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相続・事業承継コラム
作成日:2025.03.04
更新日:2026.01.02
辻 勝

執筆者:辻 勝

会長税理士

相続手続きの流れ|死亡後にやることリスト【時系列】|税理士が解説

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相続手続きの流れ|死亡後にやることリスト【時系列】|税理士が解説

相続手続きの流れとは(結論)

相続手続きの流れは、「死亡直後の届出・解約」「相続人と財産の確定」「遺産分割」「期限付きの税務(3か月・4か月・10か月)」「名義変更(不動産は3年以内)」の順で進みます。特に、期限のある手続きが混ざるため、時系列でタスクを分解して管理することが実務上の近道です。

税理士法人 辻総合会計では30年以上にわたり、相続税申告だけでなく「死亡後の実務(口座・保険・年金・不動産名義)」まで一気通貫で支援してきました。現場で多いのは「とりあえず葬儀が終わってから」と動き出しが遅れ、3か月・4か月の期限に追われるケースです。以下は、迷いが出やすいポイントを踏まえた時系列チェックリストです。

死亡直後〜7日以内にやること(まず止める・集める)

死亡直後は、生活インフラと行政手続きが中心です。ここでの目的は、証明書類を確保し、後工程(相続人調査・財産調査・請求手続き)に備えることです。

Step 1: 医療機関で死亡診断書(死体検案書)を受領する

死亡診断書は、火葬許可・年金・保険金請求・相続の各所で提示が必要になります。原本は複数枚必要になることがあるため、提出先の要件に合わせてコピーを準備します。

Step 2: 死亡届(役所)と火葬許可の取得

市区町村で死亡届を提出し、火葬許可を受けます。葬儀社が代行することもありますが、家族側でも「どこに何を提出したか」を控えておくと後で混乱しません。

Step 3: 葬儀・埋葬に関する領収書を整理する

葬儀費用は相続税計算で控除対象になり得ます。領収書は名義・日付・支払方法が分かる形で保管します。

ここがポイント
銀行口座は金融機関が死亡を把握すると凍結されることがあります。凍結自体は「相続人が決まるまでの安全装置」ですが、公共料金の引落しやクレジット決済が止まる可能性があるため、支払の代替手段(家族口座・払込票等)を早めに用意しておくと実務が安定します。

7日〜14日頃にやること(年金・保険・勤務先の手続き)

ここからは「受給・保険・勤務先」など、死亡後の生活契約を整えるフェーズです。

  • 年金:受給停止・未支給年金・遺族年金の請求準備(該当者のみ)
  • 健康保険:被保険者資格喪失、葬祭費等の請求(加入制度により名称・窓口が異なります)
  • 介護保険:資格喪失、関連サービスの精算
  • 勤務先:死亡退職に関する書類(源泉徴収票、退職金、死亡弔慰金など)

この段階で「何が相続財産になるか」を意識し始めると後が楽です。具体的には、生命保険金は一般に「受取人固有の財産」として扱われることが多く、預貯金・有価証券・不動産とは流れが異なります。財産の種類ごとに窓口が違う点が、手続きが複雑に見える主因です。

2週間〜1か月でやること(相続の土台づくり:相続人と財産を確定)

この期間の主目的は「遺産分割の前提」を固めることです。手続きの遅延原因の多くは、相続人や財産が確定しないことにあります。

Step 1: 遺言書の有無を確認する

自筆証書遺言は保管状況によって家庭裁判所手続きが必要になる場合があります。まずは、遺言の存在を最優先で確認します。

Step 2: 相続人調査(戸籍の収集)を始める

被相続人の出生から死亡までの戸籍を連続で揃え、相続人を確定します。ここが確定しないと、金融機関・法務局・税務の多くが前に進みません。

Step 3: 財産調査を始める(プラスとマイナスの両方)

  • プラス財産:預貯金、証券、保険、不動産、事業用資産、貸付金等
  • マイナス財産:借入金、未払金、連帯保証等

特にマイナス財産の見落としは、3か月期限(相続放棄)に直結します。借入・保証の有無は早期に確認してください。

3か月以内・4か月以内の期限(相続放棄と準確定申告)

死亡後の「最初の山場」が3か月と4か月です。ここで判断が固まらないと、後工程(遺産分割・相続税申告)も遅れます。

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期限の目安手続き目的・注意点
3か月以内相続放棄・限定承認の検討と申述マイナス財産が多い場合のリスク回避。判断には財産調査が前提。
4か月以内準確定申告(所得税)被相続人の死亡年の所得を相続人が申告・納税。
10か月以内相続税の申告・納税課税対象・特例適用・評価が確定していることが前提。
3年以内不動産の相続登記名義変更の法定期限。遺産分割が未了でも「相続人申告登記」で先行対応の選択肢。
ここがポイント
相続放棄を検討している場合、遺産を処分・使用すると「単純承認」と評価されるリスクがあります。支払い・解約・売却などを行う前に、どの行為が問題になり得るか専門家に確認してから動く方が安全です。

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10か月以内にやること(相続税申告・納税)と、その前提タスク

相続税は「申告が必要か」の判定から始まります。申告が必要な場合、評価・特例・分割の整合が取れないと提出できません。

Step 1: 相続税の申告要否を判定する

基礎控除等を踏まえ、課税対象かどうかを整理します。申告不要でも、遺産分割や名義変更は別途必要です。

Step 2: 遺産分割協議(または遺言執行)を進める

遺産分割協議書は、金融機関解約・不動産登記・相続税実務の中核書類です。押印・印鑑証明・日付・対象財産の特定が不十分だと差戻しが起きます。

Step 3: 評価と特例適用の検討を行う

不動産評価や非上場株式評価などは時間がかかります。相続税の申告が必要そうなら、早期に資料収集(固定資産税課税明細、賃貸借契約、決算書等)を始めます。

10か月以降〜3年以内にやること(名義変更の完了:不動産は期限管理)

相続手続きは「税務で終わり」ではありません。名義変更を放置すると、二次相続・共有化・売却遅延などの実務トラブルが増えます。

  • 預貯金:解約・名義変更、相続人への払戻し
  • 証券:移管・解約、配当の取扱い確認
  • 自動車:名義変更、保険の切替
  • 不動産:相続登記(遺産分割後の登記まで含めて完了)
  • 各種契約:賃貸借、サブスク、携帯、公共料金の名義や解約

2024年4月以降、相続登記は原則として「相続で取得を知った日から3年以内」が義務となっています。過去の相続で未登記の場合も猶予期間の考え方があるため、未登記不動産の棚卸しを行い、優先順位を付けて着手することが重要です。

よくある質問

Q: 相続手続きは何から始めるのが正解ですか? ▼

A:

死亡直後は「死亡診断書の確保→死亡届・火葬許可→支払・契約の整理」が優先です。その後すぐに、遺言確認と戸籍収集に着手し、3か月・4か月の期限判断に備える流れが実務上の最短ルートです。
Q: 相続放棄を考えています。銀行口座の引き出しはしてもよいですか? ▼

A:

目的や方法によってはリスクになります。相続放棄を前提にするなら、引き出し・売却・解約など「財産を処分した」と見られる行為は慎重に扱うべきです。まずは借入・保証の有無を含む財産調査を行い、必要なら専門家に個別判断を確認してください。
Q: 相続税の申告が不要でも、不動産の名義変更は必要ですか? ▼

A:

必要です。相続税の要否と、不動産の相続登記は別の論点です。申告不要でも登記を放置すると、売却や担保設定ができず、相続人が増えて手続きコストが膨らむ典型パターンになります。

まとめ

  • 相続手続きは「死亡直後→相続人・財産の確定→期限手続き→名義変更」の順で進む
  • 期限の山場は3か月(相続放棄等)、4か月(準確定申告)、10か月(相続税申告)
  • 不動産は相続登記を期限管理し、未登記を棚卸しして優先順位を付ける
  • 書類収集(戸籍・財産資料)を早期に始めると、期限判断が安定する
  • 個別事情で最適解が変わるため、迷う論点は早めに専門家へ相談する

参照ソース

  • 法務省「相続登記の申請義務化について」: https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00599.html
  • 国税庁「No.4205 相続税の申告と納税」: https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4205.htm
  • 国税庁「No.2022 納税者が死亡したときの確定申告(準確定申告)」: https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2022.htm
  • 日本年金機構「遺族年金を請求する方の手続き」: https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/tetsuduki/izoku/seikyu/index.html

この記事を書いた人

辻 勝

辻 勝

会長税理士

税理士 / 行政書士

税理士法人 辻総合会計の会長。40年以上の実務経験を持ち、相続税・事業承継を専門とする。多くの医療法人・クリニックの顧問を務める。

ご注意事項

本記事の内容は、公開日時点における一般的な情報提供を目的としており、 特定の個人や法人に対する専門的なアドバイスを構成するものではありません。

税務・会計・法務等に関する具体的なご相談については、 必ず資格を持った専門家にご確認ください。 本記事の情報に基づいて行われた判断や行動により生じた損害について、 当事務所は一切の責任を負いかねます。

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