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クリニック向けコラム
作成日:2026.01.20
辻 勝

執筆者:辻 勝

会長税理士

診療報酬改定2026 眼科手術点数変更|税理士が解説

9分で読めます
診療報酬改定2026 眼科手術点数変更|税理士が解説

診療報酬改定2026で眼科手術点数はどう変わる?

結論から言うと、2026年改定は「眼科手術の個別コード(例:水晶体再建術、緑内障手術など)の点数そのもの」だけでなく、入院から外来への移行や包括範囲(短期滞在手術等基本料、DPC等)の設計によって、実際の請求総点数・収益構造が変わる可能性があります。

眼科クリニック・病院にとって、白内障・緑内障は症例数が多く、設備投資と人員配置が収益に直結します。改定で請求の組み立てが変わると、年間計画(人件費・材料費・借入返済)にズレが生じる点が最大の課題です。

なお、厚生労働省資料では2026年の診療報酬改定は「令和8年6月施行」とされています(薬価は4月施行の扱いがあり得ます)。まずは「いつから」「どの資料が確定情報か」を押さえたうえで、点数表(告示)公開後に最終確認するのが実務的です。

ここがポイント
本記事は、税理士法人 辻総合会計として医療機関(クリニック・病院)の会計・資金繰り・人件費設計を支援してきた実務目線で整理しています。最終的な算定可否・施設基準・個別患者の適用は、告示・通知・疑義解釈および審査運用で変動し得るため、個別案件は必ず一次資料で確認してください。

改定スケジュールと「確定情報」の見分け方

2026年改定は「6月施行」が前提

厚生労働省の「診療報酬改定について」では、2026年改定の診療報酬は令和8年6月施行と整理されています。改定率の全体像も同資料で示されています。

ここで重要なのは、中医協資料=検討・論点、告示・通知=確定ルールという区別です。検索上位には「予測」や「解釈」が混在しやすいので、実務では次の順で確認します。

点数変更を確定させるチェック順(実務手順)

Step 1: 厚労省の改定ポータルを確認する
改定の基本方針・経緯・会議資料のリンクが集約されます(改定の全体像把握)。

Step 2: 中医協(総会)の資料で“論点”を読む
白内障のように症例数が多く地域差がある領域は、包括の設計や移行促進が論点化しやすい傾向があります。

Step 3: 告示(点数表)・通知・疑義解釈で最終確定
「点数」「算定要件」「施設基準」「包括/出来高の境界」はここで確定します。点数だけ見て判断すると、後で取りこぼしが起きます。

白内障手術(点数改定2026)の実務ポイント

“点数”は手術料だけでなく「請求総点数」で見る

白内障は、同じ術式でも「外来」「短期滞在手術等基本料の算定有無」「入院(出来高/DPC)」で総請求点数が変わります。中医協資料(入院から外来への移行)には、「水晶体再建術(眼内レンズを挿入する場合)(その他のもの)」等について、標準的な請求点数(平均的な総請求点数)が示されています。

この考え方は、2026年改定の点数変更を読む際にも有効です。なぜなら、改定が「手術料」ではなく「包括の点数・包括範囲・要件」を動かす形で現れることがあるためです。

中医協資料に出ている白内障の“総請求点数”データ

以下は、中医協資料に掲載された「短期滞在手術等基本料1 対象手術実施時の請求点数(病院の場合の例)」の抜粋です(R6年データ等に基づく平均値として提示)。点数表の“手術料そのもの”ではなく、請求全体の見え方を示すデータです。

←横にスクロールできます→
区分(病院の例)水晶体再建術(眼内レンズ挿入・その他)に関する請求総点数(平均)実務上の意味
外来(短期滞在手術等基本料1 算定なし)14,350点検査等を出来高で積み上げる前提
外来(短期滞在手術等基本料1 算定あり)15,730点一部検査等が包括、短1点数の影響が出る
入院(DPC算定の推計)21,971点DPC係数・入院期間の想定が絡む
入院(短期滞在手術等基本料3)17,457点短期滞在の包括設計が収益に影響
入院(出来高算定の例)28,640点地域包括・DPC対象外などで構造が変わる

2026年改定で注意すべき“白内障の論点”

2026年改定を読み解く際、白内障については次の観点が論点になりやすいと考えています。

  • 入院から外来への移行(短期滞在の設計、外来実施率のばらつきの是正)
  • 短期滞在手術等基本料の位置づけ(効率化の効果、包括範囲の妥当性)
  • 病院の入院形態(DPC/出来高)による収益差の説明責任と適正化

したがって、「白内障の手術料(Kコード)が上がった/下がった」だけで判断せず、短期滞在の点数・包括対象の見直し、施設基準(要件)の変更がないかをセットで確認してください。

緑内障手術(点数改定2026)の見方と注意点

現時点で“緑内障手術の点数変更”は、告示確認が必須

緑内障は術式が多岐にわたり、症例の重症度・併存疾患・使用材料(特定保険医療材料)によってコスト構造が変動します。2026年改定で「緑内障手術の点数がどう変わるか」を断定するには、点数表(告示)と通知での確定確認が必要です。

一方で、実務上は次の3点を先に整理しておくと、告示公開後の影響試算が速くなります。

  • 自院の緑内障手術の術式内訳(件数、片眼/両眼、合併症対応)
  • 材料の使用状況(特定保険医療材料の比率、仕入れ価格の推移)
  • 外来/入院、DPC/出来高、短期滞在の適用有無
ここがポイント
材料価格は診療報酬とは別枠で改定・施行されることがあります。2026年改定でも「薬価等は4月施行、材料価格は6月施行」といった整理が示されています。緑内障は材料の影響を受けやすいため、手術料(技術料)だけで損益を見ないことが重要です。

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収益影響を最短で把握するシミュレーション手順

「点数が変わったか」だけでは、経営判断に使えません。税理士としては、次の形で“月次の利益”に落とし込むことを推奨します。

Step 1: 症例ミックスを出す(過去6〜12か月)

  • 白内障:外来/入院、短期滞在算定の有無、片眼/両眼
  • 緑内障:術式別、材料使用の有無、入院形態
  • 併施(白内障+緑内障など)がある場合は別管理

Step 2: 収入側を3層に分けて把握する

  • 手術料(技術料)
  • 包括点数(短期滞在、DPC等)
  • 加算・管理料(術前術後、医学管理、画像・検査の包括/出来高の差)

Step 3: 支出側は“材料費”を独立させる
白内障・緑内障ともに、材料費の影響が大きく、値上げ局面では粗利が圧迫されます。材料費率を毎月追う体制があると、点数変更の影響を早期に検知できます。

Step 4: 施行月(2026年6月)前後で月次比較を設計する

  • 2026年4〜5月:改定前(駆け込みや予約前倒しが起こり得る)
  • 2026年6〜7月:改定後(レセプト/審査の揺れが出やすい)

よくある質問

Q: 2026年改定で白内障手術の点数は上がりますか、下がりますか? ▼

A:

点数表(告示)で確定するまでは断定できません。ただし、中医協資料では白内障(例:水晶体再建術)について外来/入院・短期滞在・DPCで請求総点数が大きく異なることが示されており、改定は「手術料」だけでなく包括設計の見直しとして影響が出る可能性があります。
Q: 緑内障手術は材料費の影響が大きいのですが、何を先に準備すべきですか? ▼

A:

①術式別件数、②材料の使用状況(特定保険医療材料の割合)、③入院形態(DPC/出来高/短期滞在)を、改定前に棚卸ししておくのが最短です。告示公開後に、技術料と材料の両面で収支を再計算してください。
Q: 改定情報はどこを見れば確実ですか? ▼

A:

厚生労働省の「令和8年度診療報酬改定」関連ページと、中医協(総会)の会議資料を起点にし、最後は告示(点数表)・通知・疑義解釈で確定させるのが安全です。検索上位の解説記事だけで判断するのは避けてください。

まとめ

  • 2026年改定は令和8年6月施行の整理が示されており、施行月を基準に資金繰りと月次比較を設計する
  • 白内障は「手術料」単体ではなく、外来/入院・短期滞在・DPC等で請求総点数が変わるため、包括設計の変更有無をセットで確認する
  • 中医協資料には白内障(例:水晶体再建術)の請求総点数データが示されており、入院から外来への移行が論点になっている
  • 緑内障は術式と材料の影響が大きく、技術料だけでなく材料価格改定も含めて損益を確認する
  • 改定後はレセプト審査が揺れやすいため、告示・通知・疑義解釈で最終確定し、早期にシミュレーションを更新する

参照ソース

  • 厚生労働省「令和8年度診療報酬改定について(ポータル)」: https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_67729.html
  • 厚生労働省「診療報酬改定について(令和7年12月24日)」: https://www.mhlw.go.jp/content/12401000/001620952.pdf
  • 厚生労働省(中医協 総会 第625回)「個別事項について(その6)入院から外来への移行」: https://www.mhlw.go.jp/content/10808000/001591981.pdf
  • 厚生労働省「令和8年度診療報酬改定の基本方針」: https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_66800.html

この記事を書いた人

辻 勝

辻 勝

会長税理士

税理士 / 行政書士

税理士法人 辻総合会計の会長。40年以上の実務経験を持ち、相続税・事業承継を専門とする。多くの医療法人・クリニックの顧問を務める。

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