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相続・事業承継コラム
作成日:2025.08.08
更新日:2026.01.02
辻 勝

執筆者:辻 勝

会長税理士

相続税の税率と早見表|財産額別の税額目安を税理士が解説

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相続税の税率と早見表|財産額別の税額目安を税理士が解説

相続税の税率は「財産に直接かける」のではなく、速算表で段階的に決まります

相続税の税率は10%〜55%の累進税率ですが、各人が取得した財産に単純に税率を掛ける計算ではありません。基礎控除後の課税遺産総額をいったん法定相続分で按分し、相続税の速算表に当てはめて「相続税の総額」を出したうえで、実際の取得割合に応じて各人へ割り振り、最後に各種控除(配偶者の税額軽減など)を差し引きます(国税庁)。

「だいたいどのくらいかかるか」を早く掴みたい方に向けて、後半に財産額別の早見表(税額目安)も掲載します。なお、相続は分割・控除・特例の有無で大きく変動するため、表はあくまで概算として活用してください。


相続税の税率表(速算表)をわかりやすく整理

相続税の税率(速算表)は、法定相続分に応ずる取得金額に対して以下のとおり定められています(国税庁)。

←横にスクロールできます→
法定相続分に応ずる取得金額税率控除額
1,000万円以下10%0円
1,000万円超〜3,000万円以下15%50万円
3,000万円超〜5,000万円以下20%200万円
5,000万円超〜1億円以下30%700万円
1億円超〜2億円以下40%1,700万円
2億円超〜3億円以下45%2,700万円
3億円超〜6億円以下50%4,200万円
6億円超55%7,200万円
ここがポイント
速算表は「税率が上がると、全額に高い税率がかかる」という仕組みではありません。各区分には控除額があるため、区分ごとに滑らかに税額が増える設計になっています。

相続税の速算表の使い方(計算手順)

ここでは「速算表をどこで使うか」を、実務で迷いやすい順番にまとめます。税理士法人 辻総合会計の相続税相談でも、最初につまずきやすいのは「課税遺産総額」と「法定相続分按分」の位置づけです。

Step 1: 正味の遺産額を出す
相続や遺贈で取得した財産(+一定の加算対象となる贈与)から、債務・葬式費用・非課税財産などを差し引いて「正味の遺産額」を把握します(国税庁)。

Step 2: 基礎控除を差し引き、課税遺産総額を出す
基礎控除額=3,000万円+600万円×法定相続人の数。正味の遺産額が基礎控除以下なら相続税はかかりません(国税庁)。

Step 3: 課税遺産総額を法定相続分で按分する
配偶者と子がいる場合は、原則として配偶者1/2、子1/2(子の人数で按分)で「法定相続分に応ずる取得金額」を作ります(国税庁)。

Step 4: 各人の按分額を速算表に当てはめ、相続税の総額を計算する
按分額×税率−控除額で各人分を算出し、合計して「相続税の総額」を出します(国税庁)。

Step 5: 実際の取得割合で税額を割り振り、税額控除を差し引く
遺産分割どおりに税額を配分した後、配偶者の税額軽減などの税額控除を反映して、最終の納税額が決まります(国税庁)。


相続税の早見表|財産額別の税額目安(モデルケース)

以下は「配偶者+子2人(法定相続人3人)」を前提に、正味の遺産額(概ね、財産−債務等)から基礎控除(4,800万円)を差し引いた後の税額目安を機械的に計算したものです。分割割合は法定相続分(配偶者1/2、子1/4・1/4)としています。

前提が変わると税額は変動しますが、相続税が増え始める水準感と、増え方の傾向を掴むのに有効です。

←横にスクロールできます→
正味の遺産額(目安)課税遺産総額(基礎控除後)相続税の総額(概算)配偶者軽減を考慮した納税総額の目安(※)
5,000万円200万円20万円10万円
8,000万円3,200万円350万円175万円
1億円5,200万円630万円315万円
1.5億円1.02億円1,495万円748万円
2億円1.52億円2,700万円1,350万円
3億円2.52億円5,720万円2,860万円
5億円4.52億円1.31億円6,555万円
10億円9.52億円3.56億円1.78億円

※「配偶者が法定相続分相当を取得し、配偶者の税額軽減の適用を受けられる」前提で、納税総額が概ね半分になるイメージとして示しています。実際は分割内容、申告要否、各種特例(小規模宅地等)、税額控除の適用状況で増減します。


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注意点|税率表・早見表の読み違いでズレやすいポイント

配偶者の税額軽減はインパクトが大きい

配偶者が取得した正味の遺産額が「1億6,000万円」または「法定相続分相当額」のどちらか多い金額までであれば、配偶者には相続税がかからない仕組みがあります(国税庁)。一方で、軽減を受けるには原則として申告が必要です。

「生前贈与の加算」など、2025年・2026年に影響が出る論点

相続開始前の贈与が相続税の課税価格に加算される場合があります。特に、令和6年(2024年)以後の暦年贈与について、加算対象期間が相続開始前7年以内となる点は、シミュレーションに影響しやすい論点です(国税庁)。

早見表は「誰がどれだけ相続するか」で上下します

同じ正味の遺産額でも、相続人の人数、分割割合、相続人以外(受遺者)の有無で税額は変わります。相続税は家族構成の税とも言われるため、家族構成を置いた概算と、個別試算は分けて考えるのが安全です。


よくある質問

Q: 相続税の税率は、相続した財産の全額にそのまま掛かりますか? ▼

A:

いいえ。課税遺産総額を法定相続分で按分した金額に速算表を適用して相続税の総額を出し、その後で実際の取得割合で配分し、控除を差し引く流れです(国税庁)。
Q: 早見表の「正味の遺産額」は、預金残高だけを見ればよいですか? ▼

A:

いいえ。不動産、有価証券、保険金等も含めた財産から、債務・葬式費用・非課税財産などを考慮して「正味」を把握します。財産評価(特に不動産)で大きく変わるため、概算でも評価方法の前提を揃えることが重要です(国税庁)。
Q: 配偶者の税額軽減があるなら、配偶者が多めに相続すれば常に得ですか? ▼

A:

一概には言えません。配偶者が多く取得すると一次相続の税負担は下がりやすい一方、二次相続(配偶者が亡くなったとき)で子の負担が増えることがあります。家族の資産構成と将来の承継方針を踏まえ、一次・二次を通算した視点で検討するのが実務的です。

まとめ

  • 相続税の税率は10%〜55%の累進だが、計算は「速算表+法定相続分按分」が基本
  • 基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人)を超えると課税遺産総額が発生する
  • 早見表は「配偶者+子2人」など前提を置いた概算として、増え方の目安把握に有効
  • 配偶者の税額軽減や各種特例の有無で、最終税額は大きく変動する
  • 生前贈与の加算など、制度要素を落とさずに試算することが重要

参照ソース

  • 国税庁「No.4155 相続税の税率」: https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4155.htm
  • 国税庁「財産を相続したとき(暮らしの税情報 令和7年度版)」: https://www.nta.go.jp/publication/pamph/koho/kurashi/html/05_5.htm
  • 国税庁「No.4158 配偶者の税額の軽減」: https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4158.htm

この記事を書いた人

辻 勝

辻 勝

会長税理士

税理士 / 行政書士

税理士法人 辻総合会計の会長。40年以上の実務経験を持ち、相続税・事業承継を専門とする。多くの医療法人・クリニックの顧問を務める。

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