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クリニック向けコラム
作成日:2026.01.10
更新日:2026.01.03
辻 勝

執筆者:辻 勝

会長税理士

眼科開業医の働き方|1日の診療と患者数の実態|専門家解説

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眼科開業医の働き方|1日の診療と患者数の実態|専門家解説

眼科開業医の働き方は、「診療時間を伸ばす」よりも、検査と診察の役割分担で回転率を上げ、無理なく患者満足を維持する設計が要点です。1日の患者数は、診療スタイル(一般外来中心/コンタクト中心/手術外来併設など)で大きく変わります。この記事では、典型的な1日の動きと患者数の目安、運営上の論点を、開業後の実務目線で整理します。なお患者数の公式統計は「患者調査」「医療施設調査」等で把握できますが、個別医院の運営実態は設備・スタッフ・地域で差が出ます。

眼科開業医の働き方とは:診療時間より「設計」で決まる

眼科は、問診・診察だけでなく視力、眼圧、屈折、視野、OCTなどの検査が多く、検査前倒しが働き方を左右します。医師が全工程に関与すると診療が詰まりやすく、結果的に待ち時間が増え、クレーム対応や残業が増えます。反対に、検査を視能訓練士(ORT)・看護師・検査スタッフが先行し、医師は判断と説明に集中できる導線を作ると、診療時間を延ばさずに安定します。

また、開業後は「診療」と同じくらい「経営者業務」が増えます。朝礼、スタッフ面談、レセプト・クレーム確認、委託業者対応、資金繰り確認などが日次で発生するため、診療枠の中に経営者タスクを入れない設計が重要です。税理士法人 辻総合会計が開業支援で拝見する限り、初年度に疲弊しやすい院は「患者数目標」だけが先行し、導線・人員・予約の整合が取れていないケースが目立ちます。

眼科クリニックの患者数:1日何人が現実的か

「1日患者数」は、地域需要だけでなく、検査機器の台数、スタッフの熟練、予約比率、コンタクト比率、手術外来の有無で決まります。公的統計としては、医療施設調査に「眼科の外来患者延数」といった項目があり、地域の需要把握や診療圏の検討に活用できます。

一方、開業医が働き方をイメージするうえでは、院内オペレーションに基づく「実務の目安」を押さえるのが近道です。以下は、一般的な設備・スタッフ体制を想定した、診療スタイル別の患者数レンジです(あくまで目安で、立地と採用状況で変動します)。

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診療スタイル主な特徴1日患者数の目安ボトルネックになりやすい点
一般外来中心(軽症〜慢性)眼精疲労・結膜炎・ドライアイ・緑内障フォロー等50〜90人受付〜検査の滞留、説明時間の増加
コンタクト比率高め検査・フィッティング・定期交換が多い70〜120人検査スタッフ不足、ピーク時の会計渋滞
画像検査(OCT等)を多用黄斑・糖尿病網膜症・緑内障評価が多い40〜80人検査機器待ち、結果説明の集中
手術外来併設(白内障等)術前検査・説明・同意が重い30〜60人 + 手術枠術前説明・同意書、紹介/逆紹介の連携
小児・斜視弱視対応ORT業務が厚くなる30〜70人検査時間が長い、家族対応が増える

ポイントは「医師の診察数」ではなく、「検査工程と会計工程が詰まらない上限」を先に決めることです。患者数を増やしても、待ち時間が伸びればキャンセル・再診離脱が増え、結果的に収益が安定しにくくなります。

ここがポイント
患者数の「統計的な把握」と「運営上の上限設定」は目的が異なります。前者は診療圏(地域需要)の確認に、後者は院内の導線・人員・予約設計に使います。統計項目としては、医療施設調査に診療科別の外来患者延数が定義されています。

眼科開業医の1日モデル:診療時間と動線の実例

ここでは「一般外来中心・予約併用(午前/午後の2部制)」を例に、1日の流れを分解します。働き方の差は、診療時間そのものより、患者導線と検査配置で生まれます。

午前の流れ(例:9:00〜12:30)

Step 1: 開院準備(8:30〜9:00)
受付・検査機器の立上げ、当日予約の確認、急患枠の設定、スタッフ配置を確定します。朝礼は5分でも「今日の混雑予測」と「役割」を合わせると、午前の滞留が減ります。

Step 2: 受付〜検査(9:00〜)
受付後すぐ検査へ誘導し、医師が診察室で待つ時間を減らします。コンタクト・慢性疾患フォローは検査パターンを定型化し、迷いを減らします。

Step 3: 診察・説明(9:15〜)
医師は所見判断と治療方針説明に集中します。説明が長くなる症例(術前説明、緑内障の治療変更など)は、予約枠を別に切ると、通常外来が崩れにくいです。

Step 4: 会計・次回予約(〜12:30)
会計渋滞が起きると、クレームが増えます。会計前に次回予約の仮押さえを入れる運用も有効です(現場オペレーションに応じて設計)。

午後の流れ(例:15:00〜18:30)

午後は「学校・仕事終わり」が重なり、ピークが鋭くなりがちです。予約比率を上げ、急患枠を固定し、ピークを平準化します。午後に検査・説明が重い患者を入れすぎると、閉院後の残務(記録・紹介状・レセ)が雪だるま式に増えます。

診療スタイルの違い:働き方を左右する3つの分岐点

一般外来中心か、コンタクト中心か

コンタクト中心は患者数が増えやすい一方、検査・装用指導・在庫管理の負荷が増えます。一般外来中心は症例が多様で説明負荷が上がりやすく、医師の集中力が課題になります。どちらも「何を標準化し、何を個別対応にするか」が運営の肝です。

手術外来をどの時点で組み込むか

白内障などの手術外来は、術前検査・説明・同意などで1人あたりの時間が重くなります。外来を回しながら手術外来を同日に入れると、日中の外来回転が落ちやすいため、「手術日」「術前説明日」を分ける設計が現実的です。

予約運用:予約比率をどこまで上げるか

予約比率を上げると待ち時間は減る一方で、当日急患の受け入れが難しくなります。眼科は急性結膜炎、角膜異物、急な視力低下など「当日受診ニーズ」が一定数あるため、予約枠の中に急患枠を織り込む運用が有効です。ここが崩れると、受付対応が荒れ、現場の疲弊が早まります。

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開業後に起きやすい課題と対策:患者数を増やす前に整えること

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ここがポイント
「症例写真」「体験談」「比較表現」などは表現方法次第でリスクが増えます。運用前に、医療法の広告規制とガイドラインの要点を確認し、院内でチェックフロー(誰が最終確認するか)を決めておくと安全です。

よくある質問

Q: 眼科開業医の診療時間は、どれくらいが一般的ですか? ▼

A:

午前・午後の2部制(例:9:00〜12:30、15:00〜18:30)を基本に、曜日で調整する設計が多いです。重要なのは時間の長さより、検査・会計の滞留が起きない上限を決め、予約比率と急患枠でピークを平準化することです。
Q: 1日患者数を増やす最短ルートは何ですか? ▼

A:

設備投資より先に、検査工程の標準化とスタッフ教育で回転率を上げることです。特に検査前倒し、検査パターンの定型化、会計前の次回予約導線は効果が出やすい領域です。
Q: 公的統計で眼科の患者数を調べる方法はありますか? ▼

A:

あります。医療施設調査には診療科別の外来患者延数などが定義されており、眼科についても項目が用意されています。診療圏の仮説検証や、地域比較の入り口として有効です。

まとめ

  • 眼科開業医の働き方は、診療時間より「検査・診察の分業」と導線設計で決まる
  • 1日患者数は診療スタイルで大きく変わり、増患はボトルネック解消とセットで行う
  • 混雑の主因は検査待ち・会計待ちになりやすく、標準化と教育で改善できる
  • 予約比率と急患枠でピークを平準化すると、残業とクレームが減る
  • Web発信は医療法の広告規制・ガイドラインを前提にチェックフローを整える

参照ソース

  • 厚生労働省「医療施設調査・病院報告(結果の概要)」: https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/79-1a.html
  • 厚生労働省「令和5年(2023)患者調査の概況」: https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kanja/23/index.html
  • e-Stat「眼科の外来患者延数(医療施設調査の調査項目情報)」: https://www.e-stat.go.jp/surveyitems/items/271010064

この記事を書いた人

辻 勝

辻 勝

会長税理士

税理士 / 行政書士

税理士法人 辻総合会計の会長。40年以上の実務経験を持ち、相続税・事業承継を専門とする。多くの医療法人・クリニックの顧問を務める。

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