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中小企業向けコラム
作成日:2025.01.02
更新日:2026.01.02
辻 光明

執筆者:辻 光明

代表税理士

コロナ融資返済が厳しい時の対処法|資金繰りを税理士が解説

8分で読めます
コロナ融資返済が厳しい時の対処法|資金繰りを税理士が解説

コロナ融資の返済が厳しいときの結論(最初に読むポイント)

コロナ融資の返済が厳しい場合、最優先は「延滞してから動く」のではなく、返済が詰まる前に金融機関へ条件変更を相談することです。返済猶予(元金据置)や返済期間の延長などの「条件変更(リスケジュール)」、借換による負担軽減、専門家を入れた改善計画の策定で、資金繰りは立て直せるケースが少なくありません。

一方で、売上回復が見込めない・赤字が固定化しているのに先送りを続けると、資金ショートや差押え等のリスクが上がります。税理士法人 辻総合会計でも、コロナ融資返済の相談は「早めに現状を可視化し、打てる手を並べて優先順位を付ける」ことが、結果的に選択肢を増やすと実感しています。

コロナ融資(ゼロゼロ融資等)とは:いま返済が重くなる理由

コロナ禍では、実質無利子・無担保や信用保証付きの融資が広く利用されました。導入時は「当面の資金繰り確保」に効いた一方、据置期間が終わると元金返済が始まり、次の要因で返済負担が急に重く見えることがあります。

  • 据置終了により、元金+利息の支払いが一気に増える
  • 物価高・人件費上昇で粗利が圧迫され、返済原資が細る
  • コロナ後の需要変化で、売上構造が戻らない(固定費が重いまま)

まずは「返済が重い」の正体が、元金返済開始なのか、利益率の悪化なのか、固定費過多なのかを切り分けましょう。対処法が変わります。

リスケ(条件変更)と借換の違い:どちらを選ぶべきか

返済が厳しいときの代表的な打ち手は「条件変更(リスケ)」と「借換」です。目的は似ていますが、金融機関の見方や必要書類、効果が異なります。

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項目条件変更(リスケ)借換(借換保証等)
主な内容返済期限延長、元金据置、返済額減額など既存借入を新たな借入で一本化・組替え
目的目先のキャッシュ流出を止める月々返済の平準化・返済負担軽減+追加資金余力
ハードル比較的早く相談できるが、改善方針が求められる要件・書類が増えやすい(計画書、金融機関伴走等)
留意点追加融資が通りにくくなる場合がある保証料や条件の確認が必須
効果のイメージ「いったん呼吸を整える」「返済計画を組み替えて走り直す」

コロナ関連では、中小企業庁が「コロナ借換保証(民間ゼロゼロ融資等の返済負担軽減のための保証制度)」を案内しており、据置期間(例:5年以内)や保証料率(例:0.2%等)などの制度設計が示されています。取扱期間についても公表情報があるため、検討する場合は最新の公表資料を確認しましょう。

ここがポイント
「とりあえずリスケ」だけで終わらせると、資金繰りは一時的に楽になっても、根本原因(粗利不足・固定費過多・過剰在庫など)が残り、数か月後に再度行き詰まることがあります。条件変更は“時間を買う手段”と捉え、同時に改善策を走らせることが重要です。

具体的な対処法:金融機関に相談する前にやること(手順)

返済相談の成否は、相談内容そのものより「準備」で決まることが多いです。以下の順で整えると、金融機関との対話が進みやすくなります。

Step 1: 13週資金繰り表(週次)を作る

入金(売上・保険請求・回収予定)と出金(給与・家賃・仕入・税金・返済)を週単位で並べ、資金がいつ底をつくかを見える化します。「いつ、いくら足りないか」が言えないと、金融機関は条件変更の設計ができません。

Step 2: 返済負担のボトルネックを特定する

  • 元金返済開始が原因:据置延長や返済期間延長の余地
  • 粗利が落ちている:値付け・原価・人員配置の見直し
  • 固定費が重い:家賃交渉、リース整理、外注切替
  • 取引先回収が遅い:請求サイト短縮、ファクタリング検討(慎重に)

Step 3: 金融機関へ「選択肢」を持って相談する

相談は「返せません」ではなく、「この条件なら返済継続可能」という形に落とすのが実務的です。例としては次のような提示になります。

  • 返済期間を延長し、月返済を○万円にする
  • 6〜12か月の元金据置(利息のみ支払い)を設定する
  • 借換(保証付き)で返済を一本化し、返済を平準化する

Step 4: 必要資料を揃え、同時に改善策を走らせる

一般に求められやすいのは、直近決算、試算表、資金繰り表、返済予定表、簡易な改善計画(売上・利益の回復策)です。日本政策金融公庫も、コロナ影響を受けた事業者から融資・返済相談を受け付ける旨を案内しています。

ここがポイント
「複数行から借入がある」場合は、主取引金融機関(メインバンク)を起点に調整するのが基本です。金融機関間で足並みが揃わないと、条件変更が難航することがあります。

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注意点:やってはいけない行動と税務・信用面の影響

返済が厳しい局面ほど、判断を誤るとダメージが大きくなります。特に次は避けたいところです。

  • 無断延滞:金融機関との関係が悪化し、選択肢が狭まる
  • 税金・社保の後回し:差押え等の強制徴収リスクが高い(資金繰りを一気に崩す)
  • 資金繰りの“どんぶり勘定”:対策の優先順位が付かず、相談も通りにくい
  • 高コスト資金への安易な乗換え:短期でさらに詰む(手数料・金利負担)

また、条件変更(リスケ)は一般に「信用面の制約」が出やすく、追加融資や新規取引に影響することがあります。一方で、延滞してしまうよりは、早期に合意形成し、返済を継続できる条件に整えるほうが、実務上は合理的です。

相談先と支援策:無料窓口を活用して打ち手を増やす

社内だけで抱えると「削る」「借りる」しか見えなくなりがちです。以下の窓口は、計画づくりや金融機関対応の整理に役立ちます。

  • よろず支援拠点(中小企業基盤整備機構):経営相談を無料でワンストップ対応
  • 金融庁の金融円滑化に関する情報:金融機関に対し、貸付条件変更等への対応を促す枠組みの情報
  • 中小企業庁:借換保証等、返済負担軽減に資する施策の情報

加えて、税理士・中小企業診断士などの専門家を入れると、「資金繰り表の精度」「改善計画の説得力」「金融機関説明の筋道」が整い、合意形成が進むケースがあります。

よくある質問

Q: 返済が厳しいのですが、まず誰に相談すべきですか? ▼

A:

原則は借入先の金融機関です。延滞前に、資金繰り表(最低でも今後3か月、可能なら13週)と直近試算表を用意して相談します。並行して、よろず支援拠点等の無料窓口や税理士に相談し、改善計画の骨子を作ると交渉が進みやすくなります。
Q: リスケをすると追加融資は受けられませんか? ▼

A:

一律ではありませんが、一般に難易度は上がります。だからこそ、リスケは「時間を買う」手段と割り切り、固定費の圧縮や収益改善などの打ち手を同時に進め、返済可能性を示すことが重要です。
Q: コロナ借換保証はいつまで使えますか? ▼

A:

取扱期間は公表資料で示されています(例:2026年3月31日まで(予定)等)。制度は更新され得るため、申込前に中小企業庁の最新公表情報と、利用予定の金融機関・信用保証協会の案内を確認してください。

まとめ

  • 返済が厳しいときは、延滞前に条件変更(リスケ)や借換を金融機関へ相談する
  • 成否を分けるのは準備であり、13週資金繰り表で「いつ・いくら足りないか」を可視化する
  • リスケは時間を買う手段。固定費・粗利・回収サイトなどの改善策を同時に実行する
  • コロナ借換保証など、返済負担軽減策は公表要件・期限を確認して活用する
  • 無料の相談窓口(よろず支援拠点等)や専門家を使い、選択肢を増やす

参照ソース

  • 日本政策金融公庫「新型コロナウイルスに関する相談窓口」: https://www.jfc.go.jp/n/finance/saftynet/covid.html
  • 中小企業庁「民間ゼロゼロ融資等の返済負担軽減のための保証制度(コロナ借換保証)」: https://www.chusho.meti.go.jp/kinyu/sinyouhosyou/karikae.html
  • 金融庁「中小企業等に対する金融円滑化対策について」: https://www.fsa.go.jp/policy/chusho/enkatu.html

この記事を書いた人

辻 光明

辻 光明

代表税理士

税理士 / 認定経営革新等支援機関

税理士法人 辻総合会計の代表。クリニック開業支援・医療法人設立・クラウド会計導入を得意とし、オンラインでの税務顧問サービスを推進。

ご注意事項

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記事の内容は法令の改正等により変更される場合があります。 最新の情報については、関係省庁の公式サイト等でご確認ください。

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