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相続・事業承継コラム
作成日:2025.09.04
更新日:2026.01.02
辻 勝

執筆者:辻 勝

会長税理士

相続税税理士費用相場と選び方|2026年版・依頼前チェック

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相続税税理士費用相場と選び方|2026年版・依頼前チェック

相続税を税理士に依頼する費用相場は、「遺産総額の一定割合」または「基本報酬+加算報酬」で決まることが多く、概ね20万円台から、案件によっては100万円超まで幅があります。問題は、金額そのものよりも追加料金がどこで発生するかと、相続税に強い税理士かどうかを見抜けるかです。相続税は土地評価・特例適用・分割設計などで結果が変わりやすく、依頼先の力量差が出やすい領域ではないでしょうか。

相続税を税理士に依頼する費用相場はいくら?

相続税申告の報酬は、次のいずれか、または両者の組み合わせで提示されることが一般的です。

  • 遺産総額に対する料率型(例:0.5%〜1.0%程度)
  • 基本報酬+加算型(例:基本30万円+土地評価・非上場株評価などを加算)

当法人(税理士法人 辻総合会計)の相談実務でも、金額差の理由は「財産の種類」と「評価・資料収集の工数」に集約されます。現預金中心の相続と、不動産や非上場株が絡む相続では、同じ遺産総額でも難易度が別物です。

料金目安(遺産総額別・実務レンジ)

※あくまで目安です。地域・事務所規模・財産構成・申告期限までの残期間により変動します。

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遺産総額(概算)報酬の目安典型的な内容
〜5,000万円20万〜50万円現預金・上場株中心、土地が少ない
5,000万〜1億円40万〜90万円自宅土地あり、小規模宅地等の検討が必要
1億〜3億円80万〜200万円土地複数、賃貸不動産、評価・分割検討が増える
3億円超200万円〜非上場株、複雑な分割、二次相続まで設計するケース
ここがポイント
「遺産総額が大きい=高い」とは限りません。土地評価が多い/権利関係が複雑/資料が揃わないなど、工数が読みにくい案件ほど見積りが上振れしやすい点に注意してください。

費用の内訳とは?見積りで確認すべきポイント

見積りは「何が含まれていて、何が別料金か」を分解して読むと失敗が減ります。

基本報酬に含まれやすい業務

  • 財産・債務の一覧化、申告要否判定
  • 相続税申告書の作成・提出(電子申告含む)
  • 税務署対応(照会対応の範囲は要確認)
  • 遺産分割の一般的な助言(法務行為そのものは別領域)

加算されやすい項目(追加料金の“地雷”)

  • 土地評価(路線価評価・倍率評価):1利用区分・1筆ごとに加算されることが多い
  • 賃貸不動産:契約書・レントロール確認、評価補正などで工数増
  • 非上場株式評価:資料収集・評価手法選択で高額化しやすい
  • 相続人が多い/遺産分割が未確定:打合せ回数・シミュレーションが増える
  • 期限間近の駆け込み:短期集中対応の追加料金

「安く見せる見積り」に要注意

一見安い提示でも、後から加算が積み上がると総額が読めません。最低限、次の3点は書面で明確にしてもらうのが実務的です。

  • 総額の上限(キャップ)や、加算の計算ルール
  • どの資料が揃えば追加が発生しないか(前提条件)
  • 税務署からの問い合わせ・税務調査の立会いが含まれるか

相続税に強い税理士の選び方|比較ポイントと落とし穴

相続税は「所得税・法人税の延長」と考えると危険です。選び方の軸は、相続税の“経験量”と“評価の解像度”に置くのが合理的です。

選び方のチェックリスト

  • 相続税申告の年間対応件数(目安でも良いので開示できるか)
  • 土地評価の体制(評価担当者、現地確認の有無、評価明細の説明力)
  • 特例適用(小規模宅地等・配偶者税額軽減等)の検討プロセスが明確か
  • 面談で、分割案と税額の関係をシミュレーションで示せるか
  • 連絡速度と担当者固定の有無(期限10か月の中で致命傷になりやすい)

避けたいサイン(赤旗)

  • 「とにかく安い」を強調し、加算の説明が曖昧
  • 土地評価を外注前提で、誰が責任を持つか不明
  • こちらの事情(相続人関係・財産種類)を聞かずに即見積り
  • 納税資金や二次相続まで話が及ばない

依頼の手順と必要書類|いつ動くべき?

相続税申告には期限があり、準備の遅れがそのままリスクになります。特に不動産がある場合、評価や賃貸資料の収集に時間がかかります。

Step 1: 初回相談(財産の棚卸し)
通帳・証券・不動産の固定資産税課税明細など、現時点で出せる資料を持参し、申告要否と難易度を把握します。

Step 2: 見積り取得(基本+加算を分解)
加算項目の単価と上限、期限間近の場合の追加条件を確認します。

Step 3: 契約・資料収集(不足資料の洗い出し)
戸籍一式、残高証明、評価資料(登記事項証明・公図等)、賃貸資料などを整理します。

Step 4: 評価・特例検討(分割案と税額を往復)
分割の方向性が固まるほど、特例や控除の適用判断が精緻になります。

Step 5: 申告・納税(提出後対応の範囲確認)
提出後の照会対応、修正申告の要否判断など、フォロー範囲を確認します。

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税理士に依頼するメリット・デメリットと注意点

メリット

  • 土地評価・特例適用の精度が上がり、申告の納得感が増す
  • 期限管理と資料収集の段取りが明確になり、心理的負担が軽い
  • 税務署対応の窓口が一本化され、コミュニケーションが整理される

デメリット(=対策で潰せる)

  • 報酬が発生する
    • 対策:見積りの内訳と上限、追加条件を契約前に固定化する
  • 税理士によって品質差がある
    • 対策:相続税の実績・体制・説明力を面談で評価する
ここがポイント
「自分で申告するか、税理士に依頼するか」で迷う場合、判断基準はシンプルです。土地がある、相続人間で分割が難しい、過去贈与がある、非上場株がある——これらが1つでも当てはまれば、早期に専門家へ相談するほうが安全側に寄りやすいです。

よくある質問

Q: 相続税の税理士報酬は値切れますか? ▼

A:

一律の値引き交渉より、「加算項目の単価」「上限(キャップ)」「前提資料が揃った場合の固定化」を詰めるほうが実務的です。総額が読める状態にすることが重要です。
Q: 相続税に強い税理士かどうか、面談で見抜くコツは? ▼

A:

土地評価の説明が具体的か、分割案と税額の関係をシミュレーションで示せるか、資料収集の段取りが明確かを確認してください。「何が難所で、どこがリスクか」を先に言語化できる税理士は信頼性が高い傾向です。
Q: 申告期限が近いのですが、まだ間に合いますか? ▼

A:

財産内容次第です。現預金中心なら短期対応が可能なこともありますが、土地評価や賃貸不動産、非上場株がある場合は工数が増えます。期限が近いほど追加料金が発生しやすいため、早期に現状資料を揃えて相談してください。

まとめ

  • 相続税の税理士費用は「料率型」または「基本+加算型」で、20万円台〜100万円超まで幅がある
  • 総額差は遺産総額よりも、土地評価・特例・資料収集の工数で決まりやすい
  • 見積りは「加算のルール」「上限」「前提条件」を書面で固定化すると失敗が減る
  • 選定は相続税の件数・土地評価体制・説明力(シミュレーション)で比較する
  • 期限が近いほどリスクと費用が上がるため、早めの棚卸しが重要

参照ソース

  • 国税庁「No.4205 相続税の申告と納税」: https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4205.htm
  • 国税庁「相続税申告書(e-Tax等に関する資料)」: https://www.nta.go.jp/publication/pamph/pdf/0019009-058.pdf
  • 衆議院「税理士法」: https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_housei.nsf/html/houritsu/01019510615237.htm

この記事を書いた人

辻 勝

辻 勝

会長税理士

税理士 / 行政書士

税理士法人 辻総合会計の会長。40年以上の実務経験を持ち、相続税・事業承継を専門とする。多くの医療法人・クリニックの顧問を務める。

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本記事の内容は、公開日時点における一般的な情報提供を目的としており、 特定の個人や法人に対する専門的なアドバイスを構成するものではありません。

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