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相続・事業承継コラム
作成日:2026.01.24
更新日:2026.02.14
辻 勝

執筆者:辻 勝

会長税理士

【2025年最新】住宅資金贈与の非課税特例|条件と手続き

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【2025年最新】住宅資金贈与の非課税特例|条件と手続き

住宅取得資金贈与の非課税特例とは、父母・祖父母など直系尊属から住宅の新築・購入・増改築のための資金贈与を受けた場合に、一定要件を満たせば最大1,000万円まで贈与税が非課税になる制度です。期限や住宅性能の判定、申告手続きでつまずくと非課税が使えないため、条件と段取りを先に押さえることが重要です。

住宅取得資金贈与の非課税とは

この制度(住宅取得等資金の贈与税の非課税措置)は、令和6年1月1日〜令和8年12月31日までの贈与が対象です。非課税枠は住宅の区分で変わり、「省エネ等住宅」に該当すると上限が引き上がります。

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区分非課税限度額(受贈者1人あたり)典型例ポイント
省エネ等住宅1,000万円ZEH水準の省エネ住宅、耐震等級2以上等住宅性能証明書等の添付で判定
それ以外の住宅500万円一般的な新築・中古・増改築性能要件を満たさない場合はこちら

「省エネ等住宅」の判定は、原則として新築ならZEH水準(断熱等性能等級5以上かつ一次エネルギー消費量等級6以上)などの基準で行います。経過措置として、一定時期までの建築確認・建築の住宅は従前要件で判定できる取扱いもあるため、設計・施工段階での確認が実務上の要所です。

ここがポイント
「省エネ等住宅」に該当するかどうかは、営業資料や口頭説明ではなく、申告時に添付する「住宅性能証明書」等の書類で最終判断されます。契約前に、どの証明書が発行可能かを施工会社・検査機関に確認するのが安全です。

住宅 親 贈与 非課税の仕組みと、非課税が使えない典型パターン

検索で「親から住宅資金をもらえば非課税」と理解されがちですが、非課税は自動ではありません。贈与税の申告をして初めて適用されます(税額が0でも申告が必要です)。

当法人(税理士法人 辻総合会計)でも、住宅資金贈与の相談は毎年多く、実務で多い失敗は次の3つです。

  • 贈与は受けたが、翌年3月15日までに資金を使い切れず要件を外れた
  • 住み始める時期が遅れ、翌年12月31日までに居住できず修正申告になった
  • 親族間売買・親族請負に該当し、そもそも対象外だった

制度は「住宅の取得等に充てる資金」を前提としているため、資金移動の時期・契約・決済・居住開始が一直線につながる設計が必要です。

住宅取得資金贈与の非課税特例|条件と手続きの流れを税理士が解説

住宅資金贈与 条件|受贈者・住宅・期限をチェック

非課税特例の主な要件は、次の3ブロックで整理すると確認しやすくなります。

受贈者の要件(だれが使えるか)

  • 贈与者が父母・祖父母などの直系尊属、受贈者が直系卑属であること
  • 贈与年の1月1日時点で18歳以上
  • 贈与年の合計所得金額が2,000万円以下(床面積40㎡以上50㎡未満の特例的ケースは1,000万円以下)
  • 原則として、過去(平成21年分〜令和5年分)の同特例の適用歴がないこと(例外あり)
  • 受贈時点で原則国内居住者であること(例外あり)

住宅の要件(どんな家が対象か)

  • 日本国内の住宅であること
  • 床面積が40㎡以上240㎡以下で、床面積の2分の1以上が居住用
  • 中古住宅は、原則として昭和57年1月1日以後に建築、または耐震基準適合の証明など所定要件
  • 増改築は、工事費100万円以上など所定要件

期限(いつまでに何をするか)

  • 贈与年の翌年3月15日までに、住宅取得等資金の全額を充てて新築・取得・増改築等を行う
  • 贈与年の翌年3月15日までに居住、または同日後遅滞なく居住する見込みがあること
  • 翌年12月31日までに居住していない場合、原則として特例が使えず修正申告が必要
ここがポイント
この制度は「期限内に資金を使い切る」「居住のタイミングを守る」という時間要件が強いのが特徴です。住宅ローンの実行日・引渡日・入居日がずれるケースほど、事前の工程表が有効です。

手続き(住宅取得資金贈与 非課税の申告)|必要書類と流れ

非課税を受けるには、贈与を受けた年の翌年2月1日〜3月15日に、所轄税務署へ贈与税申告書を提出します。税額が0でも提出が必要です。

Step 1: 贈与契約と資金使途の証拠を固める

  • 贈与契約書を作成(いつ、誰から誰へ、いくら、住宅資金に充てる旨)
  • 資金移動は振込で履歴を残す(現金手渡しは避ける)
  • 住宅の契約書・請負契約書・売買契約書、支払スケジュールを保管

Step 2: 住宅区分(省エネ等住宅か否か)を判定し、証明書を手配する

  • 省エネ等住宅で1,000万円枠を狙う場合、住宅性能証明書等の発行可否と発行時期を確認
  • 経過措置の対象か(建築確認日等)もあわせて確認

Step 3: 贈与税申告書を作成し、添付書類を整える

一般的に、次のような書類が必要になります(案件により増減します)。

  • 非課税適用を受ける旨を記載した贈与税申告書
  • 戸籍の謄本など続柄がわかる書類
  • 新築・取得・増改築の契約書の写し
  • 省エネ等住宅の場合は住宅性能証明書等(必要に応じて確認済証・検査済証の写し等)
  • マイナンバー確認・本人確認書類(提出方法により)

Step 4: 期限内に提出し、入居後も要件充足をフォローする

  • 提出先は納税地の所轄税務署
  • 入居時期が遅れる場合は、翌年12月31日までの居住要件を意識して管理する
  • 結果として要件を外れた場合は、速やかに修正申告の要否を検討する
教育資金贈与1500万円非課税の条件と手続き|対象費用・注意点を税理士が解説

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住宅取得資金贈与の非課税特例は、直系尊属からの資金贈与について省エネ等住宅1,000万円・その他500万円まで贈与税が非課税となる制度です。適用期間(令和6年〜令和8年)や年齢・所得・床面積などの条件、申告期限(翌年2/1〜3/15)と添付書類、失敗しやすい注意点まで整理します。親・祖父母など直系尊属から住宅購入や新。

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注意点とリスク|他の贈与制度(暦年・相続時精算課税)との関係

住宅資金贈与の非課税は、他の制度と併用・選択の判断が絡みます。特に、暦年贈与(基礎控除110万円)や相続時精算課税は、家族全体の資産移転計画に影響するため、単年の「非課税枠の最大化」だけで決めない方が安全です。

比較のイメージは次のとおりです(制度の適用可否・税額は個別事情で変わります)。

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観点住宅取得等資金の非課税暦年贈与(基礎控除)相続時精算課税
目的住宅取得資金に限定して非課税枠を上乗せ毎年少しずつ資産移転生前にまとめて移転し相続時に精算
非課税・控除の規模最大1,000万円(省エネ等住宅)年110万円特別控除等の枠組み(精算あり)
手続き贈与税申告が必須ケースにより不要適用選択の届出・申告が必要
リスク期限・居住・書類不備で否認長期計画が必要一度選ぶと原則撤回不可など

当法人では、住宅取得をきっかけに「親の相続対策」まで同時に整理する相談が多く、住宅資金贈与を単発で終わらせず、遺言・不動産の名義・生命保険・二次相続まで含めた設計を推奨しています。

よくある質問

Q: 親から1,000万円もらえば、贈与税は必ず0になりますか? ▼
いいえ。1,000万円は「省エネ等住宅」に該当し、かつ受贈者・住宅・期限などの要件を満たした場合の上限です。該当しない住宅は上限500万円です。また、非課税にするには贈与税申告が必要です。
Q: 住宅資金贈与の非課税を使うとき、贈与契約書は必須ですか? ▼
法令上「契約書がないと不可」と一律には言い切れませんが、税務上は贈与の事実・時期・資金使途を示す証拠が重要です。実務では贈与契約書を作成し、振込で資金移動の記録を残す運用が安全です。
Q: 申告後に入居が遅れてしまった場合はどうなりますか? ▼
贈与年の翌年12月31日までに居住していない場合、原則として特例が使えず修正申告が必要になります。引渡し遅延など事情がある場合でも、要件を満たす見込みの立て方が重要なので、早めに税理士へ相談してください。

まとめ

  • 住宅取得資金贈与の非課税特例は、直系尊属からの住宅資金贈与が最大1,000万円まで非課税になる制度
  • 適用期限は令和6年1月1日〜令和8年12月31日で、住宅の区分により上限(1,000万円/500万円)が異なる
  • 受贈者(年齢・所得)要件、住宅(床面積・耐震等)要件、期限(翌年3月15日までの充当・申告、居住時期)を同時に満たす必要がある
  • 非課税でも贈与税申告が必須で、住宅性能証明書など添付書類の準備が成否を分ける
  • 暦年贈与・相続時精算課税との関係まで含め、家族全体の資産計画として検討するのが安全

参照ソース

  • 国税庁「No.4508 直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税」: https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4508.htm
  • 国土交通省「住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置」: https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk2_000018.html

この記事を書いた人

辻 勝

辻 勝

会長税理士

税理士 / 行政書士

税理士法人 辻総合会計の会長。40年以上の実務経験を持ち、相続税・事業承継を専門とする。多くの医療法人・クリニックの顧問を務める。

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