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作成日:2026.01.24
辻 勝

執筆者:辻 勝

会長税理士

【保存版】個人事業主の経費一覧|どこまでOKか税理士解説

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【保存版】個人事業主の経費一覧|どこまでOKか税理士解説

個人事業主の「経費」とは(必要経費の基本)

個人事業主の経費とは、原則として「事業の収入を得るために直接必要な支出(必要経費)」です。つまり、プライベートの支出は経費になりません。問題になるのは、事業と私用が混ざる支出(家事関連費)で、ここを誤ると否認リスクが高まります。

国税庁は、必要経費を「売上原価など収入に直接要した費用」と「販売費・一般管理費など業務上の費用」に整理し、さらに家事関連費は業務上必要な部分を明確に区分できる場合に限り必要経費になるとしています。まずはこの大原則を押さえることが、最短で正確な判断につながります。

当法人(税理士法人 辻総合会計)でも、フリーランス・小規模事業者の記帳・申告支援を30年以上行ってきましたが、トラブルの多くは「何を買ったか」より「事業との関係性を説明できるか」に集中します。

経費計上は「支払日」ではなく「その年の費用か」が重要

必要経費は、単にその年に支払ったかどうかではなく、原則としてその年に債務が確定したものを計上する考え方が示されています(例外として減価償却費などがあります)。年末の前払い・未払い、契約の締結日と提供日がずれるケースなどは、年度区分に注意が必要です。

ここがポイント
「事業に関係する」だけでは弱いことがあります。税務調査で問われるのは、(1)何のために、(2)誰と、(3)どの業務に、(4)いくら使ったかを、取引記録や証憑で説明できるかです。説明できない支出は、グレーではなく“否認されやすい”と捉えるのが安全です。

経費にできるもの一覧(フリーランス共通の代表例)

「フリーランス 経費 一覧」として頻出の項目を、実務で判断しやすいように整理します。ポイントは事業との対応関係が説明できるか、そして記録が残っているかです。

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区分経費にできる典型例判断のポイント(否認されやすい例)
仕入・外注費商品仕入、制作外注、業務委託費家族への支払は原則NG(別制度の対象になることあり)
消耗品費文房具、印刷用紙、10万円未満の備品高額備品は資産計上・減価償却の検討が必要
通信費業務用回線、業務用SIM、クラウド利用料私用混在は按分が必要(根拠がないと否認リスク)
旅費交通費打合せ移動、出張交通費、宿泊費観光や私用同伴が混じると説明が難しくなる
会議費少額の打合せ飲食、会議室利用交際費性が強い・高額・頻繁だと要注意
広告宣伝費Web広告、名刺、SNS運用ツール個人の趣味アカウント運用は業務性が弱くなる
地代家賃事務所家賃、レンタルオフィス自宅兼用は家事関連費で按分が必要
水道光熱費事務所の電気・水道自宅兼用は按分が必要、推計根拠を残す
租税公課個人事業税、印紙税、固定資産税(事業部分)所得税・住民税は経費にならない
支払手数料振込手数料、決済手数料、専門家報酬私用送金の手数料は対象外
研修費・図書業務に必要な講座、専門書資格・学習でも業務関連性が弱いと否認されやすい
減価償却費パソコン、カメラ等の事業用資産10万円以上の備品は原則一括経費化できない

経費にできないもの一覧(よくある誤解と線引き)

「経費どこまで?」で最も多いのは、私生活の支出を“事業っぽく見せる”パターンです。国税庁は、家事上の費用(私的費用)は必要経費にならないとしたうえで、例として所得税・住民税、罰金・科料等を挙げています。実務では、次のようなものは原則として経費にできません。

  • 所得税・住民税(税金でも経費にならない代表例)
  • 国民年金・国民健康保険料(社会保険料控除の対象で、必要経費ではない)
  • 罰金、反則金、延滞税等(ペナルティ性の支出)
  • 私的な飲食、衣服、美容、娯楽費
  • 事業と無関係なプレゼント、家族旅行費用
  • 生計を一にする親族への家賃・地代の支払い(原則として必要経費にならない取扱いが示されています)

「グレー」ではなく「按分・立証」の問題として捉える

自宅兼事務所の家賃や通信費は、内容自体がNGなのではなく、事業割合を合理的に区分し、根拠を残せるかが勝負です。ここを曖昧にすると、調査時に“全額私用”として否認されるリスクが上がります。

ここがポイント
領収書がない支出でも、直ちに経費不可とは限りません。ただし、取引の記録(帳簿)と客観資料(クレカ明細、予約履歴、メール、納品書等)で補強できない場合は、税務上の説明が困難になります。結論として、証憑は「ある前提」で設計するのが現実的です。

家事関連費(自宅家賃・光熱費・通信費)はどう按分する?

国税庁は、家事関連費のうち必要経費になるのは「取引の記録などに基づいて、業務上直接必要であったことが明らかに区分できる場合」に限るとしています。また、必要部分を明らかに区分できるなら、割合が50%以下でも差し支えない旨も示されています。

実務で使いやすい按分例は次のとおりです(“結論ありき”ではなく、算定根拠が説明できることが重要です)。

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支出按分の代表的な根拠記録として残すもの
家賃事業使用面積 ÷ 延床面積間取り図、使用部屋の写真、面積計算メモ
電気代事業使用時間 ÷ 総使用時間(又は部屋別)業務時間の記録、在宅稼働日のメモ
通信費事業利用割合(通話・データ)通話明細、業務用アプリ・回線の分離
自家用車事業走行距離 ÷ 総走行距離走行ログ、訪問先・日付の記録

按分は、毎月同じルールで継続し、年度途中で変える場合は「業務量が増えた」「部屋を追加した」など合理的理由と証跡を残してください。

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経費計上の手順(迷ったときの判断フロー)

「何を経費にするか」より、「どう判断し、どう残すか」が重要です。次の手順に沿うと、判断ブレと否認リスクを同時に下げられます。

Step 1: 支出目的を1文で言語化する

  • 「〇〇案件の制作のため」「△△社との打合せのため」など、業務との関係を明確にします。
  • ここが書けない支出は、経費化を慎重に検討します。

Step 2: 証憑と取引記録をセットで保存する

  • 領収書・請求書に加え、メール、発注書、納品物、予約履歴などを紐づけます。
  • 国税庁は、申告のために日々の取引を記帳し、帳簿や書類を一定期間保存する必要があると案内しています。

Step 3: 家事関連費は按分根拠を作り、ルール化する

  • 面積、時間、回数、距離など、第三者が追試できる尺度を選びます。
  • 按分メモ(計算式)を作って、年度末に再現できる状態にします。

Step 4: 会計処理(勘定科目)を固定し、例外だけ注記する

  • 科目を毎回変えると、説明コストが増えます。
  • 例外処理(高額・特殊)は摘要欄に背景を残します。
ここがポイント
消費税の課税事業者で仕入税額控除を行う場合や、インボイス関係書類を扱う場合は、保存年数が通常と異なることがあります。税目をまたぐ運用(所得税+消費税)では、保存要件を統一しておくと安全です。

よくある質問

Q: 経費はどこまで認められますか?(プライベートとの境界が不安です) ▼

A:

原則は「収入を得るために直接必要な支出」です。私的支出は経費になりません。自宅家賃・光熱費・通信費などの家事関連費は、取引記録等に基づき業務部分を明確に区分できる場合に限り、区分した金額が必要経費になります。
Q: 領収書がない支出は経費にできませんか? ▼

A:

直ちに不可とは限りませんが、税務上は取引記録と客観資料が不可欠です。クレジット明細、請求メール、予約履歴、納品記録などで支出内容と業務関連性を説明できない場合、否認リスクが高くなります。
Q: スーツや私服、日用品は経費になりますか? ▼

A:

原則として難しいことが多いです。衣服や日用品は通常「家事上の費用」と評価されやすく、業務専用であることの立証が困難です。業務専用の制服など、用途が明確に限定される場合は個別判断になります。
Q: 自宅兼事務所の按分割合は何%が相場ですか? ▼

A:

「相場」より「合理的根拠」が重要です。面積(事業使用面積/延床面積)や業務時間など、説明可能な尺度で算定し、継続適用してください。割合そのものより、根拠資料の有無が争点になりやすいです。

まとめ

  • 個人事業主の経費は、原則として「収入を得るために直接必要な支出(必要経費)」
  • 家事上の費用は経費にならないが、家事関連費は業務部分を明確に区分できれば経費化可能
  • 所得税・住民税、罰金等は経費にならない代表例
  • 自宅家賃・光熱費・通信費は按分根拠(面積・時間・距離など)を作り、継続運用する
  • 迷った支出ほど、目的の言語化・証憑保存・摘要メモで「説明可能性」を高める

参照ソース

  • 国税庁「No.2210 必要経費の知識」: https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2210.htm
  • 国税庁「所得税基本通達〔家事関連費(第1号関係)〕」: https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/shotoku/07/01.htm
  • 国税庁「記帳や帳簿等保存・青色申告」: https://www.nta.go.jp/publication/pamph/koho/kurashi/html/01_2.htm

この記事を書いた人

辻 勝

辻 勝

会長税理士

税理士 / 行政書士

税理士法人 辻総合会計の会長。40年以上の実務経験を持ち、相続税・事業承継を専門とする。多くの医療法人・クリニックの顧問を務める。

ご注意事項

本記事の内容は、公開日時点における一般的な情報提供を目的としており、 特定の個人や法人に対する専門的なアドバイスを構成するものではありません。

税務・会計・法務等に関する具体的なご相談については、 必ず資格を持った専門家にご確認ください。 本記事の情報に基づいて行われた判断や行動により生じた損害について、 当事務所は一切の責任を負いかねます。

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