控除等」「保険料」「住宅ローン」などを漏れなく回収する
  • 担当者は形式チェックと内容チェックを分け、改正点(通勤手当等)を重点確認する
  • 間に合わない・後から判明した事項は還付申告や再調整での対応余地がある

参照ソース

  • 国税庁「令和7年分 年末調整のしかた」: https://www.nta.go.jp/publication/pamph/gensen/nencho2025/01.htm
  • 国税庁「各種申告書・記載例(扶養控除等申告書など)」: https://www.nta.go.jp/users/gensen/nencho/shinkokusyo/index.htm
  • 国税庁「令和7年度税制改正による所得税の基礎控除の見直し等について」: https://www.nta.go.jp/users/gensen/2025kiso/index.htm

この記事を書いた人

辻 勝

辻 勝

会長税理士

税理士 / 行政書士

税理士法人 辻総合会計の会長。40年以上の実務経験を持ち、相続税・事業承継を専門とする。多くの医療法人・クリニックの顧問を務める。

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本記事の内容は、公開日時点における一般的な情報提供を目的としており、 特定の個人や法人に対する専門的なアドバイスを構成するものではありません。

税務・会計・法務等に関する具体的なご相談については、 必ず資格を持った専門家にご確認ください。 本記事の情報に基づいて行われた判断や行動により生じた損害について、 当事務所は一切の責任を負いかねます。

記事の内容は法令の改正等により変更される場合があります。 最新の情報については、関係省庁の公式サイト等でご確認ください。

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